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公開番号2025012317
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115064
出願日2023-07-13
発明の名称水処理装置および水処理方法
出願人オルガノ株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250117BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】逆浸透膜処理においてスケールによる逆浸透膜の閉塞の進行を抑制することができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【解決手段】カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理装置12と、被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加配管22と、を備え、逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置1である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、
前記逆浸透膜は中性荷電膜であることを特徴とする水処理装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水処理装置であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含むことを特徴とする水処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の水処理装置であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする水処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の水処理装置であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることを特徴とする水処理装置。
【請求項5】
カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理工程と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するスケール抑制剤添加工程と、
を含み、
前記逆浸透膜は中性荷電膜であることを特徴とする水処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の水処理方法であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含むことを特徴とする水処理方法。
【請求項7】
請求項5に記載の水処理方法であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする水処理方法。
【請求項8】
請求項5に記載の水処理方法であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることを特徴とする水処理方法。
【請求項9】
請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超えることを特徴とする水処理方法。
【請求項10】
請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、逆浸透膜を用いる水処理装置および水処理方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、純水製造や水回収などの水処理において逆浸透膜が用いられる機会が増加している。被処理水中の溶質が逆浸透膜処理によって濃縮され、溶質の溶解度を超え、スケールとして析出して逆浸透膜の膜面を閉塞させるスケーリングは、逆浸透膜を代表するトラブルの1つである。代表的なスケール成分としては、カルシウム、アルミニウム、シリカなどがある。
【0003】
スケーリングの対策として、逆浸透膜処理の濃縮水におけるスケール成分の濃度が、原則として、溶質の各々の溶解度を超えないように、また、ランゲリア指数LSI<0となるように、逆浸透膜処理装置の回収率を決定している。ここで、LSI(ランゲリア指数、Langelier Saturation Index)とは、硬度成分を含むスケールリスクの指標として知られており、水のpH、カルシウムイオン濃度、総アルカリ度、および溶解性物質濃度から求められる。この値が大きくなるほど、炭酸カルシウムの析出が生じやすくなり、他にも炭酸カルシウムを核とした、類似した性質を持つスケールの析出や共沈が生じやすくなる。LSIは、後述する式(1)にて算出することができる。
【0004】
一般的には、スケール成分の濃度が高いほどLSIの数値が高くなるため、LSI<0で管理することが推奨されている。さらには、その他のスケーリングの対策として、逆浸透膜処理の供給水にスケール抑制剤を添加することが知られている。例えば、特許文献1には、実施例にて、アニオン荷電膜(日東電工製超低圧RO膜「ES20」)を用いる逆浸透膜処理の供給水にスケールを分散させる薬剤(スケール抑制剤)を添加することが記載されている。
【0005】
しかし、LSI<0として回収率を下げることは、逆浸透膜の膜本数の増加やシステムの増大に繋がり、イニシャルコスト、ランニングコストを増加させる。さらに近年は、局所的な水不足や、水循環利用の広まりから、逆浸透膜処理の被処理水中のスケール成分の濃度が上昇しており、スケール抑制剤の添加だけでは、スケールによる膜閉塞の進行を抑制することが難しくなってきている。そのため、スケール抑制剤だけではなく、効果的なスケールの抑制手段が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6512322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、逆浸透膜処理においてスケールによる逆浸透膜の閉塞の進行を抑制することができる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置である。
【0009】
前記水処理装置において、前記被処理水は、さらにシリカを含むことが好ましい。
【0010】
前記水処理装置において、前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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