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公開番号
2025052804
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-07
出願番号
2023161714
出願日
2023-09-25
発明の名称
運転管理方法及び運転管理装置
出願人
オルガノ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G05B
23/02 20060101AFI20250328BHJP(制御;調整)
要約
【課題】管理対象のシステムがどのようなものであれそのシステムの運転及び状態に関してそのシステムから得られる時系列データに基づいて、そのシステムにおける機能材の交換時期の判定や異常の発生の検出などを正確かつ容易に行えるようにする。
【解決手段】管理対象のシステムの運転を管理する運転管理方法は、Nを2以上の整数として、管理対象のシステムからそのシステムの運転及び状態に関するN種類の量の各々についての時系列データを取得する工程(ステップ101,106)と、一連の平均化期間の各々ごとに時系列データの各々の平均値を算出する工程(ステップ102,107)と、N種類の量の各々を座標軸とするN次元空間(判別空間)において平均化期間ごとの平均値をプロットして散布データを生成する工程(ステップ103,108)とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
管理対象のシステムの運転を管理する運転管理方法であって、
Nを2以上の整数として、前記システムから当該システムの運転及び状態に関するN種類の量の各々についての時系列データを取得し、
前記システムにおいて定められた一連の平均化期間の各々ごとに前記時系列データの各々の平均値を算出し、
前記N種類の量の各々を座標軸とするN次元空間において前記平均化期間ごとの前記平均値をプロットして散布データを生成する、
運転管理方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記N次元空間における前記散布データでのプロット点の配置から、前記システムにおける異常の発生を検出する、請求項1に記載の運転管理方法。
【請求項3】
時間の経過に伴う前記平均化期間ごとの前記プロット点の前記N次元空間における位置の変化にも基づいて、前記システムにおける異常の発生を検出する、請求項2に記載の運転管理方法。
【請求項4】
前記平均値は、前記平均化期間内における対応する前記時系列データの値の重心値として表される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転管理方法。
【請求項5】
前記システムは、少なくともイオン交換装置を含む水処理システムであり、前記時系列データには、前記水処理システム内での水質に関するデータを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転管理方法。
【請求項6】
前記イオン交換装置における各通水工程を複数の期間に分割して分割された期間をそれぞれ前記平均化期間とする、請求項5に記載の運転管理方法。
【請求項7】
管理対象のシステムの運転の管理に用いる運転管理装置であって、
Nを2以上の整数として、前記システムから当該システムの運転及び状態に関するN種類の量の各々についての時系列データを取得して、前記システムにおいて定められた一連の平均化期間の各々ごとに前記時系列データの各々の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記N種類の量の各々を座標軸とするN次元空間において前記平均化期間ごとの前記平均値をプロットして散布データを生成する散布データ生成手段と、
を有する、運転管理装置。
【請求項8】
前記N次元空間における前記散布データでのプロット点の配置から、前記システムにおける異常の発生の有無を判別する判別手段をさらに備える、請求項7に記載の運転管理装置。
【請求項9】
前記判別手段は、時間の経過に伴う前記平均化期間ごとの前記プロット点の前記N次元空間における位置の変化にも基づいて、前記システムにおける異常の発生の有無を判別する、請求項8に記載の運転管理装置。
【請求項10】
前記平均値算出手段は、前記平均値として、前記平均化期間内における対応する前記時系列データの値の重心値を算出する、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の運転管理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水や超純水を製造する水処理システムに代表される各種のシステムの状態を監視してそれらのシステムの運転を管理する運転管理方法及び運転管理装置に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
原水から純水や超純水を生成する純水製造システムや排水処理を行う排水処理システムなどの水処理システムは、ろ過装置、活性炭装置、イオン交換装置、逆浸透膜装置、紫外線酸化装置、凝集沈殿装置、電気式脱イオン水製造装置(EDI(electrodeionization)装置)などの種々の装置を組み合わせて構成され、さらに、配管や熱交換器、ポンプなどを備えている。活性炭装置に充填される活性炭は適時に交換を行う必要がある機能材である。イオン交換装置に用いられるイオン交換樹脂も、再生処理を行うか交換を行う必要がある機能材である。このような機能材は、例えば運転時間や処理水量に基づいて交換されるが、運転時間や処理水量に基づいて交換した場合には、まだ使用可能な機能材を交換してしまうことがあり、機能材の交換時期の最適化が求められている。機能材の交換時期の最適化するためには、例えば処理水の水質を測定して水質データにおける変動を解析して機能材の性能を評価し、劣化の有無を判定することが考えられる。また、水処理システムでは、ポンプなども含めた各装置において障害が発生することがあり、早期にそのような異常の発生を検出して障害原因の特定を行うことが求められている。
【0003】
水処理システムにおいて、実際に測定されたデータに基づいて機能材の性能を評価したり、機能材の交換時期を判定したり、異常の発生の検出と障害原因の特定を行なったりすることは、その水処理システムを運転するときにその運転を管理して最適化することである。以下の説明では、運転の最適化を行うことも運転の管理を行うことに含まれるものとする。水質データなどに基づいて機能材の性能を評価したり、機能材の交換時期を判定したり、異常の発生の検出と障害原因の特定を行なったりすることには、従来、水質データの解析には熟練した技能が必要であるとされてきた。そこで、水処理システムの運転の管理を容易に行えるようにするために、各種の方法が提案されている。
【0004】
特許文献1は、水処理システム内のイオン交換樹脂塔に充填されるアニオン交換樹脂の性能評価方法として、イオン交換樹脂塔の入口水と出口水での無機態炭酸濃度の測定値から、無機態炭酸に対するアニオン交換樹脂の物質移動係数を算出し、この物質移動係数に基づいてアニオン交換樹脂の動的特性と劣化度合いとを評価することを開示している。特許文献2は、所定濃度の塩類水溶液と所定量のイオン交換樹脂とを混合接触させ、混合接触後の塩類水溶液の電気伝導度の経時変化を測定してイオン交換樹脂の性能を評価することを開示している。特許文献3は、並列設置された複数の同種かつ同処理容量のイオン交換樹脂塔を有し各イオン交換樹脂塔に同一の被処理水を通水して処理水を得る水処理システムにおいて、一部のイオン交換樹脂塔への通水を他のイオン交換樹脂塔よりも高負荷とし、高負荷のイオン交換樹脂塔の処理水での水質悪化が生じた場合に、そのときの積算負荷に基づいて、他のイオン交換樹脂塔の寿命を予測し、予測結果に基づいてその後の各イオン交換樹脂塔への通水量及び通水時間を制御することを開示している。
【0005】
特許文献4-8は、通水工程と再生工程とを繰り返すようにイオン交換装置を運転するときに、原水の水質などを測定して測定値に基づいて予測を行い、予測に基づいて通水工程から再生工程への切り替えを行うことを開示している。特許文献9は、移動床式のイオン交換装置において、通水塔への通水量、原水の導電率及びイオン交換水のシリカ濃度を検出し、通水量と導電率とから再生塔への再生薬剤注入量を演算し、演算値をシリカ濃度によって補正し、補正後の演算値により再生薬剤注入量を調整することを開示している。
【0006】
水処理システム以外のシステムにおいても、そのシステムにおける異常の発生を確実かつ容易に検出することが求められている。そのような課題を解決するものとして特許文献10は、連続圧延設備の1つであるサイジングプレス設備などの厳密に一定のパターンを繰り返して動作する設備の異常診断を行うために、一定のパターンに対応するパターンを繰り返す、設備の状態を示す時系列データをサンプリングし、サンプリングした時系列データに基づいて設備異常の診断を行うことを開示している。設備異常の診断では、サンプリングした時系列データの中の1つのパターンについて第1の主成分分析を行って第1の異常有無判定を行い、第1の異常有無判定が異常ありの場合に、第1の主成分分析を行ったパターンを含む時間的に連続する複数のパターンについて一括して第2の主成分分析を行って第2の異常有無判定を行い、第2の異常有無判定が異常ありの場合に設備異常があると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-48776号公報
特開2015-13276号公報
特開2018-111058号公報
特開2023-34710号公報
特開2014-188456号公報
特開2021-3675号公報
特開平5-277382号公報
特開平6-55082号公報
特公昭59-31377号公報
国際公開第2021/145156号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水処理システムの運転を管理することに関し、イオン交換装置におけるイオン交換樹脂の再生あるいは交換時期を予測する方法については多くの提案がなされているものの、異常の発生の検出と障害原因の特定とを容易に行うための提案はほとんどなされていない。特許文献10に記載された異常診断方法は、厳密に一定のサイクルで動作する設備を対象としたものであり、例えば原水の水質に応じて運転状態が変化しそれに伴ってイオン交換樹脂の再生タイミングも大きく変化するような水処理システムには適用することが難しい。また、水処理システムの中には、通水工程と再生工程とからなる周期のような明確な周期が存在しないものもあり、そのような水処理システムに対しても特許文献10の技術を適用することは難しい。また、水処理システムから得られる水質データも時系列データであると言えるが、管理対象のシステムから得られた時系列データを処理して機能材の交換時期の判定やシステムにおける異常の発生の検出などを行なおうとする場合、ハンチングなどによる時系列データにおける値のばらつきなどのために判定や検出の精度が低下する恐れがある。
【0009】
本発明の目的は、管理対象のシステムがどのようなものであれそのシステムの運転及び状態に関してそのシステムから得られる時系列データに基づいて、そのシステムの運転を正確かつ容易に管理できる運転管理方法及び運転管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
管理対象のシステムからそのシステムの運転及び状態に関する量xについての時系列データは、時刻tに関して離散的である場合があるものの、時刻tを独立変数とし、量xを従属変数とする関数x=f(t)として扱うことができる。従来、時系列データを用いてシステムにおける異常の発生を検出しようとするときは、時刻tを陽に含んだ関数f(t)における値の変化を検出して解析を行っていた。しかしながら、管理対象のシステムから得られる時系列データにはハンチングなどの影響が含まれ、それにより、解析精度の低下がもたらされる。また、時系列データそのものの解析には熟練した技能を必要とすることが多い。そこで本発明では、それぞれが異なる種類の量についての時系列データである複数の時系列データx
1
=f
1
(t),x
2
=f
2
(t),…を管理対象のシステムから取得し、時刻tの次元を圧縮する次元圧縮の手法を用い、それぞれの時系列データが表す量を座標軸とする空間内に、同じ時刻tでの各時系列データでの値x
1
,x
2
,…を点P(x
1
,x
2
,…)としてプロットとして散布データを生成する。散布データが生成される空間を判別空間と呼ぶ。実際には管理対象のシステムにおいて各々の量を厳密に同じ時刻において測定することは難しく、また、ハンチングの影響なども軽減したいから、平均化期間を定め、平均化期間ごとに時系列データx
1
=f
1
(t),x
2
=f
2
(t),…の各々の平均m
1
,m
2
,…を求め、判別空間内に点P(m
1
,m
2
,…)を配置して散布データとする。複数種類の時系列データに対して共通に定められるものであれば、平均化期間は、管理対象のシステムの運転形態に応じて適宜に定めることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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