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公開番号
2025076553
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-16
出願番号
2023188145
出願日
2023-11-02
発明の名称
電気式脱イオン水製造装置及びその運転方法
出願人
オルガノ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C02F
1/469 20230101AFI20250509BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】EDI装置(電気式脱イオン水製造装置)において、水資源の有効利用を図りつつ、運転開始から処理水の水質が所定レベルとなるまでの時間を大幅に短縮する。
【解決手段】陽極11及び陰極12と、陽極11と陰極12との間に配置されてイオン交換体が充填され、被処理水が通水されて処理水を排出する脱塩室23と、を備えるEDI装置を運転するときに、まず、陽極11と陰極12との間に直流電流を印加させた状態で、処理水を脱塩室23の入口に循環させて脱塩室12に供給する循環運転を実施する。循環運転を実施している期間において、印加される直流電流の値を変化させる(例えば、上昇させる)。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
電気式脱イオン水製造装置であって、
陽極及び陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に配置され、前記陽極に向いた側に設けられた第1のイオン交換膜と前記陰極に向いた側に設けられた第2のイオン交換膜によって区画されてイオン交換体が充填され、被処理水が供給されて処理水を排出する脱塩室と、
前記陽極と前記陰極との間に直流電流を印加する電源装置と、
前記脱塩室の出口に接続されて前記処理水が流入し、第1の出口と第2の出口との間で送出先を切り替えて前記処理水を排出する切替手段と、
前記第1の出口に接続されて前記処理水を前記脱塩室の入口に向けて還流させる第1の配管と、
前記第2の出口に接続されて前記処理水を前記電気式脱イオン水製造装置の外部に排出する第2の配管と、
前記処理水が前記第1の配管を介して前記脱塩室の入口に還流して前記脱塩室に供給される循環運転によって前記電気式脱イオン水製造装置が動作するように前記電源装置と前記切替手段とを制御することが可能な制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記循環運転によって前記電気式脱イオン水製造装置が動作している期間内において、前記電源装置を制御して前記直流電流の値を変化させる電流値変化制御を実行する電気式脱イオン水製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記電流値変化制御は、前記直流電流の値を増加させる制御を少なくとも含む、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記電気式脱イオン水製造装置の運転開始からまたは前記循環運転の開始から所定の時間が経過したときに前記電流値変化制御を実施する、請求項1または2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
【請求項4】
前記電気式脱イオン水製造装置内の所定の位置での水質を検出する水質センサーをさらに備え、
前記制御手段は、前記水質センサーでの測定値が所定の条件を満たすときに前記電流値変化制御を実行する、請求項1または2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記循環運転に先立って、前記処理水が前記第2の配管を介して排出される初期運転によって前記電気式脱イオン水製造装置が動作するように前記電源装置と前記切替手段とを制御する、請求項1または2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
【請求項6】
陽極及び陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され、前記陽極に向いた側に設けられた第1のイオン交換膜と前記陰極に向いた側に設けられた第2のイオン交換膜によって区画されてイオン交換体が充填され、被処理水が通水されて処理水を排出する脱塩室と、を備える電気式脱イオン水製造装置の運転方法において、
前記陽極と前記陰極との間に直流電流を印加させた状態で前記処理水を前記脱塩室の入口に還流させて前記脱塩室に供給する循環運転を実施し、
前記循環運転を実施している期間内において前記直流電流の値を変化させる電流値変化制御を実行する。電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
【請求項7】
前記電流値変化制御は、前記直流電流の値を増加させることを少なくとも含む、請求項6に記載の運転方法。
【請求項8】
前記電気式脱イオン水製造装置の運転開始からまたは前記循環運転の開始から所定の時間が経過したときに前記電流値変化制御を実施する、請求項6または7に記載の運転方法。
【請求項9】
前記循環運転を実施している期間において前記電気式脱イオン水製造装置内の所定の位置での水質を検出し、検出された水質値が所定の条件を満たすときに前記電流値変化制御を実行する、請求項6または7に記載の運転方法。
【請求項10】
前記循環運転に先立って、前記直流電流が印加されている状態で前記処理水が前記第2の配管を介して排出される初期運転を実施する、請求項6または7に記載の運転方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理水に対して脱塩処理を行って脱イオン水を生成する電気式脱イオン水製造装置とその運転方法とに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
被処理水中に含まれるイオン成分を除去して純水や脱イオン水を生成するために、イオン交換樹脂などのイオン交換体に対して被処理水を通水してイオン交換反応を生じさせ、これにより被処理水中のイオン成分を除去する脱イオン水製造システムが知られている。しかしながらこのようなシステムでは、イオン交換体に対する被処理水の通水を続けるにつれてイオン交換体のイオン交換基が飽和し、脱イオン性能が低下する。そのため、イオン交換体の脱イオン性能を回復させる処理を行う必要がある。イオン交換体の脱イオン性能を回復させる方法としては、イオン交換体自体を交換する方法のほかに、酸やアルカリなどの薬剤を用いてイオン交換体を再生する方法が知られている。薬剤を用いてイオン交換体を再生する方法では、薬剤を使用する分、コストが高くなるとともに、再生を行っているときは被処理水の脱塩処理を行うことができない、という課題が生じる。
【0003】
被処理水に対する脱塩処理を行いつつイオン交換体の再生処理も行うことができる脱イオン水製造システムとして、電気泳動と電気透析とを組み合わせることによって被処理水から脱イオン水を生成する電気式脱イオン水製造装置がある。電気式脱イオン水製造装置は、EDI(Electrodeionization)装置と呼ばれ、陽極と陰極との間に、1対のイオン交換膜によって区画されてイオン交換体が充填された脱塩室と、脱塩室において陽極に向いた側に配置された第1の濃縮室と、陰極に向いた側に配置された第2の濃縮室とを備えている。第1の濃縮室と脱塩室とを区画するイオン交換膜はアニオン交換膜であり、第2の濃縮室と脱塩室とを区画するイオン交換膜はカチオン交換膜である。EDI装置では、陽極と陰極との間に直流電流を印加した状態で被処理水を脱塩室に通水すると、被処理水中のイオン成分はイオン交換体に吸着され、同時に、直流電流による水の解離反応によって生じた水素イオン(H
+
)と水酸化物イオン(OH
-
)とによってイオン交換体の再生が行われる。その結果、脱塩室からは処理水として脱イオン水が排出される。イオン交換体の再生によってイオン交換体から脱離したアニオンはアニオン交換膜を介して第1の濃縮室に移動して第1の濃縮室から排出され、同様に脱離したカチオンはカチオン交換膜を介して第2の濃縮室に移動して第2の濃縮室から排出される。EDI装置は、薬剤によってイオン交換樹脂を再生する処理を不要として、連続的に被処理水に対する脱塩処理を実行することができるという利点を有する。
【0004】
EDI装置では、被処理水を脱塩室に通水するとともに直流電流を印加することによって、即座に脱イオン水を生成することができる。しかしながらEDI装置の運転を開始したときには、装置製作時の汚染や、装置の運転を休止していた期間における内部部材からの溶出物の影響により、脱イオン水として生成される処理水において不純物濃度が高くなる傾向がある。具体的には、EDI装置の運転を開始した初期には、イオン性不純物を多く含んで比抵抗値が低く、全有機炭素(TOC(Total Organic Carbon))濃度も高い処理水が生成される傾向がある。EDI装置の後段に設けられた装置に対して脱イオン水として処理水を供給する場合、EDI装置の規模などにも依存するが、EDI装置の運転開始の初期において例えば1~2日程度にわたって試運転を行い、試運転中に生成した処理水が後段の装置には供給されないようにする必要がある。試運転中に生成された処理水は、通常、そのまま排水として捨てられるので、水資源を有効利用する観点からは長時間の試運転を行うことは好ましくない。
【0005】
運転中のEDI装置ではその脱塩室においてイオン交換体の再生が行われているが、EDI装置の運転を長期にわたって継続した場合には、イオン交換体の再生が追い付かずにイオン交換体での不純物イオンの吸着量が増大し、その結果、生成される処理水の比抵抗の低下や、EDI装置において所定の直流電流を流すために必要な印加電圧値の上昇などが起こることがある。特許文献1は、陽極と陰極との間に直流電流を印加してEDI装置を運転しているときに、脱塩室から排出される処理水に二酸化炭素を添加し、二酸化炭素を添加した処理水を再び脱塩室に通水させることによって、脱塩室内のイオン交換体に吸着されていた不純物イオンを除去することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-129861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された方法は、EDI装置の運転開始初期において試運転の代わりに実行することが可能であるが、脱イオン水として生成される処理水での不純物濃度を低くするためには高純度の二酸化炭素が必要であり、そのような二酸化炭素が入手できないところでは実施することができない。また、特許文献1に記載された方法を実施したとしても、生成した処理水を脱塩室に還流させない一般的な試運転を行った場合に比べ、処理水の水質が安定するまでに要する時間が大幅に短縮されるわけではない。
【0008】
本発明の目的は、水資源の有効利用を図りつつ、運転開始から処理水の水質が所定レベルとなるまでの時間を大幅に短縮できるEDI装置とその運転方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、EDI装置(電気式脱イオン水製造装置)の運転を開始するときに、脱塩室から排出される処理水をその利用場所に供給するのに先立ってその処理水を脱塩室の入口に還流させる循環運転を行うとともに、陽極と陰極との間に印加される直流電流の電流値を循環運転中に変化させることにより、例えば大きくすることにより、運転開始から短時間で処理水の水質が向上することを見出し、本発明を完成させた。したがって本発明のEDI装置は、陽極及び陰極と、陽極と陰極との間に配置され、陽極に向いた側に設けられた第1のイオン交換膜と陰極に向いた側に設けられた第2のイオン交換膜によって区画されてイオン交換体が充填され、被処理水が供給されて処理水を排出する脱塩室と、陽極と陰極との間に直流電流を印加する電源装置と、脱塩室の出口に接続されて処理水が流入し、送出先を切り替えて処理水を排出する切替手段と、切替手段から排出される処理水を脱塩室の入口に向けて還流させる第1の配管と、切替手段から排出される処理水をEDI装置の外部に排出する第2の配管と、処理水が第1の配管を介して脱塩室の入口に還流して脱塩室に供給される循環運転によってEDI装置が動作するように電源装置と切替手段とを制御することが可能な制御手段と、を有する。制御手段は、循環運転によってEDI装置が動作している期間内において、電源装置を制御して直流電流の値を変化させる電流値変化制御を実行する。
【0010】
本発明のEDI装置の運転方法は、陽極及び陰極と、陽極と陰極との間に配置され、陽極に向いた側に設けられた第1のイオン交換膜と陰極に向いた側に設けられた第2のイオン交換膜によって区画されてイオン交換体が充填され、被処理水が通水されて処理水を排出する脱塩室と、を備えるEDI装置の運転方法において、陽極と陰極との間に直流電流を印加させた状態で処理水を脱塩室の入口に還流させて脱塩室に供給する循環運転を実施し、循環運転を実施している期間内において直流電流の値を変化させる電流値変化制御を実行する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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