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公開番号
2025110447
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-29
出願番号
2024004275
出願日
2024-01-16
発明の名称
アンモニア除去装置及びアンモニア除去方法
出願人
株式会社里源
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
3/34 20230101AFI20250722BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】比較的装置規模が小さく省エネルギーで建設コスト、運転コストともに安価なアンモニア除去装置及び、これを用いたアンモニア除去方法を提供する。
【解決手段】このアンモニア除去装置及びアンモニア除去方法は、ポリ塩化ビニリデンの繊維で構成された網状繊維円盤を担体とし、この網状繊維円盤にバチルス菌が優占化した高濃度の微生物膜体を形成する。そして、この網状繊維円盤を処理槽内で回転させることで、アンモニア態窒素の硝化と脱窒とを1つの槽でほぼ同時に行う。これにより、装置規模をコンパクトにすることができ、省スペース化と建設コストの削減を図ることができる。また、網状繊維円盤の回転により処理槽内を好気状態とするため、省エネルギーで運転コスト(電力コスト)を低く抑えることができる。さらに、廃液中からアンモニア態窒素を除去することで処理水を肥料として使用する事が可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アンモニア態窒素を含有する廃水を貯留する貯留槽と、
廃水中のアンモニア態窒素を分解して窒素ガスとして放出するアンモニア除去槽と、
アンモニア態窒素除去後の処理水を固液分離する沈殿槽と、を備え、
前記アンモニア除去槽は、
ポリ塩化ビニリデンの繊維を網状にして且つ円盤状に成形した網状繊維円盤と、
前記網状繊維円盤を同軸で複数並べ下方が廃水に浸かるよう槽内で保持する保持部と、
前記網状繊維円盤を前記保持部とともに回転させる回転部と、を有することを特徴とするアンモニア除去装置。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
沈殿槽の上澄みである脱離液を取得して液肥として貯留する処理水槽をさらに有することを特徴とする請求項1記載のアンモニア除去装置。
【請求項3】
沈殿槽に堆積した沈殿物の脱水を行う脱水部と、
アンモニア除去槽の前段で廃水中の夾雑物を捕集する除渣部と、
前記脱水部で脱水された脱水沈殿物と前記除渣部で捕集された夾雑物とを堆肥化する堆肥生成部と、をさらに有することを特徴とする請求項1記載のアンモニア除去装置。
【請求項4】
ポリ塩化ビニリデンの繊維を網状にして且つ円盤状に成形した網状繊維円盤にバチルス菌を種付けする種付け工程と、
前記網状繊維円盤にて前記バチルス菌を増殖させ優占化する優占化工程と、
前記網状繊維円盤の下方がアンモニア態窒素を含有する廃水に浸かるよう槽内で保持しながら回転させることで、好気条件下にある前記網状繊維円盤に付着した微生物膜の表層の硝化細菌が廃液中のアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換するとともに、嫌気条件下にある前記微生物膜の奥層のバチルス菌が硝酸態窒素中の酸素を消費して窒素ガスに分解し放出するアンモニア除去工程と、を有することを特徴とするアンモニア除去方法。
【請求項5】
アンモニア態窒素除去後の処理水を沈殿法により固液分離する固液分離工程と、
固液分離した上澄みである脱離液を液肥とする液肥取得工程と、をさらに有することを特徴とする請求項4記載のアンモニア除去方法。
【請求項6】
アンモニア除去工程前に廃水中の夾雑物を捕集する捕集工程と、
固液分離した沈殿物の脱水を行う脱水工程と、
前記脱水工程で脱水された脱水沈殿物と前記捕集工程で捕集された夾雑物とを堆肥化する堆肥化工程と、をさらに有することを特徴とする請求項5記載のアンモニア除去方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液中のアンモニア態窒素を窒素ガスにして除去するアンモニア除去装置及びこのアンモニア除去装置を用いたアンモニア除去方法に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出削減が求められている。この二酸化炭素の排出削減の手法の一つとしてバイオマス燃料の使用が挙げられる。バイオマス燃料とは、光合成により二酸化炭素を吸収した植物及びこの植物を食べた動物の排泄物、食品廃棄物等から燃料を製造するものであり、燃焼しても実質的な二酸化炭素の量は増加しないとされる。
【0003】
また、酪農業や畜産業では家畜や家禽の排泄物や敷料等の畜産廃棄物が大量に排出される。この畜産廃棄物をメタン発酵させてメタンガスを取得し、このメタンガスで発電を行うことで商用電力の使用量の削減や余剰電力の売電を行うとともに、発電の際に発生する廃熱や温水を畜産や農業用施設の暖房等の熱源として利用するシステムが注目されている。さらに、メタン発酵後の残渣としての消化液は有機炭素含有率が多く分解速度が遅いため、肥料として使用する事が想定されている。しかしながら、この消化液は有害なアンモニア態窒素を高濃度で含有しており、そのまま肥料として使用すると作物の生育障害を引き起こしたり地下に浸透して地下水を汚染したりするおそれがある。また、表面流出した場合には流入先河川の生態系を破壊し水質を汚染するおそれがある。このため、肥料として利用するためには液中のアンモニア態窒素の除去が必要となる。
【0004】
ここで、廃液中のアンモニアを除去する方法として下記[特許文献1]が挙げられる。また、廃液中のアンモニア態窒素を除去する一般的な方法として活性汚泥を用いた硝化脱窒方法が挙げられる。この活性汚泥を用いた方法では、先ず、廃液を曝気して好気条件とし、液中のアンモニア態窒素を活性汚泥中の硝化細菌により硝酸態窒素に変換(硝化)する。次に、廃液を嫌気条件として活性汚泥中の微生物に硝酸態窒素中の酸素を使用して有機物を酸化分解させる。これにより、硝酸態窒素中の窒素成分は窒素ガスとなって空気中に放出(脱窒)される。尚、廃液が消化液の場合には脱窒時に必要な有機物が分解しやすい形では存在していない場合が多く、通常、分解しやすい形の有機物として例えばメタノールを添加して脱窒を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-135031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの活性汚泥を用いた従来のアンモニア態窒素の除去方法では、硝化工程で大量の酸素を必要とするため曝気に消費電力の大きく強力なブロアが必要となり運転コスト(電力コスト)が高いという問題点がある。このため、例えば畜産廃棄物を用いたメタンガス発電では、消化液のアンモニア除去のために無視できない量の電力消費が新たに生じ、バイオマス発電による商用電力の節電と二酸化炭素の削減の効果を大きく損なうものとなる。また、硝化と脱窒のための少なくとも二つの槽、循環脱窒を行う場合には第1、第2硝化槽と第1、第2脱窒槽の少なくとも4つの槽が必要となり、装置規模が大きく建設コストが高いという問題点がある。さらに、脱窒時に添加するメタノール等の有機物の部材コストも必要となる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、比較的装置規模が小さく省エネルギーで建設コスト、運転コストともに安価なアンモニア除去装置及び、これを用いたアンモニア除去方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(1)アンモニア態窒素を含有する廃水を貯留する貯留槽20と、廃水中のアンモニア態窒素を分解して窒素ガスとして放出するアンモニア除去槽50と、アンモニア態窒素除去後の処理水を固液分離する沈殿槽22と、を備え、
前記アンモニア除去槽50は、
ポリ塩化ビニリデンの繊維を網状にして且つ円盤状に成形した網状繊維円盤52と、前記網状繊維円盤52を同軸で複数並べ下方が廃水に浸かるよう槽内で保持する保持部54と、前記網状繊維円盤52を前記保持部54とともに回転させる回転部56と、を有することを特徴とするアンモニア除去装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)沈殿槽22の上澄みである脱離液を取得して液肥として貯留する処理水槽24をさらに有することを特徴とする上記(1)記載のアンモニア除去装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)沈殿槽22に堆積した沈殿物の脱水を行う脱水部26と、アンモニア除去槽50の前段で廃水中の夾雑物を捕集する除渣部28と、前記脱水部26で脱水された脱水沈殿物と前記除渣部28で捕集された夾雑物とを堆肥化する堆肥生成部30と、をさらに有することを特徴とする上記(1)記載のアンモニア除去装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)ポリ塩化ビニリデンの繊維を網状にして且つ円盤状に成形した網状繊維円盤52にバチルス菌を種付けする種付け工程S102と、
前記網状繊維円盤52にて前記バチルス菌を増殖させ優占化する優占化工程S104と、
前記網状繊維円盤52の下方がアンモニア態窒素を含有する廃水に浸かるよう槽内で保持しながら回転させることで、好気条件下にある前記網状繊維円盤52に付着した微生物膜の表層の硝化細菌が廃液中のアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換するとともに、嫌気条件下にある前記微生物膜の奥層のバチルス菌が硝酸態窒素中の酸素を消費して窒素ガスに分解し放出するアンモニア除去工程S106と、を有することを特徴とするアンモニア除去方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(5)アンモニア態窒素除去後の処理水を沈殿法により固液分離する固液分離工程S108と、固液分離した上澄みである脱離液を液肥とする液肥取得工程S110と、をさらに有することを特徴とする上記(4)記載のアンモニア除去方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(6)アンモニア除去工程前に廃水中の夾雑物を捕集する捕集工程S103と、
固液分離した沈殿物の脱水を行う脱水工程S112と、
前記脱水工程で脱水された脱水沈殿物と前記捕集工程で捕集された夾雑物とを堆肥化する堆肥化工程S114と、をさらに有することを特徴とする上記(5)記載のアンモニア除去方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るアンモニア除去装置及びアンモニア除去方法は、ポリ塩化ビニリデンの繊維で構成された網状繊維円盤を担体とし、この網状繊維円盤にバチルス菌が優占化した高濃度の微生物膜体を形成する。そして、この網状繊維円盤を処理槽内で回転させることで、アンモニア態窒素の硝化と脱窒とを1つの槽でほぼ同時に行う。これにより、装置規模をコンパクトにすることができ、省スペース化と建設コストの削減を図ることができる。
また、本発明に係るアンモニア除去装置及びアンモニア除去方法は、網状繊維円盤の回転により処理槽内を好気状態とする。このため、消費電力の大きなブロアによる曝気が必要なく、省エネルギーで運転コスト(電力コスト)を低く抑えることができる。さらに、廃液中からアンモニア態窒素を除去することで処理水を肥料として使用する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係るアンモニア除去装置の概略構成図である。
本発明を構成するアンモニア除去槽の概略構成図である。
本発明に係るアンモニア除去方法の工程フローチャートである。
本発明のアンモニア除去槽及びアンモニア除去工程の実験結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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