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公開番号2025119310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-14
出願番号2024014134
出願日2024-02-01
発明の名称排水用ストレーナー、排水処理装置及び排水処理方法
出願人野村マイクロ・サイエンス株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250806BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】研磨排水中に含まれる微量の砥粒などの微粒子を、簡易かつ安定的に除去することのできる、排水用ストレーナー、及びこれを用いた研磨排水の処理装置並びに処理方法を提供する。
【解決手段】両両端が開口するとともに、側面に複数のろ過孔を有する筒状のろ過体11と、ろ過体11の一端に液密に接着されるキャップ部材12と、を有し、ろ過体11は、金属からなるろ過体本体と、ろ過体本体表面全体に設けられたフッ素樹脂膜とを備え、キャップ部材12は、ろ過体本体11の外部に向けて凸状であり、接液面全体がフッ素樹脂からなる、排水用ストレーナー1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
両端が開口するとともに、側面に複数のろ過孔を有する筒状のろ過体と、前記ろ過体の一端に液密に接着されるキャップ部材と、を有し、
前記ろ過体は、金属からなるろ過体本体と、前記ろ過体本体表面全体に設けられたフッ素樹脂膜とを備え、
前記キャップ部材は、前記ろ過体本体の外部に向けて凸状であり、接液面全体がフッ素樹脂からなる、排水用ストレーナー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ろ過孔の大きさが、0.01mm以上0.2mm以下である、
請求項1に記載の排水用ストレーナー。
【請求項3】
さらに、筒状のハウジングを有し、
前記ハウジングは、一端に吐水口を、他端に入水口を備え、
前記キャップ部材が前記ハウジングの入水口に向くように、前記ハウジングが前記ろ過体及び前記キャップ部材を収容し、
前記ろ過体の開口と前記ハウジングの吐水口とが連通している、
請求項1又は2に記載の排水用ストレーナー。
【請求項4】
前記ハウジング及び前記ろ過体は、円筒状であり、
前記キャップ部材は、中実円錐又は中実半球形状である、
請求項3に記載の排水用ストレーナー。
【請求項5】
前記ろ過体の開口側の端部が前記ハウジングの吐出口に接続される、
請求項3に記載の排水用ストレーナー。
【請求項6】
前記ろ過体と前記キャップ部材とを接続する接続部を有する、
請求項1又は2に記載の排水用ストレーナー。
【請求項7】
前記接続部は、
前記キャップ部材と前記ろ過体の端面を貫通するネジ部材と、を備える、
請求項6に記載の排水用ストレーナー。
【請求項8】
前記フッ素樹脂膜及び前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、
請求項1又は2に記載の排水用ストレーナー。
【請求項9】
比較サンプルを準備して、前記排水用ストレーナー及び前記比較サンプルを過酸化水素水に1日浸漬した後の、過酸化水素水中の鉄(Fe)濃度を比較したときに、前記排水用ストレーナーを浸漬した過酸化水素中の鉄濃度が有意に小さい、
請求項1又は2に記載の排水用ストレーナー。
【請求項10】
並列に接続された第1の排水用ストレーナーと第2の排水用ストレーナーと、
第1の排水用ストレーナーに研磨排水を供給して処理水を生成する排水処理機構と、
前記処理水の一部を用いて第2の排水用ストレーナーの逆洗を行う逆洗機構と、を有し、
第1の排水用ストレーナーと第2の排水用ストレーナーはいずれも、請求項1又は2に記載の排水用ストレーナーである、
排水処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水用ストレーナー及びこれを用いた排水処理装置並びに排水処理方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、半導体ウエハの表面を平坦化するために、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による表面研磨が行われている。CMPでは、半導体ウエハの表面にCMP用研磨スラリーを供給しながら研磨パッド等で表面を研磨する。CMP用研磨スラリーは、シリカ(SiO

)、セリア(CeO

)、アルミナ(Al



)などの微細な研磨砥粒の分散液に、加工促進剤としてアンモニア、水酸化カリウムなどのアルカリを加えたものが一般的である。また、CMP研磨後には、半導体ウエハ表面に付着している砥粒などが洗浄液によって除去される。洗浄液としては、アンモニア水、又はアンモニアと過酸化水素の水溶液などが用いられる。
【0003】
このCMPにおいて発生する研磨排水中には、研磨スラリーのほか、半導体ウエハの研磨屑や、研磨に使用された研磨パッドの研磨屑などが含まれる。研磨排水には、さらに、洗浄時に排出される使用済みの洗浄液が含まれることがある。
【0004】
これらの研磨排水の多くは、通常、中和、分解、希釈などの排水処理を施した後、環境に放流される。また、研磨排水のうち、濃厚排水(廃液)や難分解性排水(廃液)は、排水処理業者に引取られて処分される。比較的不純物(研磨スラリー)濃度の低い研磨排水は、所定の処理を行った後、回収水として純水製造用の原水や空調用水、工場内雑用水などとして再利用される。また、研磨排水に、他の酸排水やアルカリ排水を混合されて処理し、回収水を得ることも行われる。
【0005】
研磨排水を処理して回収水を得る方法としては、限外ろ過膜や精密ろ過膜等の分離膜に研磨排水を通水した後、その濃縮水に凝集剤を添加して、凝集物を固液分離し、液相として回収水を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、研磨排水に酸化処理を施した後、凝集剤を添加し、その後、凝集物を固液分離して、液相として回収水を得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平11-347569号公報
特開2001-170652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、研磨排水に凝集剤を添加する方法では、凝集を効果的に行うため、pH調整が行われることが多く、そのため、酸やアルカリの使用量が多くなるという問題がある。また、凝集剤、特に高分子凝集剤は、処理水中に残留しやすく、排水処理を行う水処理機器の故障など不具合の原因になりやすい。
【0008】
また、研磨スラリー濃度の低い研磨排水(希薄スラリー排水)は、スラリー濃度は低いものの依然として酸やアルカリ、過酸化水素、砥粒などを含んでおり、再利用のための処理は容易ではない。例えば、研磨排水中に微量残留する砥粒は、イオン交換処理装置、膜処理装置の不具合の原因となりうるので、研磨排水から砥粒を除去した後に、研磨排水にイオン交換処理や膜処理を施すことが好ましい。そこで、研磨排水をフィルターによりろ過することが考えられるが、仮に、酸と過酸化水素を含有する研磨排水を、ステンレス鋼など金属製のフィルターでろ過しようとすると、フィルター部品が数日で溶解してしまうため、ステンレス等の金属製のフィルターで研磨排水中の砥粒をろ過除去することは不可能であった。また、フッ素樹脂製のフィルターは、酸やアルカリなどの薬品への耐性は高いものの、半導体製造工程で生じる多量の排水をろ過するには、フィルター自体の機械的強度の低いことから、例えば通水中の変形等によるろ過性能低下等が課題となる。
【0009】
本発明は上記した課題を解決するためになされたもので、研磨排水中に含まれる微量の砥粒などの微粒子を、簡易かつ安定的に除去することのできる、排水用ストレーナー、及びこれを用いた研磨排水の処理装置並びに処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態の排水用ストレーナー、排水処理装置又は排水処理方法は以下のとおりである。
[1] 両端が開口するとともに、側面に複数のろ過孔を有する筒状のろ過体と、前記ろ過体の一端に液密に接着されるキャップ部材と、を有し、
前記ろ過体は、金属からなるろ過体本体と、前記ろ過体本体表面全体に設けられたフッ素樹脂膜とを備え、
前記キャップ部材は、前記ろ過体本体の外部に向けて凸状であり、接液面全体がフッ素樹脂からなる、排水用ストレーナー。
[2] 前記ろ過孔の大きさが、0.01mm以上0.2mm以下である、[1]に記載の排水用ストレーナー。
[3] さらに、筒状のハウジングを有し、
前記ハウジングは、一端に吐水口を、他端に入水口を備え、
前記キャップ部材が前記ハウジングの入水口に向くように、前記ハウジングが前記ろ過体及び前記キャップ部材を収容し、
前記ろ過体の開口と前記ハウジングの吐水口とが連通している、[1]又は[2]に記載の排水用ストレーナー。
[4] 前記ハウジング及び前記ろ過体は、円筒状であり、
前記キャップ部材は、中実円錐又は中実半球形状である、[3]に記載の排水用ストレーナー。
[5] 前記ろ過体の開口側の端部が前記ハウジングの吐出口に接続される、[3]に記載の排水用ストレーナー。
[6] 前記ろ過体と前記キャップ部材とを接続する接続部を有する、[1]又は[2]に記載の排水用ストレーナー。
[7] 前記接続部は、前記キャップ部材と前記ろ過体の端面を貫通するネジ部材と、を備える、[6]に記載の排水用ストレーナー。
[8] 前記フッ素樹脂膜及び前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、[1]、[2]、[6]及び[7]のいずれかに記載の排水用ストレーナー。
[9] 比較サンプルを準備して、前記排水用ストレーナー及び前記比較サンプルを過酸化水素水に1日浸漬した後の、過酸化水素水中の鉄(Fe)濃度を比較したときに、前記排水用ストレーナーを浸漬した過酸化水素中の鉄濃度が有意に小さい、[1]、[2]、[6]乃至[8]のいずれかに記載の排水用ストレーナー。
(【0011】以降は省略されています)

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