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公開番号2025115741
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010357
出願日2024-01-26
発明の名称有価金属回収システムおよび有価金属の回収方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/28 20230101AFI20250731BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】 吸着材や抽出剤などの目的とする有価金属を選択的に吸着可能であって循環再利用可能な機能材を用い、この機能材を効率的に利用するとともに、その交換を的確に制御することで、有価金属の回収を好適に運用可能な有価金属の回収システムを提供する。
【解決手段】 有価金属回収システムは、廃液処理装置と、有価金属回収装置とからなる。廃液処理装置は、タンクと、凝集沈殿槽及び膜式ろ過装置と、有価金属吸着装置24の各水処理ユニットからなる。この有価金属吸着装置24は、廃液Wの供給源41に供給管42が接続されていて、この供給管41には、機能材エレメント43A、43B、43Cが直列かつ着脱可能に設けられていて、その末端には処理水W1の貯槽44が設けられている。この機能材エレメント43A、43B、43Cは、互いに連通していて、メリーゴーランド方式で流通可能となっている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
有価金属を含有する廃液から該有価金属を回収するシステムであって、
前記有価金属を吸着あるいは濃縮可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する廃液処理装置と、
前記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収するとともに該機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメントとして再利用する有価金属回収装置と、を備え、
前記機能材エレメントは、前記廃液処理装置から着脱可能に2段以上で直列通水可能に設けられていて、
前記各機能材エレメントの入口側及び出口側に回収対象の有価金属の濃度を測定するセンサを有し、
該入口側及び出口側のセンサの出力データ及び通水量に基づいて、前記複数段の機能材エレメントの通水順の切り替え制御を行うとともに、機能材エレメントの交換時期を判断する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記機能材エレメントの通水処理において、最初の機能材エレメントを取り外して再生することを指示するとともに、再生済の前記最初の機能材エレメントを最後段となるように切り替える制御を順次繰り返す、有価金属回収システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記制御手段は、前記最初の機能材エレメントの出口側の有価金属濃度/入口側の有価金属濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたら、機能材が破過したと擬制し、複数段の機能材エレメントの通水順の切り替え制御を行う、請求項1に記載の有価金属回収システム。
【請求項3】
前記制御手段は、機能材の破過が擬制されるまでに通水した際の有価金属質量(Mn)/初期の機能材が破過するまでに通水した際の有価金属質量(M0)が、あらかじめ設定した所定の値より小さくなったら機能材が劣化したと判断し、機能材エレメントの交換時期と判断して指示を行う、請求項2に有価金属回収システム。
【請求項4】
前記廃液処理装置が、1又は2以上の水処理ユニットにより構成されており、前記水処理ユニットが可搬式である、請求項1に記載の有価金属回収システム。
【請求項5】
前記廃液処理装置と、前記有価金属回収装置とが異なる場所に設置されている、請求項1に記載の有価金属回収システム。
【請求項6】
前記機能材エレメントが、回収対象となる有価金属を含有する廃液の該有価金属に対応して選定された機能材を備える、請求項1に記載の有価金属回収システム。
【請求項7】
前記制御手段は、有価金属の市場価格に応じて、有価金属回収処理コストを算定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の有価金属回収システム。
【請求項8】
有価金属を含有する廃液から該有価金属を回収する方法であって、
前記有価金属を吸着あるいは濃縮可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する廃液処理装置により廃液中の有価金属を吸着あるいは濃縮する廃液処理工程と、
前記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収するとともに該機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメントとして再利用する有価金属回収装置により、有価金属を回収するとともに機能材エレメントを再生する有価金属回収工程と、を有し、
前記機能材エレメントは、前記廃液処理装置から着脱可能に2段以上で直列通水可能に設けられていて、前記各機能材エレメントの入口側及び出口側に回収対象の有価金属の濃度を計測するセンサを有するとともに該入口側及び出口側のセンサの出力データ及び通水量に基づいて、前記複数段の機能材エレメントの通水順の切り替え制御を行うとともに、機能材エレメントの交換時期を判断する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記機能材エレメントの通水処理において、最初の機能材エレメントを取り外して再生することを指示するとともに、再生済の前記最初の機能材エレメントを最後段となるように切り替える制御を順次繰り返す、有価金属回収方法。
【請求項9】
前記制御手段は、前記最初の機能材エレメントの出口側の有価金属濃度/出口側の有価金属濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたら、機能材が破過したと擬制し、複数段の機能材エレメントの通水順の切り替え制御を行う、請求項8に記載の有価金属回収方法。
【請求項10】
前記制御手段は、機能材の破過が擬制されるまでに通水した際の有価金属質量(Mn)/初期の機能材が破過するまでに通水した際の有価金属質量(M0)が、あらかじめ設定した所定の値より小さくなったら機能材が劣化したと判断し、機能材エレメントの交換時期と判断して指示を出す、請求項9に有価金属回収方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液中の有価金属の回収システムおよび有価金属の回収方法に関し、特に目的とする有価金属を選択的に吸着あるいは濃縮可能であって溶離再生や逆抽出などの方法で循環再利用可能な吸着材や抽出剤などの機能材を用い、この機能材を効率的に利用するとともに、その交換を的確に制御することで、有価金属の回収を好適に運用可能な有価金属の回収システムおよび有価金属の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、回収により利益が見込める有価金属は回収が進められてきたが、利益の見込めない有価金属は産業廃棄物などとして廃棄されてきた。しかしながら、昨今のサーキュラーエコノミ構築への期待の高まりや、レアメタルや貴金属などの有価金属の価値の上昇などから、さらなる有価金属の再利用が望まれている。
【0003】
このような有価金属の回収方法として、特許文献1には、貴金属が溶解した溶液に吸着材を接触させて、吸着材に溶液中の貴金属イオンを吸着させる工程と、吸着材に吸着した貴金属イオンに還元剤を接触させて、貴金属イオンを還元して前記吸着材から脱離させ、粒子化する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2023/276710
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しなしながら、有価金属を含有する廃液から、目的とする有価金属を回収するには、廃液が発生する各々の現場で有価金属を回収する装置が必要である。この有価金属を回収する装置は、廃液中に含まれる有価金属を吸着や濃縮する廃液処理装置と、吸着や濃縮された有価金属を回収する有価金属回収装置とが必要であるが、廃液が少量であったり、あるいは廃液が特定の時期など非定常的に発生したりする場合は、有価金属回収装置の初期投資負担が大きくなるばかりか、これら装置の運転管理も必要になるため、有価金属を含有する廃液を排出するユーザ(排出主体)が有価金属を回収するには事業上のメリットに乏しく、サーキュラーエコノミ構築の進展の阻害要因となっていた。
【0006】
この対策として、有価金属を含有する廃液を排出するユーザが、この有価金属を含有する廃液を、この有価金属の精製可能な企業に委託することが考えられるが、当該有価金属を含有する廃液を排出するユーザの現場から、有価金属を含む廃液を減容化しないままこの有価金属の精製メーカーに運搬するとした場合、廃液中に含まれる有価金属の濃度は非常に低いので、この廃液の容量は大きくなり、輸送効率が低下するため運搬コストが非常に大きくなり現実的でない、という問題があった。
【0007】
そこで、このような課題を解決することを目的として、本出願人は、有価金属を吸着あるいは濃縮可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する排水処理装置と、前記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収する有価金属回収装置とを備え、前記機能材エレメントは、前記排水処理装置から着脱可能となっており、該機能材エレメントを排水処理装置から取り出して、前記有価金属回収装置により有価金属を回収するとともに該機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメンとして再利用する有価金属回収システムを先に出願した(特願2023-136695号)。
【0008】
この有価金属回収システムにより、上述した問題は解決されたが、有価金属の回収では有害な物質を除去する場合を除き、廃液処理装置で処理した処理水の出口濃度に規制がないことが多い。また、機能材の高頻度の再生は機能材自体の劣化を招く。したがって、機能材が十分に有価金属を捕捉等してから、機能材を再生することが望ましい。
【0009】
しかしながら、従来は処理した廃液の水量、通水時間などに基づいて機能材の再生タイミングを決めていたため、機能材が十分に有価金属を吸着等する前に機能材を再生することがあり、機能材が固体吸着剤である場合、この再生操作により吸着剤が摩耗や再生溶離薬剤による科学的な作用などにより劣化する。また、機能材が抽出剤である場合、後段に流出するなどの問題があった。一方、機能材を長期間継続して使用すると、機能材が破過した状態で通水することを招きかねず、機能材により有価金属が十分に捕捉されず、回収率の低下を招く、という問題点がある。
【0010】
さらに、機能材は長期間の使用によって劣化し、未使用品と比べて有価金属の捕捉効率が低下し、破過までの時間が短くなることで、有価金属を効率的に回収することができなくなることがあった。
(【0011】以降は省略されています)

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