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公開番号
2025168847
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-12
出願番号
2024073651
出願日
2024-04-30
発明の名称
混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法
出願人
栗田工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B01J
47/10 20170101AFI20251105BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】 セプレックス法を利用して極めて高い精度までアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離が可能な混合イオン交換樹脂の分離方法を提供する。
【解決手段】 アニオン交換樹脂2とカチオン交換樹脂3の分離方法は、分離塔1と、セプレックス塔8と、アニオン交換樹脂2及びNaOH水溶液6を混合する混合槽5とからなる装置により行う。分離工程において取り出されたアニオン交換樹脂2には、わずかにカチオン交換樹脂3が混入している。そこで、このアニオン交換樹脂2を混合槽5に投入して水抜きし、その後、アニオン交換樹脂2とカチオン交換樹脂3の中間の比重のNaOH水溶液6を注入して浸漬する。そして、あらかじめ水Wを注入したセプレックス塔8にアニオン交換樹脂2をNaOH水溶液6の混合液2Aとともに移送する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂からアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する方法であって、
略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔に混合イオン交換樹脂投入し、前記分離塔内にエア及び分離用水の注入部から分離用液を上向流で通水して前記混合イオン交換樹脂を比重差を利用して分離する分離工程と、
前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面より上側のアニオン交換樹脂を前記分離塔から抜き出して高度分離塔に移送するアニオン交換樹脂移送工程とを有し、
前記アニオン交換樹脂移送工程を前記アニオン交換樹脂を前記アニオン交換樹脂と前記カチオン交換樹脂の中間比重の溶液に浸漬した状態で移送するに際し、
前記高度分離塔に前記中間比重の溶液より比重の小さい液体をあらかじめ入れておき、前記中間比重の溶液に浸漬したカチオン交換樹脂を該高度分離塔に移送する、混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
続きを表示(約 380 文字)
【請求項2】
前記アニオン交換とカチオン交換樹脂との中間比重の溶液が、NaOH水溶液である、請求項1に記載の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
【請求項3】
前記NaOH水溶液の濃度が8重量%以上である、請求項2に記載の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
【請求項4】
前記アニオン交換樹脂移送工程において、前記アニオン交換樹脂を前記アニオン交換樹脂と前記カチオン交換樹脂の中間比重の溶液に浸漬した状態で移送するに際し、前記分離塔から抜き出した前記アニオン交換樹脂を一旦混合槽に入れ、該混合槽でNaOH水溶液と混合してから、前記高度分離塔に移送する、請求項2又は3に記載の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置などに用いられる非再生式イオン交換装置や混床式イオン交換装置などで使用した混合イオン交換樹脂からアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
純水製造装置では原水中の不純物を除去して水の清浄度を高めているが、イオン性の不純物、すなわちアニオン性の不純物とカチオン性の不純物を除去するためにアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合した混合イオン交換樹脂を充填した混床式イオン交換装置が汎用的に用いられている。この混床式イオン交換装置では、イオン交換樹脂はイオン交換容量に相当する量のイオンを交換すると、それ以上のイオン性不純物は除去できずに破過する。そこで、ある程度の処理水を処理したら、この混床式イオン交換装置からイオン交換樹脂をそれぞれ回収して、カチオン交換樹脂再生塔、アニオン交換樹脂再生塔でそれぞれ塩酸や苛性ソーダなどにより再生して再利用している。この際、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とは、上向流で通水してアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比重差による沈降速度の違いを利用して分離するのが一般的である。
【0003】
この混合イオン交換樹脂の分離塔の一例を図3に示す。図3において、混合イオン交換樹脂の分離塔21は、円筒形の分離塔本体21Aの底部に注排水口22が設けられているとともに、複数の吐出ノズル23Aを備えた吐水部としての給水管23が設けられていて、頂部には排水口24が形成されている。この分離塔21の吐出ノズル23Aの下側には集水板25が配置されている。そして、分離塔21内の上下方向の中間付近にはアニオン交換樹脂抜出部としてのアニオン交換樹脂抜出配管26が設けられているとともに、このアニオン交換樹脂抜出配管26の下側で給水管23よりわずかに上側にカチオン交換樹脂抜出配管27が設けられている。また、分離塔21の側面にはのぞき窓28が形成されている。なお、29は分離塔21の側面上側に設けられた使用済の混合イオン交換樹脂の投入口である。
【0004】
このような混合イオン交換樹脂の分離塔21において、分離塔21内に使用済の混合イオン交換樹脂を投入し、続いて4重量%程度のNaOH水溶液(以下、単にNaOH水溶液とする)を通液し、所定時間放置したら、注排水口22から純水を注入して排水口24から分離塔内のNaOH水溶液を押し出し、洗浄を行う。そして、分離塔21内に所定量の分離用水(純水)が充填された状態とする。この際、分離用水の水面が混合イオン交換樹脂の上面より上位、特に500mm以下程度上位となるようにする。
【0005】
次に注排水口22からエアを分離塔内に注入し、混合イオン交換樹脂をバブリングし、コロイド状に絡みついた樹脂粒子をほぐした後バブリングングを停止して混合イオン交換樹脂を集水板25上に沈降させる。この際、比重の大きいカチオン交換樹脂が先に沈降し、比重の小さいアニオン交換樹脂が遅れて沈降する。続いて、逆洗に備えて、分離塔21内が満水となるように注排水口22から純水(分離用水)を導入する。
【0006】
この満水の状態で吐出ノズル23Aから純水を吐出して上向流にて通水して、分離界面がアニオン交換樹脂抜出配管26の吸込口の下端となるようにのぞき窓28から目視により確認しながら調整する。そして、アニオン交換樹脂抜出配管26から吸引してアニオン交換樹脂をアニオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このアニオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後、アニオン交換樹脂再生塔に移送してアニオン交換樹脂の再生処理を行う。
【0007】
このようにしてアニオン交換樹脂を抜き出した後は、吐出ノズル23Aから純水の吐出を継続しながらカチオン交換樹脂抜出配管27から吸引し、カチオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このカチオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後カオン交換樹脂再生塔に移送してカチオン交換樹脂の再生処理を行う。このときカチオン交換樹脂は全部取り出さず、ある程度残存させることでアニオン交換樹脂の混入を防止する。
【0008】
しかしながら、上述したようなアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離方法では、両者の分離が不十分である、という問題点があった。特にカチオン交換樹脂は界面部を分離塔21内に残存させることで良好に分離することができるが、最初に抜き出すアニオン交換樹脂にカチオン交換樹脂が混入しやすい、という問題点があった。
【0009】
そこで、セプレックス法という高濃度のNaOH水溶液を用いてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離する方法が適用されている。このセプレックス法は、図4に示すようなプロセスで処理を行う。
【0010】
すなわち、図3に示す分離塔21を用い、図4における分離工程でアニオン交換樹脂を抜き出したら、分離に用いた超純水とともにアニオン交換樹脂と微量に混入しているチオン交換樹脂とを一旦混合槽に貯留して水抜きし、湿潤状態のアニオン交換樹脂の比重と湿潤状態のカチオン交換樹脂の比重の中間の比重のNaOH水溶液を混合槽に注液する。このとき、図5に示すようにポーラス型アニオン交換樹脂の湿潤時の比重が1.05g/mL、ポーラス型カチオン交換樹脂の湿潤時の比重が1.28g/mLの場合には、両者の中間の比重のNaOH水溶液(例えば、16重量%NaOH水溶液(比重1.18g/mL))を注液する。その後、分離専用の高度分離塔(セプレックス塔)に移送する。これにより、アニオン交換樹脂は浮遊しカチオン交換樹脂は沈殿するので、カチオン交換樹脂をセプレックス塔の下部より抜き出して除去する。そして、セプレックス塔内に純水を供給して、NaOH水溶液を押出洗浄した後、残ったアニオン交換樹脂を抜き出す(高度分離工程)。この抜き出したアニオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりアニオン交換樹脂の再生洗浄を行う。一方、分離塔における分離工程で分離したカチオン交換樹脂はカチオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりカチオン交換樹脂の再生洗浄を行う。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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