TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025175762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2024082007
出願日2024-05-20
発明の名称フッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法及び装置
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/469 20230101AFI20251126BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】フッ化物イオン及びカチオン、例えばアンモニウムイオン含有水から電気再生式イオン交換装置を用いてフッ化物イオンとカチオンを分離回収する方法、及び装置において、電気再生式イオン交換装置の経時的な電圧上昇を抑制し、フッ化物イオン及びカチオンを十分に分離できるようにする。
【解決手段】フッ化物イオン及びカチオン、例えばアンモニウムイオン含有水を電気再生式イオン交換装置の被処理水室に通水してフッ化物イオンとカチオンとを分離するフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法及び装置。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
フッ化物イオン及びカチオン含有水を電気再生式イオン交換装置の被処理水室に通水してフッ化物イオンとカチオンとを分離する工程を有するフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記フッ化物イオン及びカチオン含有水を電気透析装置で処理する工程を有し、この電気透析装置の処理水を前記電気再生式イオン交換装置の被処理水室に通水する請求項1のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項3】
前記カチオンは、アンモニウムイオンである請求項1又は2に記載のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項4】
前記フッ化物イオン及びカチオン含有水のフッ化物塩濃度が5mg/L以上且つ5000mg/L以下であるか、又は、前記フッ化物イオンの濃度が3mg/L以上且つ3000mg/L以下である請求項1に記載のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項5】
前記カチオンは、アンモニウムイオンであり、
前記フッ化物塩濃度は、フッ化アンモニウム濃度である請求項4に記載のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項6】
前記電気再生式イオン交換装置は、陽極と陰極との間に、カチオン交換膜と、アニオン交換膜とを交互に配置して陽極室、酸性水取出室、被処理水室、アルカリ性水取出室及び陰極室を形成するとともに、
該被処理水室には、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とのミックス樹脂が充填され、
該酸性水取出室には、前記ミックス樹脂又はアニオン交換樹脂が充填され、
該アルカリ性水取出室には、前記ミックス樹脂又はカチオン交換樹脂が充填されたものである請求項1のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項7】
前記電気再生式イオン交換装置は、陽極と陰極との間にカチオン交換膜と、アニオン交換膜及びバイポーラ膜を配置して、陽極に沿う陽極室及び陰極に沿う陰極室を形成するとともに、該陽極室と陰極室との間に1組又は2組以上の酸性水取出室、被処理水室及びアルカリ性水取出室を形成し、
該被処理水室には、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とのミックス樹脂が充填され、
該酸性水取出室には、前記ミックス樹脂又はアニオン交換樹脂が充填され、
該アルカリ性水取出室には、前記ミックス樹脂又はカチオン交換樹脂が充填されたものである請求項1のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項8】
前記電気再生式イオン交換装置は、陽極と陰極との間にカチオン交換膜、アニオン交換膜及びバイポーラ膜のうち少なくともアニオン交換膜と、バイポーラ膜と、を配置して、陽極に沿う陽極室及び陰極に沿う陰極室を形成するとともに、該陽極室と陰極室との間に1組又は2組以上の酸性水取出室及びアルカリ性水取出室を形成し、
該アルカリ性水取出室にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とのミックス樹脂を充填したものである請求項1のフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法。
【請求項9】
フッ化物イオン及びカチオン含有水を処理してフッ化物イオンとカチオンとを分離するための電気再生式イオン交換装置を有するフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理装置であって、
前記電気再生式イオン交換装置は、陽極と陰極との間に、カチオン交換膜と、アニオン交換膜とを交互に配置して陽極室、酸性水取出室、被処理水室、アルカリ性水取出室及び陰極室を形成するとともに、
該被処理水室には、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とのミックス樹脂が充填され、
該酸性水取出室には、前記ミックス樹脂又はアニオン交換樹脂が充填され、
該アルカリ性水取出室には、前記ミックス樹脂又はカチオン交換樹脂が充填されたものであるフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理装置。
【請求項10】
フッ化物イオン及びカチオン含有水を処理してフッ化物イオンとカチオンとを分離するための電気再生式イオン交換装置を有するフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理装置であって、
前記電気再生式イオン交換装置は、陽極と陰極との間にカチオン交換膜、アニオン交換膜及びバイポーラ膜を配置して、陽極に沿う陽極室及び陰極に沿う陰極室を形成するとともに、該陽極室と陰極室との間の1組又は2組以上の酸性水取出室、被処理水室及びアルカリ性水取出室を形成し、
該被処理水室には、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とのミックス樹脂が充填され、
該酸性水取出室には、前記ミックス樹脂又はアニオン交換樹脂が充填され、
該アルカリ性水取出室には、前記ミックス樹脂又はカチオン交換樹脂が充填されたものであるフッ化物イオン及びカチオン含有水の処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はフッ化物イオン及びカチオン、例えばアンモニウムイオン含有水の処理方法及び装置に係り、詳しくは、電気再生式イオン交換装置を用いてフッ化物イオンとカチオン、例えばアンモニウムイオンが共存する水からフッ化物イオンとカチオン、例えばアンモニウムイオンを分離する方法及び装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
電子産業等において、フッ化アンモニウム水、あるいはバッファードフッ酸水は、半導体等の電子デバイスのエッチングに使用されている。フッ素やアンモニアはそれぞれが貴重な資源であることから、フッ化アンモニウム含有廃液からの回収が期待されている。一般的な回収方法として、アンモニウムイオンと当モル以上の水酸化ナトリウムを添加して、アンモニアを気相中に移動させた後、水酸化カルシウム、あるいは塩化カルシウムを添加してフッ化物イオンをフッ化カルシウムとして析出させる方法がある。この方法には、大量の水酸化ナトリウムを添加する必要があること、フッ化カルシウムを析出させた後の廃液のpHが高くなり、中和に大量の酸を添加する必要があることから、プロセスが複雑であり、薬品コスト、エネルギーコストが膨大になるという問題がある。
【0003】
電気透析法は、イオン交換膜を隔壁として、廃液中のアニオンを酸として分離回収し、カチオンをアルカリとして分離回収する方法である。
【0004】
電気透析法では過剰な薬品を使用することなく、フッ化物イオンをフッ酸として分離回収し、カチオン、例えばアンモニウムイオンをアンモニアとして分離回収することが可能であるが、分離が進むに従って、電流が流れにくくなるため、脱塩処理水中に残存するフッ化物イオンとアンモニア濃度が十分には低くならない。
【0005】
特許文献1には、アニオン交換膜とバイポーラ膜を有する電気透析装置を使用して、フッ酸排液からフッ化物イオンをフッ酸として回収する方法が記載されている。この方法では、フッ化物イオンが被処理液室からアニオン交換膜を透過して回収水室に移動した後は、被処理液室には水酸化物イオンが供給されるため、被処理液室の出口では、カチオン成分とのアルカリ水が回収される。
【0006】
特許文献2には、アニオン交換膜、カチオン交換膜、およびバイポーラ膜を使用して、アンモニウム塩含有排水を脱塩処理する装置が記載されている。
【0007】
図3はバイポーラ膜を備えた電気透析装置の一例を示す構成図である。図示の通り、陽極(正極)1と陰極(負極)2との間にバイポーラ膜3、アニオン交換膜4、カチオン交換膜5及びバイポーラ膜6がこの順に配置されており、陽極1から陰極2に向って陽極室11、酸性水取出室12、被処理水室(脱塩室)13、アルカリ性水取出室14及び陰極室15がこの順に形成されている。
【0008】
被処理水(フッ化物イオン及びカチオン含有水)は被処理水室13に通水される。酸性水取出室12及びアルカリ性水取出室14には純水が被処理水室13と向流方向に通水される。
【0009】
陽極室11及び陰極室15には、電極水として硫酸ナトリウム水などが通水される。
【0010】
陽極1と陰極2との間に電圧を印加し、上記の通り被処理水、純水及び電極水を通水すると、被処理水室13の被処理水中に含まれるフッ化物イオンは、陽極1側に移動し、アニオン交換膜4を透過し、酸性水取出室12に移動する。そして、バイポーラ膜3と接する水が解離して生成した水素イオンとこのフッ化物イオンとを含んだ酸性水が酸性水取出室12から回収される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

栗田工業株式会社
排水回収装置
2か月前
栗田工業株式会社
ギ酸の回収方法
15日前
栗田工業株式会社
ギ酸の回収方法
1か月前
栗田工業株式会社
電気イオン濃縮装置
1か月前
栗田工業株式会社
用水の水質予測方法
2か月前
栗田工業株式会社
放射性廃液の処理方法
2か月前
栗田工業株式会社
生物処理水の利用方法
27日前
栗田工業株式会社
畜糞造粒物の製造方法
1か月前
栗田工業株式会社
逆浸透膜装置の運転方法
1か月前
栗田工業株式会社
リチウム含有物の濃縮方法
14日前
栗田工業株式会社
超純水製造装置の制御方法
1か月前
栗田工業株式会社
有機物含有水の脱泡処理装置
22日前
栗田工業株式会社
電気脱イオン装置の運転方法
1か月前
栗田工業株式会社
方法、システム及びプログラム
6日前
栗田工業株式会社
水質予測方法及び水質制御方法
2か月前
栗田工業株式会社
リチウム二次電池正極材の処理方法
14日前
栗田工業株式会社
洗浄水製造装置及び洗浄水製造方法
6日前
栗田工業株式会社
管内面の洗浄用プラグ及び洗浄方法
1か月前
栗田工業株式会社
微生物発電装置および微生物発電方法
1か月前
株式会社デンソー
液体分離システム
14日前
栗田工業株式会社
超純水製造装置の立ち上げ時の洗浄方法
22日前
栗田工業株式会社
有機物含有排水からの水回収装置及び方法
1か月前
日本製紙クレシア株式会社
パンツ型紙おむつ
27日前
栗田工業株式会社
水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法
1か月前
栗田工業株式会社
熱交換器内のかき取り板の移動装置及び熱交換器
1か月前
栗田工業株式会社
フッ化物イオン及びカチオン含有水の処理方法及び装置
1日前
栗田工業株式会社
ベルトコンベアの監視方法、粉体の搬送方法及びプログラム
1か月前
栗田工業株式会社
ベルトコンベアの監視方法、ベルトコンベアの制御方法及びプログラム
1か月前
栗田工業株式会社
混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法
22日前
栗田工業株式会社
ベルトコンベアの監視方法、粉体の搬送方法、ベルトコンベアの監視システム及びプログラム
1か月前
株式会社げんき
液体活性化装置
1か月前
新・産業洗浄株式会社
曝気装置
6日前
三浦工業株式会社
汚泥乾燥加熱釜
1か月前
株式会社ライトアース
水循環式水質浄化システム
1か月前
三浦工業株式会社
精製水供給システム
1か月前
スタンレー電気株式会社
流体除菌装置
1か月前
続きを見る