TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025140716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024040271
出願日2024-03-14
発明の名称放射性廃液の処理方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類G21F 9/12 20060101AFI20250919BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】RO装置による濃縮工程と、RO濃縮水を吸着材により吸着処理する工程とを有する放射性廃液の処理方法において、RO装置のスケール防止及び十分な吸着処理を行う。
【解決手段】放射性廃液に非リン系スケール分散剤を添加して逆浸透膜装置に通水し、その濃縮水のpHを5~6に調整した後、Sr吸着用の無機酸化物系吸着材を充填した吸着塔に通水する放射性廃液の処理方法。無機酸化物吸着材は、結晶性シリコチタネートなどである。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
放射性廃液に非リン系スケール分散剤を添加して逆浸透膜装置に通水し、その濃縮水のpHを5~6に調整した後、Sr吸着用の無機酸化物系吸着材を充填した吸着塔に通水する放射性廃液の処理方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記無機酸化物吸着材が、結晶性シリコチタネートである請求項1の放射性廃液の処理 方法。
【請求項3】
前記逆浸透膜装置の濃縮倍率が2~5倍である請求項1の放射性廃液の処理方法。
【請求項4】
前記非リン系スケール分散剤は、アクリル酸系ポリマーまたはマレイン酸系ポリマーを含む、請求項1~3のいずれかの放射性廃液の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は放射性廃液の処理方法に係り、特に逆浸透膜装置(以下、RO装置ということがある。)による濃縮工程と、RO濃縮水の吸着処理工程とを有する放射性廃液の処理方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、放射性廃液は、凝集沈殿、濾過等の方法により前処理した後、吸着材を充填した吸着塔に通水して放射性物質を吸着除去することで処理されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、この方法では、一般に放射能汚染水の放射性物質の濃度が極めて低いため、吸着材への吸着効率が悪く、多量の吸着材を用いて低流速で処理する必要がある。このため、大容量の吸着塔が必要となり、また大量に排出される廃吸着材の処分も大きな問題となる。そこで、放射能汚染水中の放射性物質を逆浸透膜(RO膜)等で除去する方法も提案されている。
【0004】
放射性ストロンチウムおよびセシウムを吸着するのに好適な吸着剤として結晶性シリコ チタネートが提案されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-145687号公報
【非特許文献】
【0006】
Olga Oleksiienko,Christian Wolkersdorfer,Mika Sillanpaa“Titanosilicates in cation adsorption and cation exchange-A review”Chemical Engineering Journal 317(2017)570-585)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
放射性廃液をRO装置により濃縮し、濃縮水を吸着材で吸着処理する場合、RO膜のスケール付着を抑制するために、スケール分散剤が被処理水に添加される。
【0008】
被処理水が海水由来のCaやMgを多量に含む場合は、スケール分散剤としてホスホン酸やPBTC(2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)などのリン系のスケール分散剤が使用される。
【0009】
Ca、Mgなどのアルカリ土類金属を含む放射性廃液をRO膜で濃縮するに際し、ホスホン酸やPBTCなどのリンを含むスケール分散剤を添加すると、RO濃縮水中には、スケール分散剤によりキレートされたアルカリ土類金属が濃縮されている。アルカリ土類金属を含むRO濃縮水を凝集沈殿や吸着処理により除去する場合、キレートされたアルカリ土類金属、特にSrが十分に吸着処理されない。そのため、吸着材の破過通水量が短く、使用済み吸着材の廃棄物発生量が多いという課題があった。
【0010】
本発明は、RO装置による濃縮工程と、RO濃縮水を吸着材により吸着処理する工程とを有する放射性廃液の処理方法において、RO装置のスケール防止及び十分な吸着処理を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許