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公開番号
2025062923
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-15
出願番号
2023172294
出願日
2023-10-03
発明の名称
水処理方法及び水処理装置
出願人
水ing株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C02F
1/56 20230101AFI20250408BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】カビ臭産生生物を含む被処理水への凝集剤の注入率を低減しながら異臭味の無い安全安心な処理水を得ることが可能な水処理方法及び水処理装置を提供する。
【解決手段】カビ臭産生生物を含有する被処理水に無機凝集剤を注入した後、アクリルアミドモノマー含有量が0.05wt%以下又はアクリルアミド非含有の高分子凝集剤を0.05~2.0mg/L注入して凝集沈殿処理することにより、被処理水からカビ臭産生生物を除去する水処理方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
カビ臭産生生物を含有する被処理水に無機凝集剤を注入した後、アクリルアミドモノマー含有量が0.05wt%以下又はアクリルアミド非含有の高分子凝集剤を0.05~2.0mg/L注入して凝集沈殿処理することにより、前記被処理水から前記カビ臭産生生物を除去することを特徴とする水処理方法。
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【請求項2】
前記アクリルアミド非含有の前記高分子凝集剤が、ポリアクリル酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記無機凝集剤を15~50mg/L、前記高分子凝集剤を0.05~2.0mg/L注入することを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
【請求項4】
前記高分子凝集剤と前記無機凝集剤との注入率比(高分子凝集剤注入率[mg/L]/無機凝集剤注入率[mg/L])が0.001~0.13となるように前記高分子凝集剤を注入することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理方法。
【請求項5】
前記高分子凝集剤を溶解して溶解濃度0.2wt%超0.4wt%以下の水溶液にした後、該水溶液を前記被処理水に注入することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理方法。
【請求項6】
前記高分子凝集剤の注入率は、予め定められた前記無機凝集剤の注入率を増加させずに、前記予め定められた前記無機凝集剤の注入率と、前記被処理水中の前記カビ臭産生生物の濃度とに基づいて、決定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理方法。
【請求項7】
前記カビ臭産生生物は、ジェオスミン又は2-メチルイソボルネオールを産生させる藍藻類を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理方法。
【請求項8】
カビ臭産生生物を含有する被処理水が導入される混和槽と、
前記混和槽内の前記被処理水に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入手段と、
前記無機凝集剤注入後の前記被処理水中にフロックを形成させるフロック形成槽と、
アクリルアミドモノマー含有量が0.05wt%以下、又はアクリルアミド非含有の高分子凝集剤を前記被処理水中に0.05~2.0mg/Lで注入する高分子凝集剤注入手段と、
前記高分子凝集剤注入後の前記被処理水を固液分離することにより、前記被処理水中から前記カビ臭産生生物を除去する固液分離槽と、
を備えることを特徴とする水処理装置。
【請求項9】
前記フロック形成槽が、複数の槽を含み、前記高分子凝集剤注入手段が、少なくとも第一段目又は第二段目の前記フロック形成槽に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の水処理装置。
【請求項10】
前記高分子凝集剤注入手段は、
粉末状の前記高分子凝集剤を溶解させ、溶解濃度0.2wt%超0.4wt%以下の前記高分子凝集剤の水溶液を作製する溶解槽と、
前記高分子凝集剤と前記無機凝集剤との注入率比(高分子凝集剤注入率[mg/L]/無機凝集剤注入率[mg/L])が0.001~0.13となるように、前記高分子凝集剤を前記被処理水に注入する注入ポンプと、
を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の水処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理方法及び水処理装置に関し、特に、水道水、工業用水等を製造する浄水場等において利用可能な水処理方法及び水処理装置に関する。
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【背景技術】
【0002】
浄水場等の水処理施設で利用される原水は、ダム水、湖沼水、河川水等が一般的であるが、富栄養化の進行を始めとする様々な理由から藻類、藍藻類等の生物の異常繁殖による浄水処理の障害が発生してきている。更に近年では、カビ臭を産生する藻類、藍藻類による処理水のカビ臭の問題も日本各地で季節を問わず発生している事象が見られている。
【0003】
水中の主なカビ臭物質は、水道水の異臭味の原因物質であるジェオスミン、2-メチルイソボルネオール(2-MIB)である。これらの物質は、水道水質基準で所定濃度以下にすることが定められている。このようなカビ臭物質を除去するために、殆どの浄水場では、凝集沈殿処理前の原水に粉末活性炭を添加しており、粉末活性炭の添加量を最適化するための種々の検討がなされている。
【0004】
例えば特開2022-187271号公報(特許文献1)には、原水に含まれる藻類を検出して藻類の種類を判定する藻類検出判定手段と、藻類が発する臭気物質の種類を推定する臭気物質推定手段と、原水もしくは粉末活性炭注入処理後の処理水に含まれる臭気物質の濃度を測定する臭気物質濃度測定手段と、臭気物質濃度測定手段により測定された臭気物質の濃度を用いて、着水井の被処理水に含まれる臭気物質の濃度を目標の濃度にするための臭気物質対応粉末活性炭注入率を計算し、臭気物質対応粉末活性炭注入率に基づき、着水井の被処理水もしくは凝集剤混和池の被処理水に注入する粉末活性炭の注入量を制御する粉末活性炭注入制御手段を備える粉末活性炭注入制御システムの例が記載されている。
【0005】
特開2015-157239号公報(特許文献2)には、薬品注入率の低減及び処理水のカビ臭値の低減を両立することができる水処理プロセスの制御方法として、原水濁度に基づいて、凝集剤処理で注入する凝集剤の基本注入率を決定し、さらに、原水カビ臭値に基づいて、凝集沈殿処理で注入する凝集剤の最大注入率を決定して、基本注入率及び最大注入率の範囲内で、複数の凝集剤注入率を選択する、水処理プロセスの制御方法の例が記載されている。
【0006】
特開2022-26969号公報(特許文献3)には、原水の水質に基づき、原水の濁質の凝集沈殿に必要な凝集剤の注入率である第1の凝集剤注入率を算出し、原水中の臭気物質濃度と、原水の紫外線吸光度、蛍光強度、および溶解性有機体炭素濃度のうちの少なくとも何れかならびに、第1の凝集剤注入率とに基づき、原水中の臭気物質の除去に必要な粉末活性炭の注入率である第1の粉末活性炭注入率を算出する水処理方法の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-187271号公報
特開2015-157239号公報
特開2022-26969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された発明では、粉末活性炭処理により凝集処理前の原水中のカビ臭物質はほぼ除去される。しかしながら、その発生源であるカビ臭を産生する生物は、粉末活性炭処理では除去できず、後段の凝集処理において粉末活性炭を含む原水由来の濁質とともに沈殿除去している。そのため、カビ臭産生生物をより確実に除去するための凝集剤注入率等の凝集条件の設定が新たに必要で、凝集処理に必要な凝集剤の添加量も多くなることがある。
【0009】
特許文献2に記載された発明には、原水中のカビ臭産生生物を除去することについては記載されていない。処理水中から発生するカビ臭を除去するためには、無機凝集剤の注入率を高くする方法が一般的であるが、無機凝集剤注入率の増加は、薬品使用コストとともに、沈殿汚泥量の増加に伴う汚泥処理コストの増加も伴う。また、特許文献3に記載された発明は粉末活性炭の注入率を最適化できるが、凝集剤注入率の低減については詳細な検討がされていない。
【0010】
上記課題に鑑み、本発明は、カビ臭産生生物を含む被処理水への凝集剤の注入率を低減しながら、異臭味の無い安全安心な処理水を得ることが可能な水処理方法及び水処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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