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公開番号
2025094391
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023209873
出願日
2023-12-13
発明の名称
排水処理方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C02F
1/62 20230101AFI20250618BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】本発明は、重金属含有排水から重金属を除去する排水処理方法において、適切な量のキレート剤を添加できる排水処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、重金属含有排水にキレート剤を添加する工程を含み、重金属含有排水の温度と、下記式で算出される目標除去率(%)となるキレート剤の添加量との関数の近似直線に基づいてキレート剤の添加量を決定する、排水処理方法に関する。
目標除去率(%)=(排水中のカドミウム濃度(mg/L)-0.02)/排水中のカドミウム濃度(mg/L)×100
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
重金属含有排水にキレート剤を添加する工程を含み、
前記重金属含有排水の温度と、下記式で算出される目標除去率(%)となるキレート剤の添加量との関数に基づいてキレート剤の添加量を決定する、排水処理方法。
目標除去率(%)=(排水中のカドミウム濃度(mg/L)-0.02)/排水中のカドミウム濃度(mg/L)×100
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
前記重金属含有排水の各温度に対して、下記手順で算出した最適添加量をプロットし、近似直線を得た場合、近似直線の傾きが0.5以下である、排水処理方法:
(最適添加量の算出)
重金属含有排水の温度を一定に保ちながらキレート剤を各添加量で添加し、添加前後の排水中のカドミウム濃度を測定して算出される除去率が、前記目標除去率を超えたときの添加量を、その温度に対する最適添加量とする。
【請求項3】
前記キレート剤を添加する工程の後に、重金属を分離する工程をさらに有する、請求項1又は2に記載の排水処理方法。
【請求項4】
前記重金属を分離する工程が、精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いたろ過処理工程、凝集沈殿処理工程、加圧浮上処理工程及び遠心分離処理工程よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の排水処理方法。
【請求項5】
前記重金属含有排水が、カドミウムを含む、請求項1又は2に記載の排水処理方法。
【請求項6】
前記重金属含有排水が、火力発電所の排煙脱硫排水である、請求項1又は2に記載の排水処理方法。
【請求項7】
前記キレート剤がピペラジン系ジチオカルバミン酸塩である、請求項1又は2に記載の排水処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理方法に関する。具体的には、本発明は、重金属含有排水から重金属を除去するための排水処理方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
水資源を守るために、上水、排水、廃水、汚水などの様々な水から不純物成分を除去し、浄化水を得る水処理が求められている。例えば、イタイイタイ病の原因物質であるカドミウムのように、金属工業、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業、溶融めっき業、水産食料品製造業の排水に含まれる重金属成分は、人の健康に影響を及ぼす可能性がある。このため、国連機関や日本国を含む各国で重金属に関する環境基準や排出基準が定められている。カドミウムは、国連機関による耐容摂取量の設定を受け、水質汚濁防止法の排水基準が0.03mg/L以下に強化された(非特許文献1)。
【0003】
重金属含有排水の処理方法としては、キレート剤を用いた処理方法が知られている。例えば、特許文献1には、重金属含有排水にキレート系重金属処理剤を加えて該排水中の重金属成分を除去するための該キレート系重金属処理剤の必要添加量を決定する方法において、該重金属含有排水のpHを、pH6~8の中性付近でpHの変動幅を±0.5以内に抑えながら該排水にキレート系重金属処理剤を添加し、このキレート系重金属処理剤の添加量と、このキレート系重金属処理剤の添加前後の該排水の酸化還元電位の変化量を測定し、この測定結果に基づいて、前記必要添加量を決定する方法であって、前記キレート系重金属処理剤の添加量に対して、該酸化還元電位の変化量が最大となる時のキレート系重金属処理剤の添加量を必要添加量とすることを特徴とするキレート系重金属処理剤の必要添加量の決定方法が開示されている。また、特許文献2には、水産加工排水である原水を生物処理することによりCODが160mg/L以下の処理水を得る一次処理手段と、前記一次処理手段の下流に配置される前記処理水に無機凝集剤およびキレート剤を添加する手段と、前記無機凝集剤およびキレート剤を添加する手段の下流に配置される前記処理水に対して精密ろ過膜又は限外ろ過膜を用いたろ過である物理処理を行う手段を有し、前記一次処理手段の下流かつ前記物理処理を行う手段の上流に、前記処理水のpHを6から8に調整する手段を有する水処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4811899号公報
特許第6015841号公報
【非特許文献】
【0005】
環境省「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、キレート剤は一般に高価であるため、水処理にかかるコストが高騰するという問題がある。また、キレート剤を過剰量添加した場合、排水処理効率が悪化する懸念もある。一般にジチオカルバミン酸塩系のキレート剤が二硫化炭素を発生して分解することから、キレート剤は最低必要量より過剰に添加される傾向にあり、余剰添加量を抑制することに関しては、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
【0007】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、重金属含有排水から重金属を除去する排水処理方法において、適切な量のキレート剤を添加できる排水処理方法を提供することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の具体的な態様の例を以下に示す。
【0009】
[1] 重金属含有排水にキレート剤を添加する工程を含み、
重金属含有排水の温度と、下記式で算出される目標除去率(%)となるキレート剤の添加量との関数に基づいてキレート剤の添加量を決定する、排水処理方法。
目標除去率(%)=(排水中のカドミウム濃度(mg/L)-0.02)/排水中のカドミウム濃度(mg/L)×100
[2] 重金属含有排水の各温度に対して、下記手順で算出した最適添加量をプロットし、近似直線を得た場合、近似直線の傾きが0.5以下である、[1]に記載の排水処理方法:
(最適添加量の算出)
重金属含有排水の温度を一定に保ちながらキレート剤を各添加量で添加し、添加前後の排水中のカドミウム濃度を測定して算出される除去率が、目標除去率を超えたときの添加量を、その温度に対する最適添加量とする。
[3] キレート剤を添加する工程の後に、重金属を分離する工程をさらに有する、[1]又は[2]に記載の排水処理方法。
[4] 重金属を分離する工程が、精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いたろ過処理工程、凝集沈殿処理工程、加圧浮上処理工程及び遠心分離処理工程よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、[3]に記載の排水処理方法。
[5] 重金属含有排水が、カドミウムを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の排水処理方法。
[6] 重金属含有排水が、火力発電所の排煙脱硫排水である、[1]~[5]のいずれかに記載の排水処理方法。
[7] キレート剤がピペラジン系ジチオカルバミン酸塩である、[1]~[6]のいずれかに記載の排水処理方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、重金属含有排水から重金属を除去する排水処理方法において、適切な量のキレート剤を添加することができる。これにより、排水処理方法のコストを抑えつつ、効率良く排水処理を行うことができる。本発明によれば、キレート剤の適切な量を一次関数として近似することにより、幅広い水温範囲において最適なキレート剤を選定し、余剰添加量を抑え、高温の排水を効率よく処理できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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