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公開番号2025097939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2024216423
出願日2024-12-11
発明の名称排水処理システム及び排水処理方法
出願人INNFRA株式会社
代理人弁理士法人シアラシア
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250624BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】逆浸透膜の閉塞を抑制し、取水量及び排水量を抑えることができる排水処理装置及び排水処理方法を提供する。
【解決手段】生活雑排水に対して生物処理を行う生物処理手段と、前記生物処理された生物処理水を貯留する原水槽であって、前記原水槽の原水を前記生物処理手段に移送する第1の循環手段と、前記原水槽の原水を第1の殺菌手段により殺菌して前記原水槽に戻す第2の循環手段と、を備える前記原水槽と、前記原水槽の前記原水を濃縮水と透過水とに分離する膜処理手段と、を備える排水処理システムによって解決される。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
生活雑排水に対して生物処理を行う生物処理手段と、
前記生物処理された生物処理水を貯留する原水槽であって、
前記原水槽の原水を前記生物処理手段に移送する第1の循環手段と、
前記原水槽の前記原水を第1の殺菌手段により殺菌して前記原水槽に戻す第2の循環手段と、
を備え、
前記第1の殺菌手段が紫外線照射である前記原水槽と、
前記原水槽の前記原水を濃縮水と透過水とに分離する膜処理手段と、
を備える排水処理システム。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
さらに、前記膜処理手段で分離された前記透過水を貯留する透過水槽と、
前記透過水槽の前記透過水に対して殺菌処理を行う第2の殺菌手段と、
前記第2の殺菌手段により殺菌処理を行った殺菌処理水を貯留する殺菌処理水槽と、
を備える請求項1に記載の排水処理システム。
【請求項3】
前記第2の殺菌手段において、前記殺菌処理が殺菌剤タンクの殺菌剤を前記透過水に含有させることであり、前記膜処理手段の後に前記透過水の流量を測定する流量計を配置して、前記流量計の測定値を制御装置に取り込み、前記流量計の測定値に基づいて前記殺菌剤タンクから前記殺菌剤を汲み上げるポンプの流量を自動制御することを特徴とする請求項2に記載の排水処理システム。
【請求項4】
前記第2の殺菌手段が次亜塩素酸ナトリウム処理、塩素処理、臭素処理、紫外線照射、オゾン処理及び金属イオン処理からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項2に記載の排水処理システム。
【請求項5】
前記殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウム液、塩素水、臭素水及び金属イオン水からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項3に記載の排水処理システム。
【請求項6】
さらに、雨水を貯留する雨水貯留槽と、
前記雨水貯留槽の前記雨水を前記生物処理手段に移送する給水ポンプと、
前記原水槽の前記原水の排水を制御する電磁弁と、
前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導率計と、
前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記給水ポンプと前記電磁弁を制御可能な制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記電磁弁を開いて前記原水の排水を開始し、同時に前記給水ポンプを作動させて前記雨水の前記生物処理手段への移送を開始し、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記電磁弁を閉じて前記原水の排水を停止し、同時に前記給水ポンプを停止させて前記雨水の前記生物処理手段への移送を停止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理システム。
【請求項7】
さらに、イオン交換樹脂装置と、
前記原水槽の前記原水を前記イオン交換樹脂装置に移送する給水ポンプと、
前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導率計と、
前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記給水ポンプを制御可能な制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記給水ポンプを作動させて前記原水の前記イオン交換樹脂装置への移送を開始し、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記給水ポンプを停止させて前記原水の前記イオン交換樹脂装置への移送を停止する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理システム。
【請求項8】
さらに、イオン交換樹脂装置と、
前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導率計と、
前記濃縮水を前記イオン交換樹脂装置に移送する配管と前記濃縮水を前記イオン交換樹脂装置に移送しない配管の切り替えを制御する電磁弁と、
前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記電磁弁を制御可能な制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記電磁弁を作動させて前記濃縮水の前記イオン交換樹脂装置への移送を開始し、
前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記電磁弁を作動させて前記前記濃縮水の前記イオン交換樹脂装置への移送を停止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理システム。
【請求項9】
生活雑排水に対して生物処理を行う生物処理工程と、
生物処理された生物処理水を原水槽に原水として貯留する原水貯留工程と、
前記原水を透過水と濃縮水に分離する膜処理工程と、
を備える排水処理方法であって、
前記原水を前記生物処理工程に移送する第1の循環工程と、
前記原水を第1の殺菌手段により殺菌処理して前記原水槽に移送する第2の循環工程と、
を有する排水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理システム及び排水処理方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
地球環境問題への関心が高まる中、自然環境への負荷を最小限にしたオフグリッドハウス(電力、ガス、水道など生活に必要なライフラインを公共のインフラストラクチャーに依存せず、独立して確保できるよう設計された建物)が注目を集めている。オフグリッドハウスで用いる電力は自然エネルギーを利用し、水は井戸水、河川の水、雨水などの自然由来の水を用いることになる。しかし、上下水道が通っておらず、井戸水などからの取水や排水が難しい土地では生活上必須となる水を利用することができないため、結果として人が生活を営むことができない。そのため、取水及び排水の可否などの土地の条件に依らず、いかなる場所であっても水を自給自足できる仕組みが求められている。
【0003】
特許文献1では、自立循環型のトイレを想定し、需要家から排出される排水を微生物によって処理する生物処理槽と、消臭・脱色・殺菌を目的としたオゾン発生器を含む循環型排水処理ユニットが提案されている。特許文献2では、海水を逆浸透膜(以下、「RO膜」ともいう。)処理により淡水化する水処理方法において、海水に含まれる固液分離手段では除去しきれない生体外分泌高分子粒子等の有機物等を泡沫分離装置で除去し、逆浸透膜で分離した濃縮水を泡沫分離装置で発生する泡沫の消泡に用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7299664号公報
特許第6609236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗面台、シャワー、キッチン、洗濯機等の生活雑排水を循環利用するための水処理装置において、特許文献1に記載された屎尿を消臭・殺菌等するオゾン発生器はオーバースペックであり、海水淡水化に関する特許文献2に記載された方法も、生体外分泌高分子粒子等の有機物が含まれない生活雑排水の処理には不要である。
【0006】
屎尿を含まない生活雑排水を生物処理した原水であっても、生活雑排水に含まれていた有機物が完全に除去されるわけではなく、また生物処理設備中の微生物自体がSS(Suspended Solids:水質の濁りの原因となる2mm以下の浮遊物質)として原水中に残ることがある。発明者らは、生活雑排水の循環利用を長期間続ける中で、原水に含まれる無機物及び原水タンクの底部に蓄積するSSによって水質が悪化するという課題に直面した。また、原水槽に貯留している原水の一般細菌が増殖し、水質の悪化とそれによる悪臭の発生も認められる。水質が悪化した原水を逆浸透膜処理すると逆浸透膜の閉塞により真水の生成量が減少するという問題もある。
このような状況から、逆浸透膜に通水する原水の無機物及びSSの蓄積と雑菌の発生を抑制し、逆浸透膜に負荷をかけない排水処理システムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、逆浸透膜の閉塞を抑制し、取水量及び排水量を抑えることができる排水処理システム及び排水処理方法を提供する。
【0008】
即ち、本発明は、
(1)生活雑排水に対して生物処理を行う生物処理手段と、前記生物処理された生物処理水を貯留する原水槽であって、前記原水槽の原水を前記生物処理手段に移送する第1の循環手段と、前記原水槽の前記原水を第1の殺菌手段により殺菌して前記原水槽に戻す第2の循環手段と、を備え、前記第1の殺菌手段が紫外線照射である前記原水槽と、前記原水槽の前記原水を濃縮水と透過水とに分離する膜処理手段と、を備える排水処理システム。
(2)さらに、前記膜処理手段で分離された前記透過水を貯留する透過水槽と、前記透過水槽の前記透過水に対して殺菌処理を行う第2の殺菌手段と、前記第2の殺菌手段により殺菌処理を行った殺菌処理水を貯留する殺菌処理水槽と、を備える(1)に記載の排水処理システム。
(3)前記第2の殺菌手段において、前記殺菌処理が殺菌剤タンクの殺菌剤を前記透過水に含有させることであり、前記膜処理手段の後に前記透過水の流量を測定する流量計を配置して、前記流量計の測定値を制御装置に取り込み、前記流量計の測定値に基づいて前記殺菌剤タンクから前記殺菌剤を汲み上げるポンプの流量を自動制御することを特徴とする(2)に記載の排水処理システム。
(4)前記第2の殺菌手段が次亜塩素酸ナトリウム処理、塩素処理、臭素処理、紫外線照射、オゾン処理及び金属イオン処理からなる群より選択される少なくとも1つを含む(2)に記載の排水処理システム。
(5)前記殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウム液、塩素水、臭素水及び金属イオン水からなる群より選択される少なくとも1つを含む(3)に記載の排水処理システム。
(6)さらに、雨水を貯留する雨水貯留槽と、前記雨水貯留槽の前記雨水を前記生物処理手段に移送する給水ポンプと、前記原水槽の前記原水の排水を制御する電磁弁と、前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導度率計と、前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記給水ポンプと前記電磁弁を制御可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記電磁弁を開いて前記原水の排水を開始し、同時に前記給水ポンプを作動させて前記雨水の前記生物処理手段への移送を開始し、前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記電磁弁を閉じて前記原水の排水を停止し、同時に前記給水ポンプを停止させて前記雨水の前記生物処理手段への移送を停止することを特徴とする(1)又は(2)に記載の排水処理システム。
(7)さらに、イオン交換樹脂装置と、前記原水槽の前記原水を前記イオン交換樹脂装置に移送する給水ポンプと、前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導度率計と、前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記給水ポンプを制御可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記給水ポンプを作動させて前記原水の前記イオン交換樹脂装置への移送を開始し、前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記給水ポンプを停止させて前記原水の前記イオン交換樹脂装置への移送を停止する、ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の排水処理システム。
(8)さらに、イオン交換樹脂装置と、前記原水、前記濃縮水及び前記透過水からなる群より選択されるいずれか1つの電気伝導度を測定する電気伝導度率計と、前記濃縮水を前記イオン交換樹脂装置に移送する配管と前記濃縮水を前記イオン交換樹脂装置に移送しない配管の切り替えを制御する電磁弁と、前記電気伝導率計で測定した電気伝導度に応じて前記電磁弁を制御可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電気伝導率計の測定値が閾値を上回ると前記電磁弁を作動させて前記濃縮水の前記イオン交換樹脂装置への移送を開始し、前記電気伝導率計の測定値が閾値を下回ると前記電磁弁を作動させて前記前記濃縮水の前記イオン交換樹脂装置への移送を停止することを特徴とする(1)又は(2)に記載の排水処理システム。
(9)生活雑排水に対して生物処理を行う生物処理工程と、生物処理された生物処理水を原水槽に原水として貯留する原水貯留工程と、前記原水を透過水と濃縮水に分離する膜処理工程と、を備える排水処理方法にであって、前記原水を前記生物処理工程に移送する第1の循環工程と、前記原水を第1の殺菌手段により殺菌処理して前記原水槽に移送する第2の循環工程と、を有する排水処理方法。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、逆浸透膜の閉塞を抑制でき、自動化が可能で、オフグリッド環境において取水量及び排水量を抑えることができる排水処理システム及び排水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の排水処理システムのフロー図を表す。
本発明の排水処理システムの一例を表す。
本発明の排水処理システムにおいて、第2の殺菌手段を逆浸透膜処理後の透過水の流量に従って制御する一例を表す。
本発明の排水処理システムにおいて、雨水の給水と原水の排水を自動制御により行う自動給排水装置を追加した一例を示す。
本発明の排水処理システムにおいて、原水槽の原水を給水ポンプによりイオン交換樹脂装置に移送する一例を示す。
本発明の排水処理システムにおいて、逆浸透膜装置により分離された濃縮水をイオン交換樹脂装置に移送する際に2つの電磁弁を用いる一例を示す。
本発明の排水処理システムにおいて、逆浸透膜装置により分離された濃縮水をイオン交換樹脂装置に移送する際に三方弁を用いる一例を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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