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公開番号
2025126166
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-28
出願番号
2025023470
出願日
2025-02-17
発明の名称
シアン含有廃水の処理方法
出願人
株式会社片山化学工業研究所
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C02F
1/70 20230101AFI20250821BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】本発明は、還元剤を有するか又は還元剤が添加されるシアン含有廃水の処理において過酸化水素が使用される場合に、シアン含有廃水中のシアン化合物を低減し、かつ、CODの上昇を抑制する、シアン含有廃水の処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】シアン含有廃水の処理方法であって、上記廃水は還元剤を有する、及び/又は、上記廃水に還元剤を添加する還元剤添加工程を含み、さらに、上記廃水に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程と、上記過酸化水素添加工程後の上記廃水中のCODを測定するCOD測定工程と、を含み、上記還元剤は硫黄原子を含み、上記硫黄原子の全てが酸素との共有結合を有する化合物である、シアン含有廃水の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シアン含有廃水の処理方法であって、
前記廃水は還元剤を有する、及び/又は、前記廃水に還元剤を添加する還元剤添加工程を含み、
さらに、前記廃水に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程と、
前記過酸化水素添加工程後の前記廃水中のCODを測定するCOD測定工程と、を含み、
前記還元剤は硫黄原子を含み、前記硫黄原子の全てが酸素との共有結合を有する化合物である、シアン含有廃水の処理方法。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
前記シアン含有廃水に、さらに金属化合物を添加する金属化合物添加工程を含む、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記金属化合物は、銅化合物、マンガン化合物、鉄化合物及び亜鉛化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び次亜硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2又は3に記載の処理方法。
【請求項5】
前記還元剤添加工程は、前記COD測定工程で得られた廃水中のCOD値に基づき、前記還元剤の添加量を調整し添加するものである請求項1、2又は3に記載の処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアン含有廃水の処理方法に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
シアンは生態系に強い悪影響を及ぼすため、シアン含有廃水(以下、「シアン廃水」ともいう。)を自然界にそのまま放出することはできない。シアンについては排水基準が定められており、この基準(1mg/l以下)を満たすようにシアンの除去処理を行い、無害化した廃水でなければ下水などに排出できないことになっている。また、廃水中に含まれるシアンの一部はシアン化水素ガスとして周辺に拡散し、作業環境が著しく損なわれるという問題もあり、労働安全衛生法では、シアン化水素の作業環境濃度は3ppm以下であることが規定されている。シアンは、廃水の由来にも因り、含有量の多少はあるが、難分解性シアン錯体及びそのイオン、易分解性シアン錯体及びそのイオン、並びに、シアン化物イオン(遊離シアン)の3種の形態で廃水中に存在している。
【0003】
従来からシアン含有廃水中のシアンの除去処理として様々な方法が提案され、実用化されているが、いずれも一長一短があり、廃水の状況に応じて使い分けられている。
例えば、(1)シアン含有廃水をアルカリ性に調整した後、塩素を注入してシアンを酸化分解するアルカリ塩素法、(2)強力なオゾンの酸化力でシアンを窒素ガスと炭酸水素塩に酸化分解するオゾン酸化法および(3)非溶解性の電極を用いてシアンを電気分解し、酸化反応を行なう電解酸化法(電解法)などの酸化分解法;(4)シアン含有廃水中に、鉄イオンの供給化合物として、例えば硫酸第一鉄を添加し、難溶性のフェリ/フェロシアン化物を生成させ、これを沈殿除去する紺青法、(5)塩化亜鉛と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する亜鉛白法および(6)銅塩と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する還元銅塩法などの不溶錯体法;(7)シアンに対して馴養させた微生物(シアン分解菌)にシアンを分解させる生物処理法;(8)シアン含有廃水を高温に保持してシアン化合物をアンモニアと蟻酸に加水分解させ、共存する重金属類を単体または酸化物として析出させる熱加水分解法および(9)シアンの分解以外に有機汚濁物をも酸化分解させる湿式酸化法などの熱水反応などがある。そのため、シアン含有廃水中のシアンの除去処理には様々な薬剤が、廃水の状況に応じて使い分けられていた。
【0004】
上述のシアン含有廃水中のシアンの除去処理方法のうち、還元剤を用いた処理方法に関しては次のような開示がある。
例えば、特許文献1には、シアン含有廃水に過酸化水素及び還元剤を添加して反応させ、次いで銅塩を添加して反応させた後、その反応液を固液分離することにより反応液中に生じた難溶性シアン化合物を分離除去する処理方法が開示されている。還元剤は、廃水中に含まれる鉄シアノ錯体を銅塩と共に難溶化する目的でシアン含有廃水に添加されており、好適な還元剤として、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、塩化第一鉄、ならびに硫化ナトリウム及び四硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物等が挙げられている。
特許文献2には、シアン含有廃水に、2価の銅塩及び還元剤を添加して難溶性塩を生成させて分離する工程を含む処理方法が記載されている。
これらの文献において、還元剤は、シアン含有廃水に添加される銅塩等の他の薬剤と共に添加され、難溶性シアン化合物のような難溶性塩を生成する目的で用いられることが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、錯シアン含有廃水に、銅化合物及び過酸化水素を共存させ、廃水中の錯シアンを処理する方法が開示されている。この方法によると、還元剤を用いることなく錯シアンを含む廃水のシアン濃度を十分に低減できる。なお、特許文献3にも還元剤の使用が記載されているが、還元剤は第二銅化合物と共に錯シアン含有廃水に添加されるものであり、廃水中で第二銅化合物を還元し第一銅イオン供給化合物を生成する目的で添加されている。このような還元剤の使用は、シアン化合物処理効果の向上を得る目的での使用である。
【0006】
また、特許文献4には、シアン含有廃水に二酸化塩素と、マンガン化合物、鉄化合物、亜鉛化合物及び銅化合物から選択される1種以上の金属化合物とを併用して、廃水からシアンを除去する方法が記載されている。そして、上記鉄化合物として、水中で3価の鉄イオンを形成し得る鉄化合物を還元剤と共にシアン含有廃水に添加することや、上記銅化合物として、第二銅化合物を還元剤と共にシアン含有廃水に添加することが開示されている。よって、還元剤は共に添加される鉄化合物又は第二銅化合物を廃水中で還元させ、2価の鉄イオン供給化合物や第一銅イオン供給化合物を生成させる目的で添加されている。このような還元剤の使用は、シアン化合物処理効果の向上を得る目的での使用である。
さらに、特許文献4には、シアン含有廃水に二酸化塩素と上記金属化合物に加え、さらに還元剤を併用することにより廃水のCOD(化学的酸素要求量)除去効果が得られることが開示されている。
【0007】
このようにシアン含有廃水の処理方法において還元剤を添加する方法は複数あるが、いずれもシアン化合物処理効果の向上に資する目的で還元剤が添加されている(例えば、特許文献1~4)。なお、廃水のCOD除去効果を目的として還元剤を添加する方法も一部開示されているが(特許文献4)、COD(Chemical Oxygen Demand)は、酸化剤を使って有機物などを酸化・分解するときに消費される酸素量を表しており、還元剤そのものは廃水中のCODを上昇させる一因となりうる。そのため、特許文献4に開示される還元剤によるCOD除去効果は、あくまで特許文献4に記載の発明全体から得られる効果であり、他のシアン含有廃水の処理方法において同様の効果が得られるものではなかった。
【0008】
なお、シアン含有廃水処理において使用される還元剤の使用目的としては、上述のシアン化合物の処理効果を向上させる目的の他に、例えば、酸化剤を除去する目的も一般的である。酸化剤を除去する目的は様々であるが、例えば酸化剤による腐食や、次工程においての反応性の懸念を解消する目的、また、処理水を放流するにあたって処理水中の酸化剤の残留規制等を満たす目的等があげられる。シアン化合物の処理が行われる廃水に対して、これらの目的で還元剤が使用されることがあり、廃水中にシアン化合物処理のために添加される薬剤と還元剤とが共存することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6474472号公報
特開2008-36608号公報
特許第6145682号公報
特開2021-53620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の通り、シアン含有廃水の処理において還元剤が種々の目的で用いられることが知られている。しかしながら、本発明者らの検討によると、シアン含有廃水の処理において過酸化水素が使用される場合は、還元剤の併用により廃水中のCODが大幅に上昇するという課題があることが見出された。
そのため、シアン含有廃水の処理において過酸化水素が使用される場合に、還元剤が廃水中に存在しているか、又は、還元剤が添加されるかにより、シアン含有廃水中で過酸化水素と還元剤とが共存すると、廃水中のCODが大幅に上昇し、処理水の排出にあたりCODを排水基準値以下に処理する必要が生じ、さらなる薬剤の添加や、希釈や時間をかけた放流等が必要になる場合があった。そして、このような処理水への追加処理は時間を要するため、シアン含有廃水を排出する工場の操業負荷を下げることを余儀なくされ、工場稼働率の低下を招くという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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