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公開番号2025132965
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024042889
出願日2024-02-29
発明の名称流体除菌機器
出願人株式会社バンブーケミカル研究所,個人
代理人
主分類C02F 1/32 20230101AFI20250903BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】管内を流れる水や空気のような流体に対して、均等に高い除菌効果を実現する流体除菌機器を提供する。
【解決手段】本発明の流体除菌機器は、筒型をした機器本体1と、流入側接続部2と、流出側接続部3、前記機器本体1の内部に組み込まれた円錐形の整流部4と、前記整流部につながって設けられた流体通過穴5を菅内壁近くに円周状にもつ整流板6と、前記整流板の中心に設けられた紫外線透過板7と、これに隣接して組み込まれた深紫外LED8と、鏡面部14と、電気制御部15で構成される。前記は、上流側に取付けられる説明だが、下流側にも同じ構成の機器が併設されて、両方の運用で除菌効果を更に上げることもできる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
円筒形の内部が空洞で、流入側と流出側にそれぞれ流体が流通可能な開口部をもつ機器本体と、流入側接続部と、流出側接続部で構成される機器において、前記機器本体の内側に流路に対して平行に配置され、流れを規制して菅の内壁近くに流体を誘導する整流部と,前記整流部の下流側に菅に直交して配置される整流板と、前記整流板の中心付近に配置される紫外線透過板と、前記紫外線透過板を透過して流体の流れに平行方向で下流側に向けて光を発する除菌のためのLEDと、前記整流板の円筒状内壁に近い位置に円周状に配置される複数の流体通過穴と、電気制御部で構成されることを特徴とする流体除菌機器
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記円筒形の機器本体内の流体に向かって照射される除菌手段のLEDが波長220~300nmの範囲の光を発する深紫外LEDであることを特徴とする請求項1に記載の流体除菌機器
【請求項3】
前記円筒形の機器本体内側の流路の断面積が、前記流入側接続部、又は流出側接続部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の流体除菌機器
【請求項4】
前記円筒状の機器本体の内側内面の表面が鏡面をもって構成されることを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項3に記載の流体除菌機器
【請求項5】
前記円筒形の機器本体内側にあって、流路の下流側に菅に直交して配置される整流板と、前記整流板の中心付近に配置される紫外線透過板と、前記紫外線透過板を透過して流体の流れに平行方向に上流方向に向けて光を発する除菌のためのLEDと、前記整流板の円筒状内壁に近い位置に円周状に配置された複数の流体通過穴と、機器本体内の流れを規制して菅の内壁近くから菅の中心方向に流体を誘導する整流部とで構成されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、及び請求項4に記載の流体除菌機器

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工場、各種施設、事務所や一般住宅内に設置されているパイプ内を流れる水や空気などの流体に対して、流路の途中で水や空気などに対して、ウイルスの不活性化と、一般の菌の除菌機能をもつ流体除菌機器である。本機器の使い方として、対象の流体が水の場合、配管内を流れる水に対して、給水配管の途中に本流体除菌機器を組み込むことにより、パイプ内を流れる水に含まれるウイルスの不活化、及び除菌が行われて、清潔な水を給水することができる。また、浄水場や工場の貯水タンクなどから送水する際には、塩素剤などによる化学的な除菌手段に依存せず、本発明の様な物理的な除菌は安全に対する阻害要因は無く、高品質な水を提供できる。また対象の流体が空気の場合、例えば、建物の室外の空気を室内に取り込む天井配管の途中に本流体除菌機器を接続することにより、機器の中で、空気中のウイルスの不活化、除菌が効果的に行われ、室内に清潔で安全な空気を取り込むことができる。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、パイプ内を流れる水や空気に対して、配管の途中で除菌を行うことは、これまであまり実施されてこなかった。また、除菌等の付帯機能をもつ室内への給気機器もあまり存在しなかった。しかし、今後も日常生活において各種ウイルスの感染や各種菌の広がりも心配される。また、本発明は、対象の流体が水の場合、一般の飲料水や、食品・飲料品工場などで、安全な水の確保は重要なインフラの要素の一つとなっている。また、対象の流体が空気の場合は、室内空間への給気に対策を施す発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-141292号公報
特開2017-121319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、流体殺菌装置1は、殺菌対象の流体が軸方向に流れる流路を有する筒体5と、流体に対して紫外光を出射する紫外LEDを有する光源3と、筒体5の内部に流体が流入する流入口5a側に設けられて、流体を整流する整流部8とを備えている。整流部8は、軸方向に互いに離間して配置され、流体が通過する複数の孔を各々が有する複数の整流板8A,8Bにより構成されている。また、前記整流部は、少なくとも前記流入口に最も近い位置に設けられた第1の整流板と、前記第1の整流板よりも前記流路の下流側に設けられた第2の整流板とで構成される。この引用特許文献1は前記の整流板の構成が主要な訴求点となっている。しかしながら、本引用特許文献1の問題点として、流入口直後に設けた第1と第2の整流板を通過した直後の流体は整流となるが、整流板から遠く離れたLED光源の照射位置付近では、流入方向に対して直角に流出方向を変える箇所は層流状態が乱れて乱流状態となり、均一な流速にならず、管内の流速の差による除菌性能の差が大きくなり、除菌効果が低下する問題がある。また、流路を直角に方向変換する際の流路抵抗が大きくなる問題もある。また、特許文献2では、紫外光により流体を殺菌する効率を向上させる技術であり、その解決手段は、流体殺菌装置は、流体を流すための流路と、流路を流れる流体に向けて、紫外光を照射する光源とを備える。流路は、長手方向に延びる直管を含んでもよく、流体は、流路を層流状態で流れてもよく、光源は、長手方向と直交する流路の断面において中央付近の紫外光強度がその周囲の紫外光強度よりも高い強度分布となるように紫外光を照射してもよい。独自の研究で、直管状の流路内に紫外光を照射して殺菌処理をする場合、乱流状態よりも層流状態の方が約7倍の殺菌効率が得られた。また、一般的に層流状態の流体は、中央付近の流速が最も速く、管内壁付近の流速が遅い速度分布を有しているため、その速度分布に対応させて中央付近の紫外光強度を高めることで、流路内を流れる流体に効果的に紫外光を照射して殺菌効率を向上させることができると記載がある。上記特許文献2の場合、流路内を流れる流体に対して、流入する管径は、菅本体より小径で、菅本体の中心、即ち通常は最大流速の位置に配置されて、紫外線光を発する素子は、菅本体の内壁近くの流速の遅い流体に向かって照射される構成となっていて、管内流速が早い中心付近は、照射光が弱く、流速の遅い菅本体の内壁近くが最も照射照度が強くなり、全く真逆の配置となっていることに問題がある。
【0005】
本発明の目的は、この様なことに鑑みてなされたものであり、先行技術文献1及び2の各問題点を解決する内容となっている。即ち、流入する方向と流出する方向は、直交せずに同一線上にあり、流入する流体の速度が管内断面の位置による差、即ち菅内の中心付近が最大流速となるのを整流部で管内壁近くに流れを規制して均等に分散させる整流部をもつ。また、流体通過穴を円筒状の機器本体の内壁に近い位置に円周上に配置することで、一般的に菅の中心付近が最速の流速となるのを均等化して、管内に層流を形成することができる。上記の構成により、流速が均等化されて層流を形成した流体の流れに平行方向に深紫外光を照射することにより、流体に均等に照射が可能となり、除菌効果を上げることができる。更に、前記機器本体の内壁表面を鏡面にすることで、光の反射効果によって、より高い除菌効果を得ることができる。本発明に使用される深紫外LEDは波長220~300nmで、大学の研究機関や企業等によって、新型コロナウイルス、及びすべての一般的な菌に対する不活性化と除菌の効果が特定の条件下で99%以上の除菌効果の実証がされて、論文などで発表されている。本発明の流体除菌機器の利用者は、管内を流れる流体の配管経路の中間に本流体除菌機器を追加で接続することで、人体に安全な物理的手段による除菌機能をもつ除菌機器を提供できる。例えば、対象の流体が水の場合、貯水タンクから給水して所定の場所まで配管されている配管の途中に、本流体除菌機器を接続すれば、目的の場所に、除菌済みの清潔で安心な水を供給することができる。また対象の流体が空気の場合、例えば、天井裏の配管によって屋外の空気を室内に給気する時は、その配管の途中に接続された本流体除菌機器の内部で除菌が行われる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の流体除菌機器は、対象の流体が水の場合は、食品・飲料品工場への水の供給、浄水場、医療介護施設等での水の利用の場合、本流体除菌機器を配管の途中に追加接続することによって、容易に除菌機能が発揮できる。また、対象の流体が空気の場合は、大型施設の部屋、食品・飲料品工場、精密機器工場、医療介護機関、養鶏等の家畜舎、一般の事務室、家庭内の室内などで、換気をしながら除菌の機能が発揮できる機器として利用できる。また、本発明の流体除菌機器は、感染力の強いウイルスや、一般の菌などに対する確実な不活性化と除菌の対策が求められる課題の解決の手段として有効に利用できる。
本発明の流体除菌機器の実施例について説明する。本発明の流体除菌機器は、筒型をした中が空洞部をもち、流入側と流出側は流体が流通可能な開口部をもつ機器本体1と、流入側接続部2と、流出側接続部3と、前記機器本体1の内部に組み込まれた円錐形状の整流部4と、前記整流部4につながる位置で機器本体に直交して配置され、機器本体1の内壁に近い位置に円周状に配置された複数の流体通過穴5をもつ整流板6と、前記整流板6の中心に流体の流れ方向に平行に下流側に向かって照射光を発する前部に紫外線透過板7に隣接して取り付けられた深紫外LED8と、前記機器本体1の内壁の鏡面部14と、電気制御部15で構成される機器である。また、機器本体1の下流側にも前記と同様の構成であり、即ち、前記機器本体1の内部に組み込まれた円錐形状の整流部9と、前記整流部9につながる位置で機器本体に直交し、機器本体の内壁に近い位置に円周状に配置された複数の流体通過穴10をもつ整流板11と、前記整流板11の中心に流体の流れ方向に平行に上流側に向かって照射光を発する前部に紫外線透過板12に隣接して取り付けられた深紫外LED13と、機器本体1の内壁に設けた鏡面14と、更に前記深紫外LED8、及び深紫外LED13を電気的に制御する電気制御部15とで構成される。また、上記の機器本体1内の上流側から下流側に向けてのみで除菌する場合、また、下流側から上流に向かって照射して除菌する場合、更に、上流側と下流側の両方を同時に機能させる運用でも良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、流体が水の場合、流入側接続部2から配管内を通過して来た水が、筒形の機器本体1内に取付けられた整流部4によって管内断面の流速の差を均一化して機器本体1の内側内壁近くの整流板6の円周上に配置された流体通過穴5の中を通って流れて、機器本体内の流速はほぼ均一化されて層流が形成できる。この流体に向かって下流方向に深紫外LED8の照射光が流体に当たって流体に含まれる菌の除菌が行われる。また、この機器本体の内壁面に鏡面14をもつことで深紫外LED8の照射光が鏡面による反射効果でLED光が増長され水が均等に効果的に除菌される。また対象の流体が空気の場合も、上記の水の場合と同様の工程を経て、空気中に含まれるウイルスや菌の不活化と除菌が行われる。また、流入側接続部、及び流出側接続部の断面積よりも、大きい断面をもつ機器本体1の内側の鏡面14内の除菌空間では、流体の速度が断面積に逆比例して低速になり、深紫外LEDによる除菌の効果が向上する。また、機器本体内の内壁近くの流体通過穴を通過した流体は、一般的な菅内における断面上の流速の分布は、菅の中心が最速の放物線となるため、最低速になる菅内壁近くの流速が上がり、管内の流速が均等化される。この機器本体の内壁近くに複数の円周状の流体通過穴を設けることにより、機器本体内の流体がほぼ均等の流速の層流で通過中に深紫外線が照射されるため除菌効果は向上する。また、下流側も上流側と同じ構成にすることで、上流側と下流側の相乗効果が発揮され、除菌効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態による流体除菌機器の正面断面図
本発明の実施形態による流体除菌機器の正面部分拡大断面図
本発明の実施形態による流体除菌機器の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1~図3を用いて、本発明の実施形態による流体除菌機器を説明する。尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【実施例】
【0010】
図1~図3に示すように、本発明の流体除菌機器の本実施形態は、例えば、対象の流体か水の場合、流入側接続部2から配管内を通過して来た水が、機器本体1内の整流部4と、これに接続される整流板6に円周状に設けられた複数の流体通過穴5によって管内断面上の流速の差を均等化して流れる。流れの途中で紫外線透過板7を透過した深紫外LED8の照射光によって、内壁が鏡面14をもつ円筒状の菅内を流れる水に照射して、均等かつ効果的に除菌が行われる。また、対象の流体が空気の場合も、上記の水の場合と同様の工程を経て、空気中に含まれるウイルスや菌の不活化と除菌が行われる。
【産業上の利用可能性】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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