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公開番号2025130802
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028094
出願日2024-02-28
発明の名称軟水化装置
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/42 20230101AFI20250902BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】再生時の排水の抑制及び効率的な樹脂の再生が可能な軟水化装置を提供する。
【解決手段】軟水化装置は、軟水化室209と、中和室210と、隔膜と、軟水化室209内で弱酸性陽イオン交換樹脂213に囲まれて設けられた第一電極201と、中和室210内で弱塩基性陰イオン交換樹脂214に囲まれて設けられる第二電極202と、制御部110と、を備える。制御部110は、被処理水を軟水化室209の下部、軟水化室209、中和室210の順で通水して軟水を得る軟水化プロセスと、イオン交換樹脂を再生する再生プロセスと、再生プロセスにより放出されたカチオン及びアニオンを軟水化室209及び中和室210から排出する洗浄プロセスと、再生プロセスの実施中または終了後に、再生プロセスで第二電極202表面に付着した固体を溶解する電極洗浄プロセスと、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
弱酸性陽イオン交換樹脂を有し硬度成分を含む原水から軟水を生成する軟水化室と、
弱塩基性陰イオン交換樹脂を有し前記軟水を中和する中和室と、
前記軟水化室と前記中和室との間を前記軟水が通水可能に区画する隔膜と、
前記軟水化室内で前記弱酸性陽イオン交換樹脂に囲まれて設けられ前記弱酸性陽イオン交換樹脂の再生時に陽極として作用する第一電極と、
前記中和室内で前記弱塩基性陰イオン交換樹脂に囲まれて設けられ前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生時に陰極として作用する第二電極と、
前記弱酸性陽イオン交換樹脂および前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記軟水化室の下部より被処理水を流入させ、前記軟水化室、前記中和室の順で通水することで軟水を得る軟水化プロセスと、
前記第一電極および前記第二電極に通電し、水電解により前記第一電極から水素イオンを生成し、前記第二電極から水酸化物イオンを生成し、生成した前記水素イオンにより前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、生成した前記水酸化物イオンにより前記弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生する再生プロセスと、
前記再生プロセスにより前記弱酸性陽イオン交換樹脂から放出されたカチオンを前記軟水化室から排出し、前記弱塩基性陰イオン交換樹脂から放出されたアニオンを前記中和室から排出する洗浄プロセスと、
前記再生プロセスの実施中または前記再生プロセスの終了後に、前記第一電極を負極に接続し、前記第二電極を正極に接続し、前記再生プロセスで第二電極表面に付着した固体を溶解する電極洗浄プロセスと、を実行する軟水化装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記軟水化室に通水された前記原水の水量を測定する水量測定部と、
前記陽イオン交換樹脂と接触する前の前記原水の導電率を測定する原水導電率測定部と、
前記陰イオン交換樹脂と接触した後の中和軟水の導電率を測定する軟水導電率測定部と、
前記軟水化室への特定イオンのイオン吸着量を推定する吸着量推定部と、を備え、
前記吸着量推定部は、
前記水量測定部が測定した前記原水の水量と、前記原水導電率測定部が測定した前記原水の導電率と、前記軟水導電率測定部が測定した前記中和軟水の導電率と、に基づいて、前記軟水化プロセスにおける前記軟水化室へのイオン吸着量を推定する請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記吸着量推定部が推定した前記イオン吸着量に基づいて、前記再生プロセスの実行時間を設定する請求項2に記載の軟水化装置。
【請求項4】
前記再生プロセスにおいて前記軟水化室および前記中和室に対して前記水素イオンおよび前記水酸化物イオン以外の電解質を投入する電解質投入部を備える請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項5】
前記電解質投入部は、
前記再生プロセスにおける前記通電前に、前記軟水化室および前記中和室に前記硬度成分を含む前記原水を流入させる請求項3に記載の軟水化装置。
【請求項6】
前記電解質投入部は、前記電解質を含む薬剤を前記原水に添加する請求項4に記載の軟
水化装置。
【請求項7】
前記電解質投入部は、
当該再生プロセスよりも前に行われた前記洗浄プロセスにおいて排水された前記カチオンまたは前記アニオンの少なくとも一方を含む排水を、当該再生プロセスにおける前記通電前に、前記軟水化室および前記中和室に投入する請求項4に記載の軟水化装置。
【請求項8】
前記排水を貯留する貯留室を備え、
前記貯留室は、
筐体の上部に設けられ前記排水を前記筐体内に流入させる流入口と、
前記筐体の上部に設けられ前記排水を前記筐体外に排出する第一送水口と、
前記筐体の下部に設けられ前記排水を前記軟水化室に送水する第二送水口と、を備え、
前記電解質投入部は、前記第二送水口から送水される前記排水を前記軟水化室に投入する請求項7に記載の軟水化装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記軟水化室へのイオン吸着量を特定する吸着量推定部を備え、
前記再生プロセスにおいて、前記吸着量推定部が推定したイオン吸着量に基づいて 前記第一電極および前記第二電極に通電する電流値を制御する請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項10】
前記再生プロセス開始からの経過時間を測定する計時部を備え、
前記制御部は、
前記計時部の測定した経過時間に基づいて、前記第一電極及び前記第二電極に印加する電流値を変化させる請求項9に記載の軟水化装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換樹脂を利用した軟水化装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在、水道水中の硬度成分を除去する目的で硬水地域を中心として軟水器が広く使用されているが、このような軟水器は、定期的に塩補充の作業が必要である。
【0003】
また、塩補充に関わる作業負担の課題や、塩補充を適切に実施しない場合には軟水を得ることができないという性能面の課題を解決するために、塩を使わずにメンテナンスを行うことができる軟水技術が開発されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示されている軟水システムは、基本構成として、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の2種類の樹脂が混在し、電極の陽極側にバイポーラ膜(陽イオン交換樹脂膜および陰イオン交換樹脂膜を接合した膜:以下BP膜)および陰極側に陽イオン交換樹脂膜を用いて中性の軟水を得ることができる。
【0005】
なお、2つの従来技術はともに一定量の硬度イオンが樹脂に吸着すると当該樹脂の再生が必要になる。例えば特許文献1における再生工程では、電極を用いて、電極間に存在するBP膜および樹脂室に電圧を印加する。BP膜もしくはイオン交換樹脂室にはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の界面が存在する。この界面に電圧がかかると、水分子が開裂しH

とOH

が生成する。生成したH

により弱酸性陽イオン交換樹脂を、生成したOH

により弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6444939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に記載の技術では、イオン交換樹脂から脱離した硬度イオンがイオン交換樹脂に再吸着してしまい、樹脂の再生時の反応が阻害されやすい。そのため、脱離した硬度イオンを排出するために、通水しながら再生を行う必要がある。この通水操作により、樹脂再生時の排水量が多くなるという課題を有する。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、再生時の排水の抑制及び効率的な樹脂の再生が可能な軟水化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る軟水化装置は、弱酸性陽イオン交換樹脂を有し硬度成分を含む原水から軟水を生成する軟水化室と、弱塩基性陰イオン交換樹脂を有し軟水を中和する中和室と、軟水化室と中和室との間を区画し、軟水を通水可能にする隔膜と、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生時に陽極として作用する第一電極と、弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生時に陰極として作用する第二電極と、を備える。第一電極は、軟水化室内で弱酸性陽イオン交換樹脂に囲まれて設けられ、第二電極は、中和室内で弱塩基性陰イオン交換樹脂に囲まれて設けられる。弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生を制御する制御部と、を備える。制御部は、軟水化室の下部より被処理水を
流入させ、軟水化室、中和室の順で通水することで軟水を得る軟水化プロセスと、第一電極および第二電極に通電し、水電解により第一電極から水素イオンを生成し、第二電極から水酸化物イオンを生成し、生成した水素イオンにより弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、生成した水酸化物イオンにより弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生する再生プロセスと、再生プロセスにより弱酸性陽イオン交換樹脂から放出されたカチオンを軟水化室から排出し、弱塩基性陰イオン交換樹脂から放出されたアニオンを中和室から排出する洗浄プロセスと、再生プロセスの実施中または再生プロセスの終了後に、第一電極を負極に接続し、第二電極を正極に接続し、再生プロセスで第二電極表面に付着した固体を溶解する電極洗浄プロセスと、を実行する。これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再生時の排水の抑制及び効率的な樹脂の再生が可能な軟水化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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