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公開番号2025015001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118042
出願日2023-07-20
発明の名称検知方法、検知装置およびプログラム
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 3/12 20230101AFI20250123BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】曝気槽で脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知する。
【解決手段】曝気槽4に装入される脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、曝気槽4の管理項目を対象とする主成分分析により得られる第1主成分の値に基づいて、曝気槽4のバクテリアの活性低下を事前に検知する。第1主成分の値が一定期間継続して上昇傾向を示す場合に、活性低下が生じ得ると判断することが好ましい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
曝気槽に装入される脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、前記曝気槽の管理項目を対象とする主成分分析により得られる第1主成分の値に基づいて、前記曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知する、検知方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記第1主成分の値が一定期間継続して上昇傾向を示す場合に、前記活性低下が生じ得ると判断する、請求項1に記載の検知方法。
【請求項3】
前記一定期間が、前記曝気槽の容積および前記曝気槽に流入する水の量から算出される期間である、請求項2に記載の検知方法。
【請求項4】
前記曝気槽の管理項目が、前記曝気槽に装入される前記脱安水の量、前記曝気槽の溶存酸素量、前記曝気槽のpH、前記曝気槽の温度、前記曝気槽の酸化還元電位、および、前記処理水のSCN濃度を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の検知方法。
【請求項5】
曝気槽に装入される脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、前記曝気槽の管理項目を対象とする主成分分析により得られる第1主成分の値に基づいて、前記曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知する検知部と、
前記検知部による検知結果を報知する報知部と、を備える、検知装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記第1主成分の値が一定期間継続して上昇傾向を示す場合に、前記活性低下が生じ得ると判断する、請求項5に記載の検知装置。
【請求項7】
更に、期間算出部を備え、
前記期間算出部は、前記曝気槽の容積および前記曝気槽に流入する水の量から、前記一定期間を算出する、請求項6に記載の検知装置。
【請求項8】
更に、主成分分析部を備え、
前記主成分分析部は、前記曝気槽に装入される前記脱安水の量、前記曝気槽の溶存酸素量、前記曝気槽のpH、前記曝気槽の温度、前記曝気槽の酸化還元電位、および、前記処理水のSCN濃度を対象とする主成分分析を実施して、前記第1主成分を得る、請求項5~7のいずれか1項に記載の検知装置。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載の検知方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項4に記載の検知方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、検知方法、検知装置およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
製鉄所等に設置されたコークス炉から排出されるガス(コークス炉ガス)に水を噴霧することにより、安水(アンモニア水)が得られる。従来、特許文献1に示すように、安水を放流できる状態にする処理(安水処理)が実施される。
【0003】
安水処理では、概略的には、まず、安水に含有されるアンモニアを、アンモニアストリッパで蒸留分離することにより、脱安水(脱アンモニア水)を得る。次いで、好気性のバクテリア(活性汚泥)を含む曝気槽で、脱安水に生物処理を施す。これにより、アンモニアストリッパで除去しきれなかったCOD成分(有機物)が除去された処理水を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-192679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
曝気槽において、バクテリアの活性低下(汚泥変調)が生じると、脱安水に対して、生物処理を十分に実施できない。
ひとたび汚泥変調が生じると、曝気槽のバクテリアが復調するまで、安水(脱安水)の発生元であるコークス炉での減産が必要となり、ひいては、コークス炉が設置された製鉄所全体に大きく影響を及ぼす場合がある。
しかし、汚泥変調の発生を事前に検知することは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、曝気槽で脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[10]を提供する。
[1]曝気槽に装入される脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、上記曝気槽の管理項目を対象とする主成分分析により得られる第1主成分の値に基づいて、上記曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知する、検知方法。
[2]上記第1主成分の値が一定期間継続して上昇傾向を示す場合に、上記活性低下が生じ得ると判断する、上記[1]に記載の検知方法。
[3]上記一定期間が、上記曝気槽の容積および上記曝気槽に流入する水の量から算出される期間である、上記[2]に記載の検知方法。
[4]上記曝気槽の管理項目が、上記曝気槽に装入される上記脱安水の量、上記曝気槽の溶存酸素量、上記曝気槽のpH、上記曝気槽の温度、上記曝気槽の酸化還元電位、および、上記処理水のSCN濃度を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の検知方法。
[5]曝気槽に装入される脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、上記曝気槽の管理項目を対象とする主成分分析により得られる第1主成分の値に基づいて、上記曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知する検知部と、上記検知部による検知結果を報知する報知部と、を備える、検知装置。
[6]上記検知部は、上記第1主成分の値が一定期間継続して上昇傾向を示す場合に、上記活性低下が生じ得ると判断する、上記[5]に記載の検知装置。
[7]更に、期間算出部を備え、上記期間算出部は、上記曝気槽の容積および上記曝気槽に流入する水の量から、上記一定期間を算出する、上記[6]に記載の検知装置。
[8]更に、主成分分析部を備え、上記主成分分析部は、上記曝気槽に装入される上記脱安水の量、上記曝気槽の溶存酸素量、上記曝気槽のpH、上記曝気槽の温度、上記曝気槽の酸化還元電位、および、上記処理水のSCN濃度を対象とする主成分分析を実施して、上記第1主成分を得る、上記[5]~[7]のいずれかに記載の検知装置。
[9]上記[1]~[3]のいずれかに記載の検知方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[10]上記[4]に記載の検知方法の各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、曝気槽で脱安水に生物処理を施して処理水を得る際に、曝気槽のバクテリアの活性低下を事前に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
検知装置の構成を示すブロック図である。
安水処理に用いる設備を示す概略図である。
実際に汚泥変調が生じた際の曝気槽の各管理項目の値を経時的に示すグラフであり、(a)は曝気槽に装入される脱安水の量(脱安水装入量)、(b)は曝気槽の溶存酸素量、(c)は曝気槽のpH、(d)は曝気槽の温度、(e)は曝気槽の酸化還元電位、処理水SCN濃度示す。
(a)は式(2)で表される第1主成分の値を経時的に示すグラフであり、(b)は処理水SCN濃度の値を経時的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本実施形態の検知装置11を説明する。
図1は、検知装置11の構成を示すブロック図である。
検知装置11は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータであり、報知部12、管理項目取得部13、グラフ作成部14、主成分分析部15、検知部16および期間算出部17を備える。
報知部12は、例えばPC用のモニタであり、表示画面を有する。
管理項目取得部13、グラフ作成部14、主成分分析部15、検知部16および期間算出部17は、例えば、CPU(中央処理装置)と、CPUに接続されたDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)等の主記憶装置と、CPUに接続されたSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)またはHDD(ハード・ディスク・ドライブ)等の大容量記憶装置と、CPUを作動させるプログラムとにより構成される。
これら各部によって実行される処理は、後述する。
(【0011】以降は省略されています)

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