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公開番号2025018452
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122159
出願日2023-07-27
発明の名称嫌気性汚泥の造粒化促進方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類C02F 3/28 20230101AFI20250130BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】嫌気性汚泥の造粒化を促進する方法を提供すること。
【解決手段】排水中の嫌気性汚泥に対し、マグネタイトを重量比(濃度比)で1/30以上1/5以下となるように添加する嫌気性汚泥の造粒化促進方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
排水中の嫌気性汚泥に対し、マグネタイトを重量比(濃度比)で1/30以上1/5以下となるように添加することを特徴とする嫌気性汚泥の造粒化促進方法。
続きを表示(約 81 文字)【請求項2】
前記排水の全COD濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性汚泥の造粒化促進方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気的生物処理における嫌気性微生物の造粒化を促進する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
有機物を含む排水や余剰となった下水汚泥、生ごみ等の有機性廃棄物の生物処理として、一般的に、好気性細菌を用いた活性汚泥法が行われている。活性汚泥法は、曝気と、発生する余剰汚泥の乾燥・燃焼・処分等に要するエネルギーコストが大きく、大量の二酸化炭素を発生するため、環境への負荷が大きい。
嫌気性細菌によるメタン発酵が、消費エネルギーが少なく二酸化炭素発生量が抑えられ、燃料ガスや燃料電池の水素源として利用可能なメタンを回収できることから注目を集めている。
【0003】
メタン生成細菌を始めとする嫌気性細菌は、好気性細菌と比較して増殖速度が遅い。メタン発酵の立ち上げには時間を要するので、立ち上げを早めることは重要なポイントである。また、立ち上げ後に、嫌気性細菌が排水とともに流出することを防ぎ、嫌気性細菌を高濃度に保持することも重要となる。
ここで、細菌は、細菌同士が高密度に凝集してグラニュールと呼ばれる自己造粒した汚泥を形成する。グラニュールは、沈殿、ろ過等が可能であるため、取り扱い性に優れている。そのため、嫌気性汚泥を造粒し、グラニュールを立ち上げ時に投入することや、ろ過により嫌気性細菌からなるグラニュールの流出を防ぐことが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、反応槽の立ち上げに際して、反応槽に非生物担体とメタン菌グラニュールとを、担体とメタン菌グラニュールの体積比が100:5~100:500の範囲で存在させた状態で有機性廃水の通水を開始し、その後、有機性廃水の通水を継続することにより、反応槽内のメタン菌グラニュールの少なくとも一部を解体、分散化させて、運転開始に際して担体への微生物の付着を促進して担体表面に活性の高い生物膜を早期に形成させることにより、装置の立ち上げに要する時間を大幅に短縮すると共に、装置の立ち上げ後においても効率的な処理を行う有機性排水の処理方法、に関する発明が開示されている。
【0005】
嫌気性汚泥の造粒化は、高濃度排水のほうが形成されやすいことが知られている。
本出願人は、特許文献2において、嫌気性菌を用いて有機物を含有する排水を発酵処理する排水処理方法において、有機物を含有する低濃度排水を原料として上向流式メタン発酵で発酵させる発酵工程、発酵工程からオーバーフロー水を取り込み、汚泥を膜分離してろ過水を放出するろ過工程、ろ過して残った汚泥を発酵工程に返送するろ過汚泥返送工程を備えた排水処理方法であって、発酵工程では、発生したバイオガスを下部から散気して、発酵工程の初期段階においてマグネタイトを添加し、グラニュール汚泥が発生しない初期状態における発酵を促進させる排水処理方法を提案している。
特許文献2に記載の排水処理方法は、グラニュール汚泥が発生しない初期状態に関し、その実施例も立ち上げ時しか評価しておらず、その後に実験を継続していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-110821号公報
特開2022-84530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、嫌気性汚泥の造粒化を促進する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は、次のとおりである。
1.排水中の嫌気性汚泥に対し、マグネタイトを重量比(濃度比)で1/30以上1/5以下となるように添加することを特徴とする嫌気性汚泥の造粒化促進方法。
2.前記排水の全COD濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下であることを特徴とする1.に記載の嫌気性汚泥の造粒化促進方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、嫌気性汚泥の造粒化を促進することができる。特に、一般下水のような低濃度排水の処理でも、造粒化を促進することができる。本発明により、トラブル等により嫌気性細菌が減少した際に、造粒化を促進して正常化を早めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例における、造粒化汚泥濃度を示すグラフ。
実施例における、累積メタン生成量の経時変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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