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公開番号2025032407
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023137650
出願日2023-08-28
発明の名称プレキャストコンクリート柱、コンクリート柱構造の構築方法、及び型枠装置
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類E04C 3/34 20060101AFI20250305BHJP(建築物)
要約【課題】中空部を有するプレキャストコンクリート柱を立設し、中空部にコンクリートを現場打ちする際に、中空部からのコンクリートの流出を抑制する。
【解決手段】プレキャストコンクリート柱20は、外周側に設けられた柱主筋21と、
柱主筋21を囲うように設けられたせん断補強筋と、柱主筋21及びせん断補強筋を埋設するように形成された外殻コンクリート部23と、を備え、外殻コンクリート部23の内側には、外殻コンクリート部23の上面23tにおいて外部と連通し、上下方向に延在するように中空部25が形成されており、外殻コンクリート部23の、中空部25の下方においては、中実に形成されて、中空部25の下側が閉塞されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
プレキャストコンクリート柱であって、
外周側に設けられた柱主筋と、
前記柱主筋を囲うように設けられたせん断補強筋と、
前記柱主筋及び前記せん断補強筋を埋設するように形成された外殻コンクリート部と、
を備え、
前記外殻コンクリート部の内側には、前記外殻コンクリート部の上面において外部と連通し、上下方向に延在するように中空部が形成されており、
前記外殻コンクリート部の、前記中空部の下方においては、中実に形成されて、前記中空部の下側が閉塞されていることを特徴とするプレキャストコンクリート柱。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記外殻コンクリート部には、前記中空部の底面から前記外殻コンクリート部の側面へと延びて、前記中空部と外部とを連通する、連通路が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート柱。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート柱を用いたコンクリート柱構造の構築方法であって、
躯体の上面に前記プレキャストコンクリート柱を設置する工程と、
前記プレキャストコンクリート柱の前記中空部にコンクリートを現場打ちして現場打ちコンクリート部を形成し、前記外殻コンクリート部と、前記現場打ちコンクリートを一体化させる、コンクリートの現場打ち工程と、を含み、
前記プレキャストコンクリート柱を設置する工程では、
前記外殻コンクリート部の下端に埋設して設けられ、上端に前記外殻コンクリート部の前記柱主筋が接続された鉄筋継手具に、前記躯体の前記上面から上方に突出する鉄筋を、下方から接続することで、前記柱主筋と前記鉄筋とを連結することを特徴とするコンクリート柱構造の構築方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート柱を製造するための型枠装置であって、
前記プレキャストコンクリート柱の外郭を形成する外型枠と、
前記プレキャストコンクリート柱の前記中空部を形成する内型枠と、
を備え、
前記プレキャストコンクリート柱が、軸線方向が横方向となる状態で製造されるように、前記外型枠は設けられ、
前記内型枠は、前記外型枠の、前記プレキャストコンクリート柱の前記上面に対応する部分から、前記軸線方向に移動可能に設けられ、
前記内型枠の表面には、軸線方向に間隔をおいて、前記中空部の壁面に凹部を形成するための、複数の矩形状の枠体が、ボルトで仮固定されていることを特徴とする型枠装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート柱、プレキャストコンクリート柱を用いたコンクリート柱構造の構築方法、及びプレキャストコンクリート柱を製造するための型枠装置に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
建築構造物の柱を施工するに際し、中空部を有するプレキャストコンクリート柱を製造し、これを立設して、中空部にコンクリートを現場打ちすることが、広く行われている。
例えば特許文献1には、外型枠と内型枠の間にコンクリートを打設することで成形される、中空のプレキャストコンクリート柱が開示されている。
また、特許文献2には、筒状の内型枠と、この内型枠の外側に間隔をもって囲繞する外型枠と、これら内型枠と外型枠との間に打設されたコンクリートとによって形成された半PC柱が開示されている。
また、特許文献3には、外型枠と内型枠との間隙にコンクリートを打設することで成形された、中空部を備えたコンクリート柱体が開示されている。
特許文献1~3に開示されたような部材においては、中空部が部材の軸線方向に貫通するように設けられている。このため、これらの部材を用いてコンクリート柱を構築するに際し、部材を立設して、上方から中空部にコンクリートを現場打ちすると、部材の下端に設けられた中空部の開口から、現場打ちしたコンクリートが漏出してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-278022号公報
特開平10-140736号公報
特許第6906340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、中空部を有するプレキャストコンクリート柱を立設し、中空部にコンクリートを現場打ちする際に、中空部からのコンクリートの流出を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のプレキャストコンクリート柱は、外周側に設けられた柱主筋と、前記柱主筋を囲うように設けられたせん断補強筋と、前記柱主筋及び前記せん断補強筋を埋設するように形成された外殻コンクリート部と、を備え、前記外殻コンクリート部の内側には、前記外殻コンクリート部の上面において外部と連通し、上下方向に延在するように中空部が形成されており、前記外殻コンクリート部の、前記中空部の下方においては、中実に形成されて、前記中空部の下側が閉塞されていることを特徴とする。
上記のような構成によれば、外殻コンクリート部の、中空部の下側においては、中実に形成されて、中空部の下側が閉塞されている。このため、上方から中空部にコンクリートを現場打ちしたとしても、現場打ちされたコンクリートの、中空部からの流出は、外殻コンクリート部の中空部を下側から閉塞する部分により阻まれる。
したがって、中空部を有するプレキャストコンクリート柱を立設し、中空部にコンクリートを現場打ちする際に、中空部からのコンクリートの流出を抑制することができる。
【0006】
本発明の一態様においては、前記外殻コンクリート部には、前記中空部の底面から前記外殻コンクリート部の側面へと延びて、前記中空部と外部とを連通する、連通路が形成されている。
このような構成によれば、連通路を設けることで、施工期間中に中空部に侵入した雨水や不純物を排出できるため、その後に中空部に現場打ちするコンクリートの品質低下が抑えられる。
【0007】
本発明のコンクリート柱構造の構築方法は、上記したようなプレキャストコンクリート柱を用いたコンクリート柱構造の構築方法であって、躯体の上面に前記プレキャストコンクリート柱を設置する工程と、前記プレキャストコンクリート柱の前記中空部にコンクリートを現場打ちして現場打ちコンクリート部を形成し、前記外殻コンクリート部と、前記現場打ちコンクリートを一体化させる、コンクリートの現場打ち工程と、を含み、前記プレキャストコンクリート柱を設置する工程では、前記外殻コンクリート部の下端に埋設して設けられ、上端に前記外殻コンクリート部の前記柱主筋が接続された鉄筋継手具に、前記躯体の前記上面から上方に突出する鉄筋を、下方から接続することで、前記柱主筋と前記鉄筋とを連結することを特徴とする。
このような構成によれば、躯体の上面にプレキャストコンクリート柱を設置し、躯体の上面から上方に突出する鉄筋を、プレキャストコンクリート柱の外殻コンクリート部の下端に埋設された鉄筋継手具に下方から接続することで、柱主筋と鉄筋とが連結される。その後、プレキャストコンクリート柱の中空部にコンクリートを現場打ちして現場打ちコンクリート部を形成することで、外殻コンクリート部と現場打ちコンクリート部とが一体化され、コンクリート柱が構築される。
このとき、外殻コンクリート部の中空部の下側が閉塞されているため、現場打ちされたコンクリートの中空部からの流出が抑えられる。したがって、上記したようなコンクリート柱の施工を効率良く行うことができる。
【0008】
本発明の型枠装置は、上記したようなプレキャストコンクリート柱を製造するための型枠装置であって、前記プレキャストコンクリート柱の外郭を形成する外型枠と、前記プレキャストコンクリート柱の前記中空部を形成する内型枠と、を備え、前記プレキャストコンクリート柱が、軸線方向が横方向となる状態で製造されるように、前記外型枠は設けられ、前記内型枠は、前記外型枠の、前記プレキャストコンクリート柱の前記上面に対応する部分から、前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記内型枠の表面には、軸線方向に間隔をおいて、前記中空部の壁面に凹部を形成するための、複数の矩形状の枠体が、ボルトで仮固定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、軸線方向が横方向となる状態で製造されるように、外型枠が設けられている。また、内型枠は、外型枠の、プレキャストコンクリート柱の上面に対応する部分から、軸線方向に移動可能に設けられている。このような内型枠を、外型枠の内側に設けたうえで、外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設することで、外殻コンクリート部が形成される。また、コンクリートが硬化して所要の強度を発現した後に、外型枠の、プレキャストコンクリート柱の上面に対応する部分から、外型枠の内側から外側に向かって、内型枠を軸線方向に、硬化したコンクリートから引き抜くように移動させることで、内型枠が脱型されて、プレキャストコンクリート柱の中空部が形成される。
ここで、内型枠の表面には、軸線方向に間隔を置いて、複数の矩形状の枠体が、ボルトで仮固定されている。このような枠体により、中空部の壁面に、枠体の形状に応じた凹部が形成される。これにより、プレキャストコンクリート柱を用いてコンクリート柱を施工する際、中空部に現場打ちでコンクリートを打設して現場打ちコンクリート部を形成すると、打設されたコンクリートが凹部に入り込んで硬化する。これにより、現場打ちコンクリート部に、外殻コンクリート部の凹部と係合するコッターが形成され、プレキャストコンクリート柱の外殻コンクリート部と現場打ちコンクリート部とが強固に一体化される。
また、型枠装置を用いてプレキャストコンクリート柱を製造するに際し、外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設し、コンクリートが硬化して外殻コンクリート部が形成された後に、内型枠を軸線方向に移動させて脱型する場合に、上記のように内型枠の表面に枠体が設けられていると、外殻コンクリート部に形成された凹部と枠体が係合してしまい、内型枠を軸線方向に、外殻コンクリート部の中空部から引き抜くように移動させて、脱型するのが困難である。ここで、上記のような構成によれば、枠体は、内型枠に対して、ボルトで仮固定されている。このため、ボルトによる仮固定を解除すれば、外殻コンクリート部に形成された凹部と枠体が係合したとしても、内型枠を軸線方向に、外殻コンクリート部の中空部から引き抜くように移動させる際に、枠体が内型枠から分離して凹部内に残されるため、内型枠を容易に脱型することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中空部を有するプレキャストコンクリート柱を立設し、中空部にコンクリートを現場打ちする際に、中空部からのコンクリートの流出を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱を用いて構築されたコンクリート柱及びコンクリート柱構造を示す断面図である。
プレキャストコンクリート柱の柱主筋及びせん断補強筋を示す図である。
図2のI-I矢視断面図である。
プレキャストコンクリート柱の側面図である。
外殻コンクリート部の断面図である。
プレキャストコンクリート柱を上方から見た図である。
図2のII-II矢視断面図である。
コンクリート柱と梁との接合部を示す図である。
型枠装置の構成を示す縦断面図である。
図9の型枠装置内にコンクリートが打設されてプレキャストコンクリート柱が形成された状態における、III-III矢視断面図である。
内型枠に取り付けられた枠体を示す断面図である。
プレキャストコンクリート柱の製造方法において、内型枠を組み立てた状態を示す図である。
プレキャストコンクリート柱の製造方法において、柱主筋、せん断補強筋を配筋した状態を示す図である。
内型枠を脱型するための機構を示す断面図である。
コンクリート柱構造の構築方法において、躯体の上面にプレキャストコンクリート柱を設置する工程を示す図である。
コンクリート柱構造の構築方法において、プレキャストコンクリート柱の下端と躯体の上面との間に、グラウト材を注入する工程を示す図である。
コンクリート柱構造の構築方法において、コンクリート柱の柱頭部に梁を設置した状態を示す図である。
本発明の実施形態の変形例に係るコンクリート柱構造を示す図である。
図18に示したコンクリート柱を分解した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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