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公開番号
2025025763
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023130869
出願日
2023-08-10
発明の名称
プレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
E01D
19/12 20060101AFI20250214BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】間詰コンクリート内が過密配筋になることを抑制し、かつ、効率的な施工を可能にするプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法を提案する。
【解決手段】プレキャスト床版2の端面から突設された軸方向鉄筋3と、プレキャスト床版2同士の間において軸方向鉄筋3と平行に配筋された接合鉄筋4と、軸方向鉄筋3および接合鉄筋4と交差する方向に配筋された横方向鉄筋5と、プレキャスト床版2同士の間に充填された間詰コンクリート6とを有した継手構造1である。一方のプレキャスト床版2の軸方向鉄筋3と、他方のプレキャスト床版2の軸方向鉄筋3とは、同軸上に配筋されている。軸方向鉄筋3の先端および接合鉄筋4の両端には、それぞれ定着体31,41が形成されていて、横方向鉄筋5は各定着体31,41から離れた位置に配筋する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
間隔をあけて配設されたプレキャストコンクリート部材同士を接合するためのプレキャストコンクリート部材の継手構造であって、
前記プレキャストコンクリート部材の端面から突設された軸方向鉄筋と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間において前記軸方向鉄筋と平行に配筋された接合鉄筋と、
前記軸方向鉄筋および前記接合鉄筋と交差する方向に配筋された横方向鉄筋と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間に充填された間詰コンクリートと、を有し、
一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋と、他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋とは、同軸上に配筋されており、
前記軸方向鉄筋の先端には、前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、
前記接合鉄筋の両端には、前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されていて、
前記横方向鉄筋は、前記軸方向鉄筋の前記定着体および前記接合鉄筋の前記定着体から離れた位置に配筋されていることを特徴とする、プレキャストコンクリート部材の継手構造。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記接合鉄筋の鉄筋径が、前記軸方向鉄筋の鉄筋径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項3】
前記間詰コンクリートの厚さ方向に対して、前記接合鉄筋のかぶりが、前記軸方向鉄筋のかぶりと同等以上であることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項4】
前記間詰コンクリートの厚さ方向中間部に、前記両プレキャストコンクリート部材に挿通された緊張材が配設されていることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項5】
端面から軸方向鉄筋が突設された一対のプレキャストコンクリート部材を連設して接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
一方の前記プレキャストコンクリート部材から間隔をあけて他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設する配設工程と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間に接合鉄筋および横方向鉄筋を配筋する配筋工程と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間に間詰コンクリートを打設する打設工程と、を備え、
前記軸方向鉄筋の先端には、前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、
前記接合鉄筋の両端には、前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されていて、
前記配設工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の前記定着体と、他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の前記定着体とが対向するように前記プレキャストコンクリート部材を配設し、
前記配筋工程では、前記軸方向鉄筋の前記定着体および前記接合鉄筋の前記定着体から離れた位置に前記横方向鉄筋を配筋することを特徴とする、プレキャストコンクリート部材の接合方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
並設されたプレキャストコンクリート部材同士は、継手部に打設された間詰コンクリートや間詰モルタル等(以下、単に「間詰材」という)を介して連結することが多い。
継手部には、両プレキャストコンクリートの端面から突設された軸方向鉄筋が突設されており、これらの軸方向鉄筋を継手部材とするのが一般的である。
鉄筋同士を連結する際には、重ね継手により連結するのが一般的であるが、鉄筋の必要な継手長を確保すると、継手部の幅が大きくなる。継手部の幅が大きくなると、間詰材の打設量が多くなり、打ち込み時の手間も増える。
【0003】
継手部における継手部材としての鉄筋をループ状に加工することで、継手部の幅を小さく抑える場合がある。
例えば、特許文献1には、ループ筋が突出するプレキャスト床版の端面同士を所定の隙間をあけて突き合せた状態で、ループ筋と交差する配力筋を配筋し、端面同士の隙間に間詰コンクリートを打設する床版継手構造が開示されている。ところが、継手部材としてループ筋を使用すると、ループの径により部材高が大きくなる場合がある。また、ループ継手により鉄筋母材の引張強度と同等の強度を得るためには、横方向鉄筋をループ内に配筋する必要があるが、この配筋作業に手間がかかる。さらに、PC鋼材を配置する場合に、ループ筋や横方向鉄筋がPC鋼材と干渉する場合がある。
【0004】
また、継手部材として鉄筋の端部に拡幅部(定着部)を形成することで、継手部の幅を小さくする場合がある。
例えば、特許文献2には、継手部において、対向するプレキャストコンクリート部材の端面から突出した軸方向鉄筋が同一軸線上に配筋されているとともに、端部に定着体が形成されていて、さらに、両端に定着体が形成された接合鉄筋を隣り合う軸方向鉄筋同士の間に軸方向鉄筋と平行に配置した継手構造が開示されている。特許文献2の継手構造では、軸方向鉄筋および接合鉄筋に交差する方向に延在する補強鉄筋が設けられており、この補強鉄筋が軸方向鉄筋および接合鉄筋の上側および下側の少なくとも一方に連結されているため、補強鉄筋が拡幅部に係止することにより、軸方向鉄筋や接合鉄筋の軸方向への移動が規制されている。ところが、補強鉄筋を軸方向鉄筋や接合鉄筋に連結すると、特に終局限界状態において、軸方向鉄筋および接合鉄筋の軸方向の変位を補強鉄筋が拘束する代わりに補強鉄筋に大きな曲げ応力が発生する(局所的に曲げ変形が発生する)ため、横方向の引張力(軸方向鉄筋と交差する方向の引張力)が補強鉄筋に作用する場合には、補強鉄筋に加えて、横方向の引張力に抵抗する鉄筋を別個に配置する必要がある。
また、特許文献3には、継手部において、対向するプレキャスト部材の端面から突出した端部に定着体が形成された軸方向鉄筋同士を、重ね継手により接合した継手構造が開示されている。ところが、特許文献3の継手構造は、ボックスカルバート等のように、軸方向鉄筋が上下左右に配筋されている場合には、位置決めの際にプレキャストコンクリート部材を上下左右に移動させると軸方向鉄筋同士が干渉するため、上下左右の位置決めを行った後に軸方向からスライドさせることによりプレキャストコンクリート部材を配置する必要があり、効率的な施工が困難な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-236258号公報
特開2020-063617号公報
特開2021-055531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、間詰コンクリート内が過密配筋になることを抑制し、かつ、効率的な施工を可能にするプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明のプレキャストコンクリート部材の継手構造は、前記プレキャストコンクリート部材の端面から突設された軸方向鉄筋と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間において前記軸方向鉄筋と平行に配筋された接合鉄筋と、前記軸方向鉄筋および前記接合鉄筋と交差する方向に配筋された横方向鉄筋と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間に充填された間詰コンクリートとを有し、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋とは、同軸上に配筋されており、前記軸方向鉄筋の先端には前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、前記接合鉄筋の両端には前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されていて、前記横方向鉄筋は前記軸方向鉄筋の前記定着体および前記接合鉄筋の前記定着体から離れた位置に配筋されている。
【0008】
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合方法は、端面から軸方向鉄筋が突設された一対のプレキャストコンクリート部材を連設して接合するものであって、一方の前記プレキャストコンクリート部材から間隔をあけて他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設する配設工程と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間に接合鉄筋および横方向鉄筋を配筋する配筋工程と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間に間詰コンクリートを打設する打設工程とを備えている。前記軸方向鉄筋の先端には前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、前記接合鉄筋の両端には前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されている。前記配設工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の定着体と、他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の前記定着体とが対向するように前記プレキャストコンクリート部材を配設する。また、前記配筋工程では、前記軸方向鉄筋の前記定着体および前記接合鉄筋の前記定着体から離れた位置に前記横方向鉄筋を配筋する。
【0009】
かかるプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法によれば、軸方向鉄筋の端面同士を対向させた状態で、プレキャストコンクリート部材同士の間隔よりも短い接合鉄筋を介して軸方向鉄筋同士を連結するため、プレキャストコンクリート部材の設置方法が軸方向からのスライドのみ限定されない。また、横方向鉄筋は、定着体から離れた位置に配筋され、軸方向鉄筋に連結されないため、軸方向鉄筋や接合鉄筋の軸方向への抜け出しや曲げの拘束に寄与しない。横方向鉄筋が軸方向鉄筋や接合鉄筋の定着体に接している場合には、特に終局限界状態において、軸方向鉄筋および接合鉄筋の軸方向の変位を拘束する代わりに横方向鉄筋に大きな曲げ応力が発生する(局所的に曲げ変形が発生する)ため、横方向鉄筋に大きな引張力が作用する場合には、軸方向鉄筋および接合鉄筋の変位を拘束するための鉄筋と、横方向の引張力に抵抗する鉄筋を別個に配置する必要がある。このとき、横方向の引張力に抵抗する鉄筋の必要鉄筋量が多い場合には、間詰コンクリート内が過密配筋となって施工性や品質に問題が生じてしまう。一方、軸方向鉄筋や接合鉄筋の軸方向への移動を拘束しないように横方向鉄筋を配筋すれば、過密配筋を避けることができる。
【0010】
前記接合鉄筋の鉄筋径が、前記軸方向鉄筋の鉄筋径よりも大きければ、軸方向引張力によるひび割れの進展を抑制できる。
前記間詰コンクリートの厚さ方向に対して、前記接合鉄筋のかぶりは、前記軸方向鉄筋のかぶりと同等以上であるのが望ましい。このようにすると、接合鉄筋を配筋しても部材厚が増加することがない。
前記間詰コンクリートの厚さ方向中間部に、前記両プレキャストコンクリート部材に挿通された緊張材が配設されているのが望ましい。このようにすれば、使用限界状態でのひび割れ幅を小さくすることができる。また、緊張力を大きくすれば、ひび割れの発生を抑制できる。また、緊張材がねじりに対する引張鋼材として有効に機能する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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