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公開番号
2025025764
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023130870
出願日
2023-08-10
発明の名称
プレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
E01D
19/12 20060101AFI20250214BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】低引張力でのひび割れの発生を抑制し、かつ、効率的な施工を可能にするプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法を提案する。
【解決手段】一方のプレキャスト床版2の端面から突出する第一軸方向鉄筋31と、他方のプレキャスト床版2の端面から突出する第二軸方向鉄筋32と、一対のプレキャスト床版2,2の間に充填された間詰コンクリート6とを有した継手構造1。第一軸方向鉄筋31の突出長と第二軸方向鉄筋32の突出長の合計は、一対のプレキャスト床版2,2の間隔よりも小さく、第一軸方向鉄筋31の中心軸と第二軸方向鉄筋32の中心軸は偏心しているとともに平行である。また、第一軸方向鉄筋31と第二軸方向鉄筋32との間には、第一軸方向鉄筋31の中心軸および第二軸方向鉄筋32の中心軸に対して平行あるいは傾斜した向きで、接合鉄筋4が配筋されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
隙間をあけて配設された一対のプレキャストコンクリート部材を接合するためのプレキャストコンクリート部材の継手構造であって、
一方の前記プレキャストコンクリート部材の端面から突出する第一軸方向鉄筋と、
他方の前記プレキャストコンクリート部材の端面から突出する第二軸方向鉄筋と、
一対の前記プレキャストコンクリート部材の間に充填された間詰コンクリートと、を有し、
前記第一軸方向鉄筋の先端および前記第二軸方向鉄筋の先端には、各々の鉄筋径よりも大きな幅を有した定着体がそれぞれ形成されており、
前記第一軸方向鉄筋の一方の前記プレキャストコンクリート部材からの突出長と前記第二軸方向鉄筋の他方の前記プレキャストコンクリート部材からの突出長の合計は、一対の前記プレキャストコンクリート部材の間隔よりも小さく、
前記第一軸方向鉄筋の中心軸と前記第二軸方向鉄筋の中心軸は偏心しているとともに平行であり、
前記第一軸方向鉄筋と前記第二軸方向鉄筋との間に、前記第一軸方向鉄筋の中心軸および前記第二軸方向鉄筋の中心軸に対して平行あるいは傾斜した向きで、両端に定着体が形成された接合鉄筋が配筋されていることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の継手構造。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記第一軸方向鉄筋、前記第二軸方向鉄筋および前記接合鉄筋と交差する方向に配筋された横方向鉄筋をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項3】
前記間詰コンクリートの厚さ方向に対して、前記接合鉄筋のかぶりが、前記第一軸方向鉄筋のかぶりおよび前記第二軸方向鉄筋のかぶりと同等以上であることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項4】
前記間詰コンクリートの厚さ方向中間部に、前記両プレキャストコンクリート部材に挿通された緊張材が配設されていることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の継手構造。
【請求項5】
端面から軸方向鉄筋が突出する一対のプレキャストコンクリート部材を連設して接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
一方の前記プレキャストコンクリート部材から間隔をあけて他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設する配設工程と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間に接合鉄筋を配筋する配筋工程と、
前記プレキャストコンクリート部材同士の間に間詰コンクリートを打設する打設工程と、を備え、
前記軸方向鉄筋の先端には、前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、
前記接合鉄筋の両端には、前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されていて、
一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の中心軸と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の中心軸は、偏心しているとともに平行であり、
前記配設工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の突出長と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の突出長の合計よりも、前記プレキャストコンクリート部材同士の間隔が大きくなるように、他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設し、
前記配筋工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋との間に、両軸方向鉄筋の中心軸に対して平行あるいは傾斜した向きで、前記接合鉄筋を配筋することを特徴とする、プレキャストコンクリート部材の接合方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
並設されたプレキャストコンクリート部材同士は、継手部に打設された間詰コンクリートや間詰モルタル等(以下、単に「間詰材」という)を介して連結することが多い。
継手部には、両プレキャストコンクリートの端面から突設された軸方向鉄筋が突設されており、これらの軸方向鉄筋を継手部材とするのが一般的である。
鉄筋同士を連結する際には、重ね継手により連結するのが一般的であるが、鉄筋の必要な継手長を確保すると、継手部の幅が大きくなる。継手部の幅が大きくなると、間詰材の打設量が多くなり、打ち込み時の手間も増える。
【0003】
継手部における継手部材としての鉄筋をループ状に加工することで、継手部の幅を小さく抑える場合がある。
例えば、特許文献1には、ループ筋が突出するプレキャスト床版の端面同士を所定の隙間をあけて突き合せた状態で、ループ筋と交差する配力筋を配筋し、端面同士の隙間に間詰コンクリートを打設する床版継手構造が開示されている。ところが、継手部材としてループ筋を使用すると、ループの径により部材高が大きくなる場合がある。また、ループ継手により鉄筋母材の引張強度と同等の強度を得るためには、横方向鉄筋をループ内に配筋する必要があるが、この配筋作業に手間がかかる。さらに、PC鋼材を配置する場合に、ループ筋や横方向鉄筋がPC鋼材と干渉する場合がある。
【0004】
また、継手部材として鉄筋の端部に拡幅部(定着部)を形成することで、継手部の幅を小さくする場合がある。
例えば、特許文献2には、継手部において、対向するプレキャストコンクリート部材の端面から突出した軸方向鉄筋が同一軸線上に配筋されているとともに、端部に定着体が形成されていて、さらに、両端に定着体が形成された接合鉄筋を隣り合う軸方向鉄筋同士の間に軸方向鉄筋と平行に配置した継手構造が開示されている。特許文献2の継手構造では、軸方向の引張力が小さい段階から、同一軸線上に配置された軸方向鉄筋同士の間おいて、ひび割れが発生し、進展する可能性がある。
また、特許文献3には、継手部において、対向するプレキャスト部材の端面から突出した端部に定着体が形成された軸方向鉄筋同士が重ね継手により接合された継手構造が開示されている。ところが、特許文献3の継手構造は、ボックスカルバート等のように、軸方向鉄筋が上下左右に配筋されている場合には、軸方向からスライドさせることによりプレキャストコンクリート部材を配置する必要があり、効率的な施工が困難な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-236258号公報
特開2020-063617号公報
特開2021-055531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低引張力でのひび割れの発生を抑制し、かつ、効率的な施工を可能にするプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明のプレキャストコンクリート部材の継手構造は、隙間をあけて配設された一対のプレキャストコンクリート部材を接合するためのものであって、一方の前記プレキャストコンクリート部材の端面から突出する第一軸方向鉄筋と、他方の前記プレキャストコンクリート部材の端面から突出する第二軸方向鉄筋と、一対の前記プレキャストコンクリート部材の間に充填された間詰コンクリートと、を有している。前記第一軸方向鉄筋の先端および前記第二軸方向鉄筋の先端には、各々の鉄筋径よりも大きな幅を有した定着体がそれぞれ形成されている。また、前記第一軸方向鉄筋の一方の前記プレキャストコンクリート部材からの突出長と前記第二軸方向鉄筋の他方の前記プレキャストコンクリート部材からの突出長の合計は、一対の前記プレキャストコンクリート部材の間隔よりも小さい。さらに、前記第一軸方向鉄筋の中心軸と前記第二軸方向鉄筋の中心軸は偏心しているとともに平行である。そして、前記第一軸方向鉄筋と前記第二軸方向鉄筋との間に、前記第一軸方向鉄筋の中心軸および前記第二軸方向鉄筋の中心軸に対して平行あるいは傾斜した向きで、両端に定着体が形成された接合鉄筋が配筋されている。
【0008】
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合方法は、端面から軸方向鉄筋が突出する一対のプレキャストコンクリート部材を連設して接合するものである。一方の前記プレキャストコンクリート部材から間隔をあけて他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設する配設工程と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間に接合鉄筋を配筋する配筋工程と、前記プレキャストコンクリート部材同士の間に間詰コンクリートを打設する打設工程とにより行う。前記軸方向鉄筋の先端には、前記軸方向鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されており、前記接合鉄筋の両端には、前記接合鉄筋の断面形状よりも大きな外形を有した定着体が形成されている。一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の中心軸と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の中心軸は、偏心しているとともに平行である。前記配設工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の突出長と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋の突出長の合計よりも、前記プレキャストコンクリート部材同士の間隔が大きくなるように、他方の前記プレキャストコンクリート部材を配設する。そして、前記配筋工程では、一方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋と他方の前記プレキャストコンクリート部材の前記軸方向鉄筋との間に、両軸方向鉄筋の中心軸に対して平行あるいは傾斜した向きで、前記接合鉄筋を配筋する。
【0009】
かかるプレキャストコンクリート部材の継手構造およびプレキャストコンクリート部材の接合方法によれば、対向するプレキャストコンクリート部材の端面から突出した軸方向鉄筋の中心軸同士を偏心させた状態で、両軸方向鉄筋が重ならない長さであるため、プレキャストコンクリート部材を配設する際の設置方法が軸方向からのスライドのみに限定されない。
また、対向するプレキャストコンクリート部材の軸方向鉄筋の中心軸同士は、同軸上に配置されておらず、ズレているため、低引張力でのひび割れの発生を抑制できる。
軸方向鉄筋同士は、接合鉄筋を介して重ね継手により接合される。
【0010】
前記第一軸方向鉄筋、前記第二軸方向鉄筋および前記接合鉄筋と交差する方向に配筋された横方向鉄筋をさらに備えていれば、定着体に係止された横方向鉄筋によって軸方向の終局引張耐力の向上を図ることができる。また、横方向鉄筋は、横方向の引張力に対して抵抗する。
前記間詰コンクリートの厚さ方向に対して、前記接合鉄筋のかぶりは、前記軸方向鉄筋のかぶりと同等以上であるのが望ましい。このようにすると、接合鉄筋を配筋しても部材厚が増加することがない。
前記間詰コンクリートの厚さ方向中間部に、前記両プレキャストコンクリート部材に挿通された緊張材が配設されているのが望ましい。このようにすれば、使用限界状態でのひび割れ幅を小さくすることができる。また、緊張力を大きくすれば、ひび割れの発生を抑制できる。また、緊張材がねじりに対する引張鋼材として有効に機能する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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