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公開番号2025036903
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-17
出願番号2023143550
出願日2023-09-05
発明の名称仮設フロータ、仮設フロータの設置方法、仮設フロータの撤去方法および風力発電施設の施工方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B63B 77/10 20200101AFI20250310BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】浮体構造物の喫水を一時的に小さくすることを可能とした仮設フロータと、この仮設フロータを簡易に浮体構造物へ着脱するための仮設フロータの設置方法および仮設フロータの撤去方法と、仮設フロータを利用することで喫水高さを調節しながら施工を行うことを可能とした風力発電施設の施工方法を提案する。
【解決手段】浮体式基礎3に添設されて、浮体式基礎3の浮力を増加させる仮設フロータ4であって、内部に液体を供給または内部から液体を排出するための流出入口43が形成されている中空のフロータ本体41と、浮体式基礎3の外面に設けられた第一接続部材34に接続可能な第二接続部材42とを備えている
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
浮体構造物に添設されて、前記浮体構造物の浮力を増加させる仮設フロータであって、
中空のフロータ本体と、
前記浮体構造物の外面に設けられた第一接続部材に接続可能な第二接続部材と、を備え、
前記フロータ本体には、内部に液体を供給または内部から液体を排出するための流出入口が形成されていることを特徴とする、仮設フロータ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第一接続部材が、下向きに開口するフックであり、
前記第二接続部材が、前記フックに挿入可能な棒材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の仮設フロータ。
【請求項3】
前記第二接続部材が、上向きに開口するフックであり、
前記第一接続部材が、前記フックに挿入可能な棒材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の仮設フロータ。
【請求項4】
前記フロータ本体の内部が、隔壁によって前記液体の流入可能な空間と前記液体の流入不可な空間とに区分されていることを特徴とする、請求項1に記載の仮設フロータ。
【請求項5】
前記流出入口に、給排水ポンプと連結可能なバルブが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の仮設フロータ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮設フロータを浮体構造物に設置する仮設フロータの設置方法であって、
前記フロータ本体の内部に液体を供給する工程と、
前記仮設フロータを前記浮体構造物の側面に横付けする工程と、
前記フロータ本体の内部から液体を排出させて前記仮設フロータを浮上させるとともに、前記第一接続部材に前記第二接続部材を接続する工程と、を備える仮設フロータの設置方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮設フロータを浮体構造物から撤去する仮設フロータの撤去方法であって、
前記フロータ本体の内部に液体を供給することで前記仮設フロータを下降させて、前記第一接続部材と前記第二接続部材との接続状態を解除する工程と、
前記仮設フロータを横移動させて前記浮体構造物から離間させる工程と、を備える仮設フロータの撤去方法。
【請求項8】
地上部において浮体式基礎を製作する基礎製作工程と、
前記浮体式基礎を進水させる基礎進水工程と、
前記浮体式基礎に請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の仮設フロータを設置するフロータ設置工程と、
前記浮体式基礎に風車を設置する風車設置工程と、
前記浮体式基礎から前記仮設フロータを撤去するフロータ撤去工程と、を備える風力発電施設の施工方法であって、
前記フロータ設置工程では、前記浮体式基礎を挟んで対向するように、少なくとも1組の一対の前記仮設フロータを設置することを特徴とする風力発電施設の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体構造物の浮力を増加させるための仮設フロータ、この仮設フロータの浮体構造物への着脱方法および仮設フロータを利用した風力発電施設の施工方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、風力発電施設の浮体式基礎は、港内において岸壁からクレーン等を利用して風車等を設置する際に、風車等の重量によって喫水が増加する傾向にある。したがって、港内の水深が喫水よりも浅い場合には、浮体式基礎の浮力を増大させて、喫水の増加を抑える必要がある。
特許文献1には、センターカラムとサイドカラムとを有するセミサブマージブル型の浮体構造物であって、サイドカラムにバラスト搬出入用の開口部を設けておき、この開口部からサイドカラム内にバラストを搬出入することで、浮体構造物の喫水を調整するものが開示されている。
特許文献1の浮体構造物は、それ自体で必要な浮力を確保できる大きさにする必要があった。そのため、風車の大型化に伴い、浮体構造物も大型になり、不経済となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-280301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、浮体構造物の喫水を一時的に小さくすることを可能とした仮設フロータと、この仮設フロータを簡易に浮体構造物へ着脱するための仮設フロータの設置方法および仮設フロータの撤去方法と、仮設フロータを利用することで喫水高さを調節しながら施工を行うことを可能とした風力発電施設の施工方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の仮設フロータは、浮体構造物に添設されることで前記浮体構造物の浮力を増加させるものであり、中空のフロータ本体と、前記浮体構造物の外面に設けられた第一接続部材に接続可能な第二接続部材とを備えている。前記フロータ本体には、内部に液体を供給または内部から液体を排出するための流出入口が形成されている。
かかる仮設フロータによれば、フロータ本体の内部の液体(水等)の量を調節することで、浮体構造物の浮力を調節し、ひいては、喫水の高さを調節できる。
【0006】
また、前記仮設フロータを浮体構造物に設置する仮設フロータの設置方法は、前記フロータ本体に液体を供給する工程と、前記仮設フロータを前記浮体構造物の側面に横付けする工程と、前記フロータ本体の内部から液体を排出させて前記仮設フロータを浮上させるとともに、前記第一接続部材に前記第二接続部材を接続する工程とを備えている。
さらに、前記仮設フロータを浮体構造物から撤去する仮設フロータの撤去方法は、前記フロータ本体の内部に液体を供給することで前記仮設フロータを下降させて、前記第一接続部材と前記第二接続部材との接続状態を解除する工程と、前記仮設フロータを横移動させて前記浮体構造物から離間させる工程とを備えている。
仮設フロータを利用すれば、フロータ本体への液体の供給およびフロータ本体からの液体の排出により、浮体構造物への仮設フロータの着脱を容易に行うことが可能である。
【0007】
なお、前記第一接続部材が下向きに開口するフックの場合には、前記第二接続部材は前記フックに挿入可能な棒材を備えていればよい。また、前記第二接続部材が上向きに開口するフックの場合には、前記第一接続部材は前記フックに挿入可能な棒材を備えていればよい。このようにすれば、フロータ本体の内部の液体の量を調節することで、第一接続部材と第二接続部材との接続および解除が可能となり、浮体構造物への仮設フロータの設置及び撤去が容易になる。
また、前記フロータ本体の内部が、隔壁によって前記液体の流入可能な空間と前記液体の流入不可な空間とに区分されていれば、液体の流入可能な空間に液体を充填した場合であっても、所定の浮力が維持されるため、仮設フロータが水底に沈んでしまうことを抑制できる。
さらに、前記流出入口には、給排水ポンプと連結可能なバルブが設けられているのが望ましい。
【0008】
また、本発明の風力発電施設の施工方法は、地上部において浮体式基礎を製作する基礎製作工程と、前記浮体式基礎を進水させる基礎進水工程と、前記浮体式基礎に前記仮設フロータを設置するフロータ設置工程と、前記浮体式基礎に風車を設置する風車設置工程と、前記浮体式基礎から前記仮設フロータを撤去するフロータ撤去工程とを備えている。前記フロータ設置工程では、前記浮体式基礎を挟んで対向するように、少なくとも1組の一対の前記仮設フロータを設置することで、浮体式基礎をバランスよく支持できる。なお、フロータ設置工程では、前記フロータ本体の内部に液体を供給する作業と、前記仮設フロータを前記浮体構造物の側面に横付けする作業と、前記フロータ本体の内部から液体を排出させて前記仮設フロータを浮上させるとともに前記第一接続部材に前記第二接続部材を接続させる作業とを行う。また、フロータ撤去工程では、前記フロータ本体の内部に液体を供給することで前記仮設フロータを下降させて、前記第一接続部材と前記第二接続部材との接続状態を解除する工程と、前記仮設フロータを横移動させて前記浮体構造物から離隔させる工程とを行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明の仮設フロータによれば、浮体構造物の喫水を一時的に小さくすることが可能となる。また、本発明の仮設フロータの設置方法および撤去方法によれば、浮体構造物に対して仮設フロータを簡易に着脱できる。さらに、本発明の風力発電施設の施工方法によれば、仮設フロータを利用して、バランスよく浮体式基礎の浮力を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の風力発電施設を示す斜視図である。
風力発電施設の施工方法の手順を示すフローチャートである。
仮設フロータの設置状況を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。
フロータ本体を示す斜視図である。
第一接続部材および第二接続部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
浮体式基礎への仮設フロータの設置状況を示す正面図である。
風車設置工程を示す正面図である。
フロータ撤去工程を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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