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公開番号2025030280
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135435
出願日2023-08-23
発明の名称効率的なヨウ素濃縮液の製造方法
出願人株式会社合同資源
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/469 20230101AFI20250228BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】電気透析装置におけるヨウ化物イオンの透過効率の低下抑制に優れたヨウ素濃縮液の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のヨウ素濃縮液の製造方法は、ヨウ素成分を含有する廃液に還元剤を添加して、ヨウ素成分に含まれるヨウ素(I2)の少なくと一部を還元することによりヨウ化物イオン(I-)を得る還元工程と、還元工程の後、アニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、廃液を、ヨウ素含有濃縮液と脱塩液とに分離する電気透析工程と、を有するものである。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ヨウ素成分を含有する廃液に還元剤を添加して、前記ヨウ素成分に含まれるヨウ素(I

)の少なくと一部を還元することによりヨウ化物イオン(I

)を得る還元工程と、
前記還元工程の後、アニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、前記廃液を、ヨウ素含有濃縮液と脱塩液とに分離する電気透析工程と、を有する、ヨウ素濃縮液の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元剤が、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、および次亜リン酸からなる群から選ばれる一または二以上を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元工程の後、前記電気透析工程前において、前記還元剤を添加した前記廃液のI

濃度が20ppm以下である、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元工程の前、前記廃液のpHを9.5以下に調整するpH調整工程を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析装置が、連続循環式電気透析設備を備える、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析装置が有する脱塩室と濃縮室との循環圧力を同一とする、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記廃液の原料が、偏光フィルム、造影剤、消毒剤、および放射線関連材料のいずれかのヨウ素成分を含む製品における製造過程もしくは製造装置からの廃液または廃粉末及び廃固形物、または抗生物質・抗ウイルス剤などの医薬品合成等の化学合成に使用するヨウ素触媒を含む廃液または廃固形物である、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
得られた前記ヨウ素含有濃縮液を用いて、ヨウ素、ヨウ化物塩、およびヨウ化水素酸からなる群から選ばれる一または二以上を製造する再生工程とを含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析工程の直後における前記ヨウ素含有濃縮液から、ヨウ化物塩を回収する、ヨウ素濃縮液の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記ヨウ化物塩が、ヨウ化アルカリ金属塩を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的なヨウ素濃縮液の製造方法、およびヨウ素濃縮液の製造方法により製造されたリサイクル水溶液に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
これまで廃液からヨウ素を回収する技術について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。廃液には、ヨウ化物イオン(I

)などのヨウ素成分のほか、硫酸イオン(SO

2-
)のような2価イオンなども共存していることがある。たとえば、廃液中には、硫酸イオンが、通常、1g/L以上、硫酸塩の飽和溶解度以下の濃度で含まれ、より一般的には20~50g/L程度含まれていることがある。
特許文献1には、1価選択性アニオン交換膜などを使用して、ヨウ素を有する無機陰イオン及びフッ素を有する無機陰イオンを含有し、脱塩室内に収容されている原液に電気透析を行う方法が記載されている(特許文献1の請求項1、実施例など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-079318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のアニオン交換膜を有する電気透析槽において、ヨウ化物イオンの透過効率の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はさらに検討したところ、廃液中に含まれるヨウ素(I

)が電気透析中にアニオン交換膜に付着することがあり、これにより、アニオン交換膜の膜抵抗が上昇するため、通電電流が低下し、ヨウ化物イオンの透過効率が低下することを見出した。
また、水溶液では、三ヨウ化物イオンの可逆反応(I
3-
←→I

+I

)や五ヨウ化物イオンの可逆反応(I
5-
←→I
3-
+I

)が生じている。このようなポリヨウ化物イオンの可逆反応により、廃液中にヨウ素(I

)が発生することもある。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、廃液中に含まれるヨウ素(I

)を適切に還元してヨウ化物イオン(I

)の状態とすることにより、電気透析中に通電電流の低下を抑制し、ヨウ化物イオンの透過効率の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下のヨウ素濃縮液の製造方法およびリサイクル水溶液が提供される。
【0007】
1. ヨウ素成分を含有する廃液に還元剤を添加して、前記ヨウ素成分に含まれるヨウ素(I

)の少なくと一部を還元することによりヨウ化物イオン(I

)を得る還元工程と、
前記還元工程の後、アニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、前記廃液を、ヨウ素含有濃縮液と脱塩液とに分離する電気透析工程と、を有する、ヨウ素濃縮液の製造方法。
2. 1.に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元剤が、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、および次亜リン酸からなる群から選ばれる一または二以上を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
3. 1.または2.に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元工程の後、前記電気透析工程前において、前記還元剤を添加した前記廃液のI

濃度が20ppm以下である、ヨウ素濃縮液の製造方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記還元工程の前、前記廃液のpHを9.5以下に調整するpH調整工程を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析装置が、連続循環式電気透析設備を備える、ヨウ素濃縮液の製造方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析装置が有する脱塩室と濃縮室との循環圧力を同一とする、ヨウ素濃縮液の製造方法。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記廃液の原料が、偏光フィルム、造影剤、消毒剤、および放射線関連材料のいずれかのヨウ素成分を含む製品における製造過程もしくは製造装置からの廃液または廃粉末及び廃固形物、または抗生物質・抗ウイルス剤などの医薬品合成等の化学合成に使用するヨウ素触媒を含む廃液または廃固形物である、ヨウ素濃縮液の製造方法。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
得られた前記ヨウ素含有濃縮液を用いて、ヨウ素、ヨウ化物塩、およびヨウ化水素酸からなる群から選ばれる一または二以上を製造する再生工程とを含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記電気透析工程の直後における前記ヨウ素含有濃縮液から、ヨウ化物塩を回収する、ヨウ素濃縮液の製造方法。
10. 9.に記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記ヨウ化物塩が、ヨウ化アルカリ金属塩を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
11. 1.~10.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
得られた前記脱塩液を、強塩基性陰イオン交換樹脂に通液して前記脱塩液中に残存するヨウ化物イオンを前記強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させ、前記強塩基性陰イオン交換樹脂から前記ヨウ化物イオンを回収する工程を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
12. 1.~11.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記ヨウ素含有濃縮液をバイポーラ膜電気透析法により、ヨウ化水素酸と水酸化物塩水溶液とに分離する工程を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
13. 1.~12.のいずれか一つに記載のヨウ素濃縮液の製造方法であって、
前記廃液がホウ素成分を含む場合、得られた前記脱塩液をpHが11以上となるように調整した後、別の電気透析装置を用いて、前記脱塩液からホウ素含有濃縮液を分離回収するホウ素回収工程を含む、ヨウ素濃縮液の製造方法。
14. ヨウ化金属塩を含むリサイクル水溶液であって、
当該リサイクル水溶液に含まれるヨウ素(I

)の含有量は、10gm/L以上370g/L以下であり、
当該リサイクル水溶液中の全有機体炭素(TOC)の濃度は、1000ppm以下である、リサイクル水溶液。
15. 14.に記載のリサイクル水溶液であって、
前記ヨウ化金属塩の濃度は、30g/L以上560g/L以下である、リサイクル水溶液。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気透析装置におけるヨウ化物イオンの透過効率の低下抑制に優れたヨウ素濃縮液の製造方法、およびヨウ素濃縮液の製造方法により製造されたリサイクル水溶液が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態の電気透析装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態のヨウ素回収システムの構成の一例を模式的に示す図である。
本実施形態のヨウ素回収工程の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
(【0011】以降は省略されています)

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