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公開番号
2025067833
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2024172999
出願日
2024-10-02
発明の名称
架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いた、有機溶媒を含む水溶液の電気透析装置の運転方法
出願人
株式会社合同資源
,
株式会社アストム
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
47/12 20170101AFI20250417BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性に優れた電気透析装置の運転方法を提供する。
【解決手段】電気透析装置の運転方法は、架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透析工程を含み、前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、かかる電気透析工程において、上記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I
-
)の透過率(%)をT
I
、硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率(%)をT
SO4
と定義したとき、T
I
/T
SO4
が3.5以上であるアニオン交換膜を含むものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透析工程を含む、電気透析装置の運転方法であって、
前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I
-
)の透過率(%)をT
I
、硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率(%)をT
SO4
と定義したとき、T
I
/T
SO4
が3.5以上であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記極性有機溶媒が、25℃時の比誘電率が5以上である有機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記水溶液は、0.1質量%以上50質量%の前記極性有機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、終点における吸光度法による脱塩液中のハロゲン化物イオンの濃度が0.5g/L以上5g/L以下である、電気透析装置の運転方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記ヨウ化物イオンを、ヨウ素(I
2
)、ヨウ素酸(HIO
3
)、過ヨウ素酸(HIO
4
)、およびヨウ素化合物からなる群から選ばれる一又は二以上を還元処理することにより得る、電気透析装置の運転方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記アニオン交換膜が、ポリオレフィンを含むベース基材と、前記ベース基材の片面側または両面側に形成されたイオン選択透過性層と、を備える、電気透析装置の運転方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、濃度50質量%の極性有機溶媒に浸漬する浸漬処理前後におけるイオン交換容量の変化率が±5%以内であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、濃度50質量%のイソプロピルアルコールに浸漬する浸漬処理前後における、カールフィッシャー法により測定される含水率の変化率が±20%以内であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
【請求項9】
ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透析装置であって、
濃縮室と、
脱塩室と、
前記濃縮室と前記脱塩室とを仕切る、架橋重合法により製造されたアニオン交換膜およびカチオン交換膜と、を備え、
前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、
前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I
-
)の透過率(%)をT
I
、硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率(%)をT
SO4
と定義したとき、T
I
/T
SO4
が3.5以上であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気透析装置の運転方法、および電気透析装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
これまでヨウ素を含む廃液を電気透析する技術について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。廃液には、ヨウ化物イオン(I
-
)などのヨウ素成分のほか、硫酸イオン(SO
4
2-
)のような2価イオンなども共存していることがある。たとえば、廃液中には、硫酸イオンが、通常、1g/L以上、硫酸塩の飽和溶解度以下の濃度で含まれ、より一般的には20~50g/L程度含まれていることがある。
特許文献1には、1価選択性アニオン交換膜などを使用して、ヨウ素を有する無機アニオン及びフッ素を有する無機アニオンを含有し、脱塩室内に収容されている原液に電気透析を行う方法が記載されている(特許文献1の請求項1、実施例など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-079318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の電気透析方法において、有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性の点で改善の余地があることが判明した。
すなわち、有機溶媒によりイオン交換膜がダメージを受けることが一般的に知られていたため、これまでの電気透析方法では、特許文献1のように、廃液中に含まれる有機溶媒(有機物)は、電気透析前に燃焼して除去しておく前処理が採用されてきた。このような理由により、これまで、有機溶媒含有溶液中でイオン交換膜を用いて電気透析を実施する技術について十分に検討がなされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、有機溶媒含有溶液に対する電気透析方法について検討を進めた結果、比較的に耐溶剤性を有するアニオン交換膜を採用した上で、アニオン交換膜におけるイオン選択透過性層の緻密さを適切に制御することにより、有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性を向上できることを見出した。
【0006】
かかる知見に基づいて鋭意検討し、次のような結果を得た。
架橋重合法により製造されたアニオン交換膜は、キャスト法により製造されたアニオン交換膜と比べて、有機溶剤中で溶解し難く、耐溶剤性を有することが判明した。キャスト法とは、イオン交換樹脂を溶媒中に溶解または分散させてキャスト原液とし、該キャスト原液を基材フィルム上にキャストさせた後、乾燥させる手法である。キャスト法により製造されたアニオン交換膜は、有機溶剤中で一部が溶解して、電気透析に使用できなかった。
【0007】
イオン選択透過性層の緻密さについては、所定の電気透析試験により測定される硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率に対するヨウ化物イオン(I
-
)の透過率の割合(T
I
/T
SO4
)を指標とすることにより安定的に評価できることが分かった。さらに、T
I
/T
SO4
が所定値以上である高選択性アニオン交換膜を使用することによって、極性有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性を高められることが判明した。
このような知見に基づき、発明が完成するに至った。
【0008】
本発明の一態様によれば、以下の電気透析装置の運転方法、および電気透析装置が提供される。
【0009】
1. 架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透析工程を含む、電気透析装置の運転方法であって、
前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I
-
)の透過率(%)をT
I
、硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率(%)をT
SO4
と定義したとき、T
I
/T
SO4
が3.5以上であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
2. 1.に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記極性有機溶媒が、25℃時の比誘電率が5以上である有機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
3. 1.または2.に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記水溶液は、0.1質量%以上50質量%の前記極性有機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、終点における吸光度法による脱塩液中のハロゲン化物イオンの濃度が0.5g/L以上5g/L以下である、電気透析装置の運転方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記ヨウ化物イオンを、ヨウ素(I
2
)、ヨウ素酸(HIO
3
)、過ヨウ素酸(HIO
4
)、およびヨウ素化合物からなる群から選ばれる一又は二以上を還元処理することにより得る、電気透析装置の運転方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記アニオン交換膜が、ポリオレフィンを含むベース基材と、前記ベース基材の片面側または両面側に形成されたイオン選択透過性層と、を備える、電気透析装置の運転方法。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、濃度50質量%の極性有機溶媒に浸漬する浸漬処理前後におけるイオン交換容量の変化率が±5%以内であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析工程において、
前記アニオン交換膜が、濃度50質量%のイソプロピルアルコールに浸漬する浸漬処理前後における、カールフィッシャー法により測定される含水率の変化率が±20%以内であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置の運転方法。
9. ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透析装置であって、
濃縮室と、
脱塩室と、
前記濃縮室と前記脱塩室とを仕切る、架橋重合法により製造されたアニオン交換膜およびカチオン交換膜と、を備え、
前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、
前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I
-
)の透過率(%)をT
I
、硫酸イオン(SO
4
2-
)の透過率(%)をT
SO4
と定義したとき、T
I
/T
SO4
が3.5以上であるアニオン交換膜を含む、
電気透析装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性に優れた電気透析装置の運転方法、および電気透析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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