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公開番号2025110917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024004949
出願日2024-01-17
発明の名称スクリュープレスの制御方法
出願人株式会社石垣
代理人
主分類B01D 29/17 20060101AFI20250723BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 スクリュープレスに供給する圧力に応じて機器を制御する方法に関し、原液の供給管路で計測した複数の圧力の差圧が所定の範囲内となるよう圧入圧力と凝集剤の薬注率を制御するスクリュープレスの制御方法を提供する。
【解決手段】 スクリュープレスの供給管路で計測した第一の圧力P1と第二の圧力P2との差圧を一定に制御するために、圧入圧力の設定値を調整するものである。必要に応じて外筒スクリーンの洗浄を行うことで優先的に圧入圧力の設定値を減少させることができる。流入する下水汚泥の性状変動や機器のろ過性の悪化等、環境面やハード面に早急に対応し、安定した運転を維持することが可能となる。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
スクリュープレス(1)に供給する圧入圧力(P2)を一定に制御するスクリュープレスの制御方法において、
予めスクリュープレスに圧入する基準圧力(P20)と、基準圧力の最大値である最大基準圧力(P20max)、基準圧力の最小値である最小基準圧力(P20min)と、
原液の供給管路で計測する第一の圧力(P1)と第二の圧力(P2)との基準差圧(ΔP0)と、を設定し、
原液の供給管路で計測する第一の圧力(P1)と第二の圧力(P2)との差圧(ΔP0)が基準差圧(ΔP0)の範囲内の時は、スクリュープレス(1)の運転を継続し、
差圧(ΔP)が基準差圧(ΔP0)より小さい場合、基準圧力(P20)の設定値を圧力幅(p)だけ低下させ、差圧(ΔP)が基準差圧(ΔP0)の範囲内に減少するまでこの操作を繰り返すと共に、
差圧(ΔP)が基準差圧(ΔP0)より大きい場合、外筒スクリーン(5)を洗浄し、その後、差圧(ΔP)が基準差圧(ΔP0)の範囲内に減少しない時に、基準圧力(P20)の設定値を圧力幅(p)だけ上昇させ、差圧(ΔP)が基準差圧(ΔP0)の範囲内に減少するまでこの操作を繰り返し、
原液の供給管路で計測する第一の圧力(P1)と第二の圧力(P2)との差圧(ΔP)を基準差圧(ΔP0)の範囲内に制御する
ことを特徴とするスクリュープレスの制御方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記原液の供給管路の原液供給ポンプ(21)近傍に第一の圧力計(31)を介装して第一の圧力(P1)を計測し、スクリュープレス(1)の直前に第二の圧力計(32)を介装して第二の圧力(P2)を計測する
ことを特徴とする請求項1の何れか1項に記載のスクリュープレスの制御方法。
【請求項3】
前記原液の供給管路に凝集混和槽を設け、凝集混和槽の上流側の供給管路に第一の圧力計(31)を介装して第一の圧力(P1)を計測し、凝集混和槽(23)の下流側の供給管路に第二の圧力計(32)を介装して第二の圧力(P2)を計測する
ことを特徴とする請求項2に記載のスクリュープレスの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュープレスの運転制御方法に関し、特に、スクリュープレスから排出される脱水ケーキを安定的に生成するために、原液の圧送圧力と脱水機入口の圧入圧力との差に基づいて制御するスクリュープレスの制御方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥を濃縮・脱水するスクリュープレスは一般に知られている。スクリュープレスは連続的に汚泥を濃縮・脱水する装置である。汚泥は季節・時間・天候等に応じて性状が変動するため、スクリュープレスにて安定的な性能維持のために、スクリュー軸の回転数、圧入圧力、凝集剤供給量等の制御方法を必要とする。
【0003】
例えば、スクリュープレスに供給する原液の圧入圧力を一定に制御するために、原液供給ポンプの回転数、スクリュー軸の回転数、凝集剤の薬注率を制御するスクリュープレスは特許文献1に記載されている。
また、脱水ケーキの含水率を一定にするために、スクリュープレスに圧入圧力の検知手段と、スクリュー軸のトルク検出手段と、スクリュー軸の回転数の制御手段を設け、圧入圧力とトルクの検出結果によりスクリュー軸の回転数を制御するスクリュープレスは特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5024658号公報
特許第3542970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクリュープレスで濃縮・脱水する下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥は、季節や天候、時間等で刻々と性状が変動している。この変動に応じてスクリュープレスの運転あるいは汚泥の調質に対して様々な制御が行われていた。
【0006】
特許文献1の制御方法は、スクリュープレスに供給する汚泥の圧入圧力のみで判断するもので、検知位置がスクリュープレス入口近傍のため、測定値はスクリュープレスのろ過性に起因する要素が大きく、原液性状の変動や凝集状態の悪化等に起因する要素を判断することが困難であった。
【0007】
特許文献2の制御方法は、スクリュープレス入口の圧入圧力だけでなくスクリュー軸のトルクを検出して機器を制御するため、ろ過室内部のろ過状態をより把握しやすいものであるが、スクリュー軸のトルクは回転機器の経年劣化や、スクリュー羽根とろ過筒との摩擦によって大きく検出値が変化するため正確な判断が困難である。
【0008】
本発明は、流入する下水汚泥の性状変動や機器のろ過性の悪化等、環境面やハード面に早急に対応し、安定した運転を維持することが可能なスクリュープレスの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、スクリュープレスに供給する圧入圧力を一定に制御するスクリュープレスの制御方法において、予めスクリュープレスに圧入する基準圧力と、基準圧力の最大値である最大基準圧力、基準圧力の最小値である最小基準圧力と、原液の供給管路で計測する第一の圧力と第二の圧力との基準差圧と、を設定し、原液の供給管路で計測する第一の圧力と第二の圧力との差圧が基準差圧の範囲内の時は、スクリュープレスの運転を継続し、差圧が基準差圧より小さい場合、基準圧力の設定値を圧力幅だけ低下させ、差圧が基準差圧の範囲内に減少するまでこの操作を繰り返すと共に、差圧が基準差圧より大きい場合、外筒スクリーンを洗浄し、その後、差圧が基準差圧の範囲内に減少しない時に、基準圧力の設定値を圧力幅だけ上昇させ、差圧が基準差圧の範囲内に減少するまでこの操作を繰り返し、原液の供給管路で計測する第一の圧力と第二の圧力との差圧を基準差圧の範囲内に制御するもので、供給管路の差圧から脱水状況を分析し、圧入圧力を最適に制御しつつ安定的に脱水運転を行うものである。
【0010】
また、原液の供給管路の原液供給ポンプ近傍に第一の圧力計を介装して第一の圧力を計測し、スクリュープレスの直前に第二の圧力計を介装して第二の圧力を計測すると、配管損失以外の圧力変動から脱水状況をリアルタイムに計測できる。
(【0011】以降は省略されています)

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