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公開番号2025069614
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179437
出願日2023-10-18
発明の名称浮上物回収装置
出願人ユキエンジニアリング株式会社
代理人個人
主分類C02F 1/40 20230101AFI20250423BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】クーラントの液面に浮上したスカムや油などの浮上物を効率よく回収することが可能な浮上物回収装置を提供する。
【解決手段】本発明の浮上物回収装置1は、上方が開口し、内部が仕切板12によって2つの空間に分けられたスカム分離槽2と、スカム11aとクーラント11bが貯留されたクーラントタンク4と、クーラントタンク4の内部に設置されたフロートサクション5を備えており、スカム分離槽2には、下方にスカムタンク9が設置されるスカム排出口2aと、スカム供給管13が接続されたスカム供給口2bと、クーラント排出管3が接続されたクーラント排出口2cが設けられている。そして、エアシリンダの作用によって上下動するサクションカップを有し、クーラント11bの液面に浮かべられたフロートサクション5の吸込口には、フィルタ7とエア駆動式ダイヤフラムポンプ8が介装されたスカム吸引管6の一端が接続されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
工作機械において加工部分の潤滑や冷却に用いられるクーラントの液面に浮上したスカムや油などの浮上物を回収する浮上物回収装置であって、
前記浮上物とともに前記クーラントが貯留されたクーラントタンクと、
前記クーラントよりも比重の小さい部材からなるフロートを有し、前記クーラントの前記液面に浮かんでいる前記浮上物が内部へ流入するように前記クーラントの前記液面に浮かべられるようにして前記クーラントタンク内に設置されたフロートサクションと、
浮上物排出口、浮上物供給口及びクーラント排出口を有する浮上物分離槽と、
この浮上物分離槽の前記浮上物供給口に一端が接続されるとともに他端が前記フロートサクションの吸込口に接続された浮上物吸引管と、
この浮上物吸引管を介して前記フロートサクションから前記浮上物分離槽に前記浮上物を送出するポンプと、を備え、
前記フロートサクションは、
前記フロートが連結された連結板と、
ピストンロッドの先端を下方に向けた状態で前記連結板に設置されたエアシリンダと、
前記吸込口が下部に設けられるとともに、上方に開口する姿勢で前記ピストンロッドの前記先端に連結されたサクションカップと、を備えていることを特徴とする浮上物回収装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記ピストンロッドが前進と後退を周期的に繰り返すように前記エアシリンダの動作を制御する空気圧回路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の浮上物回収装置。
【請求項3】
第1のパイロットポートとバネを有するとともに第1の流路を介して圧縮エアが供給される第1のエアオペレート弁と、
第2のパイロットポート及び第3のパイロットポートを有するとともに前記第1の流路から分岐する第1の分岐流路に接続された第2のエアオペレート弁と、
この第2のエアオペレート弁と前記エアシリンダの第1のシリンダポート及び第2のシリンダポートをそれぞれ接続する第2の流路及び第3の流路と、
この第3の流路と前記第1のパイロットポートを接続する第2の分岐流路と、
前記第1のエアオペレート弁に第4の流路及び第5の流路を介してそれぞれ接続された第1のエアチャンバ及び第2のエアチャンバと、
前記第2のパイロットポートと前記第1のエアチャンバを接続する第6の流路及び前記第3のパイロットポートと前記第2のエアチャンバを接続する第7の流路と、
前記第6の流路及び前記第7の流路にそれぞれ介装された第1の圧力制御弁及び第2の圧力制御弁と、を備え、
前記第1のエアオペレート弁は、前記第1のパイロットポートに第1のパイロット圧が作用すると、前記第1の流路と前記第4の流路が連通するとともに前記第5の流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第1の状態から前記第1の流路と前記第5の流路が連通するとともに前記第4の流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第2の状態に切り替わるのに対し、前記第1のパイロットポートに前記第1のパイロット圧が作用しなくなると、前記バネの付勢力により前記第2の状態から前記第1の状態に切り替わり、
前記第2のエアオペレート弁は、前記第2のパイロットポートに第2のパイロット圧が作用すると、前記第1の分岐流路と前記第2の流路が連通するとともに前記第3の流路内及び前記第2の分岐流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第3の状態から前記第1の分岐流路と前記第3の流路が連通するとともに前記第2の流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第4の状態に切り替わるのに対し、前記第3のパイロットポートに第3のパイロット圧が作用すると、前記第4の状態から前記第3の状態に切り替わることを特徴とする請求項2に記載の浮上物回収装置。
【請求項4】
パイロットポートとバネを有するとともに第1の流路を介して圧縮エアが供給されるエアオペレート弁と、
このエアオペレート弁と前記エアシリンダの第1のシリンダポート及び第2のシリンダポートをそれぞれ接続する第2の流路及び第3の流路と、
前記第2の流路から分岐する分岐流路に接続されたエアチャンバと、
このエアチャンバと前記パイロットポートを接続する第4の流路と、
この第4の流路に介装された圧力制御弁と、を備え、
前記エアオペレート弁は、前記パイロットポートにパイロット圧が作用すると、前記第1の流路と前記第2の流路が連通するとともに前記第3の流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第1の状態から前記第1の流路と前記第3の流路が連通するとともに前記第2の流路内と前記分岐流路内の前記圧縮エアが大気中に放出される第2の状態に切り替わるのに対し、前記パイロットポートに前記パイロット圧が作用しなくなると、前記バネの付勢力により前記第2の状態から前記第1の状態に切り替わることを特徴とする請求項2に記載の浮上物回収装置。
【請求項5】
前記ピストンロッドの移動方向と平行に設置されて上端が前記連結板に固定されたガイドピンを備えるとともに、
前記ガイドピンを前記ピストンロッドの前記移動方向と平行に案内するガイド部が前記サクションカップに設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浮上物回収装置。
【請求項6】
前記ピストンロッドの前記先端が上端に連結されるとともに下端が前記サクションカップに連結された棒状体を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浮上物回収装置。
【請求項7】
前記ピストンロッドの前記先端の外周面に設けられた雄ネジに螺合する雌ネジが内周面に設けられた回り止めナットを備え、
前記棒状体は、前記ピストンロッドの前記雄ネジに螺合する雌ネジが内周面に設けられた円筒状の懸垂ロッドであり、
この懸垂ロッドの前記上端に前記ピストンロッドの前記先端が螺入されるとともに、前記回り止めナットは前記ピストンロッドの前記先端が螺入された状態で前記懸垂ロッドの前記上端に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の浮上物回収装置。
【請求項8】
前記サクションカップの底面に設けられた貫通孔内に遊挿された円筒体と、
前記サクションカップの下方から前記円筒体に挿通されたボルトと、
このボルトが内挿された状態で前記円筒体と前記懸垂ロッドの間に設置されたワッシャと、を備え、
前記懸垂ロッドは、前記ボルトによって前記下端が前記サクションカップに固定されていることを特徴とする請求項7に記載の浮上物回収装置。
【請求項9】
前記ピストンロッドと前記懸垂ロッドはフローティングジョイントを介して連結されていることを特徴とする請求項7に記載の浮上物回収装置。
【請求項10】
前記浮上物分離槽は、
前記浮上物供給口及び前記浮上物排出口が設けられた分離室と、
前記クーラント排出口が設けられた清澄液貯留室と、を備え、
前記分離室と前記清澄液貯留室は、前記浮上物分離槽の下部において繋がっていることを特徴とする請求項1に記載の浮上物回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械において加工部分の潤滑や冷却に用いられるクーラント(冷却液)の液中へ混入するスカム(泡状の浮きカス)や油を回収する装置に係り、特に、クーラントの液面に浮上したスカムや油などの浮上物を効率良く回収することが可能な浮上物回収装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
鍛造や圧造などの機械加工では、加工対象物の表面にボンデ処理(リン酸塩被膜処理によって対象物の表面に潤滑被膜を生成させる処理)などが施されるが、加工対象物の表面に形成された潤滑被膜は研削仕上げの際に剥がれてクーラントの液中に混入する。そして、この潤滑被膜が摺動面油やクーラントなどと化学反応することにより大量のスカムが発生する。
従来、液面の浮上油(水に浮く比重の軽い油)やスカム等の浮上物を回収するものとしては、例えば、浮上油やスラッジなどの混合液が貯留されたタンクと、タンク内に設置されて混合液の流入口に接続されるフレキシブルホースと、流入口がタンク液面に配置されるようにフレキシブルホースに取り付けられた2個以上のフロートと、このフロートを固定するとともに低水位水中ポンプ又はクーラントポンプの浸漬部を囲むポンプケースを備えており、フレキシブルホースに接続された混合液落下口から大気圧でポンプケース内に混合液が流れ込むように混合液落下口がポンプケース内の水位より高い位置に保持されるように設けられた構造の回収装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
このような構造であれば、液面変動に追従して液面上に浮遊するオイルやスラッジを効率良く吸引することができる。しかしながら、この回収装置では、混合液が混合液落下口から大気圧でポンプケース内に流れ込むように、低水位水中ポンプ又はクーラントポンプを稼働させて混合液落下口をポンプ内の水位より高い位置に維持する必要があるため、操作性が悪い。
また、タンク内液面が変動した場合でもフレキシブルホースの混合液流入口がその変動に追随して上下に移動するようにフレキシブルホースにフロートが設置されているが、タンク内液面が下方へ移動し、フレキシブルホースの混合液流入口と混合液落下口の落差距離が十分に確保されなくなると、混合液流入口への混合液の流入が停止してしまうという問題がある。
さらに、タンク内液面と混合液流入口の浸漬間隔が1mm~5mmの範囲から外れると、空気と浮上物が混合液とともに渦巻きを生じながら混合液流入口に流入するという効果が十分に発揮されないおそれがある。
【0004】
このような課題に対処するものとして、例えば、特許文献2には「スカム回収装置」という名称で、クーラントの液面に浮上したスカムをクーラントから効率よく分離して回収する装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、スカム排出口が上部に設けられるとともにスカム供給口及びクーラント排出口が下部に設けられたスカム分離槽と、クーラント排出口に接続されたスカムオーバーフローレベル調整機構と、スカムとともにクーラントが貯留されたクーラントタンクと、クーラントタンクの内部に設置されたフロートサクションと、スカム排出口に設置されたオーバーフローシャッター機構と、スカム供給口に一端が接続されるとともに他端がフロートサクションの吸込口に接続されたスカム吸引管と、このスカム吸引管に介装されたフィルタ及びエア駆動式ダイヤフラムポンプと、スカム排出口の下方に設置されたスカムタンクを備えていることを特徴とする。
【0005】
また、特許文献3には「表層液回収装置」という名称で、液体の表層部に浮上した機械油や異物等を含む表層液を回収する装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、円筒状かつ蛇腹状の伸縮部材と、この伸縮部材の上端に設置された環状のフロートと、伸縮部材の底面を閉塞する底板部材を備え、伸縮部材の内部に流入した表層液がポンプの駆動によって排出管から分離タンクに順次移送される構造となっている。
上記構造の回収装置において、伸縮部材内に溜まった表層液がフロートに達していない場合、伸縮部材はその自重とフロートの自重により収縮した状態になる。これに対し、伸縮部材内に溜まった表層液がフロートの上部に達すると、フロートが表層液から受ける浮力の作用によって表層液の液面とともに上昇する。この場合、フロートが上端に設置されている伸縮部材も、フロートの上昇に追従するようにして伸長する。そして、伸縮部材内の表層液が排出管を介して分離タンクに移送されることにより、伸縮部材内の表層液の液面が下降すると、それに追従してフロートが下降する結果、伸縮部材は再び収縮した状態になる。
このように特許文献3に開示された発明は、内部に溜まった表層液の量に応じて伸縮部材が所定の周期で収縮と伸長を繰り返すことにより伸縮部材内に一定量の液体が流入することになる。したがって、特許文献3に開示された発明では、伸縮部材内に溜まった一定量の表層液を順次回収することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-230458号公報
特開2023-50812号公報
特開2014-12245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
研削機械のクーラント液は、ワークへの付着等により大量に消費される。例えば、研削機械を24時間稼働させると、クーラントタンク内の液面が10cm以上下がることもある。また、スカム分離槽からクーラントのリターン液がクーラントタンク内へ大量に戻されると、クーラントタンクの液面が激しく変動する。
特許文献2に開示された発明では、サクションカップがクーラントタンク内でクーラントに浮かべられた状態となっているため、クーラントタンク内の液面が大きく変化したり、激しく変動したりすると、サクションカップが簡単に傾いて、その内部へ必要以上のクーラントが流れ込んでしまうおそれがあった。
【0008】
また、クーラントからスカムを効率良く回収するためには、クーラントタンク内の液面に対するサクションカップの流入面の高さを調節する必要があるが、特許文献2に開示された発明では、上述のサクションカップの流入面の高さの調整が難しく、改良の余地があった。
特許文献3に開示された発明では、底板部材を液槽に固定する必要があり、液槽が大きい場合には側板の近くに設置せざるを得ず、側板から遠く離れた場所には設置できないという課題があった。また、設置や撤去の際に、液槽に底板部材を固定したり、液槽から底板部材を取り外したりする作業を行わなければならず、作業効率が悪いという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、クーラントの液面に浮上したスカムや油などの浮上物を効率よく回収することが可能な浮上物回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1の発明は、工作機械において加工部分の潤滑や冷却に用いられるクーラントの液面に浮上したスカムや油などの浮上物を回収する浮上物回収装置であって、浮上物とともにクーラントが貯留されたクーラントタンクと、クーラントよりも比重の小さい部材からなるフロートを有し、クーラントの液面に浮かんでいる浮上物が内部へ流入するようにクーラントの液面に浮かべられるようにしてクーラントタンク内に設置されたフロートサクションと、浮上物排出口、浮上物供給口及びクーラント排出口を有する浮上物分離槽と、この浮上物分離槽の浮上物供給口に一端が接続されるとともに他端がフロートサクションの吸込口に接続された浮上物吸引管と、この浮上物吸引管を介してフロートサクションから浮上物分離槽に浮上物を送出するポンプと、を備え、フロートサクションは、フロートが連結された連結板と、ピストンロッドの先端を下方に向けた状態で連結板に設置されたエアシリンダと、吸込口が下部に設けられるとともに、上方に開口する姿勢でピストンロッドの先端に連結されたサクションカップと、を備えていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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