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公開番号2025073633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184583
出願日2023-10-27
発明の名称空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/00 20230101AFI20250502BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】低コストで簡易な方法により、循環経路内に水処理剤の補給する箇所を確保し、かつ、循環水中の水処理剤濃度を一定に維持する空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法を提供する。
【解決手段】空気の温度を降下させる保水材41と、循環水を貯留する貯留タンク42と、保水材41と貯留タンク42との間で循環水を循環させる循環手段45と、循環水の一部を循環経路47外に排出する循環水排出手段46と、循環水中の水を補給する水補給手段43と、循環水中の水処理剤を補給する水処理剤補給手段44と、を備え、水処理剤補給手段44による水処理剤の補給を、循環水の一部が循環水排出手段45で循環経路47外に排出された後で、かつ、水補給手段43による水の補給とともに行う、空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
空冷式凝縮器における風上側に設けられ、水処理剤と水を含む循環水が循環供給され、前記循環水が気化する際の潜熱により、前記凝縮器に吸気される空気の温度を降下させる保水材と、
前記循環水を貯留する貯留タンクと、
前記保水材と前記貯留タンクとの間で前記循環水を循環させる循環手段と、
前記循環水の循環停止時に、前記循環水の一部を循環経路外に排出する循環水排出手段と、
前記循環水中の前記水を補給する水補給手段と、
前記循環水中の前記水処理剤を補給する水処理剤補給手段と、
を備える、空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法であって、
前記水処理方法は、
前記水処理剤補給手段による前記水処理剤の補給を、前記循環水の一部が前記循環水排出手段で前記循環経路外に排出された後で、かつ、前記水補給手段による前記水の補給とともに行う、空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記水処理剤は、前記貯留タンク内に補給する、請求項1に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
【請求項3】
前記水処理剤補給手段によって補給する前記水処理剤は、前記循環水排出手段で排出した前記循環水の水量から換算した量を補給する、請求項1または2に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
【請求項4】
前記水処理剤補給手段による前記水処理剤の補給位置は、前記水補給手段による前記水の補給位置よりも下流側に設ける、請求項1または2に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、補助冷却装置における循環水に水処理剤を補給することで、スライムの発生を防止する空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在用いられている凝縮器の補助冷却装置は、室外機の凝縮器の風上側に設けられた保水材に水を供給し、水が気化する際の潜熱により、凝縮器に吸気される空気の温度を低下させるための装置である。通常の補助冷却装置では、保水材の上方から水を供給し、保水材の下方から流出する水を再度保水材の上方から供給するように水を循環させる構成となっている。
【0003】
しかしながら、補助冷却装置を長期に亘って循環水の使用に伴いレジオネラ属菌が発生し、スライムを形成することがある。このスライムは、外観の悪化や、さらに、保水材を詰まらせ、供給される空気量の低下に伴い、冷凍機の運転効率を低下させる。また、レジオネラ属菌の発生と周囲への飛散から、健康被害を発生させる可能性がある。レジオネラ属菌の抑制のため、例えば水道水のように塩素滅菌した水を補給することが考えられる。しかし、これだけでは、減菌に対する効果が不十分である。したがって、これまで、レジオネラ属菌に対する対策とし、保水材の清掃や交換を行っていた。しかし、これらの清掃及び交換の手間や費用が大きいという問題がある。
また、補助冷却装置は屋外に設置されることから、外気の塵埃等が循環する水に含まれてしまう。保水材に供給される水は、保水材で蒸発するだけでなく、循環する途中においても蒸発するため、水に含まれるシリカ、カルシウム及びマグネシウム等の不純物が濃縮されることになる。また、循環水に含まれる金属イオンが濃縮し、溶解度を超えることで、補助冷却装置に金属酸化物(スケール)として析出することがある。これらも、同様に、補助冷却装置の清掃及び交換の手間や費用が大きいという問題がある。
【0004】
これに対して、特許文献1は、循環する水を監視するための監視カメラと、または、排水流路に設けられた排水ポンプ又は電磁弁と排水ポンプ又は電磁弁を定期的に動作させて排水流路から排水する制御部とを備える凝縮器の補助冷却装置が開示されている。これにより、循環する水を、現場に行くことなく管理することできる。
また、特許文献2は、保水材の側面の当接面側から風下側に飛散する飛沫を阻止する飛沫飛散阻止手段を備えて凝縮器の補助冷却システムが開示されている。これにより、長期にわたって運転を続けても放熱フィンの表面に水垢・スケール等が付着せず、空冷運転時の熱交換効率の低下を防ぐことができる効果を奏している。
しかし、特許文献1~2では、レジオネラ属菌が発生し、スライム、スケールが形成された場合、補助冷却装置を交換しなければならず、交換作業の手間、廃棄物発生の問題が解決されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-018045号公報
特開2020-029982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで、凝縮器の補助冷却装置では、装置自身が小型軽量であり、かつ、循環水の水量が比較的少ないため、スライム、スケールの発生に対する対策を考慮していなかった。しかしながら、スライム等の発生に対する対策としては、冷却塔に用いられ、循環水の水量が比較的多い開放循環冷却水系における水処理技術を挙げることができる。開放循環冷却水系では、次亜塩素酸塩などの水処理剤を循環水に補給することで、水処理を実施していた。しかし、これらの技術をそのまま補助冷却装置に適用することはできなかった。
【0007】
冷却塔に用いられる開放循環冷却水系における水処理では、水処理剤の補給箇所は、冷却水系の配管への補給、または、冷却塔ピット部への補給が挙げられる。しかし、配管へ水処理剤を補給する場合、開放循環冷却水系における冷却塔と比べて、補助冷却装置における循環経路で蒸発量が大きく、滞留時間が短い。そのために、循環経路全体にわたって、循環水中に補給した水処理剤をできる限り速やかに溶解させる必要がある。したがって、水を補給する配管に水処理剤を補給することが最適ではあるが、凝縮器の補助冷却装置の場合は、水を補給する配管が細くて補給箇所を設けることができないという問題がある。
また、凝縮器の補助冷却装置を構成するピット部に水処理剤を補給する場合、保水材直下のピット部の容量が少なく、水処理剤の補給箇所を確保できない。さらに、保水材(通常は紙製)に循環水と混合前の水処理剤が付着することで、保水材が破損するという問題もある。
【0008】
冷却塔に用いられる開放循環冷却水系の水処理における水処理剤の補給方法としては、例えば水処理剤の濃度を連続測定し均一になるように水処理剤の補給量を制御する方法、タイマー制御によって水処理剤を補給する方法、補給する水量に比例して水処理剤を補給する方法等が挙げられる。しかし、既存の水処理剤の補給方法を、そのまま凝縮器の補助冷却装置に適用することは、適切ではない場合がある。例えば、水処理剤の濃度を連続測定し、均一になるように水処理剤の補給量を制御することは、水処理剤の濃度を連続測定するための高価な装置が必要となり、特に凝縮器の補助冷却装置は、小型であり、かつ比較的安価な装置であることから、コストパフォーマンスが悪いという問題がある。
また、補給する水量に比例して水処理剤を補給する方法は、水量に比例させるための設備が高価であり、特に凝縮器の補助冷却装置は、小型であり、かつ比較的安価な装置であることから、コストパフォーマンスが悪いという問題がある。
また、タイマー制御によって水処理剤を補給する場合、循環経路内の水処理剤濃度を一定にするためには、一般の開放冷却塔では冷凍機運転時間や負荷率によって推定される蒸発水量から、水質を一定にするための排出される水量を推定し、水処理剤をタイマー制御された時間間隔で補給する方法が採用されている。しかし、凝縮器の補助冷却装置では、蒸発水量を推定するためには、冷凍機運転時間や負荷率に加え、大気の湿球温度も考慮する必要がある。このために、蒸発水量や水質を一定にするための排出される水量を推測することができず、タイマー制御による水処理剤の補給では、循環経路内の水処理剤の濃度を一定にすることは難しいという問題がある。
【0009】
そこで、上記の問題点に鑑みて、本発明は、低コストで簡易な方法により、循環経路内に水処理剤の補給する箇所を確保し、かつ、循環水中の水処理剤濃度を一定に維持する空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、本発明の実施形態の特徴を列記して説明する。
(1)空冷式凝縮器における風上側に設けられ、水処理剤と水を含む循環水が循環供給され、前記循環水が気化する際の潜熱により、前記凝縮器に吸気される空気の温度を降下させる保水材と、前記循環水を貯留する貯留タンクと、前記保水材と前記貯留タンクとの間で前記循環水を循環させる循環手段と、前記循環水の循環停止時に、前記循環水の一部を循環経路外に排出する循環水排出手段と、循環水中の前記水を補給する水補給手段と、循環水中の前記水処理剤を補給する水処理剤補給手段と、を備える、空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法であって、前記水処理方法は、前記水処理剤補給手段による前記水処理剤の補給を、前記循環水の一部が前記循環水排出手段で循環経路外に排出された後で、かつ、前記水補給手段による前記水の補給とともに行う、空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
(2)前記水処理剤は、前記貯留タンク内に補給する、(1)に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
(3)前記水処理剤補給手段によって補給する前記水処理剤は、前記循環水排出手段で排出した前記循環水の水量から換算した量を補給する、(1)または(2)に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
(4)前記水処理剤補給手段による前記水処理剤の補給位置は、前記水補給手段による前記水の補給位置よりも下流側に設ける、(1)、(2)または(3)に記載の空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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