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公開番号
2025085120
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-05
出願番号
2023198777
出願日
2023-11-24
発明の名称
活性汚泥の処理水CODの取得方法
出願人
株式会社 小川環境研究所
代理人
個人
主分類
C02F
3/12 20230101AFI20250529BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】活性汚泥の運転状況に基づく原水や処理水などの測定データから処理水のCODを計算する方法を提供する。
【解決手段】曝気槽での処理が終了した活性汚泥混合液をサンプリングして、一定温度条件下で一定の総括物質移動係数(KLa)で曝気し、曝気開始から所定の曝気時間までの溶存酸素濃度(DO)の変化データを測定する過程で得られる、処理水の易分解性BOD値と、遅分解性BOD値と、サンプリング地点における仮想原水BODts濃度計算値(仮想原水BODts)と、を用いて、(1)式により処理水CODを計算する。
処理水COD=k1×処理水の易分解性BOD+k2×処理水の遅分解性BOD+k3×仮想原水BODts・・・(1)式
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
浮遊性の好気性微生物を処理主体とする曝気槽を有する生物処理装置における処理水CODの取得方法であって、
曝気槽での処理が終了した活性汚泥混合液をサンプリングして、一定温度条件下で一定の総括物質移動係数(KLa)で曝気し、曝気開始から所定の曝気時間までの溶存酸素濃度(以下、DO)の変化データを測定する過程で得られる、処理水の易分解性BOD値と、遅分解性BOD値と、サンプリング地点における仮想原水BODts濃度計算値(以下、仮想原水BODts)と、を用いて、(1)式により処理水CODを求める、ことを特徴とする処理水COD取得方法。
処理水COD=k1×処理水の易分解性BOD+k2×処理水の遅分解性BOD
+k3×仮想原水BODts ・・・(1)式
但し、k1、k2、k3は各BOD値からCOD値に変換する係数であって、それぞれ処理水中の易分解性BOD、遅分解性BOD、水溶性汚濁物の基質構成に対応して定まり、
(1)式において、処理水の易分解性BODとは、曝気中のDO値変化を表す(2)式によるC1_hf(t)値変化曲線(曲線2)と、実測のDO値変化曲線(曲線1)と、により囲まれる面積にKLaを乗じた値をいい、
C1_hf(t)=DOhf1-(DOhf1-C0)exp(-KLa・t)・・・(2)式
処理水の遅分解性BODとは、(3)式によるC2_hf(t)値変化曲線(曲線3)と、実測のDO値変化曲線(曲線1)と、により囲まれる面積にKLaを乗じた値から処理水の易分解性BODを減じた値をいい、
C2_hf(t)=DOhf2-(DOhf2-C0)exp(-KLa・t)・・・(3)式
仮想原水BODtsとは、サンプリング時以前に曝気槽に流入した原水の、サンプリング地点におけるBODts値であって、原水及び返送汚泥が曝気槽に流入する地点からサンプリング地点に到達するまでの、滞留時間分布に基づいて計算した推定値である。
ここに、原水についてBODts値とは、サンプリングした活性汚泥混合液が、温度一定かつ曝気強度一定の条件下において、DO値がDOhfに到達したのち、活性汚泥混合液に原水を添加して、DO値がDOhfに戻るまでの間に消費された酸素消費量を、原水の添加量と測定機の活性汚泥混合液量に基づき原水の酸素消費量に換算した値をいう。
(2)、(3)式において、C0は、曝気の初期DO値、
DOhf1、DOhf2、DOhfは、サンプリングした活性汚泥混合液中に、それぞれ易分解性BOD、遅分解性BOD、又はBODが残留していないときの、酸素消費速度と曝気による酸素供給速度とがバランスするDO値である。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、好気性微生物を利用する活性汚泥などの廃水処理における処理水CODの取得方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
好気性微生物を利用した活性汚泥法などの処理法は、有機性汚濁物を含む排水の最も汎用的な処理法である。活性汚泥法において処理水のBOD管理は運転管理上きわめて重要であるが、公定法によるBODの測定には長時間を要するため、実質的に活性汚泥の運転操作には不適である。このため、測定に要する時間が短いCODに着目し、処理水CODを測定して、処理水BODおよび活性汚泥の処理状態を推定するのが一般的である。
【0003】
しかしながら、活性汚泥に流入する排水(以下、原水)に易分解性の汚濁物だけでなく、遅分解性や難分解性の成分が含まれていると、活性汚泥で該原水を処理した場合、易分解性汚濁物及び遅分解性汚濁物の一部は活性汚泥で処理されて、処理水のBODは小さくなるが、水溶性の難分解性汚濁物は処理できず、処理水中にそのまま残留する。このため原水に負荷変動があった場合、原水ベースでは原水CODと原水BOD間に一定の相関関係があったとしても、処理水ベースでは、処理水BODが良好に処理され小さな値になると、処理水BODに対応するCODもこれに比例して小さくなるが、水溶性の難分解性汚濁物によるCODはそのまま処理水に残り、しかも原水変動に伴い変動するため、処理水CODと処理水BODの相関関係は著しく低下する。
【0004】
処理水CODの値は、法規制上の観点からも必要であり、一般に、活性汚泥の原水や処理水のCOD測定は、独立した自動COD測定機や公定法に基づくマニュアルによるCOD測定によっている。有機性汚濁排水のCODは、活性汚泥で処理するのが一般的であるが、処理水CODと処理水BODの間の相関関係が低下すると、処理水CODの測定値から処理水BODの値を推定することが困難になり、活性汚泥の浄化作用が正常に行われているか否かの判断が難しくなり、活性汚泥の運転管理に支障が生じる結果となる。
【0005】
CODとBODとでは測定原理が異なり、活性汚泥での除去作用も異なるため、処理水のCODとBODを関連付ける計算法は既存の特許公開情報には見当たらない。例えば、特許文献1には、UV計から得られるCOD値をBOD値に変換する記述があるが、これは原水ベースでのCODとBODであり、処理水ベースのCODとBODの変換ではない。
【0006】
本出願人による特許文献2には、曝気槽での処理が終了した活性汚泥混合液をサンプリングして、一定温度条件下で一定の総括物質移動係数KLaで曝気し、曝気開始から所定の曝気時間までの溶存酸素濃度の変化データから、活性汚泥混合液中の易分解性BODと遅分解性BOD値を計算する方法が開示されているが、これらの値と処理水CODとの関係には言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-107796
特願2022-70753
特開2001-235462
特開2006-84240
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、本出願人が文献2に開示しているBOD測定方法を一部利用して、処理水CODを取得する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は以下の内容を要旨とする。すなわち、
浮遊性の好気性微生物を処理主体とする曝気槽を有する生物処理装置における処理水CODの取得方法であって、
曝気槽での処理が終了した活性汚泥混合液をサンプリングして、一定温度条件下で一定の総括物質移動係数(KLa)で曝気し、曝気開始から所定の曝気時間(以下、測定時間という)までの溶存酸素濃度(以下、DO)の変化データを測定する過程で得られる、処理水の易分解性BOD値と、遅分解性BOD値と、サンプリング地点における仮想原水BODts濃度計算値(以下、仮想原水BODts)と、を用いて、(1)式により処理水CODを求める、ことを特徴とする処理水COD取得方法。
処理水COD=k1×処理水の易分解性BOD+k2×処理水の遅分解性BOD
+k3×仮想原水BODts ・・・(1)式
但し、k1、k2、k3は各BOD値からCOD値に変換する係数であって、それぞれ処理水中の易分解性BOD、遅分解性BOD、水溶性汚濁物の基質構成に対応して定まり、
(1)式において、処理水の易分解性BODとは、曝気中のDO値変化を表す(2)式によるC1_hf(t)値変化曲線(曲線2)と、実測のDO値変化曲線(曲線1)と、により囲まれる面積にKLaを乗じた値をいい、
C1_hf(t)=DOhf1-(DOhf1-C0)exp(-KLa・t)・・・(2)式
処理水の遅分解性BODとは、(3)式によるC2_hf(t)値変化曲線(曲線3)と、実測のDO値変化曲線(曲線1)と、により囲まれる面積にKLaを乗じた値から処理水の易分解性BODを減じた値をいい、
C2_hf(t)=DOhf2-(DOhf2-C0)exp(-KLa・t)・・・(3)式
仮想原水BODtsとは、サンプリング時以前に曝気槽に流入した原水の、サンプリング地点におけるBODts値であって、原水及び返送汚泥が曝気槽に流入する地点からサンプリング地点に到達するまでの、滞留時間分布に基づいて計算した推定値である。
ここに、原水についてBODts値とは、サンプリングした活性汚泥混合液が、温度一定かつ曝気強度一定の条件下において、DO値がDOhfに到達したのち、活性汚泥混合液に原水を添加して、DO値がDOhfに戻るまでの間に消費された酸素消費量を、原水の添加量と測定機の活性汚泥混合液量に基づき原水の酸素消費量に換算した値をいう。
(2)、(3)式において、C0は、曝気の初期DO値、
DOhf1、DOhf2、DOhfは、サンプリングした活性汚泥混合液中に、それぞれ易分解性BOD、遅分解性BOD、又はBODが残留していないときの、酸素消費速度と曝気による酸素供給速度とがバランスするDO値である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、活性汚泥の処理水CODと処理水BODとの関連付けが可能となった。これにより、活性汚泥の運転管理状況に基づいて処理水CODを計算出力でき、また逆に処理水のCOD実測値に基づいて、活性汚泥の処理状況を推定できるようになった。
さらに、工場排水に関するCOD法規制への対応を適切に行えるようになり、もって活性汚泥の運転管理技術の向上に資するものである。
また、AIによる活性汚泥運転管理支援システム構築に際し、AIの有効な学習データとなる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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