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公開番号2025085872
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199547
出願日2023-11-27
発明の名称空間浄化装置
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/461 20230101AFI20250530BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】供給槽に貯留された水溶液の電気分解後の強アルカリ化を抑制し、より安全性を高めた空間浄化装置を提供すること。
【解決手段】第1水溶液L1を貯留するための電解槽10と、第2水溶液L2を貯留し第1水溶液L1に塩化物イオンを供給するための供給槽20と、陰イオンを透過可能に電解槽10と供給槽20とを連結する陰イオン交換膜30と、を備え、第2水溶液L2は金属塩化物水溶液であり、有隔膜電気分解を行うことによって、無隔膜電気分解により減少した第1水溶液L1に含まれる塩化物イオンを補うように、供給槽20に貯留された第2水溶液L2に含まれる塩化物イオンを、陰イオン交換膜30を透過させて電解槽10に貯留された第1水溶液L1に供給し、供給槽20内にて、第2水溶液L2に含まれる金属イオンと有隔膜電気分解によって生成された水酸化物イオンとを反応させて金属水酸化物の沈殿を形成する、空間浄化装置1を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塩化物イオンを含む第1水溶液を貯留するための電解槽と、
前記第1水溶液より高濃度の塩化物イオンを含む第2水溶液を貯留し前記第1水溶液に塩化物イオンを供給するための供給槽と、
前記電解槽に設けられた電解槽側陽極及び電解槽側陰極と、
前記供給槽に設けられた供給槽側陰極と、
前記電解槽側陽極と前記供給槽側陰極との間に印加された電圧に基づいて陰イオンを透過可能に前記電解槽と前記供給槽とを連結する陰イオン交換膜と、
前記電解槽に設けられ、前記電解槽側陽極と前記電解槽側陰極との間に第1電流を流すことによって、前記第1水溶液を無隔膜電気分解して次亜塩素酸を生成する無隔膜電解部と、
前記電解槽と前記供給槽とにわたって設けられ、前記電解槽側陽極と前記供給槽側陰極との間に第2電流を流すことによって、前記陰イオン交換膜を介して有隔膜電気分解を行う有隔膜電解部と、を備え、
前記第2水溶液は、金属イオンと前記塩化物イオンとを含む金属塩化物水溶液であり、
前記有隔膜電気分解を行うことによって、
前記無隔膜電気分解により減少した前記第1水溶液に含まれる塩化物イオンを補うように、前記供給槽に貯留された前記第2水溶液に含まれる前記塩化物イオンを、前記陰イオン交換膜を透過させて前記電解槽に貯留された前記第1水溶液に供給し、
前記供給槽内にて、前記第2水溶液に含まれる金属イオンと前記有隔膜電気分解によって生成された水酸化物イオンとを反応させて金属水酸化物の沈殿を形成する、
空間浄化装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記第2水溶液は、塩化マグネシウム水溶液である、
請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項3】
前記無隔膜電気分解により減少した前記第1水溶液に含まれる塩化物イオンを補うように前記第2電流を制御することによって、前記第2水溶液に含まれる塩化物イオンを、前記陰イオン交換膜を透過させて前記第1水溶液に供給する電流制御部を備え、
前記電流制御部が前記第1電流と前記第2電流を所定の割合で流すことによって、前記第1水溶液の塩化物イオン濃度を所定の濃度で維持する、
請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項4】
前記電流制御部は、
前記電解槽側陽極と前記電解槽側陰極との間の電圧を取得する電圧取得部と、
前記電圧取得部が取得した前記電圧に基づき前記第1水溶液の導電率を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記導電率に基づき前記第1水溶液の濃度を推定する推定部と、を備え、
前記電流制御部は、
前記第1電流と前記第2電流とを同時に流し、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が所定の濃度より低濃度の場合は、前記第2水溶液から前記陰イオン交換膜を透過して前記第1水溶液に供給される塩化物イオンの量が増加するように、前記第1電流と前記第2電流の電流割合を変更し、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が前記所定の濃度より高濃度の場合は、前記第2水溶液から前記陰イオン交換膜を透過して前記第1水溶液に供給される塩化物イオンの量が減少するように、前記第1電流と前記第2電流の電流割合を変更する、
請求項3に記載の空間浄化装置。
【請求項5】
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が前記所定の濃度の場合は、前記第1電流と前記第2電流の電流割合を変更しない、
請求項4に記載の空間浄化装置。
【請求項6】
前記電解槽側陽極と前記電解槽側陰極との間の電圧を取得する電圧取得部と、
前記電圧取得部が取得した前記電圧に基づき前記第1水溶液の導電率を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記導電率に基づき前記第1水溶液の濃度を推定する推定部と、を備え、
前記電流制御部は、
前記第1電流を所定の値で流すと同時に前記第2電流を制御し、
前記第2電流の制御は、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が所定の濃度より低濃度の場合は、前記第2水溶液から前記陰イオン交換膜を透過して前記第1水溶液に供給される塩化物イオンの量が増加するように前記第2電流を流し、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が前記所定の濃度より高濃度の場合は、前記第2水溶液から前記第1水溶液への塩化物イオンの供給が停止するように、前記第2電流を停止する、
請求項3に記載の空間浄化装置。
【請求項7】
前記電解槽側陽極と前記電解槽側陰極との間の電圧を取得する電圧取得部と、
前記電圧取得部が取得した前記電圧に基づき前記第1水溶液の導電率を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記導電率に基づき前記第1水溶液の濃度を推定する推定部と、を備え、
前記電流制御部は、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が所定の濃度より低濃度の場合は、前記第2水溶液から前記陰イオン交換膜を透過して前記第1水溶液に供給される塩化物イオンの量が増加するように、前記第1電流を停止すると同時に前記第2電流を流し、
前記第1水溶液の塩化物イオン濃度が所定の濃度より高濃度の場合は、
前記第2水溶液から前記第1水溶液への塩化物イオンの供給が停止するように、前記第2電流を停止すると同時に前記第1電流を流す、
請求項3に記載の空間浄化装置。
【請求項8】
前記電解槽側陽極、前記電解槽側陰極、及び前記供給槽側陰極は、それぞれ板状の形状を備える電解槽側陽極板、電解槽側陰極板及び供給槽側陰極板であり、
前記電解槽側陽極板及び前記電解槽側陰極板は前記電解槽の外部から前記電解槽の内部に挿入され、前記供給槽側陰極板は前記供給槽の外部から前記供給槽の内部に挿入されており、
前記電解槽側陽極板は、前記電解槽の内部側に配置された電解槽側陽極板浸漬部と、前記電解槽の外部側に配置された電解槽側陽極板突出部と、を備え、
前記電解槽側陰極板は、前記電解槽の内部側に配置された電解槽側陰極板浸漬部と、前記電解槽の外部側に配置された電解槽側陰極板突出部と、を備え、
前記供給槽側陰極板は、前記供給槽の内部側に配置された供給槽側陰極板浸漬部と、前記供給槽の外部側に配置された供給槽側陰極板突出部と、を備え、
前記電解槽側陽極板浸漬部及び前記電解槽側陰極板浸漬部の全体は、
前記第1水溶液に浸漬され、
前記供給槽側陰極板浸漬部の全体は、
前記第2水溶液に浸漬されている、
請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項9】
前記第1水溶液における液面の位置を検出する水位検出部と、
前記水位検出部が検出した前記液面の位置が前記電解槽側陽極板浸漬部及び前記電解槽側陰極板浸漬部の上端部を下回らないように水を前記電解槽に供給する水供給部と、を備える、
請求項7又は8に記載の空間浄化装置。
【請求項10】
前記無隔膜電解部は、
前記電解槽側陽極と、
前記電解槽側陰極と、を備え、
前記有隔膜電解部は、
前記電解槽側陽極と、
前記供給槽側陰極と、
前記陰イオン交換膜と、を備える、
請求項1に記載の空間浄化装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空間浄化装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塩化ナトリウム水溶液を電気分解することにより生成した次亜塩素酸を用いて、空気中に含まれる細菌、真菌、ウイルス、臭いなどの除去を行う空気浄化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-174032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空間浄化装置にて塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって次亜塩素酸水を生成する際に強アルカリ性である水酸化ナトリウムが生成される場合がある。このような空間浄化装置を小型化し、業者が所定の設置場所に対して設置を行う場合、当該業者が使用後の空間浄化装置を取り外したり、取り外した後の輸送時などに空間浄化装置を横転させたり落下させたりすることが予想される。この場合、生成された強アルカリ性である水酸化ナトリウムが空間浄化装置の外部に漏洩する可能性があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、供給槽に貯留された水溶液の電気分解後の強アルカリ化を抑制し、より安全性を高めた空間浄化装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空間浄化装置は、塩化物イオンを含む第1水溶液を貯留するための電解槽と、第1水溶液より高濃度の塩化物イオンを含む第2水溶液を貯留し第1水溶液に塩化物イオンを供給するための供給槽と、電解槽に設けられた電解槽側陽極及び電解槽側陰極と、供給槽に設けられた供給槽側陰極と、電解槽側陽極と供給槽側陰極との間に印加された電圧に基づいて陰イオンを透過可能に電解槽と供給槽とを連結する陰イオン交換膜と、電解槽に設けられ、電解槽側陽極と電解槽側陰極との間に第1電流を流すことによって、第1水溶液を無隔膜電気分解して次亜塩素酸を生成する無隔膜電解部と、電解槽と供給槽とにわたって設けられ、電解槽側陽極と供給槽側陰極との間に第2電流を流すことによって、陰イオン交換膜を介して有隔膜電気分解を行う有隔膜電解部と、を備え、第2水溶液は、金属イオンと塩化物イオンとを含む金属塩化物水溶液であり、有隔膜電気分解を行うことによって、無隔膜電気分解により減少した第1水溶液に含まれる塩化物イオンを補うように、供給槽に貯留された第2水溶液に含まれる塩化物イオンを、陰イオン交換膜を透過させて電解槽に貯留された第1水溶液に供給し、供給槽内にて、第2水溶液に含まれる金属イオンと有隔膜電気分解によって生成された水酸化物イオンとを反応させて金属水酸化物の沈殿を形成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、水溶液の電気分解後の強アルカリ化を抑制し、より安全性を高めた空間浄化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施の形態に係る空間浄化装置を示す斜視図である。
図2は、図1の空間浄化装置を示す正面部分断面図である。
図3は、無隔膜電解部において生じる反応式の一覧である。
図4は、無隔膜電解部に流れる電流と有隔膜電解部に流れる電流の割合を含めた反応式である。
図5は、有隔膜電解部において生じる反応式の一覧である。
図6は、実施の形態に係る電流制御部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。特に言及のない限り、z軸プラス向きが鉛直上向きである。また、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0010】
<実施の形態>
図1は、実施の形態に係る空間浄化装置1の概略を示す斜視図である。空間浄化装置1は、後述する電解槽10において塩化物イオンを含む第1水溶液L1の電気分解を行い、次亜塩素酸を生成し揮発させる。空間浄化装置1は、揮発した次亜塩素酸を、空間浄化装置1を構成する筐体Bの外部空間へ流出させることにより、空間浄化装置1の外部空間の空気中に含まれる細菌、真菌、ウイルス、臭いなどの除去を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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