TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025073235
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023183822
出願日
2023-10-26
発明の名称
濁水処理システム
出願人
株式会社熊谷組
代理人
個人
主分類
C02F
1/52 20230101AFI20250502BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】原水槽の濁水のSS濃度を高めて固液分離を適確に行うことのできる濁水処理システムを提供する。
【解決手段】被処理水である濁水を収納する原水槽30と、濁水の発生箇所から濁水を原水槽まで送る導水路10と、原水槽30から送られてきた被処理水を中和する中和反応槽50と、被処理水に凝集剤を添加する凝集反応槽80と、凝集剤が添加された被処理水をスラリーと上澄み液とに分離する固液分離槽90と、を備えた濁水処理システム1において、導水路10に、水中ポンプ11を設けて、導水路10の底部に沈殿した泥分を導水路10内の被処理水内に戻すようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被処理水である濁水を収納する原水槽と、前記濁水の発生箇所から前記濁水を前記原水槽まで送る導水路と、前記原水槽から送られてきた被処理水を中和する中和反応槽と、前記被処理水に凝集剤を添加する凝集反応槽と、前記凝集剤が添加された被処理水をスラリーと上澄み液とに分離する固液分離槽と、を備えた濁水処理システムであって、
前記導水路に、前記導水路内の被処理水を攪拌して当該導水路の底部に沈殿した泥分を前記導水路内の被処理水内に戻す攪拌装置を設けたことを特徴とする濁水処理システム。
続きを表示(約 230 文字)
【請求項2】
攪拌装置を前記導水路に沿って移動可能に設置したことを特徴とする請求項1に記載の濁水処理システム。
【請求項3】
前記導水路の途中に攪拌槽を設けるとともに、前記攪拌槽内に攪拌装置を設置したことを特徴とする請求項1に記載の濁水処理システム。
【請求項4】
前記中和反応槽に送られる液体炭酸ガスを気化する気化器内の温水の上面に油膜層を設けたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の濁水処理システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダム等の建設・土木工事現場で発生する濁水を処理する濁水処理システムに関するものである。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、建設・土木工事現場で発生した濁水は原水槽に送られた後、高分子凝集剤等の凝集剤が添加され、固液分離槽にてスラリーと上澄み液に分離される。分離された上澄み液は河川等に放流される。また、スラリーは脱水装置に送られ、脱水ケーキが作製される。
しかしながら、原水槽に供給される濁水は、現場の位置条件や作業状況によってSS(浮遊物質、懸濁物質)の濃度であるSS濃度がまちまちで、SS濃度が高い場合には高分子凝集剤等の凝集剤の添加量を多くすることで適切な処理を行うことができるが、SS濃度が低い場合には高分子凝集剤等の凝集剤が過添加になり、その結果、良好な脱水ケーキが得られない、といった問題点があった。
なお、SSの大部分は微細な土粒子(シルト、粘土、コロイド)である。また、SS濃度は、被処理水中に懸濁している、粒径が2mm以下の浮遊物質量(もしくは、懸濁物質量)を示すもので、ppm(mg/L)で表される。
そこで、固液分離槽のスラリーの一部を、原水槽に戻すことで、原水槽内のSS濃度を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-222835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、固液分離槽からスラリーを貯蔵する泥水貯蔵タンクに送るスラリー送出ラインから分岐して、原水槽に接続されるスラリー戻しラインを設ける必要があるだけでなく、スラリーの送出ラインとスラリー戻しラインとを切り替える切換弁と、この切換え弁の開閉を制御する制御回路を設ける必要があった。
また、被処理水のpH調整には炭酸ガスが用いられるが、液体炭酸ガスを気化する気化器内では、液化炭酸が気化する過程で温水が蒸発するため、水を日常的に補充する必要があった。補充が不十分な場合は、気化器内の温水の水位が低下してしまい、その結果、液化炭酸ガスを気化するためのヒータが切れてしまうおそれがあった。ヒータが切れると、液化炭酸ガスを気化できず、適切なpH調整が行われなくなるというリスクが生じる。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、原水槽の濁水のSS濃度が低い場合にSS濃度を意図的に高めて固液分離を適確に行うことのできる濁水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、原水槽内の被処理水のSS濃度が低くなるのは、濁水発生箇所から原水槽に濁水を導く導水路の長さが長く、かつ、勾配が緩やかなので、導水路内の濁水が原水槽に到達するまでに濁水中の泥分の一部が導水路の底部に沈殿してしまうためで、この沈殿した泥土を撹拌して原水槽に送るようにすれば、原水槽に送られる被処理水のSS濃度を高めることのできると考え、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、被処理水である濁水を収納する原水槽と、前記濁水の発生箇所から前記濁水を前記原水槽まで送る導水路と、前記原水槽から送られてきた被処理水を中和する中和反応槽と、前記被処理水に凝集剤を添加する凝集反応槽と、前記凝集剤が添加された被処理水をスラリーと上澄み液とに分離する固液分離槽と、を備えた濁水処理システムであって、前記導水路に、前記導水路内の被処理水を撹拌して当該導水路の底部に沈殿した泥分を前記導水路内の被処理水内に戻す撹拌装置を設けたことを特徴とする。
これにより、原水槽内の被処理水のSS濃度を高めることができるので、固液分離を適確に行うことができる。したがって、放流する被処理水のSS濃度を確実に許容範囲内にすることができるとともに、適切な性状の脱水ケーキを作製することができる。
【0007】
また、撹拌装置を前記導水路に沿って移動可能に設置したので、原水槽内の被処理水のSS濃度を効果的に高めることができる。
また、前記導水路の途中に撹拌槽を設けるとともに、前記撹拌槽内に撹拌装置を設置するようにしても同様の効果を得ることができる。
また、前記中和反応槽に送られる液体炭酸ガスを気化する気化器内の温水の上面に油膜層を設けて前記、温水の蒸発を防ぐようにしたので、気化器への水の補充頻度を大幅に延ばすことができるとともに、水位の低下によるヒータ停止のリスクをほぼゼロにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施の形態に係る濁水処理システムを示す図である。
導水路と水中ポンプの配置一例を示す図である。
気化器の一例を示す図である。
本発明の他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本実施形態に係る濁水処理システム(以下、処理システム1という)を示す図で、処理システム1は、導水路10と、沈砂槽20と、原水槽30と、炭酸ガス供給装置40と、中和反応槽50と、PAC貯蔵槽60と、高分子凝集剤貯蔵槽70と、凝集反応槽80と、固液分離槽90と、放流槽100と、スラリー槽110と、脱水ケーキ作製装置120と、を備える。
導水路10は、濁水発生箇所である工事現場2で発生した被処理水としての濁水を、原水槽30に導く、延長が約5kmの水路である。導水路10内の濁水は約1/1500の緩やかな勾配で、総流量25m
3
/hr程度で流れている。
本例では、図2(a),(b)に示すように、導水路10内の汚泥zが堆積した場所(例えば、流木付近)に、撹拌装置としての小型の水中ポンプ11を設置して、導水路10の底部に堆積した汚泥zを撹拌するようにしている。具体的には、水中ポンプ11の下部(導水路10の底部側)の吸い込み口11a内に設置された羽根車11kの回転軸11jを図示しないモータで回転させることで導水路10底部の汚泥zを吸い込み、これを吐出口11bから被処理水w中に排出する。
これにより、導水路10内の通路環境が改善されるとともに、原水槽30内の濁水のSS濃度を高めることができる。
なお、本例では、導水路10を、断面がU字型の地下水路としたが、断面形状は矩形状であってもよい。また、導水路10としては、地形によっては、地上に露出する部分があるものであってもよい。
図1に示すように、導水路10の終端には集水槽12が設けられており、工事現場2から送られてきた被処理水は、集水槽12に設けられた汲み上げポンプ13により、沈砂槽20に送られる。
沈砂槽20は、導水路10と原水槽30との間に、被処理水の前処理槽として設けられたもので、被処理水中の砂礫などの粒径の大きな粒子を槽の底部に沈降させるとともに、この沈殿した堆積物の上部に浮遊するSSを含む被処理水を原水槽30に送る。
原水槽30は、導水路10から送られてきた被処理水を収納するもので、原水送水ポンプ31と、水位計32と、撹拌機33とを備える。
原水送水ポンプ31は、水位計32が槽内の被処理水の水位が所定の高さまで上昇したことを検出したときに作動して、槽内に収納された被処理水を中和反応槽50に送る。
なお、原水槽30内の被処理水を、撹拌機33により、所定時間ごとに撹拌するようにしておけば、原水槽30内の被処理水のSS濃度を均一に保つことができる。
【0010】
炭酸ガス供給装置40は、複数本の液化炭酸ガスボンベ41と気化器42とを備える。
液化炭酸ガスボンベ41に収納された液化炭酸ガスは、気化器42に送られる。
気化器42は、図3に示すように、気化槽42aと、気化用パイプ42bと、ヒータ42cと、水位計42dとを備え、液化炭酸ガスボンベ41から、送られてきた液体炭酸ガスを気化して中和反応槽50に送る。
気化槽42aは、液化炭酸ガスを温めるための温水42mを収納する容器で、本例では、温水42mの上面に油膜層42nを形成している。油膜層42nとしては、例えば、気化槽42a内に食用油などの環境に害のない油を投入して、油膜層42nを形成するようにすればよい。なお、油膜層42nの厚さとしては、2cm程度あれば十分である。
気化用パイプ42bは、一端が液化炭酸ガスボンベ41に接続された送液管42Pの気化槽42a側の端部に接続され、他端が中和反応槽50に接続された送気管42Qの気化槽42a側の端部に接続されたパイプで、その大部分は気化槽42aが温水42m中にあるように、気化槽42a内に設置される。送られてきた液化炭酸ガスを確実に気化するためには、気化用パイプ42bの形状をジグザグ状にするなどして、気化槽42a内の気化用パイプ42bと温水42mとの接触面積が大きくすることが好ましい。
ヒータ42cは、気化槽42aの下部に設けられて気化槽42a内の水を所定の温度まで温めるもので、図示しないサーモスタットによりON-OFFするとともに、温水42mの水位を検出する水位計42dの検出した気化槽42aの水位が所定の水位よりも低くなったときにOFFになるように設定されている。
気化槽42a内の温水42mは自然に蒸発するため、1回/3日程度補充する必要があったが、本例では、上記のように、温水42mの上面に油膜層42nを設けて温水42mの蒸発を防ぐ(長期化する)ことができるようにしたので、水の補充頻度を30倍以上延ばすことができるとともに、水位の低下によるヒータ停止のリスクをほぼゼロにすることができる。
中和反応槽50は、原水槽30から送られてきた被処理水に気化槽42aから送られてきた気化された炭酸ガスを投入することで、被処理水のpHを調整する。
なお、後述するように、中和反応槽50に送られる炭酸ガスの量は、固液分離槽90内の被処理水のpHに応じて調整される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社熊谷組
濁水処理システム
1日前
日本ソリッド株式会社
礫間浄化体
27日前
株式会社熊谷組
濁水処理システム
1日前
栗田工業株式会社
水質浄化システム
12日前
日本特殊陶業株式会社
メタン低減装置
1日前
株式会社AT idea
家庭でできる太陽熱蒸留装置
今日
ユキエンジニアリング株式会社
浮上物回収装置
13日前
株式会社Eプラン
電解イオン水生成装置
5日前
日機装株式会社
流水殺菌装置および流水殺菌方法
12日前
日星電気株式会社
発熱部品の保護構造、及び液体処理装置
12日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理システム
13日前
エスエヌエフ・グループ
新規な汚泥脱水方法
16日前
個人
天然水由来処理水
1日前
テクノエクセル株式会社
殺菌水製造装置
5日前
アサヒプリテック株式会社
貴金属溶液の製造方法
6日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
1日前
栗田工業株式会社
流動床式生物処理装置及びその運転方法
2日前
WOTA株式会社
水処理システム、及び方法
1か月前
水ing株式会社
水処理方法及び水処理装置
29日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
今日
栗田工業株式会社
空冷式凝縮器の補助冷却装置の水処理方法
1日前
株式会社テックコーポレーション
電解水生成装置
1か月前
イビデン株式会社
アミン廃液の濃縮方法
29日前
株式会社川本製作所
連結管及び薬液注入装置
29日前
ダイハツ工業株式会社
バイオガス生成システム
22日前
WOTA株式会社
生物の活性管理システム
21日前
カーボントレードネオ株式会社
排水処理装置
29日前
クボタ環境エンジニアリング株式会社
除去方法および除去装置
27日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水電解システム
12日前
オルガノ株式会社
水処理システムの設計支援方法および設計支援システム
今日
株式会社神鋼環境ソリューション
メタン発酵処理方法、及び、メタン発酵処理設備
1日前
株式会社神鋼環境ソリューション
メタン発酵処理方法、及び、メタン発酵処理設備
1日前
三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
浄水器用カートリッジおよび浄水器
14日前
クボタ環境エンジニアリング株式会社
運転方法およびカルシウム除去装置
27日前
国立大学法人 琉球大学
排水の固液分離、脱水及び乾燥装置
1か月前
株式会社ササクラ
被処理水の濃縮方法および濃縮装置
14日前
続きを見る
他の特許を見る