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公開番号
2025079066
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2023191485
出願日
2023-11-09
発明の名称
床版、及び、床版製造方法、並びに、床版接合構造
出願人
株式会社熊谷組
,
株式会社ガイアート
,
オリエンタル白石株式会社
,
ジオスター株式会社
代理人
個人
主分類
E01D
19/12 20060101AFI20250514BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】床版間に生じる段差間の目地に施工される擦り付け接合部の上面となる擦り付け勾配面の勾配を緩くできるように構成された床版等を提供する。
【解決手段】本発明に係る床版10は、橋梁の桁の上に目地12を介して隣り合うように設置されて床版継手装置1により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、目地12と隣接する辺縁面11の上端縁側に、目地12と隣接して目地12を拡幅する目地拡幅部15を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
橋梁の桁の上に目地を介して隣り合うように設置されて床版継手装置により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、
目地と隣接する辺縁面の上端縁側に、目地と隣接して目地を拡幅する目地拡幅部を備えたことを特徴とする床版。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
橋梁の桁の上に目地を介して隣り合うように設置されて床版継手装置により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、
目地と隣接する辺縁面側には、床版継手装置を構成する継手構成部材を、当該辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数備え、
かつ、
辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられた隣り合う継手構成部材と継手構成部材との間に位置される辺縁面の上端縁側に、目地と隣接して目地を拡幅する目地拡幅部を備えたことを特徴とする床版。
【請求項3】
床版継手装置は、一対の受部材とこれら一対の受部材を繋ぐ繋ぎ部材とを備えたものであって、
前記継手構成部材は、前記一対の受部材のうちの片方の受部材であることを特徴とする請求項2に記載の床版。
【請求項4】
目地拡幅部は、断面四角形状の切り欠き、又は、断面三角形状の切り欠き、又は、断面円弧状の切り欠きであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版。
【請求項5】
床版の上面と同一水平面上から目地拡幅部の下端までの垂直距離である目地拡幅部の深さ寸法は床版の厚さ寸法の1/2以下であり、床版の辺縁面と同一垂直面上から目地拡幅部の上端までの水平距離である目地拡幅部の幅寸法は100mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版の製造方法であって、
床版成形用の型枠として、目地拡幅部となる目地拡幅部型抜き部を備えた型枠を用い、当該型枠内にコンクリートを充填することによって床版を製造したことを特徴とする床版の製造方法。
【請求項7】
橋梁の桁の上に目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版と他方の床版とが床版継手装置及び目地に充填された充填材により接合された床版接合構造であって、
一方の床版は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の目地拡幅部を備えた床版であり、
他方の床版は、目地と隣接する辺縁面側には、床版継手装置を構成する継手構成部材を、当該辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数備えた床版であり、
目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の上面と他方の床版の上面との間には段差が生じており、
目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の目地拡幅部と他方の床版の上面との間に充填材が充填されて形成された擦り付け接合部の上面は、傾斜面である擦り付け勾配面に形成されたことを特徴とする床版接合構造。
【請求項8】
橋梁の桁の上に目地を介して互いに隣り合うように配置された請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版を用いて当該床版同士が床版継手装置及び目地に充填された充填材により接合された床版接合構造であって、
目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の上面と他方の床版の上面との間には段差が生じており、
目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の目地拡幅部と他方の床版の目地拡幅部との間に充填材が充填されて形成された擦り付け接合部の上面は、傾斜面である擦り付け勾配面に形成されたことを特徴とする床版接合構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の桁の上に目地を介して隣り合うように設置される床版等に関する。
続きを表示(約 7,500 文字)
【背景技術】
【0002】
橋梁の桁の上に目地を介して隣り合う各床版が床版接続用継手(機械式継手)等の床版継手装置を介して接合された床版接合構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-159233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
横断勾配が変化する橋梁においては、橋梁の橋軸方向に沿って桁の上に目地を介して隣り合うように設置される床版1枚毎に横断勾配が異なってくるため、隣り合う床版間の橋軸直角方向端部側において各床版の上面間に段差(高低差)が生じる。
例えば特許文献1に開示された機械式継手等の床版継手装置を用いて床版を接合する場合においては、目地の幅が、例えば10mm~20mm程度と狭く設定され、かつ、横断勾配の変化が大きい橋梁では、目地を介して隣り合う各床版の上面間の段差が20mm以上になる場合がある。
従って、上述した床版継手装置を用いて床版を接合する床版接合構造において、目地の幅が狭く、かつ、目地を介して隣り合う床版間の段差が大きい場合には、目地に充填材(目地材)を擦り付けて形成される擦り付け接合部の上面(擦り付け勾配面)の勾配は、急勾配となってしまう可能性がある。
また、床版の製造誤差、床版設置工事の施工時の施工誤差等が原因となって、目地を介して隣り合う床版間の段差が大きくなってしまう場合もあり、この場合も、擦り付け接合部の上面(擦り付け勾配面)の勾配が、急勾配となってしまう可能性がある。
例えば、図12(a)に示すように、目地12を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版10Zの上面10tと他方の床版10Zの上面10tとの間に段差bが生じた場合において、図12(b)に示すように、一方の床版10Zの上面10tと他方の床版10Zの上面10tとの間の目地12に充填材17が充填されて形成される擦り付け接合部18Zの上面は、高い位置に設置された床版10Zの上面10tと辺縁面11との境界縁11tから低い位置に設置された床版10Zの上面10tと辺縁面11との境界縁15tにかけて傾斜して下る傾斜面(勾配面)となる擦り付け勾配面SZに形成される。
尚、床版10Zは、例えば、橋梁の橋軸方向に沿って桁の上に目地12を介して隣り合うように設置されて床版継手装置により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、橋梁の橋軸直角方向に沿って延長して目地12と隣接する辺縁面11側には、床版継手装置を構成する一対の受部材のうちの片方の受部材(継手構成部材)を、辺縁面11の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数備えた構成となっている。
また、充填材17としては、例えば、コンクリートやモルタル等が使用される。
例えば、図12(a)において、隣り合う床版10Z,10Z間の目地12の目地幅aが20mm、隣り合う床版10Z,10Zの上面10t,10t間の段差(高低差)bが25mmである場合、図12(b)のように、目地12に充填材17を擦り付けて形成される擦り付け接合部18Zの上面となる擦り付け勾配面SZの勾配は、勾配θ=tan
-1
(25/20)=51°となり、当該擦り付け勾配面SZは、急勾配の擦り付け面となる。
このように、擦り付け勾配面SZが急勾配となる擦り付け接合部18Zが施工された場合、以下のような課題が生じる可能性がある。
まず、急勾配の擦り付け勾配面SZを施工する場合、急勾配での擦り付け作業においては、急勾配部分で未だ固まらない充填材が流れ出し、急勾配での擦り付け作業に手間及び時間を要してしまう。
また、後工程の防水工の接着不良(擦り付け接合部18Zの角部からの防水層剥離)が生じ易くなり、当該接着不良が生じると、床版内への雨水浸入による、鉄筋腐食や、コンクリート剥落等を招く恐れがある。
さらに、維持管理段階では、アスファルト舗装打ち換え時に、重機バケットによるアスファルト剥ぎ取りを行うが、擦り付け接合部18Zの擦り付け勾配面SZの勾配が急勾配である場合、重機バケットがアスファルトと一緒に当該擦り付け接合部18Zの急勾配部分の充填材17を剥ぎ取ってしまうリスクがあり、この場合、床版の耐久性や耐力が低下してしまう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、床版間に生じる段差間の目地に施工される擦り付け接合部の上面となる擦り付け勾配面の勾配を緩くできるように構成された床版等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る床版は、橋梁の桁の上に目地を介して隣り合うように設置されて床版継手装置により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、目地と隣接する辺縁面の上端縁側に、目地と隣接して目地を拡幅する目地拡幅部を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る床版は、橋梁の桁の上に目地を介して隣り合うように設置されて床版継手装置により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、目地と隣接する辺縁面側には、床版継手装置を構成する継手構成部材を、当該辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数備え、かつ、辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられた隣り合う継手構成部材と継手構成部材との間に位置される辺縁面の上端縁側に、目地と隣接して目地を拡幅する目地拡幅部を備えたことを特徴とする。
また、床版継手装置は、一対の受部材とこれら一対の受部材を繋ぐ繋ぎ部材とを備えたものであって、前記継手構成部材は、前記一対の受部材のうちの片方の受部材であることを特徴とする。
また、目地拡幅部は、断面四角形状の切り欠き、又は、断面三角形状の切り欠き、又は、断面円弧状の切り欠きであることを特徴とする。
また、床版の上面と同一水平面上から目地拡幅部の下端までの垂直距離である目地拡幅部の深さ寸法は床版の厚さ寸法の1/2以下であり、床版の辺縁面と同一垂直面上から目地拡幅部の上端までの水平距離である目地拡幅部の幅寸法は100mm以下であることを特徴とする。
本発明に係る床版によれば、辺縁面の上端縁側に目地拡幅部を備えた構成としたので、桁の上に目地を介して隣り合うように配置される床版間に生じる段差間の目地の幅を拡幅でき、当該拡幅された拡幅目地に施工される擦り付け接合部の上面である擦り付け勾配面の勾配を緩くできるので、床版間に生じる段差を緩和できるようになり、擦り付け接合部の施工の容易化、後工程の防水工の品質向上、床版の劣化抑制、維持管理段階での擦り付け接合部の破損防止等を図れるようになる。
また、本発明に係る床版の製造方法は、上述した床版の製造方法であって、床版成形用の型枠として、目地拡幅部となる目地拡幅部型抜き部を備えた型枠を用い、当該型枠内にコンクリートを充填することによって床版を製造したことを特徴とする。
また、本発明に係る床版接合構造は、橋梁の桁の上に目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版と他方の床版とが床版継手装置及び目地に充填された充填材により接合された床版接合構造であって、一方の床版は、上述の目地拡幅部を備えた床版であり、他方の床版は、目地と隣接する辺縁面側には、床版継手装置を構成する継手構成部材を、当該辺縁面の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数備えた床版であり、目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の上面と他方の床版の上面との間には段差が生じており、目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の目地拡幅部と他方の床版の上面との間に充填材が充填されて形成された擦り付け接合部の上面は、傾斜面である擦り付け勾配面に形成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る床版接合構造は、橋梁の桁の上に目地を介して互いに隣り合うように配置された上述の目地拡幅部を備えた床版を用いて当該床版同士が床版継手装置及び目地に充填された充填材により接合された床版接合構造であって、目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の上面と他方の床版の上面との間には段差が生じており、目地を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版の目地拡幅部と他方の床版の目地拡幅部との間に充填材が充填されて形成された擦り付け接合部の上面は、傾斜面である擦り付け勾配面に形成されたことを特徴とする。
本発明に係る床版接合構造によれば、目地拡幅部を備えた床版を用いたことにより、擦り付け勾配面の勾配を緩くできて、床版間に生じる段差を緩和できるようになるので、擦り付け接合部の施工の容易化、後工程の防水工の品質向上、床版の劣化抑制、維持管理での擦り付け接合部の破損防止等を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
目地拡幅部付の床版が、橋梁において橋軸方向に沿って桁の上に目地を介して隣り合うように設置されて、隣り合うように設置された床版同士が床版継手装置により接続された状態を示す平面図(実施形態1)。
橋梁用の床版の接続に使用される床版継手装置の一例を示す図であり、(a)は床版継手装置の分解斜視図、(b)は床版継手装置の斜視図(実施形態1)。
目地拡幅部付の床版が、橋梁において橋軸方向に沿って桁の上に目地を介して隣り合うように設置された状態を示す平面図の拡大図(実施形態1)。
図3のA-A矢視図(実施形態1)。
床版の辺縁面側に設けられた受部材及び目地拡幅部を示す要部拡大斜視図(実施形態1)。
(a)は隣り合うように設置された目地拡幅部付の床版間の段差及び拡幅目地を示す図、(b)は当該段差間の拡幅目地に施工された摩り付け接合部を示す図(実施形態1)。
(a)は隣り合うように設置された床版の受部材の上方間の段差部分を示す図、(b)は当該段差部分に施工された擦り付け接合部を示す図(実施形態1)。
(a)は隣り合うように設置された目地拡幅部付の床版間の段差及び拡幅目地を示す図、(b)は当該段差間の拡幅目地に施工された摩り付け接合部を示す図(実施形態2)。
(a)は隣り合うように設置された目地拡幅部付の床版間の段差及び拡幅目地を示す図、(b)は当該段差間の拡幅目地に施工された摩り付け接合部を示す図(実施形態3)。
(a)は一方の床版として目地拡幅部付の床版を用いたとともに他方の床版として目地拡幅部を有しない床版を用いた場合の床版間の段差及び拡幅目地を示す図、(b)は当該段差間の拡幅目地に施工された摩り付け接合部を示す図(実施形態4)。
(a)は一方の床版として目地拡幅部付の床版を用いたとともに他方の床版として目地拡幅部を有しない床版を用いた場合の床版間の段差及び拡幅目地を示す図、(b)は当該段差間の拡幅目地に施工された摩り付け接合部を示す図(実施形態4)。
(a)は隣り合うように設置された床版間の段差及び目地を示す図、(b)は当該段差間の目地に施工された摩り付け接合部を示す図(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1に示すように、実施形態1に係る床版10は、橋梁の橋軸方向Xに沿って図外の桁の上に目地12を介して隣り合うように設置されて床版継手装置1により接続される四角形板状の鉄筋コンクリート製の床版であって、床版継手装置1を構成する継手構成部材として、一対の受部材2,2…のうちの片方の受部材2を備えるとともに、目地拡幅部15を備えた床版10である。
尚、鉄筋コンクリート製の床版とは、例えば、鉄筋、又は、PC鋼線、又は、鉄筋及びPC鋼線を内蔵した床版である。
即ち、実施形態1に係る床版10は、橋梁の橋軸直角方向Yに沿って延長して目地12と隣接する辺縁面11側には、床版継手装置1を構成する一対の受部材2,2…のうちの片方の受部材(継手構成部材)2を、当該辺縁面11の長手方向(橋軸直角方向Y)に沿って所定の間隔を隔てて複数備えた構成となっている。
さらに、実施形態1に係る床版10は、辺縁面11の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられた隣り合う受部材(継手構成部材)2と受部材(継手構成部材)2との間に位置される辺縁面11の上端縁側に、目地12と隣接して目地12を拡幅する空間部となる上述した目地拡幅部15を備えた構成となっている。
【0008】
即ち、目地拡幅部15は、図3,図4,図5に示すように、辺縁面11の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられた隣り合う受部材2と受部材2との間に位置される辺縁面11の上端縁側において当該辺縁面11の長手方向(図3,図4の左右方向)全領域に亘って連続するように形成された空間部により構成される。
当該目地拡幅部15を形成する空間部は、辺縁面11の上端縁角部が例えば断面四角形状に切欠かれて充填材17が充填される空間部となるように構成されている。
そして、一方の床版10の目地拡幅部15と他方の床版10の目地拡幅部15とが橋梁の橋軸方向Xに沿って目地12を介して隣り合うように、一方の床版10と他方の床版10とが設置されることによって、橋梁の橋軸直角方向Yに沿って隣り合う受部材2と受部材2との間の目地12の上に、一方の床版10の目地拡幅部15と他方の床版10の目地拡幅部15とで区画されて形成された拡幅目地12Xが構成されることになる。
従って、図6(a)に示すように、目地12を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版10の上面10tと他方の床版10の上面10tとの間に段差(高低差)bが生じた場合においては、図6(b)に示すように、一方の床版10の上面10tと他方の床版10の上面10tとの間の拡幅目地12Xに充填材17が充填されて形成される擦り付け接合部18の上面は、高い位置に設置された床版10の上面10tと目地拡幅部15との境界縁15tから低い位置に設置された床版10の上面10tと目地拡幅部15との境界縁15tにかけて傾斜して下る傾斜面(勾配面)となる擦り付け勾配面Sに形成されることになる。
即ち、拡幅目地12Xの目地幅が、目地12の目地幅aよりも広く設定されることになるため、拡幅目地12Xに充填材17が充填されて形成される擦り付け接合部18の上面である擦り付け勾配面Sの勾配は、図12に示したような、目地12に充填材17が充填されて形成される擦り付け接合部18Zの上面である擦り付け勾配面SZの勾配よりも緩い勾配となる。
つまり、目地12を介して互いに隣り合うように配置された一方の床版10の上面10tと他方の床版10の上面10tとの間の段差を緩やかな勾配の擦り付け勾配面Sで繋ぐことができるようになり、一方の床版10の上面10tと他方の床版10の上面10tとの間の段差を緩和できるようになる。
このように、実施形態1に係る床版10によれば、辺縁面11の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられた隣り合う受部材2と受部材2との間に位置される辺縁面11の上端縁側に、辺縁面11の長手方向に沿って連続する目地拡幅部15を備えているので、横断勾配が変化する橋梁において橋軸方向Xに沿って桁の上に目地12を介して隣り合うように配置される床版10,10間に生じる段差間の拡幅目地12Xに充填材17が充填されて擦り付け接合部18が施工された場合、床版10,10間に生じる段差間に形成される当該擦り付け接合部18の上面である擦り付け勾配面Sの勾配を緩くでき、床版10,10間に生じる段差を緩和できるようになる。
従って、実施形態1に係る床版10によれば、橋梁の橋軸方向Xに沿って桁の上に目地12を介して互いに隣り合うように配置された床版10,10同士が床版継手装置1及び目地12,12Xに充填された充填材17により接合された床版接合構造を構成した場合、上述した擦り付け接合部18の施工の容易化、後工程の防水工の品質向上、床版の劣化抑制、維持管理段階での擦り付け接合部18の破損防止等を図れるようになる。
【0009】
以下、実施形態1に係る床版10及び床版継手装置1を用いた床版接合構造について、詳細に説明する。
一例として図1,図2に示すように、床版継手装置1は、橋梁の橋軸方向Xに沿って隣り合う各床版10,10の辺縁面11,11側に設けられた各受部材2A(2),2B(2)と、隣り合う各床版10,10の辺縁面11,11側に設けられた各受部材2A(2),2B(2)を繋ぐ繋ぎ部材3とを備えて構成される。
図1に示すように、橋梁の橋軸方向Xに沿って隣り合う一方の床版10の辺縁面11側に設置された一方の受部材2A(2)と隣り合う他方の床版10の辺縁面11側に設置された他方の受部材2B(2)とが繋ぎ部材3により連結されることによって、隣り合うように配置された一方の床版10と他方の床版10とが連結される。
尚、図1は、橋梁の橋軸方向Xに沿って桁の上に目地12を介して互いに隣り合うように配置された床版10,10が床版継手装置1により連結された状態を上方から見た平面図であり、当該平面図は、目地12に未だ充填材17が充填されていない状態での平面図である。
【0010】
図2に示すように、受部材2は、繋ぎ部材3に設けられた係合部7が係合する係合凹部4を備えた係合受部5と、床版10のコンクリートに定着される定着部6とを備える。
尚、当該床版継手装置1の受部材2は、例えば、型枠に鋳鉄を流し込んで係合受部5と定着部6とが一体成型された鋼製等の一体成型品により構成される。
(【0011】以降は省略されています)
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