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公開番号2025033266
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023138861
出願日2023-08-29
発明の名称浄水装置及び浄水方法
出願人個人
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250306BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】装置再稼働時の逆浸透膜の初期透過水水質を向上させることができる浄水装置を提供する。
【解決手段】実施形態の浄水装置1は、逆浸透膜21に原水を供給する原水供給路11と、逆浸透膜21により原水から透過水と濃縮水とを分離生成し、透過水を供給する浄水部2と、逆浸透膜21からの透過水を、吐水口12aから外部に供給する透過水供給路12と、逆浸透膜21を透過できなかった濃縮水を排水する排水経路13と、透過水供給路12に設けられ、透過水を一時的に加圧状態で貯留する加圧式透過水タンク3と、透過水供給路12における加圧式透過水タンク3から吐水口12aの間に設けられた逆止弁B3と、透過水供給路12内の圧力が所定の圧力に達した場合には、原水供給路11を閉じ、透過水供給路12内の圧力が所定の圧力に満たない場合には、原水供給路11を開く開閉部5と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
逆浸透膜に原水を供給する原水供給路と、
前記逆浸透膜により原水から透過水と濃縮水とを分離生成し、前記透過水を供給する浄水部と、
前記逆浸透膜からの前記透過水を、吐水口から外部に供給する透過水供給路と、
前記逆浸透膜を透過できなかった前記濃縮水を排水する排水経路と、
前記透過水供給路に設けられ、前記透過水を一時的に加圧状態で貯留する加圧式透過水タンクと、
前記透過水供給路における前記加圧式透過水タンクから前記吐水口の間に設けられた逆止弁と、
前記透過水供給路内の圧力が所定の圧力に達した場合には、前記原水供給路を閉じ、前記透過水供給路内の圧力が所定の圧力に満たない場合には、前記原水供給路を開く開閉部と、
を有することを特徴とする浄水装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記加圧式透過水タンクは、前記透過水を一時的に貯留し、貯水量に応じて内部の圧力が可変に設けられた貯水部を有することを特徴とする請求項1記載の浄水装置。
【請求項3】
前記加圧式透過水タンクは、気体により前記貯水部に圧力を加える加圧部を有することを特徴とする請求項2記載の浄水装置。
【請求項4】
前記加圧式透過水タンクは、弾性体により構成された隔膜によって、前記貯水部と前記加圧部とに仕切られていることを特徴とする請求項3記載の浄水装置。
【請求項5】
前記加圧部の圧力を調整する調整部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の浄水装置。
【請求項6】
前記調整部は、弾性体により構成された膜により、前記加圧部の容積を可変に設けられていることを特徴とする請求項5記載の浄水装置。
【請求項7】
前記開閉部は、一対の経路のうちの一方の経路が前記原水供給路が通る流路であり、他方の経路が前記透過水供給路が通る流路であるオートシャットオフバルブであることを特徴とする請求項1記載の浄水装置。
【請求項8】
前記吐水口と前記逆止弁との間に設けられた圧力センサを有し、
前記開閉部は、前記原水供給路に設けられ、前記吐水口を閉とした際に、前記圧力センサにより検出される圧力が所定の圧力に達した場合に、前記原水供給路を閉じ、前記吐水口を開とした際に、前記圧力センサにより検出される圧力が所定の圧力以下となった場合に、前記原水供給路を開く開閉弁であることを特徴とする請求項1記載の浄水装置。
【請求項9】
前記原水供給路に設けられ、原水側の圧力を高めるポンプと、
前記吐水口と前記逆止弁との間に設けられた圧力センサと、
前記吐水口を閉とした際に、前記圧力センサにより検出される圧力が、所定の圧力に達したことを検知した場合に、前記ポンプを停止させ、前記吐水口を開とした際に、前記圧力センサにより検出される圧力が、所定の圧力以下となったことを検知した場合に、前記ポンプを作動させる圧力スイッチと、
を有することを特徴とする請求項1記載の浄水装置。
【請求項10】
前記加圧式透過水タンクに代えて、一時的に透過水を貯留し、重力により排水する貯留タンクが設けられていることを特徴とする請求項1記載の浄水装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水装置及び浄水方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、種々の分野で水処理システムの研究、開発、応用が進展している。特に、浄水を目的とする水処理システムにおいては、水中に溶解した化学化合物の低減が重要である。この化学化合物を低減するための手段として、逆浸透膜を利用した水処理システムがある。逆浸透膜は、高分子膜間に超微細な隙間を有する半透膜で、高い浸透圧を持つ溶液に対して、浸透圧以上の高い圧力をかけて、水分子を強制的に半透膜を透過させることにより、溶解物質を低減するものである。逆浸透膜を用いることにより、水分子だけを選択的に透過させ、溶解物質を高い精度で低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭60-882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、逆浸透膜を使用した水処理システムは、浄水の供給を一時停止してから、次に供給を再開するまでの間に、水質が低下する問題がある。特に、頻繁にシステムをオンオフする際にはこの水質低下は大きな課題となっている。
【0005】
すなわち、逆浸透膜による浄水は、濃度の低い溶液中の水分が、半透膜を境に、濃度の高い溶液側に透過流入し、浸透圧を一定に保つという原理(正浸透現象)を前提としている。そして、敢えて浸透圧以上の圧力を濃度の高い溶液に加えることにより、溶液中の水分を強制的に半透膜を透過させ、膜の持つ分離能力により無機物または有機物のほとんどが除かれた水(以下、透過水という)と、反対にそれらが濃縮された水(以下、濃縮水という)とに分離されることにより、透過水が得られる(逆浸透現象)。
【0006】
すると、一旦稼働を停止すると、加圧状態が解かれるために圧力差が小さいかほぼ無い状態になり、逆浸透現象が消失して、正浸透現象となるため、半透膜によって透過水と濃縮水とに分けられた水が、再度混合されてしまう(濃度差拡散現象)。濃度差拡散現象は、RОクリープ現象とも呼ばれ、この現象が起きると、一旦半透膜を透過した水と浸透膜内に残留した水とが混合してしまうので、再度、装置を稼働させたとき、透過水として吐水する最初の水質が原水水質に近づく。つまり、装置停止前に分離されて供給されるはずであった透過水の水質が、再稼働初期に低下してしまうことになる。
【0007】
この現象による透過水と浸透膜内残留水との混合は、逆浸透膜のエレメントの大きさが大きいほど混合された水容積が大きくなることとと、停止時間が長ければ更にRОクリープ現象が進み、再稼働時の初期吐水水質の低下を助長してしまう。また、昨今、単位時間当たりの透過水量を多く求められる状況にあるが、単位時間当たりの透過水量が大きい逆浸透膜を採用した場合、逆浸透膜を透過した透過水と、透過できずに排水される濃縮水の双方の量が大きくなる。すると、半透膜によって一旦排除され、その後、正浸透現象により、透過水側に移動する溶解物質の量が必然的に多くなる。
【0008】
このRОクリープ現象により、逆浸透膜の溶解性物質阻止率は一旦小さい値となる。再度圧力をかけ原水の透過速度を大きくすると、分離効果によって溶質は膜面で阻止され、阻止率は膜本来の値に近づく。しかし、装置再稼働初期には、目的とした水質に届かない低品質の水が多量に吐水されることとなるため、装置再稼働時の初期透過水を排水する経路を作り付属的な制御を行ったり、透過水水質をモニターする仕組みを作ったり、家庭用レベルの装置であってもしっかりした管理が必要となり、結果的にコストアップにつながることとなっていた。
【0009】
本発明の実施形態は、装置再稼働時の逆浸透膜の初期透過水水質を向上させることができる浄水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の浄水装置は、逆浸透膜に原水を供給する原水供給路と、前記逆浸透膜により原水から透過水と濃縮水とを分離生成し、前記透過水を供給する浄水部と、前記逆浸透膜からの前記透過水を、吐水口から外部に供給する透過水供給路と、前記逆浸透膜を透過できなかった濃縮水を排水する排水経路と、前記透過水供給路に設けられ、前記透過水を一時的に加圧状態で貯留する加圧式透過水タンクと、前記透過水供給路における前記加圧式透過水タンクから前記吐水口の間に設けられた逆止弁と、前記透過水供給路内の圧力が所定の圧力に達した場合には、前記原水供給路を閉じ、前記透過水供給路内の圧力が所定の圧力に満たない場合には、前記原水供給路を開く開閉部と、を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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