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公開番号2025017158
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023120082
出願日2023-07-24
発明の名称排水負荷の推定方法および排水処理方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/00 20230101AFI20250129BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】排水の水質項目または運転管理項目を、排水接触型計器へのスライムの付着を防止して安定して計測することができる排水負荷の推定方法、および排水処理を安定して行うことができる排水処理方法を提供する。
【解決手段】単独系列または複数系列からの排水が調整槽に流入され、前記調整槽から排水が送水される排水処理設備の排水負荷を推定する方法。前記調整槽よりも上流側、かつ、複数系列の場合は各系列からの排水の合流部より下流側において、排水接触側計器で水質項目または運転管理項目を測定または推定し、測定値または推定値に基づいて排水負荷を推定する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
単独系列または複数系列からの排水が調整槽に流入され、前記調整槽から排水が送水される排水処理設備の排水負荷を推定する方法であって、
前記調整槽への流入排水は少なくとも一定じかに上はスライム発生を抑制できる水質であり、
前記調整槽よりも上流側、かつ、複数系列の場合は各系列からの排水の合流部より下流側において、排水接触型計器で水質項目または運転管理項目を測定または推定し、測定値または推定値に基づいて排水負荷を推定する、排水負荷の推定方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記スライム発生を抑制できる水質とは、水温40℃以上、pH4以下、pH9以上及びORP750mV以上のうち少なくともいずれか1つの条件を満たす、請求項1に記載の排水負荷の推定方法。
【請求項3】
前記排水接触型計器で測定する水質項目または運転管理項目は、汚濁負荷または汚濁負荷と相関する項目であり、
前記調整槽へ流入する排水の第1流量を測定し、
測定した前記汚濁負荷または汚濁負荷と相関する項目と前記第1流量を用いて、前記排水処理設備への排水流入部(排水処理流入部)の汚濁負荷または汚濁負荷と相関する項目を推定する、請求項1又は2に記載の排水負荷の推定方法。
【請求項4】
前記排水処理設備に流入する排水の第2流量を測定し、
推定した前記排水流入部の汚濁負荷または汚濁負荷と相関する項目と前記第2流量を用いて、前記排水処理流入部の排水負荷を推定する、請求項3に記載の排水負荷の推定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法で推定した排水負荷が所定値以上の場合、前記調整槽への流入排水の流入先を前記調整槽から高負荷調整槽へ切り替える、排水処理方法。
【請求項6】
前記排水の流入先を前記調整槽から前記高負荷調整槽へ切り替えた後、推定した排水負荷が所定値未満となった場合、前記高負荷調整槽内の排水を前記排水処理設備へ送水する、請求項5に記載の排水処理方法。
【請求項7】
前記排水の流入先を前記調整槽から前記高負荷調整槽へ切り替えた後、推定した排水負荷が所定値未満となった場合、前記高負荷調整槽内の排水を前記調整槽へ送水する、請求項5に記載の排水処理方法。
【請求項8】
前記排水が流入される調整槽が並列多段であり、推定した排水負荷が所定値を超えないような流量で、前記調整槽から前記排水処理設備へ送水する、請求項5に記載の排水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水の汚濁負荷あるいは汚濁負荷と相関する項目を調整槽より手前で連続的または定期的に測定し、排水処理流入部の排水負荷を推定する方法、及び推定した排水負荷を元に排水処理への流入量を調節したり、高負荷排水を振り分けたりすることで排水処理を安定化させる排水処理方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
飲料、食品などの製造工場から排出される排水は、製造品目や製造量、製造ラインの洗浄経過時間などにより、濃度や排水量が大きく変動する場合が多い。排水の負荷により適した排水処理の運転条件が異なる場合が多く、排水の負荷変動が大きい場合には処理状況に影響を及ぼす場合がある。
【0003】
特に有機性排水は排水処理として好気処理や嫌気処理といった生物処理を行うことが一般的であるが、排水負荷が大きいと生物の処理能力を超えて生物処理が破綻し、処理水質が悪化する等の問題が発生する恐れがある。
【0004】
また、フェントン反応による処理や吸着などの物理化学処理による処理においても、添加する薬剤や吸着剤の必要量が変化するため、処理設備に流入する排水の負荷の変動を把握することは重要である。
【0005】
従来は、運転員が定期的に排水を採取・分析することで、排水処理流入部の排水負荷を把握し、高負荷排水が流入した際には、別の槽へ緊急避難する、希釈をする、排水処理への流入量を減らすなどの対策を手動で行っていた。しかし、この方法では、常に人の手で行うため連続的な測定ができず、高負荷排水の流入を見逃したり、対策が遅れたりすることで、排水処理が破綻し、処理水質が悪化することがあった。従って、流入する排水の負荷を連続的に把握し、排水処理が破綻しないよういち早く対策を取ることは非常に重要である。
【0006】
特許文献1では、生物処理の入口近傍で、COD(Chemical Oxygen
Demand)もしくはTOC(Total Organic Carbon)及び流量を測定することで、排水処理流入部の排水負荷を評価しているが、生物処理の入口近傍での測定では、計器へのスライム付着により安定的な計測に課題がある。
【0007】
スライムが発生する条件としては、一般的にpH4~9、水温15~35℃、BOD(Biochemical
Oxygen Demand)濃度30mg/L以上であることが知られている。排水処理の原水は、排水処理の手前に設けられた水槽(以下、調整槽と呼ぶ)にて水質変動が平準化され、微生物などのスライムが生成しやすい上記条件に入りやすい。特に、後段の排水処理が生物処理である場合はその傾向が顕著であるため、調整槽もしくは調整槽より後段の排水を計器で計測する場合は、計器へのスライム付着やサンプリング管の閉塞により正確に計測できなくなる懸念がある。加えて、調整槽もしくは調整槽より後段での計測では、計測器で測定を始めてから結果が出るまでのタイムラグを考慮すると、槽内が高負荷排水となったことを検知できても、対策が遅れる、すでに槽内負荷が高いため後段の高負荷運転が続く、希釈が必要となるなどの可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-138976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、排水の汚濁負荷あるいは汚濁負荷と相関する項目を、計器へのスライムの付着を防止して安定して計測することができる排水負荷の推定方法、および排水処理を安定して行うことができる排水処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、酸・アルカリ洗浄排水、酸化剤等の殺菌成分を含むなど、スライム発生を抑制できる水質(例えば水温40℃以上またはpH4以下またはpH9以上またはORP750mV以上)の排水が一定時間以上(例えば排水の流入時間全体の2割以上)流入する場合は、微生物が継続的に増殖しがたく、スライムの発生が抑制されるため、このような排水水質変動のある場合は、調整槽や調整槽の後段でなく調整槽の上流側にて排水接触型の計器で計測することにより、計器へのスライム付着のリスクを抑制でき、上記目的が達成されることを見出した。当該排水水質変動については、例えば単独系列から流入する場合は、前記系列における製品の製造品目の違いや製造ラインの洗浄工程などにより、時間帯によって前記スライム発生を抑制できる水質の条件に入る場合がある。複数系列から流入する場合は、ある系列における製品の製造品目の違いや製造ラインの洗浄工程などによる水質変動で、当該系列の排水が時間帯によって前記スライム抑制水質の条件に入る場合があることに加え、水質の異なる別系列の排水が流入されるタイミングで、別系列の流入排水または複数系列の混合排水が前記スライム発生を抑制できる水質の条件に入る場合がある。本発明はかかる知見に基づくものである。
(【0011】以降は省略されています)

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