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公開番号2025015266
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118574
出願日2023-07-20
発明の名称紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D21F 9/00 20060101AFI20250123BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】 本発明は、紙製造工程におけるより適切なピッチ対策の技術を提供すること。
【解決手段】 本発明は、紙製造における管理対象に含まれるアクリレート系重合物量に基づく、紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法を提供する。本発明は、紙製造における管理対象に含まれるアクリレート系重合物量の増減に基づき、紙製造におけるマクロスティッキー対策の水準を調整する、紙製造方法を提供する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
紙製造における管理対象に含まれるアクリレート系重合物量に基づく、紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記管理対象は、原料スラリー、脱水ケーキ、工程水、設備の付着物、最終紙製品、抄紙工程の工程水、抄紙機の付着物、最終紙製品の欠点、及びこれら溶媒抽出物から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
【請求項3】
前記アクリレート系重合物量は、IR分析にて測定される、請求項1又は2に記載の紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
【請求項4】
前記アクリレート系重合物量は、IRスペクトル波数1160cm
-1
及びその付近に見られる最も大きい吸収ピーク量の相対強度により測定される、請求項1又は2に記載の紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
【請求項5】
前記アクリレート系重合物量は、〔(a)IRスペクトル波数1160cm
-1
及びその付近に見られる最も大きい吸収ピーク以外に見られる単数或いは複数の吸収ピークのうちのいずれか1つの吸収ピーク量、又は、(b)当該最も大きい吸収ピーク以外の測定波数域に見られる単数或いは複数の吸収ピークのうちから複数選択される吸収ピーク量の合計値〕に対する〔IRスペクトル波数1160cm
-1
及びその付近に見られる最も大きい吸収ピーク量〕により測定される、請求項1又は2に記載の紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
【請求項6】
前記アクリレート系重合物量は、〔IRスペクトル波数600~4000cm
-1
の特定波数の吸収ピーク量の合計値〕に占める〔IRスペクトル波数1160cm
-1
及びその付近に見られる最も大きい吸収ピーク量〕による割合により測定される、請求項1又は2に記載の紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法。
【請求項7】
紙製造における管理対象に含まれるアクリレート系重合物量の増減に基づき、紙製造におけるマクロスティッキー対策の水準になるように制御する、紙製造方法。
【請求項8】
前記マクロスティッキー対策は、工程水中の異物を除去する機構、工程水中の異物を微細化する機構、工程を洗浄する機構、工程に薬剤を添加する機構から選択される1種又は2種以上を実施することである、請求項7に記載の紙製造方法。
【請求項9】
紙製造における管理対象中のアクリレート系重合物量が、
増加の場合には、マクロスティッキー対策の水準を上げて、マクロスティッキー対策を促進させる、又は、
減少の場合には、マクロスティッキー対策の水準を下げて、マクロスティッキー対策を抑制させる、請求項7又は8に記載の紙製造方法。
【請求項10】
紙製造における管理対象に含まれるアクリレート系重合物量の増減を経時的に測定し、マクロスティッキー対策の水準をフィードバック制御する、請求項7又は8に記載の紙製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製造におけるマクロスティッキー量の推定方法、紙製造方法などに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
紙製造におけるパルプ含有水にピッチが含まれ、ピッチ障害を引き起こしている。一般的に、ピッチとは、パルプ由来の樹脂成分、再生古紙中の合成粘着物質、製紙工程で使用される添加薬剤に由来する有機物を主体とする疎水性の粘着物質をいう。抄紙原料に用いるパルプ含有水にピッチが含まれ集積されることで、集塊化したピッチ塊による紙製品の欠点(spots)や断紙の多発、また、抄紙機、製紙用具又は製紙工程における設備などに付着し、付着ピッチによる製品品質低下、生産効率低下、脱水性悪化などのピッチトラブルの原因となっている。
【0003】
ピッチトラブルに対しては、設備の樹脂コーティング、スクリーンやクリーナーによるピッチ夾雑物除去;ニーダーやリファイナーによるピッチ塊微細化などの機械的な対策や用具洗浄剤などの外添薬剤、及び、定着剤、分散剤、不粘着化剤、分解酵素などの内添薬剤などの薬剤による対策;定期的なマシン洗浄、余剰白水やリジェクトスラリーの系外排出量などの操業条件調整や制御による対策などのピッチトラブル対策が実施されている。
【0004】
例えば、特許文献1~5では、紙製造における、蛍光染料を用いたピッチ量の把握及び連続測定方法が、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2007/082376
WO2008/104576
特表2012-521009号公報
特開2017-009564号公報
特表2016-535244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者は、特許文献1~5のような蛍光染料を用いたピッチ量の把握及び連続測定方法では、その方法を用いる際にろ過工程を要する場合が多いので、プラスチック樹脂などの粘着性がない疎水性物質及び界面活性剤などの水溶性の疎水性物質も測定してしまうこと、紙製造においてピッチの質(成分)の違いがわからないことが、ピッチ対策をするうえで問題と考えている。
【0007】
そこで、本発明は、紙製造工程におけるより適切なピッチ対策の技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討した結果、古紙由来の主要ピッチ成分の一つであるアクリレート系重合物は原料工程や抄紙機の一次循環系の工程水中の微細分散ピッチからは検出されず、マクロスティッキーのみから検出されることを見出した。このことから、本発明者は、アクリレート系重合物主体のピッチ障害に対してはマクロスティッキーに特化した対策が効果的であると考え、紙製造における管理対象(欠点や付着物など)中のアクリレート系重合物の増減に応じてマクロスティッキー対策の実施レベル(実施水準)を制御することにより、効果的にピッチ対策を行うことを考えた。
【0009】
さらに、本発明者は、鋭意検討した結果、対象中のアクリレート系重合物の増減は、対象のIRスペクトル分析結果からより良好に判断できることを見出した。より具体的には、対象中のアクリレート系重合物の増減は、板紙古紙原料由来のピッチ成分のなかではアクリレート系重合物特有である波数1160cm
-1
及びその付近の吸収の強弱で判断できること、さらに〔IRスペクトルにおける全吸収の面積或いは高さ〕に対する〔波数1160cm
-1
及びその付近ピークの面積或いは高さ〕の割合を用いることでより精度よくより簡便に検出又は測定できることを見出した。
【0010】
そして、本発明者は、マクロスティッキー対策には、スクリーンやクリーナーによる除去(リジェクト率を増やす);用具洗浄シャワーの増設、シャワー水の加圧や加熱などの洗浄強化;ウェットパート或いはドライパートなどの用具に用いる洗浄剤或いは付着防止剤などの外添薬剤強化;マクロスティッキー用不粘着剤などの内添薬剤処理強化;などから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましいと考えた。
(【0011】以降は省略されています)

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