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公開番号2025014749
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117555
出願日2023-07-19
発明の名称バルカナイズドファイバーの加工方法
出願人北越コーポレーション株式会社
代理人個人,個人
主分類D21H 11/18 20060101AFI20250123BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】 工業製品への使用に適した比較的厚みのあるバルカナイズドファイバーを、同一形状に大量処理可能なバルカナイズドファイバーの加工方法を提供すること。
【解決手段】 バルカナイズドファイバー原紙を準備する原紙準備工程と、原紙を反応薬品に浸漬して表面を膨潤及び膠化させる膠化工程と、反応薬品よりも濃度の薄い溶液に浸漬して反応薬品を除去する脱液工程と、脱液後の原紙を乾燥させてバルカナイズドファイバー基材を得る乾燥工程と、バルカナイズドファイバー基材の水分を調整する水分調整工程と、水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材に、90~180℃に加温した金型を用いて金型プレス処理を行いバルカナイズドファイバーを得る金型プレス工程とを有し、金型プレス工程では、加圧及び開放を少なくとも1回以上行い、バルカナイズドファイバー基材の厚みが0.8mm以上であるバルカナイズドファイバーの加工方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バルカナイズドファイバー原紙を準備する原紙準備工程と、
前記バルカナイズドファイバー原紙を反応薬品に浸漬して前記バルカナイズドファイバー原紙の表面を膨潤及び膠化させる膠化工程と、
前記反応薬品よりも濃度の薄い溶液に前記バルカナイズドファイバー原紙を浸漬して前記反応薬品を除去する脱液工程と、
前記脱液後の前記バルカナイズドファイバー原紙を乾燥させてバルカナイズドファイバー基材を得る乾燥工程と、
前記バルカナイズドファイバー基材の水分を調整する水分調整工程と、
前記水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材に、90~180℃に加温した金型を用いて金型プレス処理を行いバルカナイズドファイバーを得る金型プレス工程と、を有し、
前記金型プレス工程では、加圧及び開放を少なくとも1回以上行い、
前記バルカナイズドファイバー基材の厚みが0.8mm以上であることを特徴とするバルカナイズドファイバーの加工方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材の水分は、10~18%であることを特徴とする請求項1に記載のバルカナイズドファイバーの加工方法。
【請求項3】
バルカナイズドファイバー原紙を準備する原紙準備工程と、
前記バルカナイズドファイバー原紙を反応薬品に浸漬して前記バルカナイズドファイバー原紙の表面を膨潤及び膠化させる膠化工程と、
前記反応薬品よりも濃度の薄い溶液に前記バルカナイズドファイバー原紙を浸漬して前記反応薬品を除去する脱液工程と、
前記脱液後の前記バルカナイズドファイバー原紙を乾燥させて水分10~18%のバルカナイズドファイバー基材を得る乾燥工程と、
前記水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材に、90~180℃に加温した金型を用いて金型プレス処理を行いバルカナイズドファイバーを得る金型プレス工程と、を有し、
前記金型プレス工程では、加圧及び開放を少なくとも1回以上行い、
前記バルカナイズドファイバー基材の厚みが0.8mm以上であることを特徴とするバルカナイズドファイバーの加工方法。
【請求項4】
前記金型プレス工程で用いられる金型が絞り型であることを特徴とする請求項1又は3に記載のバルカナイズドファイバーの加工方法。
【請求項5】
前記金型プレス工程で行われる加圧及び開放の回数が、1~10回であることを特徴とする請求項1又は3に記載のバルカナイズドファイバーの加工方法。
【請求項6】
前記バルカナイズドファイバー基材の密度は1.20~1.35g/cm
3
であることを特徴とする請求項1又は3に記載のバルカナイズドファイバーの加工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バルカナイズドファイバーの加工方法に関する。詳しくは、バルカナイズドファイバーに金型プレス加工を施しながらも、比較的簡便な工夫で、金型プレス加工時の裂け、シワ、歪みを抑制するバルカナイズドファイバーの加工方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
バルカナイズドファイバーはバルカンファイバーとも呼ばれ、木材パルプ、綿パルプなどの天然繊維素を主とした原紙を、塩化亜鉛の水溶液等のパルプを膨潤及び膠化する性質のある反応薬品に浸漬して原紙表面を膨潤及び膠化させ、その後反応薬品を洗浄液で除去して膨潤・膠化反応を停止させ、次いで乾燥、仕上げを行って製造される強靭な有機工業材料である。バルカナイズドファイバーは、主体繊維が天然セルロース繊維で構成されているため、廃棄された場合の生分解性及びクリーンな焼却処理適性も有しており、環境に優しい工業材料である。
【0003】
バルカナイズドファイバーの強靭性は素材としてのメリットである一方で、その強靭性により加工がしにくく成型に時間を要するというデメリットともなる。バルカナイズドファイバーの加工性の向上に関する提案として特許文献1には、0.18~0.35mmの薄いバルカナイズドファイバーを水に浸し手で所望する形に整える方法が提案されている。また同様に特許文献2には、0.2~0.5mmの薄いバルカナイズドファイバーを水に浸し所望する形に整える方法が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載された方法は初心者や小学生用のホビー材料や教材の加工に用いられており、厚さ0.18~0.35mmの比較的薄いバルカナイズドファイバーの加工に適する一方で、0.35mmを超える厚さのバルカナイズドファイバーには適さない。また、特許文献2に記載された技術はフォトホルダーに採用されているが特許文献1と同様に0.5mmを超える厚さのバルカナイズドファイバーの加工には適さない。すなわち、特許文献1,2のいずれに記載された技術も0.5mmを超えるバルカナイズドファイバーの加工には適さず、工業製品に適した0.8mm以上の厚みのあるバルカナイズドファイバーを同一形状に数多く仕上げるための十分な提案とは言えないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-267372号
実用新案登録第3052183号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的とするところは、工業製品への使用に適した比較的厚みのあるバルカナイズドファイバーを、同一形状に大量処理可能なバルカナイズドファイバーの加工方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的とするところは、バルカナイズドファイバーに金型プレス加工を施しながらも、比較的簡便な工夫で、金型プレス加工時の裂け、シワ、歪みを抑制するバルカナイズドファイバーの加工方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明のバルカナイズドファイバーの加工方法は、バルカナイズドファイバー原紙を準備する原紙準備工程と、前記バルカナイズドファイバー原紙を反応薬品に浸漬して前記バルカナイズドファイバー原紙の表面を膨潤及び膠化させる膠化工程と、前記反応薬品よりも濃度の薄い溶液に前記バルカナイズドファイバー原紙を浸漬して前記反応薬品を除去する脱液工程と、前記脱液後の前記バルカナイズドファイバー原紙を乾燥させてバルカナイズドファイバー基材を得る乾燥工程と、前記バルカナイズドファイバー基材の水分を調整する水分調整工程と、前記水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材に、90~180℃に加温した金型を用いて金型プレス処理を行いバルカナイズドファイバーを得る金型プレス工程と、を有し、前記金型プレス工程では、加圧及び開放を少なくとも1回以上行い、前記バルカナイズドファイバー基材の厚みが0.8mm以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明の好ましい実施形態においては、前記水分を調整されたバルカナイズドファイバー基材の水分は、10~18%としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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