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公開番号2025022556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023127245
出願日2023-08-03
発明の名称不燃紙又はシート
出願人井前工業株式会社
代理人個人
主分類D21H 13/38 20060101AFI20250206BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】 1000℃近くの火炎に曝された場合でも、発火、燃焼せず、シート形状を保持できる不燃紙又はシートを提供する。
【解決手段】 シリカ系無機繊維、層状ケイ酸塩鉱物、有機繊維、及び所望によりガラス繊維を含有し、平面方向において、前記シリカ系繊維、前記有機繊維、前記ガラス繊維の少なくとも一部が絡み合っていて、厚み方向又は平面方向において、前記有機繊維の一部が融着している。前記層状ケイ酸塩鉱物は、繊維状粘土鉱物であることが好ましい。また、かかる不燃紙又はシートは、湿式抄造により製造されたものであることが好ましい。
【選択図】 図5

特許請求の範囲【請求項1】
シリカ系無機繊維;層状ケイ酸塩鉱物;及び有機繊維を含有し、
平面方向において、前記シリカ系繊維及び前記有機繊維の少なくとも一部が絡み合っていて、
厚み方向又は平面方向において、前記有機繊維の一部が融着している不燃紙又はシート。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
さらにガラス繊維を含有し、前記ガラス繊維の一部が、前記シリカ系繊維又は前記ガラス繊維と絡み合っている請求項1に記載の不燃紙又はシート。
【請求項3】
前記シリカ系無機繊維40~85重量%、前記層状ケイ酸塩鉱物10~40重量%、前記有機繊維3~10重量%、及びガラス繊維0~15重量%である請求項1又は2に記載の不燃紙又はシート。
【請求項4】
前記層状ケイ酸塩鉱物は、繊維状粘土鉱物である請求項1又は2に記載の不燃紙又はシート。
【請求項5】
シリカ系無機繊維;層状ケイ酸塩鉱物;有機繊維;及び所望により含まれるガラス繊維を含有する水性懸濁液を抄紙したものである請求項1又は2に記載の不燃紙又はシート。
【請求項6】
厚み0.3~10mmである請求項1又は2に記載の不燃紙又はシート。
【請求項7】
かさ密度が150~400kg/m

である請求項6に記載の不燃紙又はシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、火炎に暴露されても発火せず、耐炎・防火機能を有する不燃紙又は不燃シートに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
建築物の防火・耐炎対策、発火のおそれがある機器や装置の防火・耐炎対策などにおいて、不燃性の紙又はシートが用いられている。
不燃紙としては、例えば、ガラス繊維を湿式抄紙法でシート化したガラス繊維ペーパー、アラミド繊維のような高耐熱性樹脂繊維を用いたシート、水酸化アルミニウムのような結晶水含有化合物を高配合することで自己消化性を持たせた不燃紙などが知られている。
【0003】
高耐熱性樹脂繊維は、発火するものではないが、400℃程度で酸化分解し、炭化するため、500℃以上の雰囲気に曝される仕様、火炎暴露される仕様では用いることができない。
【0004】
ガラス繊維ペーパーは、燃焼ガスが発生するわけではないが、汎用品であるEガラス繊維では、融点が800℃程度で、700℃程度から軟化し始める。このため、火炎暴露により700℃以上の高温に曝されると、繊維形状を保持できず、結果として、シート形状を保持できなくなるという問題がある。
水酸化アルミニウムは200~300℃程度で脱水吸熱反応により、自己消化性を付与できるものである。しかしながら、所望の不燃性を付与するためには、水酸化アルミニウムを大量に配合する必要があり、水酸化アルミニウムを大量配合したシートでは、紙又はシートに求められる強度を確保できないという課題がある。
【0005】
不燃性について、建築基準法を発熱性試験に適合でき、且つ曲げ強度を確保した不燃シートとして、特許5275602号(特許文献1)には、無機繊維、セルロース繊維、及びセピオライトの組合わせに、さらに、鉄鋼スラグだけ、鉄鋼スラグと珪酸カルシウムとの組合わせ、鉄鋼スラグと珪酸カルシウムと含水無機化合物との組合わせ、又は鉄鋼スラグと含水無機化合物との組合わせ30~85質量%(固形分)含有する原料スラリーを、凝集剤共存下で、湿式抄造した不燃シートが提案されている。
【0006】
特許文献1では、無機繊維としてロックウール繊維、ガラス繊維、セラミック繊維又は炭素繊維を使用することが提案され(段落番号0013)、ロックウール繊維、ガラス繊維を用いた実施例が開示されている。
実施例と比較例との比較から、セピオライトを含有しない場合には、不燃性が悪化したことが記載されている。なお、無機繊維としてガラス繊維を使用し、セピオライトを含有しない比較例は、開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許5275602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
無機繊維としてガラス繊維を用いる場合、特許文献1においては、シートの構成主体であるガラス繊維が、火炎暴露により700℃以上の高温に曝されると、繊維形状を保持できなくなり、結果として、鉄鋼スラグ等の無機粒子、シート形状を保持できなくなる。
【0009】
この点、ロックウールは、ガラス繊維より高融点で耐熱性に優れ、火炎暴露によっても繊維形状を保持できる。ところで、ロックウールは、原料のスラグや岩石を1500~1600℃の電気炉で溶解し、溶融物を遠心力で吹き飛ばして空気中で固化させて製造される。かかる製造方法に基づき、ロックウールは、繊維になりきれなかった非繊維状粒子(ショット)が含まれている。かかる非繊維状粒子は、抄紙過程で低減できても完全に除去することは困難であるため、一定割合で不燃紙又はシートに混入することを回避できない。そして、このような非繊維状粒子は、紙又はシートと接触する物体表面を傷つけ損傷させるおそれがある。吸音材の被覆材、自動車板金作業現場で用いられる車体保護シート、ガラス工場や鋳造工場で用いられる防火・耐炎シートなどの場合、非繊維状粒子が最終製品に混入したり、製品を傷つけるおそれがあることから、ショットが含まれるロックウールやセラミック繊維、アルカリアースシリケートウールの使用には課題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、1000℃近くの火炎に曝された場合でも、発火せず、短くても10分間は形状を保持でき、しかも不純物などの混入を回避できる防火・不燃紙又はシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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