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公開番号2025019651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123371
出願日2023-07-28
発明の名称工業用多層織物
出願人日本フイルコン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D21F 1/10 20060101AFI20250131BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】ペアをなす第1接結経糸および第2接結経糸が緯方向に離れることを抑える工業用多層織物を提供する。
【解決手段】ペアをなす第1接結経糸および第2接結経糸は、上面側緯糸にそれぞれ織り込まれて上面側層を構成する上面側に位置する経糸として機能し、下面側緯糸にそれぞれ織り込まれて下面側層を構成する下面側に位置する経糸として機能し、第1接結経糸および第2接結経糸のペアと下面側経糸とは交互に配置される。第1接結経糸は、左側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成する。第2接結経糸は、左側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
経糸および緯糸を織り込んで上面側層と下面側層とを構成した工業用多層織物であって、
前記緯糸は、
前記上面側層の一部を構成する上面側緯糸と、
前記下面側層の一部を構成する下面側緯糸と、を有し、
前記経糸は、
前記上面側緯糸および前記下面側緯糸に織り込まれる第1接結経糸と、
前記上面側緯糸および前記下面側緯糸に織り込まれ、前記第1接結経糸と上下にペアをなす第2接結経糸と、
前記下面側緯糸に織り込まれ、前記第1接結経糸および前記第2接結経糸のペアに隣接して配置される下面側経糸と、を有し、
ペアをなす前記第1接結経糸および前記第2接結経糸は、前記上面側緯糸にそれぞれ織り込まれて前記上面側層を構成する上面側に位置する経糸として機能し、前記下面側緯糸にそれぞれ織り込まれて前記下面側層を構成する下面側に位置する経糸として機能し、
前記第1接結経糸および前記第2接結経糸のペアと前記下面側経糸とは交互に配置され、
前記第1接結経糸は、左側に隣接する前記下面側経糸が1つのナックルを形成する前記下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する前記下面側経糸が1つのナックルを形成する前記下面側緯糸に対してナックルを形成し、
前記第2接結経糸は、左側に隣接する前記下面側経糸が1つのナックルを形成する前記下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する前記下面側経糸が1つのナックルを形成する前記下面側緯糸に対してナックルを形成することを特徴とする工業用多層織物。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記経糸は、前記上面側緯糸のみに織り込まれる上面側経糸を有していないことを特徴とする請求項1に記載の工業用多層織物。
【請求項3】
前記第1接結経糸および前記第2接結経糸は、前記緯糸に対して共通の織り込みパターンで織り込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用多層織物。
【請求項4】
前記下面側経糸は、1本の前記下面側緯糸の下側を通り、連続する2本の前記下面側緯糸の上側を通り、1本の前記下面側緯糸の下側を通り、連続する4本の前記下面側緯糸の上側を通る織り込みパターンを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の工業用多層織物。
【請求項5】
完全組織において、前記緯糸は24シャフト以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用多層織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機に用いられる工業用多層織物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、抄紙機に用いられる工業用多層織物として、経糸と緯糸を製織した抄紙網が広く使われている。抄紙網に求められる特性は様々であるが、例えば、特許文献1には、上面側経糸と上面側緯糸とからなる上面側織物と、下面側経糸と下面側緯糸とからなる下面側織物とが接結された工業用織物が開示されている。この工業用織物において、上面側経糸は、上面側織物と下面側織物とを接結する上面側接結糸であり、下面側経糸は、上面側織物と下面側織物とを接結する下面側接結糸と、接結糸でない経糸とを含む。
【0003】
特許文献1の図1に記載の工業用織物において、例えば上面側接結糸4Ubおよび下面側接結糸5Lbは、互いに補完して1つの織り込みパターンを形成してペアをなす。この上面側接結糸4Ubは、隣接する下面側経糸3Lと同じ下面側緯糸に下面側ナックルを形成し、下面側接結糸5Lbは、隣接する下面側経糸6Lと同じ下面側緯糸に下面側ナックルを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-15983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、上面側接結糸4Ubは、隣接する下面側経糸3Lと同じ下面側緯糸に下面側ナックルを形成するため左側に寄せられ、下面側接結糸5Lbは、隣接する下面側経糸6Lと同じ下面側緯糸に下面側ナックルを形成するため右側に寄せられる。そのため、ペアをなす上面側接結糸4Ubおよび下面側接結糸5Lbが、緯方向に離れることで脱水性が阻害し、マークが発生するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ペアをなす第1接結経糸および第2接結経糸が緯方向に離れることを抑え、マークの発生を抑える工業用多層織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、経糸および緯糸を織り込んで上面側層と下面側層とを構成した工業用多層織物である。緯糸は、上面側層の一部を構成する上面側緯糸と、下面側層の一部を構成する下面側緯糸と、を有する。経糸は、上面側緯糸および下面側緯糸に織り込まれる第1接結経糸と、上面側緯糸および下面側緯糸に織り込まれ、第1接結経糸と上下にペアをなす第2接結経糸と、下面側緯糸に織り込まれ、第1接結経糸および第2接結経糸のペアに隣接して配置される下面側経糸と、を有する。ペアをなす第1接結経糸および第2接結経糸は、上面側緯糸にそれぞれ織り込まれて上面側層を構成する上面側に位置する経糸として機能し、下面側緯糸にそれぞれ織り込まれて下面側層を構成する下面側に位置する経糸として機能する。第1接結経糸および第2接結経糸のペアと下面側経糸とは交互に配置される。第1接結経糸は、左側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成する。第2接結経糸は、左側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成し、右側に隣接する下面側経糸が1つのナックルを形成する下面側緯糸に対してナックルを形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ペアをなす第1接結経糸および第2接結経糸が緯方向に離れることを抑える工業用多層織物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施例に係る工業用多層織物の完全組織を示す意匠図である。
図2(a)は、図1に示す意匠図における左接結経糸1Blと右接結経糸1Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図2(b)は、図1に示す意匠図における下面側経糸2Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
図3(a)は、図1に示す意匠図における左接結経糸3Blと右接結経糸3Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図3(b)は、図1に示す意匠図における下面側経糸4Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
第2実施例に係る工業用多層織物の完全組織を示す意匠図である。
図5(a)は、図4に示す意匠図における左接結経糸1Blと右接結経糸1Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図5(b)は、図4に示す意匠図における下面側経糸2Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
図6(a)は、図4に示す意匠図における左接結経糸3Blと右接結経糸3Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図6(b)は、図4に示す意匠図における下面側経糸4Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
第3実施例に係る工業用多層織物の完全組織を示す意匠図である。
図8(a)は、図7に示す意匠図における左接結経糸1Blと右接結経糸1Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図8(b)は、図7に示す下面側経糸2Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
図9(a)は、図7に示す意匠図における左接結経糸3Blと右接結経糸3Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図9(b)は、図7に示す意匠図における下面側経糸4Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
第4実施例に係る工業用多層織物の完全組織を示す意匠図である。
図11(a)は、図10に示す意匠図における左接結経糸1Blと右接結経糸1Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図11(b)は、図10に示す下面側経糸2Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
図12(a)は、図10に示す意匠図における左接結経糸3Blと右接結経糸3Brが上面側緯糸と下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。図12(b)は、図10に示す意匠図における下面側経糸4Lが下面側緯糸に織り込まれた形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、「経糸」とは、製紙用の多層織物をループ状のベルトとした場合に、紙原料の搬送方向に沿って伸びている糸であり、「緯糸」とは、経糸に対して交差する方向に伸びている糸である。また、「上面側層」とは、多層織物を抄紙網として利用する場合に、抄紙網の両面のうち紙原料が搬送される上面側に位置する層であり、「下面側層」とは、抄紙用ベルトの両面のうち主として駆動ローラが当接する下面側に位置する層である。上面側層を上面側織物とし、下面側層を下面側織物としてもよい。なお、単に「表面」とは、上面側層や下面側層の露出している側の面であり、上面側層の「表面」とは、抄紙網における外面側に相当し、下面側層の「表面」とは、抄紙網における内面側に相当する。
(【0011】以降は省略されています)

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