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公開番号2025015269
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118578
出願日2023-07-20
発明の名称製紙工程用洗浄剤
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D21F 1/32 20060101AFI20250123BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】 本発明は、製紙工程における有機物によるピッチ汚れを、特に(メタ)アクリレート系のピッチ汚れであっても、より良好に洗浄できる技術を提供することを主な目的とする。
【解決手段】 本発明は、脂肪族ジアミン化合物を含有する、製紙工程用洗浄剤を提供することができる。本発明は、脂肪族ジアミン化合物を含有する薬剤を使用して、又は、脂肪族ジアミン化合物を含有する製紙工程用洗浄剤を使用して、製紙用具を洗浄することを含む、製紙用具洗浄方法又は紙製造方法を提供することもできる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪族ジアミン化合物を含有する、製紙工程用洗浄剤。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記脂肪族ジアミン化合物が、脂肪族炭化水素基を1つ又は2つ以上有するジアミン化合物である、請求項1に記載の製紙工程用洗浄剤。
【請求項3】
前記脂肪族ジアミン化合物が、ポリオキシアルキレン脂肪族ジアミンである、請求項1又は2に記載の製紙工程用洗浄剤。
【請求項4】
脂肪族ジアミン化合物を含有する薬剤を使用して、製紙用具を洗浄することを含む、製紙用具洗浄方法。
【請求項5】
脂肪族ジアミン化合物を含有する薬剤を使用して、製紙用具を洗浄することを含む、紙の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙工程用洗浄剤、及び製紙工程用洗浄方法等に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
製紙は、パルプ原料を水に分散させた原料スラリーを抄紙する抄紙工程を経ることによって行われている。抄紙工程において、微細繊維及び填料を含む白水が抄紙機などから大量に排出される。排出されるパルプ含有水(白水ともいう)は、水資源の有効活用及び再利用の観点から、抄紙工程中で循環されたり、調成工程で使用されたりしている。このとき、白水には、EVA系粘着物、アクリレート系粘着物、サイズ剤(ロジン系、AKD系、ASA系など)、ラテックスなどが含まれ、このような疎水性の粘質物はピッチとも呼ばれ、これらは有機物汚れの原因とされている。一般的に、ピッチとは、パルプ由来の樹脂成分、再生古紙中の合成粘着物質、製紙工程で使用される添加薬剤に由来する有機物を主体とする疎水性の粘着性物質をいう。
【0003】
ピッチは、疎水性が高い、及び、集塊化してピッチ塊になりやすい性質がある。このため、集塊化したピッチ塊が製紙原料に混入することによる最終紙製品の欠点、及び、白水を使用するような装置又は工程の設備(例えば、ワイヤー、フェルト、プレスロールなどの抄紙用具、これらを備える抄紙機、紙製造における工程設備)に付着したピッチによる、断紙、製品品質低下、脱水性悪化などといった、製紙、特に抄紙工程においてトラブルの原因になっている。このようなピッチによる製品品質及び生産効率を低下させるような障害を、ピッチ障害とも呼んでいる。
【0004】
このため、抄紙工程において、例えば、特許文献1では、抄紙に用いるフェルトに付着した、天然ゴム、合成ゴム、ピッチなどを洗剤と温水シャワーで柔軟化し、天然ゴム、ピッチなどをフェルトロールに装着した合成繊維の集合体に付着させる方法により、フェルトに付着した天然ゴム、ピッチなどをフェルトから除去する方法が提案されている。
また、製紙工程において、例えば、特許文献2では、アクリル酸系ポリマーとポリオキシエチレンステアリルアミンとを含有する製紙工程用洗浄剤を、シャワー水に添加する抄紙用フェルトの洗浄方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公昭49―1641号公報
特開2006-16737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2ともに、非イオン性界面活性剤を添加することでピッチの付着を低減できることが開示され、特許文献2において、非イオン性界面活性剤のなかでも、脂肪族アミン系界面活性剤のうちポリオキシエチレンステアリルアミンが有効であることが開示されている。しかしながら、現状での薬剤を使用するピッチ対策では、特にアクリレート系によるピッチ汚れの洗浄又は付着防止が十分とはいえず、ピッチ障害を十分に抑えることができない。さらに、設備を使用するピッチ対策では、流出原料の増加やパルプ繊維の微細化などの問題が発生しやすいため、制約がある。
【0007】
そこで、本発明は、製紙工程における有機物によるピッチ汚れを、特にアクリレート系のピッチ汚れであっても、より良好に洗浄できる技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、脂肪族ジアミン化合物に、製紙工程におけるアクリレート系のピッチ汚れを、より良好に溶解させる作用があることを新たに見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
本発明は、脂肪族ジアミン化合物を含有する、製紙工程用洗浄剤を提供することができる。
本発明は、脂肪族ジアミン化合物を含有する薬剤を使用して、又は、前記製紙工程用洗浄剤を使用して、製紙用具を洗浄することを含む、製紙用具洗浄方法を提供することができる。
本発明は、脂肪族ジアミン化合物を含有する薬剤を使用して、又は、前記製紙工程用洗浄剤を使用して、製紙用具を洗浄することを含む、紙の製造方法を提供することができる。
前記脂肪族ジアミン化合物が、脂肪族炭化水素基を1つ又は2つ以上有するジアミン化合物であってもよい。
前記脂肪族ジアミン化合物が、ポリオキシアルキレン脂肪族ジアミンであってもよい。
抄紙工程で使用する製紙用具の洗浄に用いるものであってもよい。
前記薬剤又は前記製紙工程用洗浄剤を、抄紙装置に備える製紙用具を洗浄するためのシャワー水に添加して使用することを含んでもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製紙工程におけるピッチ汚れを、特にアクリレート系のピッチ汚れであっても、より良好に洗浄できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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