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公開番号2025008593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110873
出願日2023-07-05
発明の名称印刷用紙
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類D21H 19/20 20060101AFI20250109BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】白色顔料を含む塗工層を有しない非塗工紙でありながら、インクジェット印刷機に対する印刷適性を有し、しっとりした光沢感及びシルキータッチ感を有する非塗工紙タイプの印刷用紙を提供することである。
【解決手段】課題は、パルプ及び填料を少なくとも含有する原紙と、前記原紙にサイズプレス処理を施すことにより表面サイズ剤及びカチオン性化合物を少なくとも含有し、デニソンワックスを用いるJAPAN TAPPI No.1:2000に準じて求められるワックスピック表面強さが13A以上16A以下、ISO8254-1:1999に準じて求められる75度光沢が10%以上23%以下、及びISO5627:1995に準じて求められるBekk平滑度(秒)が175秒以上370秒以下である印刷用紙によって達成される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
パルプ及び填料を少なくとも含有する原紙と、前記原紙にサイズプレス処理を施すことにより表面サイズ剤及びカチオン性化合物を少なくとも含有し、デニソンワックスを用いるJAPAN TAPPI No.1:2000に準じて求められるワックスピック表面強さが13A以上16A以下、ISO8254-1:1999に準じて求められる75度光沢が10%以上23%以下、及びISO5627:1995に準じて求められるBekk平滑度(秒)が175秒以上370秒以下である印刷用紙。
続きを表示(約 76 文字)【請求項2】
前記表面サイズ剤が澱粉類及びポリビニルアルコール類から成る群から選ばれる一種又は二種以上である請求項1に記載の印刷用紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、白色顔料を含有する塗工層を有しない印刷用紙に関する。さらには、オフセット印刷機に対する印刷適性と、デジタル印刷機に対する印刷適性、特にデジタル印刷機の一種であるインクジェット印刷機に対する印刷適性とを有する、白色顔料を含有する塗工層を有しない印刷用紙に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
商業印刷物を製造するための印刷機には、可変情報を取り扱うことができるデジタル印刷機又はオンデマンド印刷機(以下、合わせて「デジタル印刷機」と記す)が存在する。その代表格としては、インクジェット記録方式を使用するインクジェット印刷機が公知である。インクジェット印刷機は、例えば、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepressJet(登録商標)、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsper(登録商標)及びVERSAMARK(登録商標)、富士フイルム社のJetPress(登録商標)などの名称で既に存在する。
【0003】
インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの一般家庭向け及びSOHO向けインクジェットプリンター、並びに大判インクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が数十倍と速く、印刷速度が60m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、一般家庭向け及びSOHO向けインクジェットプリンター及び大判インクジェットプリンターと区別される。
【0004】
商業印刷物を生産するために市場に存在する印刷機は、依然、デジタル印刷機の登場以前のオフセット印刷機が多い。すなわち、商業印刷物を生産するために市場に存在する印刷機は、インクジェット印刷機に代表されるデジタル印刷機とオフセット印刷機とが混在する。従って、印刷用紙には、両印刷機に対する印刷適性が必要である。
【0005】
印刷業では、雑誌、書籍、画集、写真集、アート集、美術書、MOOK本、冊子、カタログ、チラシ及びパンフレットなどの商業印刷物が商品になる。商業印刷物の生産に用いる印刷用紙は、光沢紙及びマット紙に限らない。近年の印刷用紙では、光沢感又は艶消し感、平滑感、色相、及び手触り感などにおいて様々な風合いが存在する。
画集、写真集、アート集及び美術書などに代表される高価な商業印刷物には、コレクター性が重視され、厚みのある塗工層を備える高い白色性、高い光沢感及び高い平滑感を有する重厚かつ高価な印刷用塗工紙を使用する。
一方、雑誌、書籍、MOOK本、冊子、カタログ、チラシ及びパンフレットなどの商業印刷物では、用紙コストの削減を目的に、白色顔料を含有する塗工層の塗工量が極めて少ない微塗工紙タイプ又は白色顔料を含有する塗工層を有しない非塗工紙タイプの印刷用紙を採用する傾向にある。
【0006】
非塗工紙でありながら軽量の塗工紙[LWC紙(LightWeight Coated Paper)]のような光沢を有する非塗工紙タイプの印刷用紙の製造方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された製造方法によって得る印刷用紙は、「スーパーカレンダー紙」と呼ばれる。昨今、欧米では、雑誌、宣伝用のチラシ及びカタログ類の商業印刷物用途にスーパーカレンダー紙をオフセット印刷機又はグラビア印刷機の印刷用紙として使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-274517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の印刷用紙は、白紙光沢が30%以上であって、通常のLWC紙に比べて光沢が幾分高めである。
本発明の目的は、白色顔料を含有する塗工層を有しない印刷用紙であって、オフセット印刷機に対する印刷適性を有し、デジタル印刷機に対する印刷適性、特にデジタル印刷機の一種であるインクジェット印刷機に対する印刷適性を有し、並びに用紙の面感としてLWC紙のような弱い光沢が認められるしっとりした光沢感及びシルキータッチ(silky touch)感を有する印刷用紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意開発に取り組んだ結果、本発明を見出した。
本発明の目的は、以下により達成できる。
【0010】
[1]パルプ及び填料を少なくとも含有する原紙と、前記原紙にサイズプレス処理を施すことにより表面サイズ剤及びカチオン性化合物を少なくとも含有し、デニソンワックスを用いるJAPAN TAPPI No.1:2000に準じて求められるワックスピック表面強さが13A以上16A以下、ISO8254-1:1999に準じて求められる75度光沢が10%以上23%以下、及びISO5627:1995に準じて求められるBekk平滑度(秒)が175秒以上370秒以下である印刷用紙。
(【0011】以降は省略されています)

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