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公開番号2025076568
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188175
出願日2023-11-02
発明の名称無機繊維不織布及びその製造方法
出願人三菱製紙株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類D21H 13/36 20060101AFI20250509BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】本発明の課題は、無機繊維不織布を得るための抄造に不具合が無い抄造性を有し、強度維持及び無機繊維の脱落抑制と、良好な耐熱性とを併せ持つ無機繊維不織布を提供することである。
【解決手段】課題は、無機繊維と、無機バインダーと、水溶性有機高分子とを含む無機繊維不織布であって、無機繊維不織布における前記無機繊維の含有率が無機繊維不織布に対して70質量%以上99質量%以下であり、無機繊維不織布における前記無機バインダーの含有率が無機繊維不織布に対して0.5質量%以上29.5質量%未満であり、及び無機繊維不織布における前記水溶性有機高分子の含有率が無機繊維不織布に対して0.5質量%以上10質量%未満である無機繊維不織布によって解決できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機繊維と、無機バインダーと、水溶性有機高分子とを含む無機繊維不織布であって、
無機繊維不織布における前記無機繊維の含有率が、無機繊維不織布に対して70質量%以上99質量%以下であり、
無機繊維不織布における前記無機バインダーの含有率が、無機繊維不織布に対して0.5質量%以上29.5質量%未満であり、及び
無機繊維不織布における前記水溶性有機高分子の含有率が、無機繊維不織布に対して0.5質量%以上10質量%未満である、
無機繊維不織布。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記無機繊維に前記無機バインダーが結着した状態であり、前記水溶性有機高分子が前記無機バインダーを架橋した状態である、請求項1に記載の無機繊維不織布。
【請求項3】
前記無機繊維がガラス繊維である、請求項1又は2に記載の無機繊維不織布。
【請求項4】
前記無機バインダーが、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、セピオライト、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル、リチウムシリケート及びベントナイトから成る群から選ばれる一種又は二種以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の無機繊維不織布。
【請求項5】
前記水溶性有機高分子が、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドと各種モノマーとの共重合体から成る群から選ばれる一種又は二種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の無機繊維不織布。
【請求項6】
前記無機繊維不織布がフィブリル化繊維を更に含有し、無機繊維不織布における前記フィブリル化繊維の含有率が無機繊維不織布に対して0.1質量%以上6質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の無機繊維不織布。
【請求項7】
前記無機繊維不織布が熱融着性バインダー繊維を更に含有し、無機繊維不織布における前記熱融着性バインダーの含有率が無機繊維不織布に対して0.1質量%以上6質量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の無機繊維不織布。
【請求項8】
無機繊維を含む無機繊維不織布の製造方法であって、
無機繊維と、無機バインダーと、水溶性有機高分子と、媒液とを含有する原料スラリーを調製する工程、及び
前記原料スラリーを湿式抄造してシートを得る工程
を含み、
原料スラリー中の前記無機繊維の含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して70質量%以上99質量%以下であり、
原料スラリー中の前記無機バインダーの含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.5質量%以上29.5質量%未満であり、及び
原料スラリー中の前記水溶性有機高分子の含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.5質量%以上10質量%未満である、
無機繊維不織布の製造方法。
【請求項9】
前記無機繊維がガラス繊維である、請求項8に記載の無機繊維不織布の製造方法。
【請求項10】
前記無機バインダーが、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、セピオライト、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル、リチウムシリケート及びベントナイトから成る群から選ばれる一種又は二種以上である、請求項8又は9に記載の無機繊維不織布の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建材ないし工業用部材への使用に好適な、耐熱性を有する無機繊維不織布及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
無機繊維、特にガラス繊維は、安価でありながら耐熱性及び難燃性に優れているために、建材、自動車用部品、絶縁体及び工業部品等に広く使用されてきた。建材では無機繊維を、例えば、壁紙材料、クッションフロア、天井材等の防炎性、耐熱性及び不燃性が要求される用途に使用する。自動車用部材では無機繊維を、例えば、電池カバー、ブレーキパッド、フロントバンパー、天井材及び内装材等に使用する。そして、ガラス繊維等の無機繊維を使用した不織布の用途もいくつか提案される。
【0003】
例えば、無機繊維を含有する下記の湿式抄造して得られる無機繊維紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
生体溶解性セラミック繊維と、繊維分における配合比が0重量%以上70重量%以下のガラス繊維と、平均繊維径が17μm以上25μm以下の有機繊維と、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、カチオン性コロイダルシリカ、アルミナゾルから選ばれる少なくとも1種以上のカチオン性無機バインダーと、前記繊維分に対する配合比が20重量%以上60重量%以下のセピオライトと、を用いて湿式抄造することにより得られるシート化した基材であることを特徴とする無機繊維紙。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-007698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガラス繊維等の無機繊維を多く配合した無機繊維不織布の場合は、無機繊維不織布の強度低下及び無機繊維の脱落等の問題を有する。脱落した無機繊維は、飛散して人体へ悪影響する可能性がある。無機繊維不織布の強度維持及び無機繊維の脱落抑制するために、例えば、無機繊維不織布に有機高分子ないしパルプを無機繊維不織布に配合すると、耐熱性が低下する傾向を示す。従って、無機繊維不織布では、強度維持及び無機繊維の脱落抑制と、良好な耐熱性とを同時に有することが非常に難しい。
【0006】
特許文献1に記載の無機繊維紙は、人体に対して影響の少ない生体溶解性セラミック繊維を用いて、触媒若しくは吸着剤等の粒子又は無機結合剤を分散させた含浸液に含浸、その後焼成する方法において、焼成前の含浸性が向上する。
【0007】
本発明の課題は、無機繊維不織布における無機繊維の含有率が不織布に対して70質量%以上であるような無機繊維の高い含有率でありながら、無機繊維不織布を得るための抄造に不具合が無い抄造性を有し、強度維持及び無機繊維の脱落抑制と、良好な耐熱性とを併せ持った無機繊維不織布、及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、以下の発明の実施形態を見出した。本発明の実施形態は、以下の態様の無機繊維不織布、及び無機繊維不織布の製造方法を包含する。
【0009】
[1]無機繊維と、無機バインダーと、水溶性有機高分子とを含む無機繊維不織布であって、
無機繊維不織布における前記無機繊維の含有率が無機繊維不織布に対して70質量%以上99質量%以下であり、
無機繊維不織布における前記無機バインダーの含有率が無機繊維不織布に対して0.5質量%以上29.5質量%未満であり、及び
無機繊維不織布における前記水溶性有機高分子の含有率が無機繊維不織布に対して0.5質量%以上10質量%未満である、
無機繊維不織布。
[2]前記無機繊維に前記無機バインダーが結着した状態であり、前記水溶性有機高分子が前記無機バインダーを架橋した状態である、上記[1]に記載の無機繊維不織布。
[3]上記無機繊維がガラス繊維である、上記[1]又は[2]に記載の無機繊維不織布。
[4]前記無機バインダーが、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、セピオライト、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル、リチウムシリケート及びベントナイトから成る群から選ばれる一種又は二種以上である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布。
[5]前記水溶性有機高分子が、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドと各種モノマーとの共重合体から成る群から選ばれる一種又は二種以上を含む、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布。
[6]上記無機繊維不織布がフィブリル化繊維を更に含有し、無機繊維不織布における前記フィブリルか繊維の含有率が無機繊維不織布に対して0.1質量%以上6質量%以下である上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布。
[7]前記無機繊維不織布が熱融着性バインダー繊維を更に含有し、無機繊維不織布における前記熱融着性バインダーの含有率が無機繊維不織布に対して0.1質量%以上6質量%以下である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布。
[8]無機繊維を含む無機繊維不織布の製造方法であって、
無機繊維と、無機バインダーと、水溶性有機高分子と、媒液とを含有する原料スラリーを調製する工程、及び
前記原料スラリーを湿式抄造してシートを得る工程
を含み、
原料スラリー中の前記無機繊維の含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して70質量%以上99質量%以下であり、
原料スラリー中の前記無機バインダーの含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.5質量%以上29.5質量%未満であり、及び
原料スラリー中の前記水溶性有機高分子の含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.5質量%以上10質量%未満である、
無機繊維不織布の製造方法。
[9]前記無機繊維がガラス繊維である、上記[8]に記載の無機繊維不織布の製造方法。
[10]前記無機バインダーが、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、セピオライト、コロイダルシリカ、水ガラス、アルミナゾル、リチウムシリケート及びベントナイトから成る群から選ばれる一種又は二種以上である、上記[8]又は[9]に記載の無機繊維不織布の製造方法。
[11]前記水溶性有機高分子が、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩と各種モノマーとの共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドと各種モノマーとの共重合体から成る群から選ばれる一種又は二種以上を含む、上記[8]~[10]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布の製造方法。
[12]前記原料スラリーがフィブリル化繊維を更に含有し、原料スラリー中の前記フィブリル化繊維の含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.1質量%以上6質量%以下である、上記[8]~[11]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布の製造方法。
[13]前記原料スラリーが熱融着性バインダー繊維を更に含有し、原料スラリー中の前記熱融着性バインダーの含有率が、媒液を除く原料スラリーの全成分に対して0.1質量%以上6質量%以下である、上記[8]~[12]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布の製造方法。
[14]上記[8]~[13]のいずれか1つに記載の無機繊維不織布の製造方法により製造された無機繊維不織布。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、無機繊維の含有率が無機繊維不織布に対して70質量%以上であるような無機繊維の高い含有率でありながら、無機繊維不織布を得るための抄造に不具合が無い抄造性を有し、強度維持及び無機繊維の脱落抑制と、良好な耐熱性とを併せ持つことができる、無機繊維不織布及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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