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公開番号2025148201
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024063037
出願日2024-03-25
発明の名称ガラス繊維不織布
出願人オリベスト株式会社
代理人
主分類D21H 13/40 20060101AFI20250930BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】
本発明は、従来の有機物および/または無機物バインダーを使用する場合より高い耐熱強度を実現し、300から600℃という温度範囲の雰囲気下で焼結加工処理した場合にも高い強度を保持することにより、180℃を超える温度雰囲気下でも成形体が高い形状保持性を有し、スラリー湿式加工などの担持加工やフィルターなどの成形加工に適したガラス繊維不織布を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明では、円形度が0.6から1.0の範囲となる球状形状を有し、かつJIS K0131:1996に準じて測定された結晶化度が0.0から30.0%の範囲となる非晶質性状を有し、さらにJIS Z8830:2013に準じて測定された比表面積が20から250m2/gの範囲となるコロイダル無機粒子(特に材質としてシリカからなるもの)を必須成分として含有するバインダーが使用されたガラス繊維不織布により解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
円形度が0.6から1.0の範囲となる球状形状を有し、かつJIS K0131:1996に準じて測定された結晶化度が0.0から30.0%の範囲となる非晶質性状を有し、さらにJIS Z8830:2013に準じて測定された比表面積が20から250m

/gの範囲となるコロイダル無機粒子を必須成分として含有するバインダーを使用してなるガラス繊維不織布
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記コロイダル無機粒子が材質としてシリカからなるものである請求項1に記載のガラス繊維不織布
【請求項3】
前記コロイダル無機粒子以外のバインダーとして、有機質および/または無機質のバインダーを含有するバインダーを使用してなる請求項1乃至請求項2の何れかに記載のガラス繊維不織布
【請求項4】
ガラス繊維不織布に使用されるバインダーにシラン処理剤を添加してなる請求項1から請求項3の何れかに1項に記載のガラス繊維不織布
【請求項5】
ガラス繊維不織布が湿式抄紙法により製造される請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガラス繊維不織布

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はガラス繊維不織布に関し、更に詳しくは、フィルター、セパレーター、断熱材などに使用される高い耐熱強度を実現し、さらに300から600℃という温度範囲の雰囲気下で焼結加工処理した場合に高い強度を有することにより、180℃を超える温度雰囲気下でも成形体の形状保持性を有するガラス繊維不織布に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、様々な産業分野において、耐熱性を有する多孔質の基材シートが求められ、多方面で用途開発が行われている。例えば、バッテリーセパレーター、耐熱フィルター、濾材、断熱材、触媒担持体などを挙げることができる。これらの用途については、加工時および/または使用時に高温に晒される用途であり、このような耐熱性シートの製造方法についてもこれまで研究開発が活発に進められ、近年の傾向として、より高い温度条件下での使用が可能なもの、粒子などに対する分離や保持を可能とする微細孔質なものが要求される傾向となっている。
【0003】
耐熱性の観点から見ると、無機繊維、特にガラス繊維は原料が豊富でかつ繊維化し易いため、耐熱シートの原料としては好ましい。とりわけガラス繊維の耐熱温度は800~900℃と極めて高く、このため、特に耐熱性を必要とする用途においては、もっぱらガラス繊維が使用されてきた。また、微細孔質の観点から見ると、ガラス繊維は繊維径を均一に細くし易く、製造方法においてもシート化し易く、さらにシートの製造方法により微細孔質のシートを得られ易い。このため、耐熱性を有する微細孔質を有する基材シートの原材料繊維として頻繁に使用されてきた。
【0004】
但し、ガラス繊維を原材料繊維としてシートとした場合、ガラス繊維自体には固着性能が無いため、繊維同士を固着するバインダー(結合剤)が必要とされる。このバインダーについては合成樹脂などの有機物の使用が一般的である。このため、ガラス繊維を原材料繊維として製造されたシートの耐熱強度はそれ程高いものでは無く、180℃を超える温度雰囲気下での加工や使用は困難であった。特に、VOC(揮発性有機化合物)吸着用フィルター基材などは、使用後の再生処理のために200℃程度の雰囲気下での加熱処理がされるが、耐熱性強度が充分で無く、コルゲート成形体などとした場合の成形性状保持が困難であった。
【0005】
従来の高耐熱強度ガラス繊維不織布ついては、バインダーに無機物バインダーを添加したものを使用する方法(特許文献1および特許文献2参照)やセピオライトなどの高温焼結性を有する無機フィラーを添加する方法(特許文献3参照)などにより達成されてきた。
【0006】
しかしながら上記方法のうち、合成樹脂に無機物バインダーを添加する方法については、ガラス繊維不織布シートとして耐熱強度が向上するものの、180℃を超える高温条件でのシート強度は充分では無かった。また、無機物バインダーについては、シリコーン系樹脂などを使用すると、樹脂被膜が撥水性を有していることからスラリーなどの湿式後加工が困難となる場合が多い。さらに、耐熱強度向上のために、合成樹脂に無機バインダーとしてコロイダルシリカを添加する方法もよく用いられている。特に、コロイダルシリカでも棒状形状のものを使用することにより、高強度を発現させることも試みられている。しかし、この棒状コロイダルシリカでは樹脂被膜が硬く脆性となり易く、フィルターなどに成形加工することが困難となる場合が多い。(特許文献2参照)
【0007】
さらに、特許文献3に開示されているガラス繊維不織布にセピオライトなどの高温焼結性を有する無機フィラーを添加する方法については、セピオライトなどの無機フィラーには結晶質シリカなどの有害な化学物質が含有されている場合が多く、製造作業者や製品取扱者に保護措置が必要となる。さらに、充分な耐熱強度を発現するため、高温(800℃から1000℃)の酸化性雰囲気下での焼成処理など、多くのエネルギー量を必要とする生産効率が悪い製造方法により達成されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2002-081657号公報
特開昭64-085369号公報
特開平11-021785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記の問題点に対して、円形度が0.6から1.0の範囲となる球状形状を有し、かつJIS K0131:1996に準じて測定された結晶化度が0.0から30.0%の範囲となる非晶質性状を有し、さらにJIS Z8830:2013に準じて測定された比表面積が20から250m

/gの範囲となるコロイダル無機粒子を必須成分として含有するバインダーを使用することより、合成樹脂などの有機物バインダーやシリコーン樹脂などの無機物バインダーより高い耐熱強度を実現し、300から600℃という、焼結加工処理としては従来より低い温度範囲の酸化性雰囲気下で焼結加工処理した場合において高い強度を有し、成形体としての形状保持性を有するガラス繊維不織布を提供することにある。前記ガラス繊維不織布については、バッテリーセパレーター、フィルター、および触媒担持体などの成形加工に適したものとなる。
【問題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的は、下記の(1)から(5)の本発明より達成される。
(1)円形度が0.6から1.0の範囲となる球状形状を有し、かつJIS K0131:1996に準じて測定された結晶化度が0.0から30.0%の範囲となる非晶質性状を有し、さらにJIS Z8830:2013に準じて測定された比表面積が20から250m

/gの範囲となるコロイダル無機粒子を必須成分として含有するバインダーを使用してなるガラス繊維不織布。
(2)前記コロイダル無機粒子が材質としてシリカからなるものである上記(1)に記載のガラス繊維不織布。
(3)前記コロイダル無機粒子以外のバインダーとして、有機物および/または無機物のバインダーを含有するバインダーを使用してなる上記(1)乃至上記(2)の何れかに記載のガラス繊維不織布。
(4)ガラス繊維不織布に使用されるバインダーにシラン処理剤を添加してなる上記(1)から上記(3)の何れかに記載のガラス繊維不織布
(5)ガラス繊維不織布が湿式抄紙法により製造される上記(1)から上記(4)の何れかに記載のガラス繊維不織布
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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