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公開番号2025136044
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034210
出願日2024-03-06
発明の名称段ボール用ライナ
出願人大王製紙株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類D21H 27/00 20060101AFI20250911BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】中芯と外装用又は内装用ライナとの接着強度が優れるとともに、良好な強度が得られる段ボール用ライナを提供する。
【解決手段】本発明の段ボール用ライナは、裏層が雑誌古紙パルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記裏層の全パルプ成分に対する上記雑誌古紙パルプの含有量が25.0質量%以下であり、上記裏層及び裏下層がポリアクリルアミド系の紙力増強剤を含有するとともに、サイズ剤を含有せず、上記裏層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で0.1kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下であり、上記裏下層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で2.0kg/パルプt以上12.0kg/パルプt以下であり、130℃の温度条件下で60秒保持した後の上記裏層における中芯との積層面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
段ボールの中芯に積層される段ボール用ライナであって、
少なくとも表層、裏下層及び裏層を備え、
上記裏層が雑誌古紙パルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、
上記裏層の全パルプ成分に対する上記雑誌古紙パルプの含有量が25.0質量%以下であり、
上記裏層及び上記裏下層がポリアクリルアミド系の紙力増強剤を含有するとともに、サイズ剤を含有せず、
上記裏層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で0.1kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下であり、
上記裏下層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で2.0kg/パルプt以上12.0kg/パルプt以下であり、
130℃の温度条件下で60秒保持した後の上記裏層における上記中芯との積層面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下である段ボール用ライナ。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
上記表層が段ボール古紙パルプを主成分とし、
上記表層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が100質量%である請求項1に記載の段ボール用ライナ。
【請求項3】
上記裏層における灰分率が16.0質量%以上20.0質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の段ボール用ライナ。
【請求項4】
比破裂強さが2.60kPa・m

/g以上であり、
横方向の比圧縮強度が130N・m

/g以上である請求項3に記載の段ボール用ライナ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール用ライナに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
段ボール用ライナは、木製や樹脂容器製に比べて軽量であり、クッション性を有することから内容物の破損しにくいため、精密機器をはじめ様々な分野で用いられている。このような段ボール用ライナは、例えば、外装用ライナ、中芯、内装用ライナ等の板紙が、貼合機(コルゲータ)で貼合(接着)されることで製造される。中芯は、中芯原紙が貼合機に備わる段ロールでフルート(波)状に加工されることで製造される。中芯のフルート頂上部(段頂部)には、澱粉糊やPVA等の接着成分を含む水溶液(貼合糊)が塗布され、中芯とライナとが接着される。この接着後の段ボール用ライナは、続けて、罫線加工や切断加工等の加工処理が施される。従って、中芯と外装用又は内装用ライナとの接着強度が弱いと、当該罫線加工や切断加工等に際して、中芯と外装用又は内装用ライナとが剥離するおそれがある。
【0003】
そこで、段ボール用ライナにおいては、接着強度を向上するための様々な提案がなされている。例えば従来技術においては、多価アルコール水溶液中に硼砂を溶解させた貼合速度向上剤を中芯やライナの表面に塗布することで、接着強度を向上させた段ボール用ライナが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-238263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、段ボール用ライナの製造工程における貼合速度が、300m/分~450m/分程度にまで高速化される場合があり、高速で貼合した場合においても中芯と外装用又は内装用ライナとの剥がれが生じにくく、かつ段ボールでの強度面においてもさらなる向上が求められている。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、高速で貼合した場合においても中芯と外装用又は内装用ライナとの接着強度が優れるとともに、良好な強度が得られる段ボール用ライナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る段ボール用ライナは、段ボールの中芯に積層される段ボール用ライナであって、少なくとも表層、裏下層及び裏層を備え、上記裏層が雑誌古紙パルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記裏層の全パルプ成分に対する上記雑誌古紙パルプの含有量が25.0質量%以下であり、上記裏層及び上記裏下層がポリアクリルアミド系の紙力増強剤を含有するとともに、サイズ剤を含有せず、上記裏層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で0.1kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下であり、上記裏下層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で2.0kg/パルプt以上12.0kg/パルプt以下であり、130℃の温度条件下で60秒保持した後の上記裏層の表面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高速で貼合した場合においても中芯と外装用又は内装用ライナとの接着強度が優れるとともに、良好な強度が得られる段ボール用ライナを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る段ボール用ライナは、段ボールの中芯に積層される段ボール用ライナであって、少なくとも表層、裏下層及び裏層を備え、上記裏層が雑誌古紙パルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記裏層の全パルプ成分に対する上記雑誌古紙パルプの含有量が25.0質量%以下であり、上記裏層及び上記裏下層がポリアクリルアミド系の紙力増強剤を含有するとともに、サイズ剤を含有せず、上記裏層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で0.1kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下であり、上記裏下層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で2.0kg/パルプt以上12.0kg/パルプt以下であり、130℃の温度条件下で60秒保持した後の上記裏層の表面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下である。
【0010】
このように、当該段ボール用ライナは少なくとも表層、裏下層及び裏層を備え、記裏層が雑誌古紙パルプ及び段ボール古紙パルプを含有し、上記裏層の全パルプ成分に対する上記雑誌古紙パルプの含有量が25.0質量%以下であり、上記裏層及び裏下層がポリアクリルアミド系の紙力増強剤を含有することで、当該段ボール用ライナの各層の接着強度を担保し、当該段ボール用ライナの強度をより向上できる。
上記裏層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で0.1kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下であり、上記裏下層におけるポリアクリルアミド系の紙力増強剤の含有量が固形分換算で2.0kg/パルプt以上12.0kg/パルプt以下であることで、高速貼合に必要な(水系)貼合糊の浸透性に優れる結果、当該段ボール用ライナの強度を良好にするとともに、当該段ボール用ライナから得られる段ボールシートにおけるライナ及び中芯間で良好な貼合性を得ることができる。また、上記裏層及び裏下層がサイズ剤を含有しないことで、本発明の段ボール用ライナの初期吸水性を高めることが可能となる。これにより、当該段ボール用ライナは、130℃の温度条件下で60秒保持した後の上記裏層の表面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下という貼合糊の浸透性が適度の範囲に調整され、段ボール用ライナから得られる段ボールシートにおけるライナ及び中芯間で良好な貼合性を得ることができる。具体的には、上記裏層の表面の動的浸透性試験における浸透開始から0.5秒後の信号強度が20%以上70%以下であることで、高速貼合に必要な(水系)貼合糊が当該段ボール用ライナの裏面に適度に表面に留まるようになり、強固な貼合が可能となる。
上記信号強度の測定時において、130℃の温度条件下で60秒保持する理由としては、ポリアクリルアミド系の紙力増強剤が凝固及び造膜し、紙力増強剤としての機能が発現するのに必要な時間である。その状態を再現することで段ボールシートの製造工程中でポリアクリルアミド系紙力増強剤の影響をより精度よく把握できることを発明者は知見した。
従って、当該段ボール用ライナは、高速で貼合した場合においても中芯と外装用又は内装用ライナとの接着強度が優れるとともに、良好な強度が得られる。
(【0011】以降は省略されています)

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