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公開番号
2025123839
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019556
出願日
2024-02-13
発明の名称
製紙用2層織物
出願人
日本フエルト株式会社
代理人
弁理士法人大島特許事務所
主分類
D21F
1/10 20060101AFI20250818BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】内部摩耗を抑制しつつ、表面性の悪化も抑制された製紙用2層織物を提供する。
【解決手段】製紙用2層織物1は、製紙面側層2と走行面側層3とを備える。経糸は、それぞれ1対の経自接結糸を含む第1経糸ペア4と第2経糸ペア5とを含む。緯糸は、緯自接結糸を含む緯糸ペア6を含む。完全組織において、第1経糸ペア4は2つの第1経自接結部4cを有し、第2経糸ペア5は1つの第2経自接結部5cを有し、緯糸ペア6は少なくとも1つの緯自接結部6cを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに織り込まれた経糸及び緯糸によって組織が形成された製紙面側層と走行面側層とを備える製紙用2層織物であって、
前記経糸の少なくとも一部は、前記製紙面側層に含まれる前記緯糸及び前記走行面側層に含まれる前記緯糸に織り込まれて前記製紙面側層の組織と前記走行面側層の組織とを形成するとともに、前記製紙面側層及び前記走行面側層を互いに接結する経自接結糸によって構成され、
前記緯糸の少なくとも一部は、前記製紙面側層に含まれる前記経糸及び前記走行面側層に含まれる前記経糸に織り込まれて前記製紙面側層と前記走行面側層の組織を形成するとともに、前記製紙面側層及び前記走行面側層を互いに接結する緯自接結糸によって構成され、
完全組織において、互いに隣接して配置され、互いに協働して前記製紙面側層の組織を形成するように前記緯糸に織り込まれた1対の前記経自接結糸によって構成された経糸ペアが形成されており、
前記経糸ペアは、完全組織において、前記経糸ペアを構成する2本の前記経自接結糸の織物厚さ方向の上下の位置関係が変わる回数が、2回である第1経糸ペアと、1回である第2経糸ペアとを含む、製紙用2層織物。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
経断面方向からみたとき、前記第1経糸ペアによって、前記製紙面側層に含まれる1本の前記緯糸及び前記走行面側層に含まれる1本の前記緯糸のみが囲まれている第1経自接結部が形成され、前記第2経糸ペアによって、前記製紙面側層に含まれる1本の前記緯糸及び前記走行面側層に含まれる1本の前記緯糸のみが囲まれている第2経自接結部が形成されている、請求項1に記載の製紙用2層織物。
【請求項3】
互いに隣接して配置され、互いに協働して前記製紙面側層の組織を形成する2本の前記緯糸からなる緯糸ペアが形成されており、
(i)前記緯糸ペアは、前記製紙面側層に含まれる前記経糸にのみ織り込まれる1本の前記緯糸と1本の前記緯自接結糸とによって構成され、緯断面方向から見たとき、前記緯糸ペアによって前記製紙面側層に含まれる1本の前記経糸のみが囲まれる緯自接結部が形成される、又は、(ii)前記緯糸ペアは、2本の前記緯自接結糸によって構成され、緯断面方向から見たとき、前記緯糸ペアによって、前記製紙面側層に含まれる1本の前記経糸及び前記走行面側層に含まれる1本の前記経糸のみが囲まれている緯自接結部が形成される、請求項2に記載の製紙用2層織物。
【請求項4】
前記緯自接結部は、前記第1経自接結部又は前記第2経自接結部に隣接して配置された、請求項3に記載の製紙用2層織物。
【請求項5】
前記緯自接結部は、前記第1経自接結部又は前記第2経自接結部に経方向に隣接して配置された、請求項4に記載の製紙用2層織物。
【請求項6】
完全組織における前記第1経糸ペア及び/又は前記第2経糸ペアにおいて、1対の前記経自接結糸の一方が前記製紙面側層の前記緯糸を織り込む数は、1対の前記経自接結糸の他方が前記製紙面側層の前記緯糸を織り込む数と異なる、請求項1~5の何れか1項に記載の製紙用2層織物。
【請求項7】
完全組織において、前記経糸の全てが、前記経自接結糸によって構成された、請求項1~5の何れか1項に記載の製紙用2層織物。
【請求項8】
緯方向に互いに隣接する前記第1経自接結部と前記第2経自接結部との間には、経方向において少なくとも4本の前記緯糸が配置されている、請求項2~5の何れか1項に記載の製紙用2層織物。
【請求項9】
完全組織において、前記緯糸ペアの各々に形成された前記緯自接結部は1つである、請求項3~5の何れか1項に記載の製紙用2層織物。
【請求項10】
完全組織において、前記経糸の全てが、前記経自接結糸によって構成され、前記第1経糸ペアと前記第2経糸ペアが交互に配置され、
完全組織において、前記第1経自接結部、前記第2経自接結部及び前記緯自接結部の各々は、互いに経方向及び緯方向に離間して配置された、請求項3に記載の製紙用2層織物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自接結糸を備える製紙用2層織物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【0002】
製紙用2層織物は、抄紙機のワイヤーパートにおいて使用される抄紙用ワイヤー等である。抄紙用ワイヤーは、製造される紙の品質向上や、製造速度の高速化による生産効率向上の要請に応えるため、皺なく蛇行せずに安定して走行する走行安定性、原料液から水をより多く除去する脱水性や通気性、表面の凹凸が転写して紙に残ることを抑制する表面性(紙面性)、目詰まりや粘着成分の付着を抑制する防汚性、摩耗に耐える耐摩耗性、製造される紙の厚さを均一にするため湿紙の厚さを乱さないこと等が求められている。
【0003】
2層織物のワイヤーは、製紙面側層を表面性重視とした構造とし、走行面側層を耐摩耗性重視とした構造とすることにより、両特性を併せ持つ。製紙面側層と走行面側層とは接結糸によって接合される。しかし、接結糸は、製紙面側層及び走行面側層の組織に影響を与えないように、経糸や緯糸に比べて細い糸で構成される。このため、接結糸で2つの層を互いに接結すると、接結力が弱く、2層が互いに動いてしまい、製紙面側層と走行面側層との互いに接する面で摩耗(内部摩耗)が発生し易い。
【0004】
そこで、経糸又は緯糸と同等の太さを有し、少なくとも製紙面側層の組織を形成して、接結糸としても機能する自接結糸が開発された。自接結糸には、緯方向に配置された緯自接結糸と、経方向に配置された経自接結糸とがある。通常、自接結糸は、隣接する自接結糸、又は、接結機能を有さない隣接する上糸(製紙面側層の糸)とペアを形成する。1対の自接結糸がペアを形成する場合、1対の自接結糸は、互いに上下に入れ替わることにより、製紙面側層及び走行面側層の組織を形成しながら、両層を互いに接結する。自接結糸と接結機能を有さない上糸とがペアを形成する場合、例えば、緯自接結糸と接結機能を有さない上緯糸とがペアを形成する場合、ペアを形成する上緯糸は、通常の上緯糸であれば組織を形成するために織り込むべき上経糸を、部分的に織り込まず、緯自接結糸が、その部分の上経糸を織り込み、その前後で下経糸を織り込むことにより、製紙面側層の組織が形成されるとともに両層が互いに接結される。
【0005】
特許文献1には、2つの層を有する製紙機械の布において、経糸(縦糸)又は緯糸(横糸)が自接結糸(バインダー糸)を含み、2種類の自接結糸のペアが互いに異なるパターンで織り込まれることが開示されている。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、接結力を高めるにあたり、経自接結糸の本数を増やすと、表面性が悪化することを課題としている。特許文献2に記載の一部の実施形態は、工業用織物が、走行面側緯糸を織り込まず、製紙面側緯糸のみを織り込んで、製紙面側層を構成する上経糸と、逆に製紙面側緯糸を織り込まず、走行面側緯糸のみを織り込んで、走行面側層を構成する下経糸に加え、経自接結糸(上面側織物及び下面側織物の一部をそれぞれ構成する接結経糸)及び緯自接結糸(上面側経糸及び接結経糸の織り込みパターンに含まれる接結緯糸)の双方を含むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2009-522458号公報
特開2023-16487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
緯自接結糸を使用すると、組織を形成しない細い接結糸を使用した場合に比べて、製紙面側層と走行面側層との接結力は強くなるが、まだ十分ではなく、内部摩耗が発生し易かった。経糸は、製紙用織物が抄紙機に掛け入れされた時、張力がかけられる方向に存在する糸である。このため、経自接結糸を含む製紙用2層織物では、上緯糸及び下緯糸を織り込む経自接結糸に張力がかかるため、上緯糸及び下緯糸が互いに強固に固定される。従って、製紙面側層と走行面側層とが互いに別個に動きにくくなり、内部摩耗が抑制される。しかし、上緯糸及び下緯糸を織り込む経自接結糸に張力がかかると、経自接結糸から上緯糸及び下緯糸に互いに近づく方向に力が加わる。このため、経自接結糸が走行面側層から製紙面側層に移動して再び走行面側層に移動する経自接結部は相対的に凹となり、表面性が悪化した。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑み、内部摩耗を抑制しつつ、表面性の悪化も抑制された製紙用2層織物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲に記載の用語を説明する。「組織」とは、経糸と緯糸との交錯の仕方である。「完全組織」とは、織物の基本となる組織の最小単位のことであり、織物は、完全組織を前後左右に展開して織られる。経糸及び緯糸に関して、製紙面側を「上」と記載し、走行面側を「下」と記載する。1対の糸が「互いに上下で入れ替わる」とは、一方の糸が製紙面側層から走行面側層に移動し、他方の糸が走行面側層から製紙面側層に移動することを意味する。「クリンプ」の多少は、経糸(又は緯糸)が、緯糸(又は経糸)を織り込むパターンにおいて、上糸を織り込む部分(上糸と下糸との間又は下糸の下から、1又は複数本の上糸の上を通って、上糸と下糸との間又は下糸の下に向かう部分)及び下糸を織り込む部分(上糸と下糸との間又は上糸の上から、1又は複数本の下糸の下を通って、上糸と下糸との間又は上糸の上に向かう部分)の数の多少を意味する。「経方向」は、経糸が延在する方向であって、概ね製紙用2層織物の丈方向(機械方向(MD))に相当し、「緯方向」は、緯糸が延在する方向であって、概ね製紙用2層織物の幅方向(交差機械方向(CMD))に相当する。「経断面」は、織物の厚さ方向及び経方向に平行な断面であり、「緯断面」は、織物の厚さ方向及び緯方向に平行な断面である。
(【0011】以降は省略されています)
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