TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025156249
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2025056123
出願日
2025-03-28
発明の名称
印刷用塗工紙
出願人
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D21H
19/38 20060101AFI20251002BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】高光沢、低密度に加え、高インキ乾燥性、高印刷光沢のバランスに優れた印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙の少なくとも片面に顔料塗工層を有する印刷用塗工紙であり、
当該顔料塗工層が、以下の特性を備える:
1)最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層を備える、
2)合計塗工量が17g/m
2
以下である、
3)前記最外顔料塗工層が、白色顔料として平均粒子径0.80μm以下の炭酸カルシウムと、アスペクト比が5.0~80のカオリンとを含有し、かつ接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを顔料100重量部に対して8重量部以上含有する、
印刷用塗工紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料塗工層Aを原紙の少なくとも片面に備える印刷用塗工紙であって、
一面あたりの顔料塗工層Aが以下を備える:
1)最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層を備える、
2)前記最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層の合計塗工量が片面当たり17g/m
2
以下である、
3)前記最外顔料塗工層が、白色顔料として平均粒子径0.80μm以下の炭酸カルシウムと、アスペクト比が5.0~80.0のカオリンとを含有し、かつ接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを顔料100重量部に対して8重量部以上含有する、
印刷用塗工紙。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記カオリンのTAPPI白色度が85~90%である、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
【請求項3】
前記最外顔料塗工層の接着剤は、接着剤の全重量を基準として、0~2.0重量%の澱粉を含む、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
【請求項4】
密度が1.28g/cm
3
以下である、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
【請求項5】
白紙光沢度が65%以上であり、
白色度が80%以上であり、
JIS P 8117に従って測定した王研式透気抵抗度が7000秒以上である、
請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
【請求項6】
前記原紙の上に、前記顔料塗工層Aを設ける工程、および
処理線圧が220kN/m以下の条件で、カレンダー処理を行う工程、
を備える、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は高光沢、低密度、高インキ乾燥性、高印刷光沢のバランスに優れた印刷用塗工紙に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
出版、印刷の分野において、読みやすさや輸送時のエネルギー削減の観点から、紙自体の軽量化が求められている。従来、非塗工紙や微塗工紙などの光沢度の低い紙においては、機械パルプや嵩高剤を使用し、紙を嵩高にして低密度化することで軽量化を達成してきた。このような紙では、嵩高にした原紙を圧縮しないように、低い線圧でカレンダー処理を行うことが一般的であった。一方、塗工紙、特に光沢度の高い塗工紙においては、高い線圧でカレンダー処理を行い、紙表面を平坦化して光沢度を発現させる。したがって、高光沢度と低密度を両立することは困難であった。これに対し、例えば特許文献1には有機顔料を使用することが提案されている。また、特許文献2には、デラミネーテッドグレーを使用し、カレンダー処理を、特定の温度に調整された弾性ロールと金属ロールを用いて行う方法等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-028663号
特開2006-274469号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高光沢、低密度に加え、高インキ乾燥性、高印刷光沢のバランスに優れた印刷用塗工紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、特定の顔料を含む最外塗工層を設けることで、前記課題を解決できることを見出した。すなわち、前記課題は、以下の本発明によって解決される。
態様1
顔料塗工層Aを原紙の少なくとも片面(片面または両面)に備える印刷用塗工紙であって、
一面当たりの顔料塗工層Aが以下を備える:
1)少なくとも最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層を備える、
2)前記最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層の合計塗工量が17g/m
2
以下である、
3)前記最外顔料塗工層が、白色顔料として平均粒子径0.80μm以下の炭酸カルシウムと、アスペクト比が5.0~80.0のカオリンとを含有し、かつ接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを顔料100重量部に対して8重量部以上含有する、
印刷用塗工紙。
態様2
前記カオリンのTAPPI白色度が85~90%である、態様1に記載の印刷用塗工紙。
態様3
前記最外顔料塗工層の接着剤は、接着剤の全重量を基準として、0~2.0重量%の澱粉を含む、態様1または2に記載の印刷用塗工紙。
態様4
密度が1.28g/cm
3
以下である、態様1~3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
態様5
白紙光沢度が65%以上であり、
白色度が80%以上であり、
JIS P 8117に従って測定した王研式透気抵抗度が7000秒以上である、
態様1~4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
態様6
前記原紙の上に、前記顔料塗工層Aを設ける工程、および
処理線圧が220kN/m以下の条件で、カレンダー処理を行う工程、
を備える、態様1~5のいずれかに記載の印刷用塗工紙の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により高光沢、低密度、高インキ乾燥性、高印刷光沢のバランスに優れた印刷用塗工紙を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「~」はその端点を含む。すなわち「X~Y」はXおよびYの値を含む。
【0008】
1.印刷用塗工紙
印刷用塗工紙とは原紙の上に設けられた顔料塗工層を備える印刷用の紙である。顔料塗工層とは白色顔料を主成分とする層である。当該印刷用塗工紙は、原紙の片面に顔料塗工層Aを有する。当該顔料塗工層Aは、次の特性を備える。1)少なくとも最外顔料塗工層および非最外顔料塗工層を備える(すなわち2層以上で構成される)。2)その合計塗工量は片面当たり17g/m
2
以下である。3)最外顔料塗工層が、白色顔料として平均粒子径0.80μm以下の炭酸カルシウムと、アスペクト比が5.0~80.0のカオリンとを含有し、かつ接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを顔料100重量部に対して8重量部以上含有する。印刷用塗工紙は、用紙表面にオフセット印刷、グラビア印刷、オンデマンド印刷(レーザー方式、インクジェット方式、電子写真方式)、などの商業印刷を施すことができ、用途しては、封筒、書籍、雑誌、ポスター、カレンダーなどが挙げられる。顔料塗工層Aは、両面に存在する場合があるが、この場合それぞれの顔料塗工層Aは独立している。したがって、以下、1つ面に存在する顔料塗工層Aについて説明する。例えば、一方の面の顔料塗工層AをA1、他方の面の顔料塗工層AをA2とするとき、以下における接着剤の量等は、A1中の量またはA2中の量を意図しており、A1中の量とA2中の量の平均値を意図していない。
【0009】
(1)最外顔料塗工層
最外顔料塗工層は、原紙から最も遠い位置に存在する顔料塗工層である。
1)顔料
最外顔料塗工層は、白色顔料として平均粒子径0.80μm以下の炭酸カルシウムと、アスペクト比が5.0~80.0のカオリンとを含有する。平均粒子径は、レーザー回折法で測定した体積50%平均粒子径(D50)である。具体的には、Malvern社製、マスターサイザー3000等により測定可能である。前記炭酸カルシウムのD50(屈折率1.57)は、好ましくは0.5~0.75μm、より好ましくは0.55~0.70μmである。前記の粒子径を有する炭酸カルシウムを最外顔料塗工層に含有させることで、光沢発現性に優れた印刷用顔料塗工紙とすることができる。炭酸カルシウムとしては、公知のものを使用でき、例えば、重質炭酸カルシウムまたはパルプ製造工程の苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウム(苛性化軽質炭酸カルシウム、特許5274077号公報参照)を使用できる。
【0010】
カオリンのアスペクト比の下限は、5.0以上であるが、好ましくは5.5以上、より好ましくは5.8以上である。アスペクト比を前記範囲とすることで、カオリンが顔料塗工層中に配向して隙間なく並ぶため、毛細管現象によりインクの吸収性を高くすることができる。また、扁平なカオリンが配向することにより、印刷用塗工紙の光沢度を高くすることができる。アスペクト比の上限は80.0以下であるが、好ましくは60.0以下、より好ましくは40.0、さらに好ましくは10.0以下、特に好ましくは8.0以下である。アスペクト比の上限を前記範囲とすることで、塗工液の増粘が抑制され、高濃度でも塗工適性に優れた塗工液を得ることができるため、その塗工液を塗布した塗工紙は表面強度や白紙面感に優れる。アスペクト比はMASTER SIZER S」の測定値を用いて、紙パルプ技協誌 第65巻 第12号「塗工顔料物性と塗工紙品質の関係についての基礎研究」に記載された計算方法で算出される。カオリンの平均粒子径(D50)は限定されないが、好ましくは0.5~2.0μm、より好ましくは0.8~1.5μmである。カオリンの平均粒子径(D50)も前述のとおり、レーザー回折法で測定される。前記炭酸カルシウムと前記カオリンの配合比(重量比)は、好ましくは30~95:5~70、より好ましくは40~90:10~60である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る