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公開番号2024178548
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023096756
出願日2023-06-13
発明の名称セルロースナノファイバーの製造方法
出願人丸富製紙株式会社
代理人個人,個人
主分類D21H 11/18 20060101AFI20241218BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】製造コストの安い機械的な解繊を実施しても、品質の良いセルロースナノファイバーを製造できる製造方法の提供。
【解決手段】製紙工程で生じて製紙原料として使用可能な損紙を原料として、水とセルラーゼ系酵素剤に合わせて水分散体とした上で、機械的解繊処理工程に供する。その機械的解繊処理工程を、好ましくは、粗解繊工程と、その後の微細化工程に分け、機械的解繊処理工程では、2枚の砥石板によって構成された石臼式摩砕機を用いて実施する。そして、微細化工程では、原料濃度と、砥石板どうしのクリアランスと、砥石板の回転速度を調整パラメータとする。好ましくは、セルラーゼ系酵素剤として、ハーコボンド8922、8988「HERCOBOND(登録商標)」を用いる。ナノサイズからマイクロサイズまでピーク粒径を有して分布し、且つフィブリル化が促進される品質の良いものが得られる。
【選択図】 なし


特許請求の範囲【請求項1】
製紙工程で生じて製紙原料として使用可能な損紙をセルロースナノファイバー原料として、水とセルラーゼ系酵素剤に合わせて水分散体とした上で、機械的解繊処理工程に供することを特徴とするセルロースナノファイバーの製造方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
請求項1に記載したセルロースナノファイバーの製造方法において、
機械的解繊処理工程を、粗解繊工程と、その後の微細化工程に分けることを特徴する製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載したセルロースナノファイバーの製造方法において、
機械的解繊処理工程では、2枚の砥石板によって構成された石臼式摩砕機を用いて実施することを特徴とする製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載したセルロースナノファイバーの製造方法において、
微細化工程では、原料濃度と、砥石板どうしのクリアランスと、砥石板の回転速度を調整パラメータとして、セルロースナノファイバーの粒径を調整することを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載したセルロースナノファイバーの製造方法において、
セルラーゼ系酵素剤として、ハーコボンド8922、8988(「HERCOBOND(登録商標)」を用いることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載したセルロースナノファイバーの製造方法において、
トイレットペーパーロールの製紙工程由来の損紙を用いることを特徴とする製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーの製造方法に係り、特に、製紙工程で発生する損紙を原料とした、品質の良いセルロースナノファイバーの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
セルロースナノファイバーは、セルロースを主成分とする植物繊維を、ナノ(1ナノは10億分の1)メートルサイズまでほぐして微細化した素材である。高強度且つ軽量の他に、高弾性、低熱膨張、高透明性、高吸水性、高粘度保持性、透明性等の複数の特性を有しており、構造材だけでなく、その特性の多様さを生かしたシャンプー、化粧品、トイレットペーパーといった衛生用品や日用品への利用、更には天然素材であることを生かした食品分野での応用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-131725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルロースナノファイバーは、特許文献1に記載のように、セルロースナノファイバーをパルプから製造する方法は既に確立されてはいる。
しかしながら、現在主流となっている製造方法は、TEMPO酸化処理等化学的な処理を利用するものであり、確かに繊維の長さ、すなわち粒径の揃った品質の良いセルロースナノファイバーを製造できるが、製造コストが掛かることから、販売価格が押し上げられて利用の拡大が妨げられている。
一方、現状の機械的な解繊法で製造するとなると、コスト面では引き下げることができるが、粒径がバラバラとなり、品質上問題がある。特に、繊維を長めに揃えたい場合には不満がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、機械的な解繊を実施しても、品質の良いセルロースナノファイバーを製造できる製造方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
セルロースナノファイバーは、粒径が揃っていることが品質の良さの指標になってきたが、本発明者は、少なくとも強度面では、ナノサイズからマイクロサイズまでピーク粒径を有して分布し、且つフィブリル化が促進されることが品質の良さの指標になると考えた。
また、製紙会社では、製紙工程を実施する際には不可避的に損紙が発生しており、未だ印刷等が施されていないものについては、概ね同一工程内を循環・回流させているが、本発明者は、この損紙が既に叩解済みであることに着目した。
これらの知見に基づいて、上記の損紙を原料として使用し、更に工夫を凝らすことで、機械的な解繊を主に利用しても品質の良いセルロースナノファイバーを製造できる製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、製紙工程で生じて製紙原料として使用可能な損紙をセルロースナノファイバー原料として、水とセルラーゼ系酵素剤に合わせて水分散体とした上で、機械的解繊処理工程に供することを特徴とするセルロースナノファイバーの製造方法である。
【0008】
その機械的解繊処理工程を、好ましくは、粗解繊工程と、その後の微細化工程に分ける。
好ましくは、機械的解繊処理工程では、2枚の砥石板によって構成された石臼式摩砕機を用いて実施する。
そして、微細化工程では、原料濃度と、砥石板どうしのクリアランスと、砥石板の回転速度を調整パラメータとして、セルロースナノファイバーの粒径を調整する。
【0009】
好ましくは、セルラーゼ系酵素剤として、ハーコボンド8922、8988「HERCOBOND(登録商標)」を用いる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、製紙会社であれば容易に入手可能な損紙を上手く利用することで、機械的な解繊を主に利用しても、品質の良いセルロースナノファイバーを製造できる。
また、最終的にペースト状で得られるセルロースナノファイバーの濃度やピーク粒径を調整することも容易になっており、用途に応じてカスタマイズできる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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