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公開番号2024151018
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2023064125
出願日2023-04-11
発明の名称印刷用紙
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類D21H 21/28 20060101AFI20241017BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】白色顔料を含有する塗工層を有しない普通紙型の印刷用紙であって、しっとりした光沢感及びシルキータッチ感、並びに印刷文字視認性を備える印刷用紙を提供することである。
【解決手段】課題は、パルプ、填料及び着色剤を少なくとも含有する原紙と、前記原紙をサイズプレス処理を施して表面サイズ剤及び消泡剤を少なくとも含有し、前記着色剤が青色系、紫色系及び黒色系の染料及び顔料から選ばれる一種又は二種以上であり、ISO8254-1:1999に準じて測定した光沢度が10%以上20%以下、及びISO5631:2000に準じて測定した色相のa*値が1.6以上3.1以下及びb*値が-8.5以上-3.5以下である印刷用紙によって達成される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
パルプ、填料及び着色剤を少なくとも含有する原紙と、前記原紙をサイズプレス処理を施して表面サイズ剤及び消泡剤を少なくとも含有し、前記着色剤が青色系、紫色系及び黒色系の染料及び顔料から選ばれる一種又は二種以上であり、ISO8254-1:1999「Paper and board-Measurement of specular gloss-Part-1:75° gloss with a converging beam, TAPPI method」に準拠して測定した光沢度が10%以上20%以下であり、及びISO5631:2000「Paper and board-Determination of colour(C/2°)-Diffuse reflectance method」に準拠して測定した色相のa

値が1.6以上3.1以下及びb

値が-8.5以上-3.5以下である印刷用紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、白色顔料を含有する塗工層を有しない印刷用紙に関する。さらには、デジタル印刷機の一種であるインクジェット印刷機に好適な白色顔料を含有する塗工層を有しない印刷用紙に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
印刷業では、雑誌、書籍、画集、写真集、アート集、美術書、MOOK本、冊子、カタログ、チラシ及びパンフレットなどの商業印刷物が商品になる。商業印刷物の生産に用いる印刷用紙は、光沢紙及びマット紙に限らない。近年の印刷用紙では、光沢感又は艶消し感、平滑感、色相、及び手触り感などにおいて様々な風合いが存在する。
画集、写真集、アート集及び美術書などに代表される高価な商業印刷物には、コレクター性が重視され、厚みのある塗工層を備える高い白色性、高い光沢感及び高い平滑感を有する重厚かつ高価な印刷用塗工紙を使用する。
一方、雑誌、書籍、MOOK本、冊子、カタログ、チラシ及びパンフレットなどの商業印刷物では、用紙コストの削減を目的に、塗工層の塗工量が極めて少ない微塗工紙、非塗工紙又は普通紙型の印刷用紙を採用する場合が増加する傾向にある。
【0003】
例えば、非塗工紙でありながら、塗工層の塗工量が少ない軽量の塗工紙(LWC紙)のような光沢を有する印刷用紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-274517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
厚みのある塗工層を備える高い白色性、高い光沢感及び高い平滑感を有する重厚な印刷用塗工紙は、高価であるばかりではなく視認性に劣るという課題を有する。この理由は、作品に対する優れた画像再現性を得るための高い白色性、高い光沢感及び高い平滑感に起因する。高い白色性、高い光沢感及び高い平滑感を有する印刷用塗工紙は、特に、印刷文字の視認性に劣る。白過ぎ、過剰な光の反射及び散乱、並びに高い平滑を有する商業印刷物は、鮮鋭であるけれど、実用的な視認に難がある。
一方、写真、絵、図柄及び図形と文字とが混在する雑誌、書籍及びMOOK本などの商業印刷物では、実用性が重視される。すなわち、実用性を重視する商業印刷物には、十分な印刷適性を有しながら、視認性に有効であるための白さ、しっとりした光沢感及びシルキータッチ(silky touch)感を有し、並びに用紙コストが低い印刷用紙が必要である。柔らかい光の反射及び散乱をもたらすような軽度の光沢が認められるしっとりした光沢感が、視認性に有効である。
【0006】
本発明の目的は、白色顔料を含有する塗工層を有しない用紙コストが低い印刷用紙であって、十分な印刷適性を有しながら、視認性に有効であるための白さ、しっとりした光沢感及びシルキータッチ感を有する印刷用紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意開発に取り組んだ結果、本発明を見出した。
本発明の目的は、以下により達成できる。
【0008】
[1]パルプ、填料及び着色剤を少なくとも含有する原紙と、前記原紙をサイズプレス処理を施して表面サイズ剤及び消泡剤を少なくとも含有し、前記着色剤が青色系、紫色系及び黒色系の染料及び顔料から選ばれる一種又は二種以上であり、ISO8254-1:1999「Paper and board-Measurement of specular gloss-Part-1:75° gloss with a converging beam, TAPPI method」に準拠して測定した光沢度が10%以上20%以下であり、及びISO5631:2000「Paper and board-Determination of colour(C/2°)-Diffuse reflectance method」に準拠して測定した色相のa

値が1.6以上3.1以下及びb

値が-8.5以上-3.5以下である印刷用紙。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、印刷用紙は、白色顔料を含有する塗工層を有しない用紙コストが低く抑えられた用紙でありながらかつ十分な印刷適性を有する用紙でありながら、視認性に有効であるための白さ、しっとりした光沢感及びシルキータッチ感を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の印刷用紙は、パルプ、填料及び着色剤を少なくとも含有する原紙と、前記原紙をサイズプレス処理を施して表面サイズ剤及び消泡剤を少なくとも含有する。
印刷用紙は、原紙が填料を含有することによって印刷適性のみならず印刷用紙の白色度を良化することができる。印刷用紙は、原紙が着色剤を含有することによって視認性に有効であるための白さ及びしっとりした光沢感を得ることができる。印刷用紙は、サイズプレス処理で表面サイズ剤及び消泡剤を含有することによって、しっとりした光沢感及びシルキータッチ感を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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