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公開番号
2025025303
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129954
出願日
2023-08-09
発明の名称
緩衝材用紙および紙緩衝材
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
D21H
27/00 20060101AFI20250214BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】高湿下においても緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れる緩衝材用紙を提供すること、さらに、前記緩衝材用紙から得られる紙緩衝材を提供すること。
【解決手段】JIS P 8113:2006に準拠して測定される縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値が500mJ/g以上3500mJ/g以下であり、ステキヒトサイズ度の表裏平均値が20秒以上である、緩衝材用紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
JIS P 8113:2006に準拠して測定される縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値が500mJ/g以上3500mJ/g以下であり、
ステキヒトサイズ度の表裏平均値が20秒以上である、
緩衝材用紙。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
縦方向の比引張エネルギー吸収量が400mJ/g以上3500mJ/g以下であり、かつ、横方向の比引張エネルギー吸収量が500mJ/g以上3000mJ/g以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
【請求項3】
厚さが50μm以上250μm以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
【請求項4】
坪量が40g/m
2
以上150g/m
2
以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
【請求項5】
縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値が800mJ/g以上2500mJ/g以下であり、ステキヒトサイズ度が45秒以上である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
【請求項6】
クルパック処理されてなる、請求項1に記載の緩衝材用紙。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の緩衝材用紙を折り曲げてなる、紙緩衝材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材用紙および紙緩衝材に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
梱包用の段ボールケース等のケースの中に商品等の収容物を収納したときに生じるケースと収容物との隙間を埋め、また、輸送の際に生じる収容物に加わる振動・衝撃等を吸収するために、緩衝材が利用されている。
緩衝材として、エアーキャップ、エアークッション、発泡チップなどが使用されてきた。エアーキャップおよびエアークッションは、ポリエチレンなどの樹脂によって形成され、樹脂シートに多数の中空の突起が形成されたものである。発泡チップは、発泡性を有する樹脂により形成された、比較的小サイズの緩衝材であり、ケースと収容物との隙間を埋めるように詰めて使用する。
環境保護の観点から、上述したようなプラスチック製の緩衝材に代わり、紙製の緩衝材(紙緩衝材)が普及しつつある。
【0003】
特許文献1は、従来緩衝材の利点、すなわち、安価に製造することができ、焼却処分時に有害ガスが発生しない等の点から廃棄処分が容易に行え、しかも、不定型であるので汎用性があるといった利点をそのまま有し、さらに、優れた緩衝効果を有する紙製緩衝材およびその製造方法を提供することを目的として、軸線方向に亘ってスリットが形成された中空ドラムの前記スリットから前記中空ドラム内に紙片を供給し、前記紙片の先端を前記中空ドラムの内面に引っ掛け、さらに前記紙片の供給を続けることによって、前記紙片を前記中空ドラム内においてジグザグに折り曲げ、次いで、前記中空ドラム内のジグザグに折り曲げられた前記紙片を、前記中空ドラム内をその軸線方向に沿って移動可能な圧縮板を移動させることによって、前記中空ドラムの端部側から圧縮して丸めることを特徴とする、紙製緩衝材の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4331297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の紙緩衝材の製造方法は、紙片から折り曲げられた紙緩衝材の製造方法について検討されているが、紙緩衝材に使用される緩衝材用紙自体について検討されていない。
本発明は、高湿下においても緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れる緩衝材用紙を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記緩衝材用紙から得られる紙緩衝材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値を特定の範囲とし、さらに、ステキヒトサイズ度の表裏平均値を特定の値以上することにより、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<7>に関する。
<1> JIS P 8113:2006に準拠して測定される縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値が500mJ/g以上3500mJ/g以下であり、ステキヒトサイズ度の表裏平均値が20秒以上である、緩衝材用紙。
<2> 縦方向の比引張エネルギー吸収量が400mJ/g以上3500mJ/g以下であり、かつ、横方向の比引張エネルギー吸収量が500mJ/g以上3000mJ/g以下である、<1>に記載の緩衝材用紙。
<3> 厚さが50μm以上250μm以下である、<1>または<2>に記載の緩衝材用紙。
<4> 坪量が40g/m
2
以上150g/m
2
以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<5> 縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値が800mJ/g以上2500mJ/g以下であり、ステキヒトサイズ度が45秒以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<6> クルパック処理されてなる、<1>~<5>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<7> <1>~<6>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙を折り曲げてなる、紙緩衝材。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高湿下においても緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れる緩衝材用紙が提供される。さらに、本発明によれば、前記緩衝材用紙から得られる紙緩衝材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例で使用した緩衝性を評価した装置を示す図である。
実施例で使用した折り曲げ加工性を評価した装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[緩衝材用紙]
本実施形態の緩衝材用紙は、JIS P 8113:2006に準拠して測定される縦方向の比引張エネルギー吸収量と横方向の比引張エネルギー吸収量との相乗平均値(以下、比引張エネルギー吸収量の平均値ともいう)が500mJ/g以上3500mJ/g以下であり、ステキヒトサイズ度の表裏平均値が20秒以上である。
本実施形態の緩衝材用紙によれば、高湿下においても緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れる緩衝材用紙が提供される。
夏場や梅雨の時期などの高湿環境下や、冷蔵、冷凍保存される際に発生する結露によって緩衝材用紙の強度が低下し、結果として紙緩衝材の緩衝性能が低下するという問題があった。すなわち、本発明者らは、高湿環境下では、緩衝材用紙が柔らかくなり、強度が低下する結果、緩衝性が低下するという問題があることを見出した。
本実施形態の緩衝材用紙において、緩衝材用紙のステキヒトサイズ度の表裏平均値を20秒以上とすることにより、高湿時においても緩衝性の低下が抑制されると考えられる。さらに、比引張エネルギー吸収量の平均値が大きいほど、緩衝性に優れる傾向あるが、折り曲げ加工性が低下する傾向にある。比引張エネルギー吸収量の平均値を特定の範囲とすることによって、緩衝性と折り曲げ加工性の双方に優れた緩衝材用紙が得られたと考えられる。
なお、上記の効果が得られる理由は、これに限定されるものではない。
また、本実施形態の緩衝材用紙によれば、従来のプラスチックから形成された緩衝材に比べ、パルプを主体とする紙により形成されており、環境負荷が低減される。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0010】
本明細書中、「X~Y」で表される数値範囲は、Xを下限値、Yを上限値として含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。
また、緩衝材用紙の縦方向とは、抄紙方向(MD)を意味し、また、横方向とは、抄紙方向と直交する方向(CD)を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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