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公開番号2025013902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-28
出願番号2024184979,2022504633
出願日2024-10-21,2020-01-30
発明の名称酸性化合物による腐食又は汚れを低減または防止する方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C10G 19/02 20060101AFI20250121BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】化学プロセスを実施するための装置における腐食またはファウリングを低減または防止するための方法を提供する。
【解決手段】腐食またはファウリングは、化学プロセス中に存在する酸性化合物によって引き起こされ、式(I)の第4級水酸化アンモニウムの少なくとも1つを化学プロセスが実行される装置に添加する方法。
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式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立してC1-C10アルキル基であり、R4は、とりわけ、C1~C18アルキル、ベンジル、5、6、7または8個の炭素原子を有するモノシクロアルキル、6から8個の炭素原子を有するビシクロアルキル、7から10個の炭素原子を有するトリシクロアルキルからなる群から選択される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
化学プロセスを実施するための装置における腐食またはファウリングを低減または防止するための方法であって、腐食またはファウリングは、化学プロセス中に存在する酸性化合物によって引き起こされ、式(I)の第4級水酸化アンモニウムの少なくとも1つを化学プロセスが実行される装置に添加する方法。
TIFF
2025013902000018.tif
34
140
式中、R

、R

、R

はそれぞれ独立してC

-C
10
アルキル基であり、


は、C

-C
18
アルキル、ベンジル、5、6、7または8個の炭素原子を有するモノシクロアルキル、6から8個の炭素原子を有するビシクロアルキル、7から10個の炭素原子を有するトリシクロアルキルからなる群から選択される。ここで、モノシクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキルは、非置換または1または2個のメチル基、および式R
4a
およびR
4b
の基で置換されている。
TIFF
2025013902000019.tif
39
140
式中、AはC

-C

アルカンジイル、
A’はC

-C

アルカンジイル、

11
、R
12
、R
13
、R
21
、R
22
はそれぞれ独立してC

-C

アルキルである。


およびR

は、窒素原子とともに、非置換であるか、1または2個のメチル基を有する、5または6員の飽和窒素複素環を形成してもよい。


およびR

は、窒素原子とともに、非置換であるか、1または2個のメチル基を有する、5または6員の飽和窒素複素環を形成してもよい。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
式(I)において、


、R

、R

はそれぞれ独立してC

-C

アルキル、


はC

-C
18
アルキルであり、


およびR

は、窒素原子とともに、非置換であるか、1または2個のメチル基を有する、5または6員の飽和窒素複素環を形成してもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)において、


、R

、R

はそれぞれ独立してC

-C

アルキル、


はC

-C

アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)の化合物が、アダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、5-アゾニア-スピロ[4.4]ノナンヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサメトニウムヒドロキシドおよびN,N-ジメチルピロリジニウムヒドロキシドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(I)の化合物が、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-プロピルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシドからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
化学プロセスに存在する酸性化合物が、塩化水素、フッ化水素または臭化水素などのハロゲン化水素、硫化水素、シアン化水素、チオシアン酸、硫酸、SO

、SO

、窒素酸化物、CO

、炭酸、有機カルボン酸、酸性リン化合物および酸性アンモニウム塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
化学プロセスに存在する酸性化合物が、ハロゲン化アンモニウム、硫化水素アンモニウム、硫化アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび炭素原子数が1から10のカルボン酸のアンモニウム塩などの酸性アンモニウム塩、およびリン酸、酸性リン酸塩、ポリリン酸および酸性ポリリン酸塩から選択される酸性リン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの酸性化合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
化学プロセスが原油精製プロセスまたは石油化学プロセスである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式(I)の化合物を、原油大気蒸留装置、原油減圧蒸留装置、ビスブレーカー装置、遅延コーカー装置、流動接触分解装置、改質装置、水素化分解装置、アルカノールアミン装置、スルフィノール装置および水素化脱硫装置から選ばれる少なくとも一つの装置に添加する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
化学プロセスが蒸気発生プロセスである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば石油化学プロセスなどの化学プロセスで存在または形成される、酸、例えば、塩化水素、または酸性アンモニウム塩、例えば、塩化アンモニウムなどの酸性化合物によって引き起こされる腐食またはファウリングを低減または防止するための方法に関する。この方法は、この化学プロセスを実行するために使用される装置に、本発明の第4級水酸化アンモニウムの少なくとも1つを添加するステップを含む。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
腐食とファウリングは、プロセス機器の劣化につながり、経済的損失と健康および環境の危険につながるため、化学製品製造施設、特に原油精製所や石油化学プラントなどの原油処理プラントで深刻な問題である。腐食と汚れの主な原因は、アンモニウム塩、例えば、有機および無機系のハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウムまたは硫酸水素アンモニウムである。それらは、気体、固体、または溶解した形で腐食作用があり、さまざまなシステム構成要素で水圧または熱障害を引き起こす可能性のある堆積物の蓄積に寄与する可能性があるためである。アンモニウム塩は通常、原油などの供給原料の一部としてプロセスに導入されるが、化学プロセス中に形成されることもある。さらに、原油精製プラント、石油化学プラント、およびその他の化学施設の腐食は、プロセスの過程で生成される特に塩化水素などの酸性化合物に起因する可能性がある。例えば、原油蒸留装置において、塩化水素は、装置に供給される脱塩された原油中にまだ存在する塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムの加水分解を介して形成され得る。
【0003】
米国特許第7,279,089号および米国特許第8,177,962号は、塩化アンモニウムまたは塩化水素などの酸性成分をそれぞれのプロセスユニットに導入される水酸化コリンで中和することによって石油化学プロセスにおける腐食およびファウリングを防止する方法を記載している。水酸化コリンは、これまでそのような用途に一般的に使用されてきたアンモニアや他のアミンよりも有利な特性を持っていると言われている。まず第一に、水酸化コリンははるかに塩基性であるため、より低いモル投与量とより効果的なpH制御を可能にする。さらに、そのより高い塩基性のために、水酸化コリンは酸性化合物と反応して、水溶液がより高いpH値を有する塩を形成する。このようにして、中和塩によって引き起こされる二次腐食のリスクが大幅に低減される。さらに、水酸化コリンの前記中和塩は、強い吸湿性であり、したがって、微量の水分さえも吸収して流動性の溶液を容易に形成することができ、当該塩をプロセス流から容易に除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第7,279,089号 明細書
米国特許第8,177,962号 明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただし、ファウリングと腐食を軽減するために水酸化コリンを使用すると、いくつかの欠点も伴う。第一に、水酸化コリンの水溶液は、180℃を超える温度での熱安定性が制限されており、さらに長期間の保管中に不快な臭いや変色を発生する。
【0006】
腐食およびファウリングの防止および制御の分野で進歩が見られたにもかかわらず、化学プロセス、特に高温が発生する化学プロセスにおける腐食およびファウリングと戦うための効果的で経済的に実行可能な方法が依然として必要とされている。したがって、本発明の目的は、特別な特徴において、腐食およびファウリングを軽減するために水酸化コリンを使用する前述の従来技術の手順のすべての利点と共に、これらの手順の制限を回避する方法を提供することである。したがって、この方法で使用される腐食およびファウリングの低減または防止化合物、ならびにその水溶液は、十分な熱および貯蔵安定性を有し、特に、重大な分解を受けることなく、180℃をはるかに超える温度に耐える必要がある。このような温度は、例えば、水素化脱硫プラントなどの製油所および石油化学システムの一部の流体またはガス流で一般的である。前記化合物は、さらに、水酸化コリンと比較して、改善された塩基性およびアンモニウム塩を溶解する優れた能力を有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、以下で詳細に説明する方法によって達成される。
本発明は、化学プロセスを実施するための装置における腐食またはファウリングを低減または防止するための方法であって、腐食またはファウリングは、化学プロセス中に存在
する酸性化合物によって引き起こされ、式(I)の第4級水酸化アンモニウムの少なくとも1つを化学プロセスが実行される装置に添加する方法に関する。
TIFF
2025013902000002.tif
34
140
式中、R

、R

、R

はそれぞれ独立してC

-C
10
アルキル基であり、


は、C

-C
18
アルキル、ベンジル、5、6、7または8個の炭素原子を有するモノシクロアルキル、6から8個の炭素原子を有するビシクロアルキル、7から10個の炭素原子を有するトリシクロアルキルからなる群から選択される。ここで、モノシクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキルは、非置換または1または2個のメチル基、および式R
4a
およびR
4b
の基で置換されている。
TIFF
2025013902000003.tif
39
140
式中、AはC

-C

アルカンジイル、
A’はC

-C

アルカンジイル、そして、

11
、R
12
、R
13
、R
21
、R
22
はそれぞれ独立してC

-C

アルキルである。


およびR

は、窒素原子とともに、非置換であるか、1または2個のメチル基を有する、5または6員の飽和窒素複素環を形成してもよい。
及び/又は


およびR

は、窒素原子とともに、非置換であるか、1または2個のメチル基を有する、5または6員の飽和窒素複素環を形成してもよい。
【0008】
本発明はさらに、腐食またはファウリングが化学プロセス中に存在する酸性化合物によって引き起こされる、化学プロセスを実行するための装置における腐食またはファウリングを低減または防止するための、式(I)の第4級水酸化アンモニウムの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例10の条件下で形成されたDEDMA-Cl熱分解生成物の GC/MS部分クロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の文脈において、本明細書で一般的に使用される用語および句は、以下のように定義される。
接頭辞「C

-C

」は、特定の場合に可能な炭素原子の数を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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