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公開番号2025017457
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120484
出願日2023-07-25
発明の名称バイオマスエネルギー変換システム及びバイオマスエネルギー変換方法
出願人アキシオン株式会社
代理人個人
主分類C10B 53/02 20060101AFI20250130BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】
二酸化炭素排出量を削減しつつ安定したフルボ酸鉄を含む腐植液を生物に効率的に届けるバイオマスエネルギー変換システム及びバイオマスエネルギー変換方法の提供。
【解決手段】
バイオマスエネルギー変換システムは、バイオマス原料を炭化させて原料を製造し乾留ガス32から不純物を除去して木酢液11を抽出するバイオ炭製造部3と、原料を高炉に用いる製鉄部6と、製鉄部6から排出される排気ガスから二酸化炭素30を抽出する気体抽出部と、木酢液11に有機物40を漬け込むことにより腐植液12を生成する第1生成部41と、二酸化炭素30を腐植液12に溶解させ気体含有腐植液13を生成する第2生成部42と、製鉄部6により生成される鉄鋼スラグ61を気体含有腐植液13に浸し鉄含有腐植液14を生成する第3生成部43と、を有する腐植液生成部と、から構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマス原料を炭化させて原料を製造し、乾留ガスから不純物を除去して木酢液を抽出する原料製造部と、
前記原料製造部から製造された原料を高炉又は転炉に用い、鉄含有物質を得る製鉄部と、
前記原料製造部又は前記製鉄部の少なくとも一方から排出される排気ガスから二酸化炭素を含む特定気体を抽出する気体抽出部と、
前記木酢液に有機物を漬け込むことによりフルボ酸を含む腐植液を生成する第1生成部と、前記気体抽出部から抽出された前記特定気体を前記腐植液に溶解させ気体含有腐植液を生成する第2生成部と、前記鉄含有物質を前記気体含有腐植液に浸し鉄含有腐植液を生成する第3生成部と、を有する腐植液生成部と、から構成されるバイオマスエネルギー変換システム。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記原料製造部は、前記バイオマス原料を圧縮することによりバイオコークスとするコークス製造部をさらに有し、
前記製鉄部は、前記バイオコークスを原料とすることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスエネルギー変換システム。
【請求項3】
前記第3生成部は、前記気体含有腐植液を収容するタンクと、前記タンク内に配置された網目状の保持部と、を有し、
前記保持部に前記鉄含有物質を配置し前記タンク内の前記気体含有腐植液に浸すことにより鉄含有腐植液を生成することを特徴とする請求項1に記載のバイオマスエネルギー変換システム。
【請求項4】
前記第3生成部によって生成された前記鉄含有腐植液のpH値を調整するpH調整部をさらに有し、
前記pH調整部は、前記鉄含有腐植液を供給する飼育部の環境に基づいて前記鉄含有腐植液のpH値を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバイオマスエネルギー変換システム。
【請求項5】
熱分解炉でバイオマス原料を炭化させて原料を製造し乾留ガスを得る工程と、
前記乾留ガスから不純物を除去して木酢液を抽出する工程と、
前記原料を製鉄の高炉に用いて鉄含有物質を得る工程と、
前記高炉又は前記熱分解炉の少なくとも一方から排出される排気ガスから二酸化炭素を含む特定気体を抽出する工程と、
前記木酢液に有機物を漬け込むことによりフルボ酸を含む腐植液を生成する工程と、
前記特定気体を前記腐植液に溶解させ気体含有腐植液を生成する工程と、
前記鉄含有物質を前記気体含有腐植液に浸し鉄含有腐植液を生成する工程と、から構成されるバイオマスエネルギー変換方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はバイオマスエネルギー変換システム及びバイオマスエネルギー変換方法に関し、特にフルボ酸を含む腐植液を用いたバイオマスエネルギー変換システム及びバイオマスエネルギー変換方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自然界では落葉や倒木などの植物が蓄積され、微生物や菌類が関与する発酵分解作用の腐熟によって腐植質が生成される。腐植質は、アルカリや酸によって分画され、アルカリ可溶、酸可溶の画分がフルボ酸と呼ばれる。フルボ酸にはカルボキシル基という強いキレート作用をもった錯化剤が多く存在し、これが土中の無酸素状態の中で水に溶けている鉄(イオン化されている二価鉄)と結びついてフルボ酸と二価の鉄イオンがキレート化した水溶性物質であるフルボ酸鉄となり、鉄含有腐植物質を生成する。鉄含有腐植物質から溶出したフルボ酸鉄は、河川によって海に運ばれ、植物プランクトンや海藻の生育に寄与する。
【0003】
フルボ酸鉄は、自然界において腐植質の存在と二価の鉄イオンとの結合によって生成されるが、偶然性に支配される要素が大きいため地域によっては不足しており、河川のヘドロ化や海洋資源の荒廃の原因と考えられている。フルボ酸鉄を海中で人為的に生成させることも試みられているが、環境改善のためには膨大な量の二価の鉄イオンが必要となり困難な状況となっている。特許文献1及び特許文献2では、フルボ酸鉄を含有する腐植質を製造するために、鉄又は鉄を含む物質を有機廃棄物の発酵分解工程で添加し、人工的なフルボ酸鉄含有腐植質を製造している。
【0004】
また、近年SDGs等による環境意識の高まりから、地球温暖化ガスの二酸化炭素排出量を削減する取り組みがなされている。我が国においても、段階的なカーボンニュートラルの目標として2030年までに二酸化炭素排出量を46%削減する目標が設定されているが、鉄鋼業界においては国内二酸化炭素排出量の15%を占めており、産業界における二酸化炭素排出量の約40%を占めている。これは、化石燃料に頼った高炉や転炉の運転、及び鉄鋼を作る際の化学反応によって発生する二酸化炭素に起因している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-254450号公報
特許第5864811号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、腐植質によって光合成生物が摂取可能な二価の鉄イオンが溶出されたとしても、二価の鉄イオンは水中の酸素によって酸化され易く、三価の鉄イオンとなって即座に固体鉄として沈降し、生物が摂取することが不可能となる。したがって、従来の技術では二価の鉄イオンの生物への供給は効率的と言い難い。水域環境又は土壌環境に鉄分を供給するのであれば、二価の鉄イオンが酸化されにくい状態で供給することが好ましいが、従来のフルボ酸鉄含有腐植質で生成された二価の鉄イオンは酸化されにくい状態とは言い難かった。
【0007】
また、鉄鋼業界における二酸化炭素排出量を削減するために、高炉の石炭の一部を水素又はメタンに代替するといった取り組みが行われているが、実証段階にも至っておらず試験的な段階である。このような背景から、新たな二酸化炭素排出量の削減策が求められていた。
【0008】
そこで本発明は、二酸化炭素排出量を削減しつつ安定したフルボ酸鉄を含む腐植液を生物に効率的に届けるバイオマスエネルギー変換システム及びバイオマスエネルギー変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、バイオマス原料を炭化させて原料を製造し、乾留ガスから不純物を除去して木酢液を抽出する原料製造部と、前記原料製造部から製造された原料を高炉又は転炉に用いて鉄含有物質を得る製鉄部と、前記原料製造部又は前記製鉄部の少なくとも一方から排出される排気ガスから二酸化炭素を含む特定気体を抽出する気体抽出部と、前記木酢液に有機物を漬け込むことによりフルボ酸を含む腐植液を生成する第1生成部と、前記気体抽出部から抽出された前記特定気体を前記腐植液に溶解させ気体含有腐植液を生成する第2生成部と、前記鉄含有物質を前記気体含有腐植液に浸し鉄含有腐植液を生成する第3生成部と、を有する腐植液生成部と、から構成されるバイオマスエネルギー変換システムを提供している。
【0010】
また、前記原料製造部は、前記バイオマス原料を圧縮することによりバイオコークスとするコークス製造部をさらに有し、前記製鉄部は、前記バイオコークスを原料とすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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