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公開番号
2025016822
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023119536
出願日
2023-07-24
発明の名称
有機高分子材料熱分解残渣の炭化方法
出願人
群馬県
,
三峰工業株式会社
代理人
主分類
C10B
53/00 20060101AFI20250129BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】プラスチック、ゴム、木質系廃棄物のケミカルリサイクルにより発生する残渣炭化物について、臭いが少なく高品質な残渣炭化物を生成可能な方法を提供する。
【解決手段】本発明ではプラスチック、ゴム、木質系材料といった熱分解対象物を熱分解して油化物や分解生成ガスを分離した後、熱処理炉内に残存した残渣を減圧もしくは不活性ガス雰囲気下、350℃以上1100℃以下の温度域で30分以上80分以下の時間熱処理する。これにより、残渣に付着している油化物を除去できるために匂いが少なく、また、残渣の化学構造中に含まれる酸素や水素も除去されるため、酸素/炭素比や水素/炭素比の小さい高品質な炭化物に変換できる。このようにして得られた熱処理後の残渣は発熱量の高い固形燃料や炭素材料としてリサイクルできるようになる。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
熱処理炉内に熱分解対象物を配置して、前記熱処理炉内を不活性ガスで置換する工程と、
前記置換する工程に続き、不活性ガスを導入しながら前記熱処理炉内を加熱することにより、前記熱分解対象物を350℃以上~600℃以下の温度域で30分以上~90分以下の時間で熱分解させる工程と、
前記熱分解させる工程の後、不活性ガスを導入しながら前記熱分解対象物の残渣を500℃以上~1100℃以下の温度域で15分以上~80分以下の時間の熱処理する工程と、
前記熱処理する工程を経て、酸素と炭素の物質量比O/Cと水素と炭素の物質量比H/Cとに優れた残渣炭化物の生成方法。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
熱処理炉内に熱分解対象物を配置して、真空排気により前記熱処理炉内の空気を除去する工程と、
前記空気除去する工程に続き、不活性ガスを導入しながら前記熱処理炉内を加熱することにより、前記熱分解対象物を350℃以上~600℃以下の温度域で30分以上~90分以下の時間で熱分解させる工程と、
前記熱分解の工程の後、不活性ガスを導入しながら前記熱分解対象物の残渣を500℃以上~1100℃以下の温度域で15分以上~80分以下の時間の熱処理する工程と
前記熱処理する工程を経て、酸素と炭素の物質量比O/Cと水素と炭素の物質量比H/Cとに優れた残渣炭化物を生成する方法。
【請求項3】
熱処理炉内に熱分解対象物を配置して、前記熱処理炉内を不活性ガスで置換する工程と、
前記置換する工程に続き、不活性ガスを導入しながら前記熱処理炉内を加熱することにより、前記熱分解対象物を350℃以上~600℃以下の温度域で30分以上~90分以下の時間で熱分解させる工程と、
前記熱分解させる工程の後、前記熱処理炉内を真空排気しながら前記熱分解対象物の残渣を500℃以上1100℃以下の温度域で15分以上~80分以下の時間の熱処理する工程と、
前記熱処理する工程を経て、酸素と炭素の物質量比O/Cと水素と炭素の物質量比H/Cとに優れた残渣炭化物を生成する方法。
【請求項4】
熱処理炉内に熱分解対象物を配置して、真空排気により前記熱処理炉内の空気を除去する工程と、
この工程に続き、不活性ガスを導入しながら前記熱処理炉内を加熱することにより、前記熱分解対象物を350℃以上~600℃以下の温度域で30分以上~90分以下の時間で熱分解させる工程と、
この工程の後、前記熱処理炉内を真空排気しながら前記熱分解対象物の残渣を500℃以上~1100℃以下の温度域で15分以上~80分以下の時間の熱処理する工程と、
前記熱処理する工程を経て、酸素と炭素の物質量比O/Cと水素と炭素の物質量比H/Cとに優れた残渣炭化物を生成する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂、ゴム、木質材料といった有機高分子材料から油化物や分解生成ガスを分離した後に残存する残渣から炭化物を得る方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック、ゴムおよび木質系の廃棄物(以下、プラスチック廃棄物、ゴム廃棄物および木質系廃棄物と呼称する。)は主に焼却もしくは埋め立てにより処分されてきた。しかし、焼却処分の場合には、大量の化石燃料の消費、不完全燃焼によるダイオキシンをはじめとした様々な有毒物質の発生、さらには腐食性ガス発生に伴う焼却炉の劣化といった課題がある。また、埋立処分する場合でも特にプラスチック廃棄物やゴム廃棄物は、長期間にわたり土壌中に残存し、土壌汚染の原因となること、また微細化したプラスチック廃棄物やゴム廃棄物が海洋や河川に流出し、生態系を破壊することが問題となっている。
【0003】
このため、廃棄物の削減や化石燃料使用量の削減を目的としてプラスチック廃棄物、ゴム廃棄物および木質系廃棄物をリサイクルするための技術開発が行われている。主なリサイクル方法としては洗浄後に加熱溶融や圧縮してペレットやフレークなどの形状として再度成形に供するマテリアルリサイクル、低酸素環境下で熱分解することで得られた油化物や分解生成ガスを燃料や化成品原料として使用するケミカルリサイクル、さらには空気や酸素存在下で燃焼し、その際に発生する熱エネルギーを利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0004】
これらの手法のうち、ケミカルリサイクルはプラスチック廃棄物、ゴム廃棄物および木質系廃棄物といった有機高分子材料のいずれにも適用できること、化石燃料の節約に繋がること、他のリサイクル方法と比較して二酸化炭素発生抑制効果が高いことといったメリットがある。このケミカルリサイクルの例としてプラスチック廃棄物、ゴム廃棄物および木質系廃棄物を熱分解して得られる油化物や分解生成ガスを有効利用するような報告例が多い。しかし、実際にはこれらの有機高分子材料(以下、熱分解対象物と、呼称する。)からは油化物や分解生成ガスを取り出した後の残り物として、残渣がある。
【0005】
この残渣については油化物や分解生成ガスに比べてリサイクルに関する研究例が少なく、現状では産業廃棄物として廃棄されることが多い。これは、残渣には油化物が染み込んでおり、燃料臭が強く取り扱いにくいからであり、また、酸素や水素が多く含まれ、炭素材料や固体燃料として利用できないことが原因と考えられる。
【0006】
このため、例えば特許文献1にはプラスチックを熱分解して油化物や分解生成ガスを除いた後に、残存する残渣を700℃以上で熱処理する。なお、プラスチックの熱分解はアルカリ共存下で行い、さらに残渣の熱処理前には残渣の水洗を行う。このように残渣を熱処理することにより、炭素割合を高めることができ、練炭などの固体燃料や炭素材料としての利用が期待されている。また、残渣に含まれる油化物は残渣の熱処理工程で揮発するため、残渣の燃料臭も軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平9-78070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の方法では、残渣の熱分解中に熱分解槽に空気が混入する懸念が大いにある。熱処理炉内に空気が混入すると、残渣のO/C比が増大するため、固体燃料や炭素材料としての品質が低下する。また残渣や、残渣に含まれる油化物が酸素と反応することで二酸化炭素だけでなく酢酸やアセトンといった刺激臭を有する酸素含有化合物も生成する。さらに、残渣が燃焼すると水も生成するため、この水分が残渣の熱処理の前工程で分離した油化物に混入した場合には、油化物の燃料や化成品原料としての品質も低下することになる。
【0009】
そこで、本発明は上述のような課題を解決するために、プラスチックなどの熱分解対象物から油化物や分解生成ガスなどを取り出し、継続して高品質な残渣炭化物を生成する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成させることが可能な手段1では、以下の構成が好ましい。
まずは、熱処理炉1内の加熱容器の底面上に熱分解対象物を配置し、前述の熱処理炉の容器内を不活性ガスで置換する。このように不活性ガスを導入しながら前述の熱処理炉内1の容器を、例えば熱処理炉の外周に設置された例えばヒーター14などの加熱源で、加熱する。加熱は前述の熱分解対象物を350℃以上~600℃以下の温度域で30分以上~90分以下の時間の範囲で行う。このような加熱で前述の熱分解対象物3の熱分解を行う。この熱分解により、油化物や分解生成ガスを取り出すことが可能になる。これら油化物や分解生成ガスを排出口4、6から取り出すことにより、残渣13が残る。その後、継続して不活性ガス12を導入しながら残渣13を、さらに500℃以上~1100℃以下の温度域で15分以上~80分以下の時間の熱処理をする工程を通じて、酸素と炭素の物質量比O/Cと水素と炭素の物質量比H/Cとに優れた高品質な炭化物を得られるようにした残渣炭化物を生成する方法である。
(【0011】以降は省略されています)
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