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公開番号
2025072687
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-12
出願番号
2023182885
出願日
2023-10-25
発明の名称
塊状割りガラスの剥離装置
出願人
群馬県
,
有限会社須田工業
代理人
主分類
B09B
3/30 20220101AFI20250501BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】塊状割りガラスの引き剥がし効果を高め、効率よく剥離し、塊状のガラス片のみを回収することが可能な塊状割りガラスの剥離装置を提供する。
【解決手段】塊状にヒビ割られた状態の塊状割りガラス104を有するパネルアセンブリ101をガラス面側から加熱し接着している封止材105Aを軟化させるとともに、バックシート103側に設けた冷却器610により封止材105Bと太陽電池セル102を冷却しバックシート103に固着することで駆動ローラ21に巻き付けたパネルアセンブリ101のガラス塊104aを剥離ローラ22の突起(掻落し刃)22aを押しあて、駆動ローラ21の基準外周速度V0より早い外周速度V1で回転させ、ガラス塊104aだけを樹脂シート107から引き剥がすようにした。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
板状ガラスと太陽電池セルとが接着剤で貼り付けられており、更に前記太陽電池セルと樹脂製のバックシートとが接着剤で貼り付けられており、前記板状ガラスが塊状にヒビ割られた状態となった塊状割りガラスを有する廃物で、前記廃物の前記塊状割りガラスを前記太陽電池セルと前記バックシートから剥離する剥離装置であって、
前記塊状割りガラスを、ガラス面側から加熱し、前記廃物の横幅の長さを覆うように配設されたヒータユニットと、
前記廃物の横幅の長さを覆うように前記バックシート側に配設された少なくとも1つの冷却器と、
前記ヒータユニットの下流に、前記廃物を挟み回転駆動により搬送するために配設された少なくとも一対の送込みローラ及び第1のピンチローラと、
前記廃物の前記塊状割りガラスの割れ目を開くように、前記バックシート面を沿わせて送る方向を変更させる、前記廃物の横幅より長い円柱若しくは円筒状で、動力回転する駆動ローラと、
該駆動ローラの回転する外周面に沿って前記バックシートが接触する巻き付け始点から排出する巻き付け終点の巻付け角の範囲内に、前記廃物の横幅を実質的に覆うように全周面に間欠的に突起が突設され、円柱若しくは円筒状で、前記駆動ローラの線速度より早い線速度で動力回転する剥離ローラと、
前記バックシートの横幅全面を覆う長さで配設された少なくとも一対の排出ローラ及び第2のピンチローラと、
を具備する塊状割りガラスの剥離装置。
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【請求項2】
前記冷却器は、前記廃物を挟んで前記ヒータユニットと対向する位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項3】
前記冷却器は、前記バックシートと当接する少なくとも前記送込みローラ又は、前記駆動ローラに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項4】
前記剥離ローラの近傍の上流で、前記送込みローラと前記第1のピンチローラの挟持部と前記駆動ローラと前記剥離ローラの挟持部との間に前記ガラス面側から前記廃物の横幅にわたる範囲で加熱する補助ヒータを備えたことを特徴とする請求項1に記載の塊状割りガラスの剥離装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のバックシートに接着された太陽電池セルから塊状割りガラスを剥離する剥離装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温暖化への対策として再生可能エネルギーの利用が進められている。その一つとして太陽光発電が、温室効果ガスの排出削減につながる発電方法として普及している。一方、これまでに導入された太陽光発電パネルには耐用年数に達して廃棄されたり、施工中の事故や投石により破損したりしたものがある。今後これまでに普及した数量に応じた太陽光発電パネルが廃棄されることになる(非特許文献1参照)。また近年増加している大規模自然災害などによっても大量の太陽光発電パネルの破損が生じている。このように今後大量に廃棄される太陽光発電パネルについて、リサイクルすることが可能で、資源を有効に再利用できるように、特にガラスを分離・回収する剥離装置が求められている。
【0003】
上述のような太陽光発電パネル100は、図15に示すように、物理的、化学的特性の異なる複数の材料から構成されている。アルミのフレーム108、カバーガラス104、太陽電池セル102、配線材106、封止材105A、封止材105B、裏面保護材である樹脂製のバックシート103から構成されている。大きさは、種々の大きさのものがあり、例えば、縦幅1990mm×横幅990mm×厚み35mmなどがある。この明細書では、カバーガラス104以外の封止材105A、太陽電池セル102、配線材106、封止材105B、裏面保護材であるバックシート103を含めて「樹脂シート」107と簡略表現する場合がある。アルミのフレーム108を外すと、カバーガラス104の厚み3~6mm、樹脂シート107に相当する厚みは1~2mm程度である。これらの材料のうち、カバーガラス104を再生利用するためには樹脂シート107からカバーガラス104のみを分離する必要がある。このように太陽光発電パネルは、特にEVA(ethylene-vinylacetate copolymer)樹脂などの接着剤でもある封止材(樹脂層)105A、105Bで太陽電池セル102を両面側から包む構成で、カバーガラス104は封止材105Aにより強固に接着されている。
【0004】
提案された一つに特許文献1がある。この特許文献1に記載されるガラス分離装置は、太陽光発電パネルの樹脂シート107からカバーガラス104を分離することを提案している。詳しく説明すると、アルミのフレーム108を取り外した後の樹脂シート107と一体的になっているカバーガラス104を、外周面に角状の突起が円柱状の周囲に満遍なく突設された一対の圧潰ローラ管を通過させることによって、ガラスを圧潰する。その後、圧潰されたガラス面に支持ローラに対向して外周面に軸方向に等間隔で複数の凸状部が突設された円柱状の掻落しローラを回転させ、圧潰された塊状にヒビ割れたガラスのガラス片を前述の掻落しローラの凸状部で掻き落とすようにしたガラス分離装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5714741号公報
特開2022-170953号公報
【非特許文献】
【0006】
廃棄物資源循環学会誌 Vol.30 No.6 2019年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術のガラスの剥離装置には、次のような課題があった。すなわち、特許文献1に記載のガラス分離装置は、一方の面に封止材105Bで太陽電池セル102と配線材106がバックシート103に貼り付けられており、カバーガラス104が一対の圧潰ローラで圧潰されて送られ、水平な軸位置に対向配置された支持ローラ30と掻落しローラ40の対の間を直交するように通すので、圧潰されたガラスの割れ目がしまった状態でのガラスの掻き落しをすることになる。このため、割れ目に突起(掻落し刃)を引っ掛けた効率的な掻き落しは困難であった。実際に同様の構成の装置を製作し実験に供したところ、カバーガラス104全体に対する剥離できたカバーガラス104は、約40%であり、さらに、この剥離したカバーガラス104には、封止材105Aや封止材105Aを含めた太陽電池セル102が付着しているものが含まれ、この割合は剥離したカバーガラス104の約60%にも及んだ。このため、カバーガラス104のみの回収率は、全体のカバーガラス104の約16%にとどまった。
【0008】
そこで、本発明の発明者らは特許文献2に示すように、割れて塊状となったカバーガラス104を有するパネルアセンブリ101をガラス面側から加熱し、駆動ローラの回転する外周面に沿ってパネルアセンブリ101の樹脂シート107が接触するように巻き付け、割れたカバーガラス104の割れ目に剥離ローラの突起(掻落し刃)を引っ掛けながらカバーガラス104を樹脂シート107から剥離する塊状割りガラスの剥離装置を提案した。この結果、カバーガラス104全体に対する剥離できたカバーガラス104は、90%以上となり剥離効率は大幅に向上した。
【0009】
一方で、カバーガラス104の割れ目に剥離ローラの突起(掻落し刃)を引っ掛け、ガラス塊を剪断ではなく回転して倒すように割裂し剥離することで剥離しやすくなり、剥離したガラス片104cには封止材105Aや封止材105Aを含めた太陽電池セル102が付着しているものも大幅に減少したが、未だ約20%程度含まれており、更に一層封止材等で接着されたカバーガラス104をこの封止材105Aや太陽電池セル102を含まない状態で効率的に分離することが求められていた。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するために提案したものであり、割れて塊状となったカバーガラス104の割れ目に突起(掻落し刃)が引っ掛けられやすく、封止材105Aや太陽電池セル102を含まない状態のガラスのみを効率よく剥離、回収することが可能な塊状割りガラスの剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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